7 / 74
初恋は・・・
「私(ひと)の話を聞け!」
しおりを挟む
あいつにお弁当を持って行かなくてよくなった私は、予鈴が鳴る前に登校すればいい。あいつがお弁当を食べる時間を考えて早めに家を出る必要がないからだ。
それなのに彼氏と別れて第一日目はいつもの習慣で早く家を出てしまった。
せっかく、ゆっくりできるのに駄目だな。
寄り道する気も起きず、気付いたら学校で、無意識にあいつの入っているテニス部の部室に向かいそうになっていた。
まずい。習慣って怖い。
意識しないと今までと同じことをしてしまう。
テニス部の部室まであいつを迎えに行って、一緒に教室まで向かって、教室であいつは私のお弁当を食べる。
それも今日からはない。
あいつにとって私はどうでもいい存在だったから、あいつは気にも留めなかった。他の男に私を差し出したんだから、あいつに捨てられたと言える。
欝々とした気分で教室に着く。まだ誰も来ていないのを自分の席まで行って着席する。
あいつと一緒に教室に来たら、まばらにクラスメイトがいて挨拶をしながらあいつの席に行った。
・・・。
今日はもう、SHRが始まるまで寝てよう。
あいつと話すことも、あいつのことを友達と話すことも気まずくてやりたくない。
私は自分の席でふて寝した。
「実花、弁当は?」
肩を揺さぶられて、目が覚めるとあいつがいて開口一番これだった。
弁当はって、私はあんたの弁当当番じゃない。
やっぱり、こいつにとって私は弁当しか価値がないのだなと思う。
部室まで迎えに行かなかったこととか、夏川先輩の家での事とか、聞いてこない。
そう言えば、置き去りにされてから初めての接触がこれだ。
気遣うメールすらくれなかった。
こいつにとって私って、本当にどうでもいい存在なんだと改めて実感させられる。
「あんたの分はない」
「どうしたんだよ? なんで、今日はないんだよ」
こいつには意味が分からないらしい。
自分が何をして、何をしなかったのか気付いてもいないらしい。
そんな私とこいつの言い争いをクラスメイトが遠目に見守っている。
「あんたは私の彼氏じゃない。従って、私はあんたにお弁当を作る義理もない」
「あのことは悪かったよ。俺だって、悪いと思っているんだ。気に障ったのはわかったから、許してくれよ」
ようやく思い当たったらしい。
本当に私のことがどうでもいいんだな!
「あんなことしておいて、許せると思ってんの?!」
「あ、あれは・・・。仕方がなかったんだ」
教室の入り口がざわめく。
私はこいつに言っておきたいことがあるから、それがなんなのか確認できない。
「じゃあ、これも仕方ないわよね」
「実花ちゃんがお弁当持って来てくれなかったから、来てしまったよ」
ややこしいの来たー!
教室の入り口が騒がしいと思ったら夏川先輩だった。
「なんで夏川先輩にお弁当を持って行かなきゃいけないんですか?」
「春原と付き合っている時だけ? 今、付き合っている僕には駄目なのかい?」
相性が良かったら付き合おうって言っていたけど、私に拒否権はないの?!
付き合いたくないって言ったよね?
夏川先輩はどう見てもセフレが欲しいだけだから嫌だって言ったよね、私。
「実花、夏川先輩と付き合っているって?! 浮気したのは俺が悪かったが、夏川先輩に乗り換えるのは早すぎだ!」
ちょっと待て!
私たち、もう付き合っていないのに何言い出すの。
と、こいつは浮気したことしか悪いと思っていないか! 私を夏川先輩に差し出したことを本心から悪いとは思っていないんだな?
よろしい。ならば、完っ全に縁を切ってやる。
また付き合うことなんか論外だったけど、存在をなかったことにするほどだとは思わなかった。
そうと決めたら、夏川先輩(こっち)のほうをなんとかしなきゃ。
「ちょっと、待ってください! 私と夏川先輩、付き合っていませんよね?」
「付き合っているよ。朝寝坊して、僕の好きなおかずが作れなかったからって、ひどいこと言うな~。実花ちゃんは」
付き合わないかとは言われたけど、断ったでしょ?
なんで付き合っていると思っているんだ、この人・・・。
それに勝手に私(ひと)を朝寝坊したってことにしないで。今日だって私の分のお弁当は作ってきているんだから。
「彼氏じゃないからお弁当を作らなかっただけよ!」
「恥ずかしがらなくてもいいのに」
「恥ずかしがっているんじゃありません。他の女子の嫉妬から守ってくれそうにない夏川先輩とは付き合えないと言いましたよね?」
「僕の好物を入れたお弁当を作ってくれるとは言ってくれたじゃないか」
「そんな約束していません!」
お弁当を作る約束どころか、付き合うかどうか言い出す前から、あんたが入れてくれと言い続けただけだ。
「ひどい。俺を捨てて、夏川先輩に乗り換えるなんて・・・!」
ひどいのは浮気した挙句、私を慰謝料として夏川先輩に差し出したあんただ!!
「乗り換えてないって! 私(ひと)の話を聞いて!」
「振られた者同士付き合うことになっただけだ」
セフレは嫌だって!!
