4 / 17
敵さんとの一日目
悪寒が走った理由
しおりを挟む
お姫様抱っこ状態だけど、これからお願い事をするのだから丁寧にお礼を言っておいた。
その声から感情が抜け落ちてしまうのも、今の状況なら仕方ない。身逃してもらえず、ストーキング数キロされてイケメン恐怖症になったにしては上出来だと思う。冷や汗がダラダラ出ていて、笑顔が引きつっているだろうけど、それは誰も責められない。
笑顔(引きつってる)でお礼が言えただけで社会人としてマナーは守れているはずだ。マナーの教師だって、及第点をくれるはず。
降ろしてもらえたら、まず逃げよう。
絶対、逃げよう。
走って逃げよう。
足が痛くなるまで走れば逃げられるはずだ。
みぞおちが痛くなろうが、全速力で走れば相手は何キロも移動して疲れているはず。逃げ切れないはずがない。
その為に今は恐怖を感じるようになった整った顔が30センチ以内にあるのを我慢する。
でも、逃げ出したい身体はブルブルと震えてる。
頑張れ。頑張るんだ私。
今我慢できたら、敵さんの見えないところで魔法少女の変身を解いて、別空間化機能も解除されるから通行人のふりをしてバスかタクシーで駅まで行けばどうにか自宅の最寄り駅まで帰られる。
敵を野放しにして逃亡するのは正義の味方のすることじゃないって?
正義の味方だから逃げちゃ駄目ってわけじゃない。
会ったことはなくても魔法少女は他にもいるし、悪の組織の女幹部コスチュームの正義の味方も他にいるかもしれない。私はOLだから、就業時間内には出動できない時間帯は学生か就業時間の来ていない外国のOLが戦っているんだと思う。
彼女らの要望が通ったから正義の味方(女性)のコスチュームが魔法少女や悪の組織の女幹部になったかもしれないけど、私は選択しかさせてもらえなかったけどね。
不公平だ。
悪の組織の女幹部のコスチュームは欧米の人から見た感覚だよね。自分のスタイルに自信持っていないと、あの格好は無理。あれを希望する日本人なんてほぼいない。
あれが”うっとー”のセクハラ的思考で決められていたとしたら絶対に許さない。
あ。
敵が出たら現場まで移動させてくれるように、変身を解けば自動的に出動前にいた場所に戻れるんだった。
敵さんに必殺技が効かなくて焦りすぎて忘れてた。
でも、この状態で変身を解くのは身バレする可能性もあるからできない。
当初の計画通り、敵さんの見えないところまで行って、変身を解こう。
この敵さんは私より強い正義の味方が倒してくれると信じておく。
大丈夫。
私より強い必殺技を持っている正義の味方だっていると思う。
物理的に敵さんと戦える正義の味方だっていると思う。
安心して逃げることだけに専念することにしたが――
「それはできないな」
敵さんの答えは空気を読んだものじゃなかった。
魔法少女の姿は中学生の時の私だから、それを抱き上げたまま降ろしたくないってことは・・・敵さんはロリコン?!
いくら地球の人間じゃなくて、何歳かわからない(もしかしたら、中学生より下かもしれない)生命体でも、見た目的にはロリコンだ。
中学生を抱っこしていたい変態・・・。
うん、アウト!
一発アウト!
変態は変態でも害のない変態ならともかく、ロリコンはアカンやつだ。正義の味方はこれを見過ごしていられない。
何キロも追いかけまわされて諦めてくれないことにひくのを通り越してイケメン恐怖症になっていたのに、怒りのあまり恐怖すら忘れた。
「それはできないじゃないでしょ! いたいけな中学生を追いかけまわして、何、言ってんのよ!」
「子どもだからと泥人形を倒した敵を見逃すことはできないし、命までは奪う気はなかった」
敵さんはしれっと言った。だが、ロリコンが喜びそうな空気はより強くなっている。
『命までは奪う気はなかった』って、何する気だったの?!
児童ポルノ法に引っかかること?!
青少年保護育成条例違反になること?!
わかっていることは真正の変態ってことだけだ。
良識ある大人としてはこれを放っておくことはできない。
「命まではって、何、考えてんのよ。このロリコン!」
「ロリコン? 大人の悦びも知らないまま死なせるのは可哀想じゃないか。好きな異性の目の前に裸で放り出すだけだ。子どもと言っても、あれぐらいの年齢だと男のほうも子どもとは言えないし、命懸けの危険な遊びをしているよりそっちの遊びのほうがいいだろう」
裸で異性の前に放り出すって、それヤってくださいってことじゃない。
いくら好きな相手でも、それって犯罪につながるよね? 心の準備もできていない状態でそれって、相手がヤっちゃったらレイプだよね?
レイプの手助けするのが殺すよりはマシって、その感覚がわからない。敵さんが地球の人間じゃないことは知っているけど、これはちょっと・・・。
敵さんは真正の変態なんて可愛いものじゃなかった。
敵さんは――狂気の人物だった・・・。
悪寒が身体の中を駆け抜ける。
その声から感情が抜け落ちてしまうのも、今の状況なら仕方ない。身逃してもらえず、ストーキング数キロされてイケメン恐怖症になったにしては上出来だと思う。冷や汗がダラダラ出ていて、笑顔が引きつっているだろうけど、それは誰も責められない。
笑顔(引きつってる)でお礼が言えただけで社会人としてマナーは守れているはずだ。マナーの教師だって、及第点をくれるはず。
降ろしてもらえたら、まず逃げよう。
絶対、逃げよう。
走って逃げよう。
足が痛くなるまで走れば逃げられるはずだ。
みぞおちが痛くなろうが、全速力で走れば相手は何キロも移動して疲れているはず。逃げ切れないはずがない。
その為に今は恐怖を感じるようになった整った顔が30センチ以内にあるのを我慢する。
でも、逃げ出したい身体はブルブルと震えてる。
頑張れ。頑張るんだ私。
今我慢できたら、敵さんの見えないところで魔法少女の変身を解いて、別空間化機能も解除されるから通行人のふりをしてバスかタクシーで駅まで行けばどうにか自宅の最寄り駅まで帰られる。
敵を野放しにして逃亡するのは正義の味方のすることじゃないって?
正義の味方だから逃げちゃ駄目ってわけじゃない。
会ったことはなくても魔法少女は他にもいるし、悪の組織の女幹部コスチュームの正義の味方も他にいるかもしれない。私はOLだから、就業時間内には出動できない時間帯は学生か就業時間の来ていない外国のOLが戦っているんだと思う。
彼女らの要望が通ったから正義の味方(女性)のコスチュームが魔法少女や悪の組織の女幹部になったかもしれないけど、私は選択しかさせてもらえなかったけどね。
不公平だ。
悪の組織の女幹部のコスチュームは欧米の人から見た感覚だよね。自分のスタイルに自信持っていないと、あの格好は無理。あれを希望する日本人なんてほぼいない。
あれが”うっとー”のセクハラ的思考で決められていたとしたら絶対に許さない。
あ。
敵が出たら現場まで移動させてくれるように、変身を解けば自動的に出動前にいた場所に戻れるんだった。
敵さんに必殺技が効かなくて焦りすぎて忘れてた。
でも、この状態で変身を解くのは身バレする可能性もあるからできない。
当初の計画通り、敵さんの見えないところまで行って、変身を解こう。
この敵さんは私より強い正義の味方が倒してくれると信じておく。
大丈夫。
私より強い必殺技を持っている正義の味方だっていると思う。
物理的に敵さんと戦える正義の味方だっていると思う。
安心して逃げることだけに専念することにしたが――
「それはできないな」
敵さんの答えは空気を読んだものじゃなかった。
魔法少女の姿は中学生の時の私だから、それを抱き上げたまま降ろしたくないってことは・・・敵さんはロリコン?!
いくら地球の人間じゃなくて、何歳かわからない(もしかしたら、中学生より下かもしれない)生命体でも、見た目的にはロリコンだ。
中学生を抱っこしていたい変態・・・。
うん、アウト!
一発アウト!
変態は変態でも害のない変態ならともかく、ロリコンはアカンやつだ。正義の味方はこれを見過ごしていられない。
何キロも追いかけまわされて諦めてくれないことにひくのを通り越してイケメン恐怖症になっていたのに、怒りのあまり恐怖すら忘れた。
「それはできないじゃないでしょ! いたいけな中学生を追いかけまわして、何、言ってんのよ!」
「子どもだからと泥人形を倒した敵を見逃すことはできないし、命までは奪う気はなかった」
敵さんはしれっと言った。だが、ロリコンが喜びそうな空気はより強くなっている。
『命までは奪う気はなかった』って、何する気だったの?!
児童ポルノ法に引っかかること?!
青少年保護育成条例違反になること?!
わかっていることは真正の変態ってことだけだ。
良識ある大人としてはこれを放っておくことはできない。
「命まではって、何、考えてんのよ。このロリコン!」
「ロリコン? 大人の悦びも知らないまま死なせるのは可哀想じゃないか。好きな異性の目の前に裸で放り出すだけだ。子どもと言っても、あれぐらいの年齢だと男のほうも子どもとは言えないし、命懸けの危険な遊びをしているよりそっちの遊びのほうがいいだろう」
裸で異性の前に放り出すって、それヤってくださいってことじゃない。
いくら好きな相手でも、それって犯罪につながるよね? 心の準備もできていない状態でそれって、相手がヤっちゃったらレイプだよね?
レイプの手助けするのが殺すよりはマシって、その感覚がわからない。敵さんが地球の人間じゃないことは知っているけど、これはちょっと・・・。
敵さんは真正の変態なんて可愛いものじゃなかった。
敵さんは――狂気の人物だった・・・。
悪寒が身体の中を駆け抜ける。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる