5 / 6
5
しおりを挟む
そのうち、主様は”はな”と暮らしていた場所で交尾するようになった。
”はな”はここに主様と戻って来れて嬉しい。
主様と”はな”を探しに出かけて、主様とここに戻って来て、あの人がしてくれたように抱き締められて眠る。
主様が”はな”が”はな”だとわからないのは悲しいけど、かつて言ってくれたように”はな”を探してくれる主様が好きだ。
今日も”はな”を探して京(みやこ)を歩いて、見つけられなくて寝床に戻る。
帰ってきたら主様は仕事がなくて、鳥も魚も獲れなかった日のように座り込んだ。
”はな”は犬だった時と同じように主様の顔を下から覗き込んで言った。
「主様。”はな”はここにいるから、元気出して」
主様は犬だった時と同じように”はな”の頭を撫でる。
「ありがとな。姫さんは優しいこと言うてくれるなあ」
ほんとのことを言ってるのに、主様は”はな”が”はな”だと信じてくれないから、主様は”はな”を『姫さん』と呼ぶ。
”はな”はそれが嫌。
けど、主様は”はな”を”はな”だとは思っていないから、ずっと『姫さん』のまま。
”はな”がいくら言っても、わかってくれない。
「ほんとのことだもん」
”はな”は信じてくれないのも、『姫さん』って呼ばれるのもおもしろくない。
あの人が『姫さん』って教えてくれたのは、ズルズルした衣を着ていて、髪も引きずるほど長い人間のこと。
”はな”は犬(今は犬じゃないけど)で『姫さん』じゃない。
「なあ、姫さん。姫さんの優しさに甘えてもええか?」
主様の甘えるは交尾すること。
どうして、そうなるのかわからない。
「いいよ、主様。”はな”は主様が大好き。大好きな主様に甘えてもらえると嬉しい」
「ありがとな、姫さん」
そう言って、主様の手が衣の合わせから手を入れて乳を触ってくる。
温かくもなく、冷たくもない手で触られているのが変な感じ。
「姫さん。ここ、硬くなっとう」
触られてた乳の先が痺れるほど気持ち良くて変な声が出た。
「んんっ・・・、っあ・・・」
乳だけじゃなくて、主様を受け入れる場所がもっと気持ち良くなりたいと疼く。交尾する季節でもないのに主様と交尾したいと訴えてくる。
なんで?
主様は”はな”の交尾する季節を自由に操られるの?
硬くなった乳の先をしゃぶられる。
身体の中を快楽が走った。
「あんっ・・・、主様・・・」
もう片方の乳も揉まれたり、先を指でこねられたりする。
左右の乳から与えられる快感に”はな”は意味のない声を上げる。
「あぅ・・・、あ・・・、んんっ・・・」
強く吸われたり、舌で舐められたリ、強弱をつけられる。
指で弄られているほうも抓ったり、撫でられたり、強弱をつけられている。
けど、与えられる快感が強すぎて、少しでもそれから逃れようと身体が動いた。
主様が欲しくて、ジンジンと疼く。
”はな”の身体も頭も主様と交尾したい。
「姫さん、気持ちええか?」
「ん・・・。主様・・・」
返事をするのも一苦労な”はな”のどこが気持ち良く見えないの?
「そや、こっちも可愛がってやらんとな」
主様は指で弄っていたほうの乳に吸い付く。先っぽが避けられて、じれったい。
主様の手は”はな”の衣を脱がせていく。
快楽が押し寄せてくるのは片方の乳からだけだから、どうにか気を取り戻して言う。
「さきっぽ・・・。・・・さきっぽ、すって・・・」
「姫さん。すっかり、いやらしいこと好きになったんやなあ」
チロリと乳の先が舐められる。
「ひゃっ・・・!」
稲妻が身体の中心を駆けたような感覚に思わず声が出て、身体が跳ねた。
乳の先が主様の口に含まれ、その内側で舌と歯で弄ばれる。
主様の手がお尻や太腿を撫ぜる。そんなことをされると、ひたひたと快楽の波が打ち寄せて来る。
「主様・・・」
”はな”の身体は気持ち良すぎていっぱいいっぱい。
主様が欲しくて欲しくてたまらない。
たまらなくて、”はな”の身体はダラダラと涎を垂らす。
大好きな主様。
けど、”はな”は犬(?)で主様は人間(?)で。
交尾したら、どうなるの?
何が生まれるの?
子犬が欲しくて、犬は交尾する。
犬(?)と人間(?)の間には何が生まれるの?
主様は何が生まれてくるのかわからないのに欲しいの?
それとも、主様は人間(?)だから何も生まれないの?
