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30 一発逆転なんだけど展開が早い
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由紀の腕の中で混乱しながらも状況を整理する。えーっと、好きな人聞かれて、半ギレでお前だよと叫んで、両想いだねって言われて?
両想いって、アレだよな? お互いにお互いを好いているってことで合ってるよな?
つまり……。
「派手だけど純粋で可愛いって俺のこと!?」
「うん、そのまんまだよね」
思わず叫ぶと、頭上から甘い声が返ってくる。その声にいちいちときめく俺の心臓、ちょっと落ち着け。
いや、つーかそのまんまってことはねーだろ。俺だって由紀の言っていた好きな相手が男って聞いた時に、もしや俺かと思ったよ。ちょうどあの時学校で由紀と親しくしていた男といえば俺だけだったし。けど、自分を純粋で可愛いとは思わなかったし、俺ではないだろうって結論に達したから深く考えなかった。
でも改めてそれが俺なのだと言われると、急に照れ臭くなるっていうか……由紀には俺がそう見えてるってことだろ?
「いやでも……可愛いはないだろ」
俺は小柄でもなければ最近よく聞く男の娘みたいに女の子と見紛うような可愛い容姿でもない。どう見たって男だ。性格も別に可愛いといわれるようなところはないはずなんだが。
「可愛いよ」
「っ!」
可愛いなんて、俺にとって言われて嬉しい言葉じゃないはずなのに、由紀に言われるとなんだかむずむずして胸がいっぱいになる。もう全身が、心が喜んでいる。あー、俺由紀のことすげぇ好きなんだな。
それで、由紀も俺のことが……。
想定外の展開に混乱していた頭が落ち着いてくると、両想いという言葉を実感してじわじわと顔に熱が集まってくる。
多分、俺の顔は真っ赤だと思う。抱き締められているおかげで由紀からは見えないからよかった。
「ねぇ、裕也こっち向いて?」
がしかし、そう言われて反射で顔を上げてしまった。
嬉しそうに口元を弓形にした由紀が、目を細めて俺を見つめている。
「ふふ、真っ赤で可愛くて、美味しそう」
「かわっ……え? 美味しそう?」
不穏なワードが聞こえたと思ったら由紀の顔が視界いっぱいに広がる。目を閉じる間もなく軽いリップ音が耳に響いた。唇には一瞬の柔らかな感触。
突然のことに驚いて、え? と声を発そうとしたが、それは音になることなく由紀の唇に吸い込まれていった。先ほどの柔らかな感触が今度は俺の唇を包む。そのままぬるりとしたものが口の中に侵入してきて、突然のことに何の反応もできない俺の舌をくすぐってきた。初めての感覚に、俺の頭は大パニックだ。
くちゅり……と濡れた音がして、俺はやっと自分が由紀に深く口付けられているということを認識した。
待って、俺これファーストキスなんだけど! いや、さっきの一瞬のやつがファーストキス? だとしてもセカンドでいきなりこれはハイレベルすぎない!?
チャラいチャラいと言われながらも俺は全くの未経験者。前世からずっと清いままきたのでピュアさに限っては筋金入りである。どう反応するのが正解かもわからずガッチガチに固まってしまう。
そんな俺の状態に気付いているのかいないのか、由紀はゆっくりねっとり俺の口内を味わっている。
それがだんだん心地よくなってきて、身体から力が抜けていく。
気付いたら後頭部に回っていた由紀の右手が耳を、首を指でなぞる。くすぐったいはずなのに、それすらも気持ちいい。
なんだこれは。どうなっているんだ。これからどうなるんだ俺は。
そのまましばらく好き勝手にされた後、ちゅ、という音と共に唇が離れる。でも、まだお互いの吐息が顔にかかるくらい至近距離のままで。
「ね、裕也、舌出して?」
あからさまな欲のこもった瞳で見つめられ。
「ちょっと待て!!」
完全にキャパオーバーになった俺は、半泣きになって自分の唇を両手でガードした。
「俺、これ、ファーストキス!」
そして、なんとも情けない事実を叫んでしまった。
両想いって、アレだよな? お互いにお互いを好いているってことで合ってるよな?
つまり……。
「派手だけど純粋で可愛いって俺のこと!?」
「うん、そのまんまだよね」
思わず叫ぶと、頭上から甘い声が返ってくる。その声にいちいちときめく俺の心臓、ちょっと落ち着け。
いや、つーかそのまんまってことはねーだろ。俺だって由紀の言っていた好きな相手が男って聞いた時に、もしや俺かと思ったよ。ちょうどあの時学校で由紀と親しくしていた男といえば俺だけだったし。けど、自分を純粋で可愛いとは思わなかったし、俺ではないだろうって結論に達したから深く考えなかった。
でも改めてそれが俺なのだと言われると、急に照れ臭くなるっていうか……由紀には俺がそう見えてるってことだろ?
「いやでも……可愛いはないだろ」
俺は小柄でもなければ最近よく聞く男の娘みたいに女の子と見紛うような可愛い容姿でもない。どう見たって男だ。性格も別に可愛いといわれるようなところはないはずなんだが。
「可愛いよ」
「っ!」
可愛いなんて、俺にとって言われて嬉しい言葉じゃないはずなのに、由紀に言われるとなんだかむずむずして胸がいっぱいになる。もう全身が、心が喜んでいる。あー、俺由紀のことすげぇ好きなんだな。
それで、由紀も俺のことが……。
想定外の展開に混乱していた頭が落ち着いてくると、両想いという言葉を実感してじわじわと顔に熱が集まってくる。
多分、俺の顔は真っ赤だと思う。抱き締められているおかげで由紀からは見えないからよかった。
「ねぇ、裕也こっち向いて?」
がしかし、そう言われて反射で顔を上げてしまった。
嬉しそうに口元を弓形にした由紀が、目を細めて俺を見つめている。
「ふふ、真っ赤で可愛くて、美味しそう」
「かわっ……え? 美味しそう?」
不穏なワードが聞こえたと思ったら由紀の顔が視界いっぱいに広がる。目を閉じる間もなく軽いリップ音が耳に響いた。唇には一瞬の柔らかな感触。
突然のことに驚いて、え? と声を発そうとしたが、それは音になることなく由紀の唇に吸い込まれていった。先ほどの柔らかな感触が今度は俺の唇を包む。そのままぬるりとしたものが口の中に侵入してきて、突然のことに何の反応もできない俺の舌をくすぐってきた。初めての感覚に、俺の頭は大パニックだ。
くちゅり……と濡れた音がして、俺はやっと自分が由紀に深く口付けられているということを認識した。
待って、俺これファーストキスなんだけど! いや、さっきの一瞬のやつがファーストキス? だとしてもセカンドでいきなりこれはハイレベルすぎない!?
チャラいチャラいと言われながらも俺は全くの未経験者。前世からずっと清いままきたのでピュアさに限っては筋金入りである。どう反応するのが正解かもわからずガッチガチに固まってしまう。
そんな俺の状態に気付いているのかいないのか、由紀はゆっくりねっとり俺の口内を味わっている。
それがだんだん心地よくなってきて、身体から力が抜けていく。
気付いたら後頭部に回っていた由紀の右手が耳を、首を指でなぞる。くすぐったいはずなのに、それすらも気持ちいい。
なんだこれは。どうなっているんだ。これからどうなるんだ俺は。
そのまましばらく好き勝手にされた後、ちゅ、という音と共に唇が離れる。でも、まだお互いの吐息が顔にかかるくらい至近距離のままで。
「ね、裕也、舌出して?」
あからさまな欲のこもった瞳で見つめられ。
「ちょっと待て!!」
完全にキャパオーバーになった俺は、半泣きになって自分の唇を両手でガードした。
「俺、これ、ファーストキス!」
そして、なんとも情けない事実を叫んでしまった。
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