生まれる前から

プラネットプラント

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赤ちゃんたち

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 お母さんたちが不思議がっている時、赤ちゃんたちも思念でおしゃべりをしていた。

「なんで、生まれないの?」

 産み月が近付いて来た女の子は言った。今まで、お母さん同士がおしゃべりをしている間、思念で話していた仲良しが生まれないことを彼女も不思議がっていた。

「私が生まれたら、あなたが独りぼっちになってしまうでしょう?」

 彼が独りぼっちにしたくなかったのが原因だったようだ。

「わたしもすぐ生まれるから、平気よ」

 そう言って、彼女は宥める。

「しばらく話しができなくなります」

「それだって、二年くらいだわ」

「二年も話せないなんて、耐えられません」

「会えないわけではないのよ。あなたとわたしのお母さまは友達のようだし、今までのように話せないだけよ」

「それが嫌なのです。私はあなたともっと話していたい」

「話すにしても、お母さまたちが会えないと話せないでしょう? でも、今のままなら、あなたのお母さまの命が危ないからもう会えないかもしれない。そうなったら、あなたとはもう話せなくなってしまうわ」

 彼は考え込んだ。

「・・・・・・・・・わかりました。生まれます。生まれたら、また話してくれますよね? いっぱい話せますよね? ずっと一緒にいてくれますよね?」

「わかったわ。また一緒に話しましょう」

「ずっと一緒にいてくれますよね?」

 圧を感じて彼女はよくわからないまま頷く。

「ずっと一緒? ・・・うん、一緒にいる」

 彼女は生まれる前から執着してくる幼馴染と結婚することになるなど予想だにしていなかった。
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