前世の俺みたいだと思っていたけど全然違った件

某千尋

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31 止まらなかった

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 俺の恥ずかしい告白に由紀は目を見開く。
 わかってくれたか。そうだ俺は初心者なんだ。見た目はチャラいかもしれないけどまっさらなんだ。そんなに早急に段階を進めないでほしい。順を追ってくれ頼む。俺は涙目で由紀に訴える。

 しかし俺の意図は全く伝わらなかったらしい。

 由紀は少し空いた俺との距離を一気に縮め、さっきより強く俺を抱きしめてきた。

「あー……くっそかわ……」

 くっそかわってなんだ? と頭の中にクエスチョンマークを浮かべたところで、抱擁を解いた由紀が人差し指で俺の顎を持ち上げる。
 突然の顎クイに動揺して反応が遅れてしまい、何か言う前に、勢いよく唇を塞がれた。

 由紀の舌はさっきよりも乱暴に、執拗に俺の口内を貪る。

「ふっ……んっ」

 初心者マークな俺は目を白黒させながらも由紀に強制的に官能を刺激され、気持ち良さから喘ぎ声をこぼしてしまう。
 頭はだんだんボーッとしてくるのにわずかに冷静さが残っていて、自分の声も由紀にされるがまま脱力していく身体も恥ずかしく感じていた。なんとか距離を取ろうと由紀の胸を叩くけれど微動だにしない。そういやこいつ隠れマッチョだった。

「もっ……やめっ」

 何とか静止しようとするも、由紀の猛攻は止まない。
 舌を絡めとられ、吸われ、自分の唇と由紀の唇の境目がわからなくなるくらいキスを重ねて。
 よく考えたら好きだから抵抗しなくてもいいんじゃないか、このまま委ねてもいいんじゃないかと脳が思考を放棄して蕩け始めた頃。

 俺の腰に添えられていた由紀の手があやしく動き出した。
 なんだか腰のあたりがくすぐったいと思っていたら、いつのまにか由紀の左手が服の中に入り込んで俺の腰を撫であげる。そしてその手がそのままするすると上へ進んでいく。

 ここで俺は初めて貞操の危機を感じ、活動を止めようとしていた脳が緊急事態を察知したのか覚醒した。

「ちょっと待て! とにかくストップ!!」
 
 渾身の力で由紀の胸を押し、ようやく動きが止まった。
 しかし俺を見る由紀は不思議そうに首を傾げる。

「どうしたの? 裕也」

 その声はいつもよりなんかエロい。少し気怠げに発せられた声にドギマギしてしまう。由紀の目には未だ欲が篭っていて、じっと見つめられるのに耐えられず目を逸らす。

「さっきも言ったけど、俺こういうの初めてだし、いくらなんでもちょっと展開が早すぎねぇ?」

 キスで終わるならば、まあよしとしよう。俺が密かに憧れていた甘酸っぱいキスでは全くなかったけど、由紀とキスするのは……やっぱ嬉しいし。というか、キスってこんなに気持ちいいんだな。
 けど、さすがにその先に進むのは早すぎる思うんだ、うん。

「でも裕也」

 そうぽつりと言った由紀の右手が俺の中心をさらりと撫でる。

「ちょっ…….」

「勃ってるよ?」

「!!!!!」

 悲しいかな、俺の意志に反して俺の愚息は欲望に忠実だった。さんざん官能をくすぐられたせいか、知らぬ間に臨戦態勢を整えていた。

「いやでも」

「このままじゃ苦しいよね?」

「ふぁっ」

 これはただの生理現象なんだ、ちょっと話をしようと言おうとしたのに、その前に服越しに俺の分身が握られる。そのまま擦りあげられ、思わず声が漏れる。
 いやダメだって俺、流されるな俺、そう思って由紀の手を掴むがゆるゆると刺激を与えられ、うまく手に力が入らない。

「ほら、俺も……」

 由紀の手を掴んだ手を逆に掴まれ、由紀のモノへ導かれる。
 そこは俺と同様、完全にビンビンでした。しかもなんか、俺よりだいぶでかい気が……。

「大丈夫だよ裕也、いきなり突っ込んだりしないから、一緒に擦り合いっこしよう?」

 由紀から逸らして俯いていた顔を覗き込まれ、囁くような声で唆される。欲望を隠す気もないのか、由紀の目は完全に捕食者のそれだった。
 そして由紀の目に映った俺は、自分でも見たことないようなとろんと蕩けた顔をしていて、こんな顔を晒していたのかと衝撃を受ける。
 
「ダメ?」

 そのまま由紀の顔が近付いてくる。このままキスしたら流されてしまう、頭からバリバリ食べられてしまう。まだ心の準備ができていないって言って拒否しないと。そう思うのに、まだ早いと思うのに、俺は目を閉じてしまった。

 ゆっくりと唇が重なり、俺はそのまま押し倒された。
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