主様が犬だったら、主様の子犬、欲しかったなあ。
「主様をちょうだい・・・! ”はな”、主様がほしい!」
「姫さん。こないな時まで、”はな”のふりせんでええ。”はな”やのうても、挿れたるさかい」
主様は乳から顔を上げて、苦笑して、”はな”の髪を撫でる。
「主様・・・」
”はな”の脚が広げられ、主様の性器が”はな”に入っていく。
中が苦しい。
主様でいっぱいいっぱいにしようと”はな”の中を進む。
「こうやって”はな”の中にいると安心するわ」
主様はお腹いっぱい食べた時みたいにだらけきった顔をする。
「主様ぁ。”はな”は主様でいっぱい・・・」
主様は疲れたような顔をする。
「ありがとな、姫さん。せやけど、今は”はな”のふりせんで欲しいわ」
なんで?
「主様・・・?」
”はな”が首をかしげたら、主様が「気持ち良くさせたる」と”はな”に覆いかぶさって来る。
脚を抱えられたリ、腰を抱えられて、揺らされた。
”はな”が揺らされて、中の主様が行ったり来たりする。
気持ち良い。
「あっ・・・、ああ、あ・・・、あん・・・っ」
行き場のなかった気持ち良いが沸騰して、弾ける。
”はな”の意識も弾ける。
弾けた意識が戻って来て、ふわふわした気分に包まれていたら、主様が謝ってきた。
「姫さん。ええとこの姫さんやのに、返してやれんでごめんな。儂、返しとうないんや」
謝ることは甘えて交尾させたことじゃなかった。
言われたくなかったことだ。
主様が一緒にいると言ったのに、”はな”をどこかに返すなんて言わないで欲しい。
「返さなくていいよ。”はな”は主様と一緒にいられて幸せだから」
「そないなこと言わんでええ。”はな”のふりまでせんでええよ」
「ふりじゃないよ。”はな”は”はな”だよ」
「あかん。あかんのや。姫さんは返さなあかん人や。儂と一緒にいさせたらあかん人や」
けど、主様はまだ”はな”が”はな”だってことを信じてくれない。
「”はな”はずっと主様と一緒にいるから、返そうとしないで。帰る場所は主様のとこしかないの」
「ありがとな、姫さん」
やっぱり、主様は”はな”が”はな”だってことを受け入れてくれない。
抱き締められているのにそれが悲しくて、辛い。
”はな”はここに主様と戻って来れて嬉しい。
主様と”はな”を探しに出かけて、主様とここに戻って来て、あの人がしてくれたように抱き締められて眠る。
主様が”はな”が”はな”だとわからないのは悲しいけど、かつて言ってくれたように”はな”を探してくれる主様が好きだ。
今日も”はな”を探して京(みやこ)を歩いて、見つけられなくて寝床に戻る。
帰ってきたら主様は仕事がなくて、鳥も魚も獲れなかった日のように座り込んだ。
”はな”は犬だった時と同じように主様の顔を下から覗き込んで言った。
「主様。”はな”はここにいるから、元気出して」
主様は犬だった時と同じように”はな”の頭を撫でる。
「ありがとな。姫さんは優しいこと言うてくれるなあ」
ほんとのことを言ってるのに、主様は”はな”が”はな”だと信じてくれないから、主様は”はな”を『姫さん』と呼ぶ。
”はな”はそれが嫌。
けど、主様は”はな”を”はな”だとは思っていないから、ずっと『姫さん』のまま。
”はな”がいくら言っても、わかってくれない。
「ほんとのことだもん」
”はな”は信じてくれないのも、『姫さん』って呼ばれるのもおもしろくない。
あの人が『姫さん』って教えてくれたのは、ズルズルした衣を着ていて、髪も引きずるほど長い人間のこと。
”はな”は犬(今は犬じゃないけど)で『姫さん』じゃない。
「なあ、姫さん。姫さんの優しさに甘えてもええか?」
主様の甘えるは交尾すること。
どうして、そうなるのかわからない。
「いいよ、主様。”はな”は主様が大好き。大好きな主様に甘えてもらえると嬉しい」
「ありがとな、姫さん」
そう言って、主様の手が衣の合わせから手を入れて乳を触ってくる。
温かくもなく、冷たくもない手で触られているのが変な感じ。
「姫さん。ここ、硬くなっとう」
触られてた乳の先が痺れるほど気持ち良くて変な声が出た。
「んんっ・・・、っあ・・・」
乳だけじゃなくて、主様を受け入れる場所がもっと気持ち良くなりたいと疼く。交尾する季節でもないのに主様と交尾したいと訴えてくる。
なんで?
主様は”はな”の交尾する季節を自由に操られるの?
硬くなった乳の先をしゃぶられる。
身体の中を快楽が走った。
「あんっ・・・、主様・・・」
もう片方の乳も揉まれたり、先を指でこねられたりする。
左右の乳から与えられる快感に”はな”は意味のない声を上げる。
「あぅ・・・、あ・・・、んんっ・・・」
強く吸われたり、舌で舐められたリ、強弱をつけられる。
指で弄られているほうも抓ったり、撫でられたり、強弱をつけられている。
けど、与えられる快感が強すぎて、少しでもそれから逃れようと身体が動いた。
主様が欲しくて、ジンジンと疼く。
”はな”の身体も頭も主様と交尾したい。
「姫さん、気持ちええか?」
「ん・・・。主様・・・」
返事をするのも一苦労な”はな”のどこが気持ち良く見えないの?