「私(ひと)の話を聞け! 私はどっちも付き合っていないって言ってるでしょ!」
私(ひと)の話を聞かない奴らに私はこれ以降も悩まされることになる。
それなのに彼氏と別れて第一日目はいつもの習慣で早く家を出てしまった。
せっかく、ゆっくりできるのに駄目だな。
寄り道する気も起きず、気付いたら学校で、無意識にあいつの入っているテニス部の部室に向かいそうになっていた。
まずい。習慣って怖い。
意識しないと今までと同じことをしてしまう。
テニス部の部室まであいつを迎えに行って、一緒に教室まで向かって、教室であいつは私のお弁当を食べる。
それも今日からはない。
あいつにとって私はどうでもいい存在だったから、あいつは気にも留めなかった。他の男に私を差し出したんだから、あいつに捨てられたと言える。
欝々とした気分で教室に着く。まだ誰も来ていないのを自分の席まで行って着席する。
あいつと一緒に教室に来たら、まばらにクラスメイトがいて挨拶をしながらあいつの席に行った。
・・・。
今日はもう、SHRが始まるまで寝てよう。
あいつと話すことも、あいつのことを友達と話すことも気まずくてやりたくない。
私は自分の席でふて寝した。
「実花、弁当は?」
肩を揺さぶられて、目が覚めるとあいつがいて開口一番これだった。
弁当はって、私はあんたの弁当当番じゃない。
やっぱり、こいつにとって私は弁当しか価値がないのだなと思う。
部室まで迎えに行かなかったこととか、夏川先輩の家での事とか、聞いてこない。
そう言えば、置き去りにされてから初めての接触がこれだ。
気遣うメールすらくれなかった。
こいつにとって私って、本当にどうでもいい存在なんだと改めて実感させられる。
「あんたの分はない」
「どうしたんだよ? なんで、今日はないんだよ」
こいつには意味が分からないらしい。
自分が何をして、何をしなかったのか気付いてもいないらしい。
そんな私とこいつの言い争いをクラスメイトが遠目に見守っている。
「あんたは私の彼氏じゃない。従って、私はあんたにお弁当を作る義理もない」
「あのことは悪かったよ。俺だって、悪いと思っているんだ。気に障ったのはわかったから、許してくれよ」
ようやく思い当たったらしい。
本当に私のことがどうでもいいんだな!
「あんなことしておいて、許せると思ってんの?!」
「あ、あれは・・・。仕方がなかったんだ」
教室の入り口がざわめく。
私はこいつに言っておきたいことがあるから、それがなんなのか確認できない。
「じゃあ、これも仕方ないわよね」
「実花ちゃんがお弁当持って来てくれなかったから、来てしまったよ」
ややこしいの来たー!
教室の入り口が騒がしいと思ったら夏川先輩だった。
「なんで夏川先輩にお弁当を持って行かなきゃいけないんですか?」
「春原と付き合っている時だけ? 今、付き合っている僕には駄目なのかい?」
相性が良かったら付き合おうって言っていたけど、私に拒否権はないの?!
付き合いたくないって言ったよね?
夏川先輩はどう見てもセフレが欲しいだけだから嫌だって言ったよね、私。
「実花、夏川先輩と付き合っているって?! 浮気したのは俺が悪かったが、夏川先輩に乗り換えるのは早すぎだ!」
ちょっと待て!
私たち、もう付き合っていないのに何言い出すの。
と、こいつは浮気したことしか悪いと思っていないか! 私を夏川先輩に差し出したことを本心から悪いとは思っていないんだな?
よろしい。ならば、完っ全に縁を切ってやる。
また付き合うことなんか論外だったけど、存在をなかったことにするほどだとは思わなかった。
そうと決めたら、夏川先輩(こっち)のほうをなんとかしなきゃ。
「ちょっと、待ってください! 私と夏川先輩、付き合っていませんよね?」
「付き合っているよ。朝寝坊して、僕の好きなおかずが作れなかったからって、ひどいこと言うな~。実花ちゃんは」
付き合わないかとは言われたけど、断ったでしょ?
なんで付き合っていると思っているんだ、この人・・・。
それに勝手に私(ひと)を朝寝坊したってことにしないで。今日だって私の分のお弁当は作ってきているんだから。
「彼氏じゃないからお弁当を作らなかっただけよ!」
「恥ずかしがらなくてもいいのに」
「恥ずかしがっているんじゃありません。他の女子の嫉妬から守ってくれそうにない夏川先輩とは付き合えないと言いましたよね?」
「僕の好物を入れたお弁当を作ってくれるとは言ってくれたじゃないか」
「そんな約束していません!」
お弁当を作る約束どころか、付き合うかどうか言い出す前から、あんたが入れてくれと言い続けただけだ。
「ひどい。俺を捨てて、夏川先輩に乗り換えるなんて・・・!」
ひどいのは浮気した挙句、私を慰謝料として夏川先輩に差し出したあんただ!!
「乗り換えてないって! 私(ひと)の話を聞いて!」
「振られた者同士付き合うことになっただけだ」
セフレは嫌だって!!
「私(ひと)の話を聞け! 私はどっちも付き合っていないって言ってるでしょ!」
私(ひと)の話を聞かない奴らに私はこれ以降も悩まされることになる。
11
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる