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冒険者編~下~
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元勇者に王位を譲らせた私は、それを王女だった時の兄弟に委ねました。
王女だった時の兄弟は王太子として、教育を受けていました。
貴族だった時の私も、夫の留守中は領地を治めていましたが、その時と時代も規模も違いすぎます。
本来、治めるべきだった人物が治めるほうが良いでしょう。
ですが、そんなことを知らない新王(予定)は、私たちに聞きました。
「何故、僕に王位を譲ろうとするんだ? 自ら、玉座に就けばいいじゃないか」
そうなりますよね~。
「信じられないかもしれませんが、私は殺された王女マリオンの生まれ変わりです」
「マリオンの?!」
「はい。あなたの姉妹のマリオンです。そして、リオンは護衛騎士だったマリオン卿の生まれ変わりです」
「マリオンだけでなく、マリオン卿も生まれ変わっていたのか」
信じられない告白が立て続けにされて、呆然我失といった様子の呟きに、私の横でリオンが相槌を打ちます。
「はい」
「・・・」
新王(予定)は私たちをまじまじと見た後、現状を諦めて受け入れてくれたようです。がっくり、肩を落として、何とも言えない表情をしています。
「陛下。わたしたちの過去はそれだけではありません」
私はこれで終わったと思いましたが、リオンは違うようです。
「マリオンとマリオン卿以外の過去もあるのか?」
「勇者リオンとその妻コレット。勇者マリオンとその妻エステル。わたしたち夫婦は4度目の人生なのです」
「! なんと、二人は二回も夫婦だったのか! ・・・いや、勇者リオンと勇者マリオンはそれぞれその国の王女と結婚したはず・・・」
「殺されて偽者に成り代わられたのと、無理矢理、結婚させられて、元凶の王女を殺した時ですね。話は変わりますが、殿下の結婚相手があの屑になった経緯を教えてください。何故、なんですか?! 家格も変わらないし、功績はわたしのほうがあったでしょう」
それは私も気になります。
浮気男との結婚も、どっちも。
何故、マリオン卿ではなく、あんな浮気男と結婚させたのか。
死んでも死にきれない気持ちでした。
父王ではなくても、王太子だった兄弟なら、その裏事情は知っている筈です。
「なんということだ・・・。歴史が書き換えられていたなんて・・・」
「歴史なんて、そんなものです。殿下が殺されて不貞の汚名を着せられたように」
勇者の前妻がいなかったことにされたように。
「そうだったな。縁談の話だがな。マリオンがマリオン卿に嫁いだ場合、どうなると思う? 『マリオン』と読んだら、二人が返事することになったんだぞ」
「そんなくだらない理由で・・・!」
完全に同意します。
「マリオンが殺されてから、父上だって後悔したんだぞ! あんな屑に嫁がせるんじゃなかったって」
「「・・・」」
殺されてからじゃ遅い。多分、リオンの気持ちも同じだったでしょう。
「だがな。勇者の妻は聖女だから、殺してはいけないことは、あの屑も知っていたはずなんだ」
「!!!」
「どういうことですか?!!」
思わず、私の口から言葉が飛び出ました。
死んでいなければ治せる超治癒術も、私が聖女だからできたことだったのでしょうか?
でも、護衛騎士を回復することはできなくて、死なせてしまいましたが・・・。
「勇者は生まれた時から勇者ではない。聖女と結婚した者が勇者になる、と各国の王家に伝えられている」
リオンが新王の言葉を引き継ぎます。
「妻を殺して後妻に入った王女を殺した時にわたしがそう言いました。各国に伝えられていて、安心しましたよ。ですが、あの屑は妻が聖女だと知っていて殺した、救いようがない屑でしたか」
「「・・・」」
新王と共に完全同意です。
それにしても、リオンが妻が聖女だと出まかせを言っていたようなので、死んでいなければ治せる超治癒術と聖女は関係なかったようです。
「殿下を裏切って殺しただけでも許せないのに、聖女だとわかっていて殺したなど、救いようがありません」
「「・・・!」」
リオンの殺意の波動に私と新王(前世の兄弟)は手を握り合って、震えました。
ここに! ここに魔王がいます!!
誰か、勇者を!
って、勇者は私でしたね。
無理です!
元勇者×2回の魔王は勇者1回目のひよっこでは倒せません!
◇◆
「ここにいたのか」
「あ。リオン」
魔王を倒し、浮気者大勝利の国も正した私たちはかつて勇者リオンと妻コレットが暮らしたような田舎の村で暮らしています。
魔王が死んでも、魔物は消えたりしません。
街中ではでなくなっても、自然の多い田舎では普通にいます。
「もう、一人の身体じゃないんだから、森に出かけるのは止めてくれ」
「だって、私は勇者なのよ」
「元勇者だ。あの治癒術も使えなくなったんだし、自重してくれ」
そうです。
あの死んでいなければ治せる超治癒術、リオンと結婚したら使えなくなったんです。
聖女の力はただし、純潔に限る、らしかったです。
「は~い」
不貞腐れたような返事をしますが、すぐにリオンがここにいることが嬉しくて、笑顔になってしまいます。
「叱られて喜ぶなんて、どうしたんだ?」
「だって、魔王が倒されて、あなたとこうして過ごせるなんて、4回目で初めてよ」
王女だった時の兄弟は王太子として、教育を受けていました。
貴族だった時の私も、夫の留守中は領地を治めていましたが、その時と時代も規模も違いすぎます。
本来、治めるべきだった人物が治めるほうが良いでしょう。
ですが、そんなことを知らない新王(予定)は、私たちに聞きました。
「何故、僕に王位を譲ろうとするんだ? 自ら、玉座に就けばいいじゃないか」
そうなりますよね~。
「信じられないかもしれませんが、私は殺された王女マリオンの生まれ変わりです」
「マリオンの?!」
「はい。あなたの姉妹のマリオンです。そして、リオンは護衛騎士だったマリオン卿の生まれ変わりです」
「マリオンだけでなく、マリオン卿も生まれ変わっていたのか」
信じられない告白が立て続けにされて、呆然我失といった様子の呟きに、私の横でリオンが相槌を打ちます。
「はい」
「・・・」
新王(予定)は私たちをまじまじと見た後、現状を諦めて受け入れてくれたようです。がっくり、肩を落として、何とも言えない表情をしています。
「陛下。わたしたちの過去はそれだけではありません」
私はこれで終わったと思いましたが、リオンは違うようです。
「マリオンとマリオン卿以外の過去もあるのか?」
「勇者リオンとその妻コレット。勇者マリオンとその妻エステル。わたしたち夫婦は4度目の人生なのです」
「! なんと、二人は二回も夫婦だったのか! ・・・いや、勇者リオンと勇者マリオンはそれぞれその国の王女と結婚したはず・・・」
「殺されて偽者に成り代わられたのと、無理矢理、結婚させられて、元凶の王女を殺した時ですね。話は変わりますが、殿下の結婚相手があの屑になった経緯を教えてください。何故、なんですか?! 家格も変わらないし、功績はわたしのほうがあったでしょう」
それは私も気になります。
浮気男との結婚も、どっちも。
何故、マリオン卿ではなく、あんな浮気男と結婚させたのか。
死んでも死にきれない気持ちでした。
父王ではなくても、王太子だった兄弟なら、その裏事情は知っている筈です。
「なんということだ・・・。歴史が書き換えられていたなんて・・・」
「歴史なんて、そんなものです。殿下が殺されて不貞の汚名を着せられたように」
勇者の前妻がいなかったことにされたように。
「そうだったな。縁談の話だがな。マリオンがマリオン卿に嫁いだ場合、どうなると思う? 『マリオン』と読んだら、二人が返事することになったんだぞ」
「そんなくだらない理由で・・・!」
完全に同意します。
「マリオンが殺されてから、父上だって後悔したんだぞ! あんな屑に嫁がせるんじゃなかったって」
「「・・・」」
殺されてからじゃ遅い。多分、リオンの気持ちも同じだったでしょう。
「だがな。勇者の妻は聖女だから、殺してはいけないことは、あの屑も知っていたはずなんだ」
「!!!」
「どういうことですか?!!」
思わず、私の口から言葉が飛び出ました。
死んでいなければ治せる超治癒術も、私が聖女だからできたことだったのでしょうか?
でも、護衛騎士を回復することはできなくて、死なせてしまいましたが・・・。
「勇者は生まれた時から勇者ではない。聖女と結婚した者が勇者になる、と各国の王家に伝えられている」
リオンが新王の言葉を引き継ぎます。
「妻を殺して後妻に入った王女を殺した時にわたしがそう言いました。各国に伝えられていて、安心しましたよ。ですが、あの屑は妻が聖女だと知っていて殺した、救いようがない屑でしたか」
「「・・・」」
新王と共に完全同意です。
それにしても、リオンが妻が聖女だと出まかせを言っていたようなので、死んでいなければ治せる超治癒術と聖女は関係なかったようです。
「殿下を裏切って殺しただけでも許せないのに、聖女だとわかっていて殺したなど、救いようがありません」
「「・・・!」」
リオンの殺意の波動に私と新王(前世の兄弟)は手を握り合って、震えました。
ここに! ここに魔王がいます!!
誰か、勇者を!
って、勇者は私でしたね。
無理です!
元勇者×2回の魔王は勇者1回目のひよっこでは倒せません!
◇◆
「ここにいたのか」
「あ。リオン」
魔王を倒し、浮気者大勝利の国も正した私たちはかつて勇者リオンと妻コレットが暮らしたような田舎の村で暮らしています。
魔王が死んでも、魔物は消えたりしません。
街中ではでなくなっても、自然の多い田舎では普通にいます。
「もう、一人の身体じゃないんだから、森に出かけるのは止めてくれ」
「だって、私は勇者なのよ」
「元勇者だ。あの治癒術も使えなくなったんだし、自重してくれ」
そうです。
あの死んでいなければ治せる超治癒術、リオンと結婚したら使えなくなったんです。
聖女の力はただし、純潔に限る、らしかったです。
「は~い」
不貞腐れたような返事をしますが、すぐにリオンがここにいることが嬉しくて、笑顔になってしまいます。
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