「そや、こっちも可愛がってやらんとな」
主様は指で弄っていたほうの乳に吸い付く。先っぽが避けられて、じれったい。
主様の手は”はな”の衣を脱がせていく。
快楽が押し寄せてくるのは片方の乳からだけだから、どうにか気を取り戻して言う。
「さきっぽ・・・。・・・さきっぽ、すって・・・」
「姫さん。すっかり、いやらしいこと好きになったんやなあ」
チロリと乳の先が舐められる。
「ひゃっ・・・!」
稲妻が身体の中心を駆けたような感覚に思わず声が出て、身体が跳ねた。
乳の先が主様の口に含まれ、その内側で舌と歯で弄ばれる。
主様の手がお尻や太腿を撫ぜる。そんなことをされると、ひたひたと快楽の波が打ち寄せて来る。
「主様・・・」
”はな”の身体は気持ち良すぎていっぱいいっぱい。
主様が欲しくて欲しくてたまらない。
たまらなくて、”はな”の身体はダラダラと涎を垂らす。
大好きな主様。
けど、”はな”は犬(?)で主様は人間(?)で。
交尾したら、どうなるの?
何が生まれるの?
子犬が欲しくて、犬は交尾する。
犬(?)と人間(?)の間には何が生まれるの?
主様は何が生まれてくるのかわからないのに欲しいの?
それとも、主様は人間(?)だから何も生まれないの?
主様が犬だったら、主様の子犬、欲しかったなあ。
「主様をちょうだい・・・! ”はな”、主様がほしい!」
「姫さん。こないな時まで、”はな”のふりせんでええ。”はな”やのうても、挿れたるさかい」
主様は乳から顔を上げて、苦笑して、”はな”の髪を撫でる。
「主様・・・」
”はな”の脚が広げられ、主様の性器が”はな”に入っていく。
中が苦しい。
主様でいっぱいいっぱいにしようと”はな”の中を進む。
「こうやって”はな”の中にいると安心するわ」
主様はお腹いっぱい食べた時みたいにだらけきった顔をする。
「主様ぁ。”はな”は主様でいっぱい・・・」
主様は疲れたような顔をする。
「ありがとな、姫さん。せやけど、今は”はな”のふりせんで欲しいわ」
なんで?
「主様・・・?」
”はな”が首をかしげたら、主様が「気持ち良くさせたる」と”はな”に覆いかぶさって来る。
脚を抱えられたリ、腰を抱えられて、揺らされた。
”はな”が揺らされて、中の主様が行ったり来たりする。
気持ち良い。
「あっ・・・、ああ、あ・・・、あん・・・っ」
行き場のなかった気持ち良いが沸騰して、弾ける。
”はな”の意識も弾ける。
弾けた意識が戻って来て、ふわふわした気分に包まれていたら、主様が謝ってきた。
「姫さん。ええとこの姫さんやのに、返してやれんでごめんな。儂、返しとうないんや」
謝ることは甘えて交尾させたことじゃなかった。
言われたくなかったことだ。
主様が一緒にいると言ったのに、”はな”をどこかに返すなんて言わないで欲しい。
「返さなくていいよ。”はな”は主様と一緒にいられて幸せだから」
「そないなこと言わんでええ。”はな”のふりまでせんでええよ」
「ふりじゃないよ。”はな”は”はな”だよ」
「あかん。あかんのや。姫さんは返さなあかん人や。儂と一緒にいさせたらあかん人や」
けど、主様はまだ”はな”が”はな”だってことを信じてくれない。
「”はな”はずっと主様と一緒にいるから、返そうとしないで。帰る場所は主様のとこしかないの」
「ありがとな、姫さん」
やっぱり、主様は”はな”が”はな”だってことを受け入れてくれない。
抱き締められているのにそれが悲しくて、辛い。
2
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
淫紋付きランジェリーパーティーへようこそ~麗人辺境伯、婿殿の逆襲の罠にハメられる
柿崎まつる
恋愛
ローテ辺境伯領から最重要機密を盗んだ男が潜んだ先は、ある紳士社交倶楽部の夜会会場。女辺境伯とその夫は夜会に潜入するが、なんとそこはランジェリーパーティーだった!
※辺境伯は女です ムーンライトノベルズに掲載済みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
義兄様と庭の秘密
結城鹿島
恋愛
もうすぐ親の決めた相手と結婚しなければならない千代子。けれど、心を占めるのは美しい義理の兄のこと。ある日、「いっそ、どこかへ逃げてしまいたい……」と零した千代子に対し、返ってきた言葉は「……そうしたいなら、そうする?」だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる