美少女の顔に触りたい、月曜日

睡眠丸

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第六章 多々良さん探し 開始

美少女ために生きたい(4)

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 あと五分眠る、なんて言い訳でいえば、その5分。三秒ルールの三秒でもある、
  
 多々良さんが生きている今も、同じだ。

  自殺に成功するまでの、おまけの時間。
  
 暇つぶしに、僕の出す答えを待っているんだ。
 

「間違えたら、どうなる?」

 「自殺してしまう」

 「多々良さんが、でしょー?」

 「多々良さんが死んだら、別の多々良さんに乗り換えればいいじゃない」

 「私が死んでも、第二、第三の多々良が襲うだろう……!」

 「あはははははははは!」「ひゃはははは」「あはははっ」「あっはっはっは」「ぎゃははははは」



 「……違う」


  違う。

  違うんだ、頭の中の僕。

 「死ぬのは、僕もだ」

 「は?」

 「答えを間違えて、多々良さんが死んだら、僕も死ぬって言っているんだ」

 「「「道連れはごめんだ」」」

 「「「死ぬなら一人で死ね」」」

 「「「勝手に死ね」」」


 「そうはいかない。何せ、僕だから」


  あっはっは。

  脳内の僕は暴れる。それこそ手が付けられないほどに。頭の中にノイズの様な罵声が響く。

  僕は『多々良さん』のいろんな顔が見たいんだ。

  それが、彼女と出会って最初に思ったこと。

  屋上に立って、涙を流す彼女の、笑顔を、怒った顔を、拗ねた顔も、意地悪な顔も、全て、見たいのだ。



  でも、死に顔だけは見たくない。





 「なら、僕も死ねばいいんだ」


  僕が死んでしまえば、そんな残酷な顔を、見ることもない。

  どうせおまけの人生だから。

  すべてを多々良さんのために使いたい。


  僕が生きている理由が多々良さんの自殺を止めることなら。
  僕が死ぬ理由は多々良さんが自殺をするからだ。


 「答えを間違えれば、死ぬ、勝負ってことですか?」


  理性的な僕が、恐る恐る聞く。


 「命を懸けて、彼女の自殺を止める勝負だ」


  一分、一秒、すべてを。

  多々良さんを理由に、生きて。

  多々良さんを理由に、死にたい。


 「重いな」

  暴力的な僕は、ぽつりという。

  それでいいのだ。僕の人生のあり方は、僕が決める。


  例え欠陥人間だとしても、吹けば飛ぶような存在にはならない。
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