ガチケモナーは猫耳男子を許せない

某千尋

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「あっ、んぁっひぁっ」

 ユージーンは快感に翻弄されていた。
 静止を無視して下半身を露出させられ、文句を言おうと口を開こうとすれば口を塞がれ。
 気付けば再び意識がぼんやりと蕩けて陰茎への愛撫を受け入れていた。

「とろとろだね、ユージーン」

 乱れるユージーンの顔を食い入るように見つめながら、ユージーンの中心を苛むヴァイツ。
 先端から漏れ出る雫をその指に絡ませ、ぐちゅぐちゅと音を鳴らしながら、その快感に、時折思い出す羞恥に、くるくると表情を変えるユージーンを一瞬たりとも見逃さないように。

「あぁ、ずっと見ていたい。でも、もっと気持ち良くなりたいよね? ユージーン」

「んぁっ、こ、これいじょ……う?」

「こんなのまだまだ序の口だよ。私に任せて」

 潤んだ瞳でヴァイツを見上げるユージーンに、閨の知識はほとんどない。閨教育など受けていなかったし、人との接触を嫌っていたユージーンは、性的なことに興味がなかったから。
 だからヴァイツになされるがまま。他人から与えられる初めての快楽に、自分の状況を正確に理解できていなかった。

 いつの間にか肌けさせられていたユージーンの上半身。ヴァイツは乱れてぐしゃぐしゃになって絡まっていた布を剥ぎ取ると、現れたぽつんと小さな二つの粒にしゃぶりつく。

「なっ、く、くすぐったい…っ! なんで、そんなとこ!」

 くすぐったさに身を捩るも、ヴァイツはそれを無視してユージーンの乳首をしゃぶり続ける。舐め上げ、転がし、甘噛みし。すると、ユージーンは次第にくすぐったさとは異なる感覚が生まれてくるのを感じた。

「ふっ、なに……っこれっ」

「気持ち良くなってきたみたいだね。ふふ、あんなに慎ましやかだったのに、こんなにぷっくり膨らんで」

 勃ち上がったぷるぷるの淡いベージュの乳首を、ヴァイツは少し強めに噛む。瞬間あげられる嬌声にさらに興奮したヴァイツは、その唇をどんどんと下へ移動させていく。脇にも、腹にも、くまなく口付け、赤い所有印をつけていった。
 形のいい臍を舌で抉ると、ユージーンはビクリと背をしならせ、気を良くしたヴァイツは何度も何度もそこを抉る。

「や、そこはいやだっ」

 涙声をあげるユージーンの声を聞いて、ヴァイツはやっと顔を上げた。

「まだだ。まだだよ、こんなことで根を上げては。これからもっと気持ち良くなるんだ」

 そしてヴァイツは張り詰めて先端からだらだらと汁を垂れ流すユージーンの陰茎を口を大きく開けて咥え込んだ。

「んあ゛っ!!」

 ぬるりとした温かいものに包まれ、これまで以上の強い快感にユージーンは目を見開く。じゅぷじゅぷと卑猥な音と、ユージーンの口からその意志に反してこぼれる喘ぎ声だけが部屋に響く。

「ふっ……ぁあああっ!!」

 過ぎた快楽に訳がわからなくなっていたユージーンは、耐えきれず精を放つ。放たれた精すべてを口に含んだヴァイツは、ごくりと喉を鳴らしてそれを飲みこんだ。
 ヴァイツが己の精を飲んだと気付いたユージーンは、信じられないといった顔で呆然とするが、次の瞬間その顔は驚きに変わる。
 ユージーンの膝裏を掴んだヴァイツが、そのまま足を持ち上げたのだ。

「なっなにを!!」

 赤子のおしめを変える時のような格好をさせられ、ユージーンは目を吊り上げる。

『そろそろこっちも、準備するから』

 けれどヴァイツはヴァイツで、強い興奮の中にいた。ふぅ、ふぅと荒い息を吐きながら、完全に縦に開いた瞳孔でユージーンを見やる。そのあまりの迫力に、ユージーンは怯む。

『大丈夫、ぜったい、ぜったいきもちよくするから』

 ヴァイツは19歳の若者。愛しい人の乱れた姿に散々煽られ冷静でいられるほど、強い理性は持っていない。人間の言語を使う余裕すら無くなり、その視線は一点、ユージーンの秘された場所に注がれていた。

「やめっ」

 ヴァイツはユージーンの両足を自身の両肩に乗せ、手触りの良いまろい尻を割り開き、そこにある小さな蕾を舐め上げた。

「そんなっ、そんな汚いところを!なにを考えて!」

 そもそも、グラディア王国ではつい最近まで同性婚は認められていなかった。ただでさえ閨の知識に乏しいユージーンに、男同士の交わりの知識があろうはずがない。

 突然ヴァイツに不浄の場所を舐められたユージーンはパニックに陥った。

 そんな汚い場所をなぜ舐めるのか。なんの準備をしているのか。ぐるぐると頭の中に疑問が渦巻くが答えは出ない。

 尻穴に感じる不快な濡れた感覚から逃げようと足をばたつかせるが、疲れた身体にそこまで力は残っておらず、なんの抵抗にもならなかった。

 そうこうしているうちに、ヴァイツは次のステップへ進む。
 
「ぁぁあ゛あ゛あ゛っ!!」

 ユージーンは、最初なにが起こったか分からなかった。
 ただの出口であるはずのそこに、なにかが潜り込んだのだ。細い棒のようなそれ。一体なにがと己の下半身をうかがうと、ユージーンの尻にヴァイツの指が刺さっていた。

「なっ!なぜ!なぜそんな!」

 もはやユージーンは恐怖すら覚えていた。一体自分がなにをされようとしているのか、全くわからなかった。
 もう一度抵抗しようと足を上げると、毛並みの良いヴァイツの耳に右足の膝が当たる。

『……悪い足だ』

 そう言いながらも嬉しそうにユージーンのふくらはぎに口付ける。その愛おしそうな視線に、ユージーンはヴァイツが今おこなっていることが少なくとも愛の営みであることは理解した。けれど、だからといって恐怖心がなくなるわけではなく。

「ヴァイツ……なにをしようとしてるんだ。こ……こわいっ」

 ついにユージーンはその恐怖を口にした。助けて、と己を苛む当人であるヴァイツに助けを求める。

『大丈夫。私と繋がるための準備をしてるんだ。ユージーンのここに、私のペニスを入れるんだよ』

 言いながらヴァイツは下履きを脱ぐ。そこならボロリと現れた陰茎は、平均的な人間のそれよりずいぶんと大きかった。腹につくほどに反り返ったそれを見て、ユージーンは戦慄する。

「そっ、そんなの入るわけがない!そもそもそこはなにかを入れるところじゃない!」

『男同士はそうやって愛を交わすんだよ。大丈夫。絶対傷つけたりしない。猫のペニスには棘があるけど、猫獣人のペニスに棘はないから安心して』

「安心できるかっ!!」

 すらりとしたユージーンのモノと比べ、しっかりとカサの張った亀頭を携え、血管が浮き出る程に張り詰めた太く凶悪な陰茎。棘があるとかないとかの問題ではない。
 けれど興奮に理性がほぼ機能していないヴァイツが止まるわけもなかった。
 傷つけないという言葉どおり、丁寧に丁寧にユージーンのアナルを解いていく。

「あ゛っ!?」

 そうして見つけたユージーンの泣き所を本当にユージーンが泣くまでいじめ抜き、十分解されたそこへヴァイツのいきり勃った陰茎が当てがわれた。

『さぁ、ユージーン、ひとつになろう』

 息を呑むほど壮絶な色気を纏った微笑みを向けられ、ユージーンは一瞬反応が遅れた。
 その瞬間。

「ぁあああ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」

 ユージーンは太い杭に体を貫かれるような強い衝撃を感じた。しつこいくらい解されたおかげかそこまで痛みはなかったが、串刺しにされるとはこういうことか、とあまりの出来事に逆に冷静になった頭で考えていた。

『はぁ……あたたかい、気持ちいいよ、ユージーン。あなたのここは、私のペニスを締め付け……あぁ、そんなに欲しがってくれるんだね』

「なっ!ちがう!」

 うっとりとした顔でユージーンを見つめるヴァイツに、もうユージーンの声は届いていない。

『だいじょうぶ、ゆっくりするから、まずは……ゆっくり』

 ヴァイツは、自分に言い聞かせるようにぶつぶつ呟く。彼にとっても初めての交わりだった。ゆえに、ユージーンと同じく余裕などない。
 ユージーンを思えばもっと馴染むまで大人しくしていなければならないが、あまりの気持ちよさに腰が揺れるのを止められない。

「ひぁあんっ」

 そして耐えきれず揺れている最中にユージーンの弱いところを刺激してしまい、普段のユージーンからは想像もつかない高く儚く、甘い喘ぎ声を聞いた時。

 僅かに残っていたヴァイツの理性は、はち切れた。
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