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第四章
第46話 大蛇に挑もう
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今日も朝からひと騒動あったが、迷宮攻略は至って順調だ。
昨日あれだけ手こずっていた魔物も、昨日の反省を活かし効率的に倒す事が出来るようになっていた。そして昨日は1日掛りで進んだ6層を今日は午後3時を過ぎる頃には突破しようとしていた。
「セバスさん。この扉って守護者部屋の扉ですよね?」
『左様でございます』
……やっぱり。
今、僕らの目の前に巨大な扉がある。深い青色の扉には独特な蛇のような模様が彫り込んである。見ているだけで、恐怖をさそう扉だ。
「私たちの調べでは、23層に降りる階段の前にダイルバイパーという名の蛇型の魔物が守護者として階段を守っていると聞いています。マップから見ても間違いなくここがその守護者部屋でしょう」
蛇型の魔物か。蛇型と聞くとS級迷宮で蛇の魔物に追いかけられた事を思い出すな。アレはちょっとしたトラウマものの体験だったよ。
『セバスさん。ダイルバイパーのレベルと特徴って分かりますか?』
『はい、レベルは125。5mを超える体長の蛇型の魔物です。特徴としては、その体長からは想像できないスピードと、致死性の毒を持っている事でございます』
蛇系だけにやっぱり毒持ちなのね。念のためみんなと情報共有しとかないと。
「えっと、セバスさんからダイルバイパーの特徴を聞きました。……」
みんなにセバスさんから聞いた情報を伝える。
「私たちが聞いた情報と同じですね。セバスさん、そんな事も分かるんですね」
みなさん、知っていたみたいだ。まあ、30層まで攻略するつもりなんだから当然か。
さてと、問題はどうやって倒すかだが、まずは速いという蛇の動きをどうにかしないとだけど。
「セバスさん。ダイルバイパーの動きを僕一人で抑えれると思いますか?」
『可能です。また死ぬ気で挑めば一人でも倒す事は可能です』
死ぬ気はないので一人では戦いません。
『面白そうじゃん。一人でやってみれば?』
レヴィが言うと本当に一人でやらされそうになるから今は黙ってて欲しい。
レヴィの事は無視するとして、これなら僕が蛇の注意を引きつけつつ、クラウディアさんたちには遊撃に徹してもらえればなんとかなりそうかな。
「クラウディアさん。簡単な作戦なんですが。僕がダイルバイパーの注意を引きつけます。3人にはダイルバイパーの死角から攻撃するようにして下さい」
僕が考えを聞きクラウディアさんは少し考え。
「それではクラウド様がかなり危険ではありませんか?」
「そうですね。ただ僕にはイジスさん達がいますから、防御に徹していれば問題ないと思います」
しばらくクラウディアさんは考え、
「分かりました。ただ危険と感じたら迷わず撤退してください」
確かにこの迷宮の守護者部屋は撤退が可能だから無理をする必要はない。
「分かりました。僕も死ぬ気はないですからね」
話がまとまった事でいよいよ守護者部屋に突入する事になった。
◇ ◇ ◇
巨大な扉を開けるとそこには、かなりの広さがある石造りの空間が広がっていた。
そしてその空間の一番奥に、とぐろを巻いた奴がいた。
黒光りするその巨体には、龍のような鱗が逆立ち全身を棘のように覆っている。その巨体の持ち主はルビーのように赤黒く怪しく輝く目で僕達を睨んでいる。
僕はそのダイルバイパーの注意を自分に引き付ける為にクイを構える。狙うは的が広い胴体。使う技は『魔炎の矢』。
構えた弓から黒く光る矢が現れる。その黒い光をみた大蛇は僕に向け牙を向け、シャヤアアーと威嚇音を上げる。
「じゃあ、始めます」
みんなに聞こえる程度の小さな声で声掛けをすると、各々が頷き答える。
「魔炎の矢!!」
力強い声とともに黒い光の矢は漆黒の炎を上、大蛇に向け放たれた。
黒炎を上げた矢は、高速で大蛇に迫る。大蛇はその黒い矢を視認すると同時に回避行動に移り、僅かに掠らせながらも回避してしまった。
うわぁ。アレを躱しちゃうんだ。速いとは聞いたけど想像以上かも。
僕は気を引き締め、大蛇に向けて突撃する。クラウディアさん達もそれに合わせて大蛇の視線から外れるように散開する。
僕の動きを見て大蛇もこちらに向け、猛スピードで突っ込んでくる。
って、マジ速すぎでしょ。
一気に大蛇との間合いが詰まる。
「オーラバッシュ!」
大蛇と激突する瞬間、僕は力強い言葉と共に赤いオーラを纏った神盾イジスを全面に押し出す。
ズッガンンン!!
大蛇と僕が激突した瞬間、何かが爆発するような音が部屋中に響かわたる。それと同時にお互い吹き飛び、僕と大蛇の距離が再び離れる。僕は直ぐに体勢にを立て直し、素早く攻撃体勢をとる。大蛇もわずかな時間で迎撃体勢を整え僕に牙を向け威嚇してきた。
ちなみにオーラバッシュは、イジスさんの固有能力で、僕の魔力を使用してシールドバッシュの威力を数倍に高める固有能力だ。レヴィのオーラソード、クイの魔炎の矢と同等の固有能力に当たる技だ。
お互い相手のようすを伺うように、にらみ合っていると、
ドゴオォォォォン!!
突然炎球は飛来し大蛇の頭に直撃する。炎球は一瞬で大蛇の頭部を炎で包み込む、更に炎に包まれた頭部に別方向から矢が降り注ぎ次々と突き刺さって行く。
大蛇は怒り攻撃者を探し視線を彷徨わせる。
僕は自分から意識が逸れたタイミングを狙い大蛇に突撃。すれ違いざまに丸太のような胴体を斬りつける。
そこに後方からアンネマリーさんが突撃してきて大蛇の背中を斬りつけた。大蛇は悲鳴を上げながらアンネマリーさんを睨み付ける。
「忘れるなよ! お前の相手は僕だ!」
僕はそう叫びながら炎の収まった大蛇の頭部に斬りつけ、赤く怪しく輝く左目を奪い去った。
くそっ! 頭を刈り取るつもりだったのに、これも躱すかよ。完全に捉えたと思ったタイミングだったのに。
片目を奪われた大蛇は怒り狂い僕に向け突撃してきた。僕は神盾イジスを構え迎撃体勢をとる。
目前に迫った大蛇は大口を開け、僕に向けてどす黒い液体を吹きかけてきた。
毒!? 躱せない!
「パーフェクトシールド!!」
次の瞬間、僕を中心に透明な魔力の壁がドーム状に広がり、迫り来る毒液をすんでのところで阻む。
い、今のは危なかった。殆どギリギリのタイミングだった。ドームで包まれた安全地帯の中で一人反省する。
しかし、どうしよ。イジスさんの切り札を使っちゃたしな。ここは毒をくらったと思っている大蛇の隙を突いて一気にケリをつけるのが一番か。……よし!
毒液が止まった瞬間を狙い、僕はレヴィのオーラソードを発動しながら大蛇の頭に向けて飛び出し一気に大蛇の頭部が迫る。
行ける! そう思った瞬間、ガンッ!! と突然体に衝撃を受ける。
吹き飛ばされた僕はその勢いのまま壁に突っ込んだ。
「「「クラウド様!!」」」
クラウディアさん達の叫び声が重なり部屋中に響き渡った。
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昨日あれだけ手こずっていた魔物も、昨日の反省を活かし効率的に倒す事が出来るようになっていた。そして昨日は1日掛りで進んだ6層を今日は午後3時を過ぎる頃には突破しようとしていた。
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蛇型の魔物か。蛇型と聞くとS級迷宮で蛇の魔物に追いかけられた事を思い出すな。アレはちょっとしたトラウマものの体験だったよ。
『セバスさん。ダイルバイパーのレベルと特徴って分かりますか?』
『はい、レベルは125。5mを超える体長の蛇型の魔物です。特徴としては、その体長からは想像できないスピードと、致死性の毒を持っている事でございます』
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「私たちが聞いた情報と同じですね。セバスさん、そんな事も分かるんですね」
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「セバスさん。ダイルバイパーの動きを僕一人で抑えれると思いますか?」
『可能です。また死ぬ気で挑めば一人でも倒す事は可能です』
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僕が考えを聞きクラウディアさんは少し考え。
「それではクラウド様がかなり危険ではありませんか?」
「そうですね。ただ僕にはイジスさん達がいますから、防御に徹していれば問題ないと思います」
しばらくクラウディアさんは考え、
「分かりました。ただ危険と感じたら迷わず撤退してください」
確かにこの迷宮の守護者部屋は撤退が可能だから無理をする必要はない。
「分かりました。僕も死ぬ気はないですからね」
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巨大な扉を開けるとそこには、かなりの広さがある石造りの空間が広がっていた。
そしてその空間の一番奥に、とぐろを巻いた奴がいた。
黒光りするその巨体には、龍のような鱗が逆立ち全身を棘のように覆っている。その巨体の持ち主はルビーのように赤黒く怪しく輝く目で僕達を睨んでいる。
僕はそのダイルバイパーの注意を自分に引き付ける為にクイを構える。狙うは的が広い胴体。使う技は『魔炎の矢』。
構えた弓から黒く光る矢が現れる。その黒い光をみた大蛇は僕に向け牙を向け、シャヤアアーと威嚇音を上げる。
「じゃあ、始めます」
みんなに聞こえる程度の小さな声で声掛けをすると、各々が頷き答える。
「魔炎の矢!!」
力強い声とともに黒い光の矢は漆黒の炎を上、大蛇に向け放たれた。
黒炎を上げた矢は、高速で大蛇に迫る。大蛇はその黒い矢を視認すると同時に回避行動に移り、僅かに掠らせながらも回避してしまった。
うわぁ。アレを躱しちゃうんだ。速いとは聞いたけど想像以上かも。
僕は気を引き締め、大蛇に向けて突撃する。クラウディアさん達もそれに合わせて大蛇の視線から外れるように散開する。
僕の動きを見て大蛇もこちらに向け、猛スピードで突っ込んでくる。
って、マジ速すぎでしょ。
一気に大蛇との間合いが詰まる。
「オーラバッシュ!」
大蛇と激突する瞬間、僕は力強い言葉と共に赤いオーラを纏った神盾イジスを全面に押し出す。
ズッガンンン!!
大蛇と僕が激突した瞬間、何かが爆発するような音が部屋中に響かわたる。それと同時にお互い吹き飛び、僕と大蛇の距離が再び離れる。僕は直ぐに体勢にを立て直し、素早く攻撃体勢をとる。大蛇もわずかな時間で迎撃体勢を整え僕に牙を向け威嚇してきた。
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突然炎球は飛来し大蛇の頭に直撃する。炎球は一瞬で大蛇の頭部を炎で包み込む、更に炎に包まれた頭部に別方向から矢が降り注ぎ次々と突き刺さって行く。
大蛇は怒り攻撃者を探し視線を彷徨わせる。
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「忘れるなよ! お前の相手は僕だ!」
僕はそう叫びながら炎の収まった大蛇の頭部に斬りつけ、赤く怪しく輝く左目を奪い去った。
くそっ! 頭を刈り取るつもりだったのに、これも躱すかよ。完全に捉えたと思ったタイミングだったのに。
片目を奪われた大蛇は怒り狂い僕に向け突撃してきた。僕は神盾イジスを構え迎撃体勢をとる。
目前に迫った大蛇は大口を開け、僕に向けてどす黒い液体を吹きかけてきた。
毒!? 躱せない!
「パーフェクトシールド!!」
次の瞬間、僕を中心に透明な魔力の壁がドーム状に広がり、迫り来る毒液をすんでのところで阻む。
い、今のは危なかった。殆どギリギリのタイミングだった。ドームで包まれた安全地帯の中で一人反省する。
しかし、どうしよ。イジスさんの切り札を使っちゃたしな。ここは毒をくらったと思っている大蛇の隙を突いて一気にケリをつけるのが一番か。……よし!
毒液が止まった瞬間を狙い、僕はレヴィのオーラソードを発動しながら大蛇の頭に向けて飛び出し一気に大蛇の頭部が迫る。
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