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第六章 波乱から始まる新婚生活
①
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こんなことってあるのだろうか。いかんせん、恋愛経験がないから私には判断できない。
社長からロマンチックなプロポーズを受けて、いいかんじのムードになって、なんか流れでキスしちゃって……。
たしかにあの時は、ほろ酔い気分だった。でも、酔いに任せて人生初キスを捧げるほど、私は愚かではない。理性を失っていたわけでもないし、酔っぱらった勢いでキスを許したわけでもない。
相手が社長だったから。全てを受け入れてくれるような優しさに惹かれていた。契約結婚だけれど、互いに愛情のようなものは芽生え始めていると感じていた。それなのに……。
結婚式前日まで花嫁を放っておいて海外出張に行っちゃうってどういうこと⁉
災害による視察だから仕方ないのは理解できるけど、連絡もないってどういうこと⁉
キスした次の日。
朝目覚めて、ドキドキしながらリビングに行ったら、書き置き一つ残して婚約者はいなくなっていた。
どんな顔して会おうとか、どんな会話をしようかとか、色々頭の中でシミュレーションしていたのに! これから恋が始まる予感に胸を躍らせていたのに!
式場の都合がついて、結婚式の日程が早まって、まさかの二週間後に断行することになって、もうバッタバタで大変だったのに、当の本人がいないってどういうことよ!
結婚式前日にようやく帰国することができて、『会いたい』とか『空港に迎えに来てほしい』とか言われたけど、無視した。
忙しいし、大変だったのかもしれないけど、結婚式前日まで私からの連絡無視していたのは社長の方なんだから!
そして私たちは、久しぶりの再会を果たしたというのに、一言も話さずに結婚式当日を迎えた。
ふてくされた表情のままウェディングドレスに身を包む。
……正直、もう怒ってはいない。腹が立っていたのは事実だけれど、社長の顔を見たら急激に怒りが萎んでいった。
でも、振り上げたこぶしをどう仕舞えばいいのかわからなくなってしまった。
『私は怒っていたのだからね』というアピールもしたい。そして久しぶりに会えて嬉しいという照れ隠しでもある。
あまりにも恋愛経験値が低すぎて、というかなさすぎて、こういう時、どうしたらいいのかわからない。
そして戸惑っているまま、ついに結婚。なんだ、これ。
ヘアメイクも終わり、豪華なティアラをつけてついに準備は完成した。
スタッフの方も出払い、一人控室で待っていると、外からドアを軽く叩く音が聞こえた。
「はい」
「俺だ、入っていいか?」
社長の声だった。少し気まずい思いはあるけれど、断る理由もないので入室を受け入れる。
ドアを開けた社長は、私の姿を見て息を飲んだ。
私の方も、白のタキシード姿の社長があまりにも魅力的すぎて言葉を失った。
(王子様!)
心の中で絶叫する。完璧に整いすぎていて、眺めているだけで心拍数が激上がりだ。
「綺麗すぎて、隣に立つのが緊張するな」
いや、それ、私のセリフですと返したい。
「人生の幸運を使い果たしたかな」
それ、今、私も思った。
「……まだ、怒っている?」
なんの返事もない私に、社長はおずおずと私の機嫌をうかがうように言った。
どう答えればいいのか戸惑ってしまって、言葉を返せずにいると、社長が話を続けた。
「いいわけに聞こえると思うけど、本当に連絡が取れなかった。現地でトラブルに巻き込まれて、本気で死ぬかもと思ったくらいで。今、無事にここにいられることが奇跡だと思っている」
死ぬかもとは物騒な話だ。
「なにがあったの?」
思わず口を開く。
「長くなるから、今度ゆっくり話す」
「結婚したら、二人でいる時間がたっぷりあるから?」
私が言うと、社長は少し驚いてから嬉しそうな顔を浮かべた。
「そう、会えなかった分、これからはたっぷり一緒にいられる」
私が恥ずかしそうに笑みを浮かべると、社長はゆっくりと近づいてきて、ヘアセットやウェディングドレスが着崩れないように優しく私を抱き包んだ。
「あ~、生きていて良かった」
心底安堵したような声だったので、命拾いしたというのは本当の話なのだろう。それなのに怒ってしまって、申し訳ない気持ちが芽生える。
契約結婚だというのに、なんだろう、この感情は。
離婚前提で、形だけの結婚式なのに、どうして私たちは恋人のように抱き合っているのだろう。
「今日は、楽しもうな」
「……うん」
理由はどうあれ、私たちの結婚式。社長の言う通り、余計なことは考えずに楽しもうと思った。
そして、社長のおじい様も式に参加できて、無事にミッションクリア。
社長の両親は亡くなってしまっているから式に参加できないのは仕方ないとして、私の父も不参加なのは異例だった。
どうして不参加なのかというと、理由はシンプルで結婚を伝えていないから。
突然家に帰ってこなくなった娘が、結婚式を挙げているなんて知ったら卒倒するだろう。しかも相手は大企業の御曹司。
高城さんやウェディングプランナーの方は、親に知らせずに結婚するなんて良くないと随分説得されたけれど、こればかりは私も引くに引けない。
父に知らせたら、継母も継娘も出席するだろう。あの二人のことだから、私の結婚が許せなくてぶち壊そうとする可能性もある。
もう二度と顔を見たくない。父にも会いたくない。会ってしまったら、自分の中のなにかが壊れてしまいそうで。これは、他人には説明できない感情だ。
社長は海外に行っていたので、この件についてどう思っているのかは不明だ。できればずっと、触れずにいてほしい。
そして結婚式のあと、私たちは婚姻届けを提出し、正式な夫婦となった。
「あ~、疲れた」
結婚式が終わって、ようやく家に帰れた頃には夜になっていた。
リビングのソファにもたれかかる。社長が海外出張でいない間、一人だったのですっかり自分の家のようにくつろいでしまっていた。実家では自分の部屋以外くつろぐことができなかったので、とても居心地がいい。
「次は新婚旅行か?」
ご機嫌な様子で、社長が隣に座ってきた。ソファは大きいのに、やたら近い。私は社長との間に、一人分のスペースが空くように腰を浮かせて距離を取った。
「なんのために?」
「どこにだって連れて行ってやるぞ」
そう言われると心が動くけれど、さすがに新婚旅行する意味がわからない。
「私たち、契約結婚でしょ。おじい様が亡くなったら、離婚する予定でしょう」
縁起でもないことなので、あまり口に出したくないけれど、言わずにはいられない。こうやって一緒にいると勘違いしてしまいそうになる。好きになってしまって、傷つくのが怖い。
「……まだ怒っているのか?」
社長は悲しそうな顔で言った。
「そうじゃなくて!」
慌てて否定する。
(そうじゃなくて……。離婚前提なのに、仲良くなったら辛いじゃない)
あのキスの意味をいまだに聞けずにいる。
結婚式でもキスをしたけれど、あれは儀式上のものだった。一瞬軽く触れるだけの、挨拶のようなもの。
もしかしたら私が結婚式で緊張して失敗しないための練習のためのキスだったのかなと今では思っているくらいだ。あのキスに意味を持たせたら、勘違い野郎ってバカにされるのがオチかもしれない。
「……そうじゃなくて、意味のないことはしたくないの」
私は社長から視線を逸らし、目線を下げた。
「意味はあるだろ。でも、まあ、無理強いはしない」
意味はあると断言してくれて、なぜかほっとしている私がいる。
新婚旅行は意味のないことだと言ったのは私なのに……。
「社長は……」
口に出そうとして言葉に詰まる。聞きたいことはたくさんある。たとえば、社長は私と新婚旅行に行きたいの? とか、社長にとって私ってなに? とか。でも、聞いたところで自分が望む答えと逆のことを言われたら落ち込むだろうなともわかっている。
「結婚したのに、社長呼びはおかしいだろ」
思わぬ指摘に話題が逸れて、ちょっとほっとした。
「たしかに。なんて呼べばいい? 大翔? ひろ君? ひーちゃん?」
「急に距離詰めた呼び方だな。別に好きな呼び方でいいけど……」
「じゃあ、ひーちゃんにしよう」
「大翔で」
社長、もとい、大翔は真顔でひーちゃん呼びを拒否した。
「え~、好きな呼び方でいいって言ったのに」
「本気でそっちを選ぶとは思わないだろう。会社でひーちゃん呼びはさすがにまずい」
ひーちゃん呼びを嫌がっているのがわかるので、つい意地悪したくなる。
「じゃあ、二人だけの時にするから」
「ええ……」
大翔はあきらかに嫌そうな顔を浮かべているが、拒否はしない。その反応がなんだか楽しい。
「ひーちゃん」
試しに呼んでみる。すると、大翔はすごく照れくさい表情を浮かべながら、でも本音では不本意だと思っているのがありありと伝わってくる。ちょっと満更でもなさそうなところがより面白い。
「ひーちゃん、なんか嫌そうだね」
「家の中ではギリギリ許せるが、外では勘弁してほしい」
大翔は顔を赤くさせながら、最大限の譲歩を見せた。
「いや、私は家の中でもきついわ」
「は?」
「呼んでみて思ったけど、イタいよね。高校生カップルじゃあるまいし」
「お前、俺で遊んだな?」
バレた、という顔を浮かべる私に、大翔は私から目を据えたまま外そうとしなかった。
「いい性格しているじゃないか」
「ありがとう、褒め言葉として受け取っておく」
なんだか嫌な予感がして距離をとろうとすると、大翔は逃がさないとばかりに私たちの間に挟まっていたクッションをどけて、一気に距離を詰めてきた。そして……。
社長からロマンチックなプロポーズを受けて、いいかんじのムードになって、なんか流れでキスしちゃって……。
たしかにあの時は、ほろ酔い気分だった。でも、酔いに任せて人生初キスを捧げるほど、私は愚かではない。理性を失っていたわけでもないし、酔っぱらった勢いでキスを許したわけでもない。
相手が社長だったから。全てを受け入れてくれるような優しさに惹かれていた。契約結婚だけれど、互いに愛情のようなものは芽生え始めていると感じていた。それなのに……。
結婚式前日まで花嫁を放っておいて海外出張に行っちゃうってどういうこと⁉
災害による視察だから仕方ないのは理解できるけど、連絡もないってどういうこと⁉
キスした次の日。
朝目覚めて、ドキドキしながらリビングに行ったら、書き置き一つ残して婚約者はいなくなっていた。
どんな顔して会おうとか、どんな会話をしようかとか、色々頭の中でシミュレーションしていたのに! これから恋が始まる予感に胸を躍らせていたのに!
式場の都合がついて、結婚式の日程が早まって、まさかの二週間後に断行することになって、もうバッタバタで大変だったのに、当の本人がいないってどういうことよ!
結婚式前日にようやく帰国することができて、『会いたい』とか『空港に迎えに来てほしい』とか言われたけど、無視した。
忙しいし、大変だったのかもしれないけど、結婚式前日まで私からの連絡無視していたのは社長の方なんだから!
そして私たちは、久しぶりの再会を果たしたというのに、一言も話さずに結婚式当日を迎えた。
ふてくされた表情のままウェディングドレスに身を包む。
……正直、もう怒ってはいない。腹が立っていたのは事実だけれど、社長の顔を見たら急激に怒りが萎んでいった。
でも、振り上げたこぶしをどう仕舞えばいいのかわからなくなってしまった。
『私は怒っていたのだからね』というアピールもしたい。そして久しぶりに会えて嬉しいという照れ隠しでもある。
あまりにも恋愛経験値が低すぎて、というかなさすぎて、こういう時、どうしたらいいのかわからない。
そして戸惑っているまま、ついに結婚。なんだ、これ。
ヘアメイクも終わり、豪華なティアラをつけてついに準備は完成した。
スタッフの方も出払い、一人控室で待っていると、外からドアを軽く叩く音が聞こえた。
「はい」
「俺だ、入っていいか?」
社長の声だった。少し気まずい思いはあるけれど、断る理由もないので入室を受け入れる。
ドアを開けた社長は、私の姿を見て息を飲んだ。
私の方も、白のタキシード姿の社長があまりにも魅力的すぎて言葉を失った。
(王子様!)
心の中で絶叫する。完璧に整いすぎていて、眺めているだけで心拍数が激上がりだ。
「綺麗すぎて、隣に立つのが緊張するな」
いや、それ、私のセリフですと返したい。
「人生の幸運を使い果たしたかな」
それ、今、私も思った。
「……まだ、怒っている?」
なんの返事もない私に、社長はおずおずと私の機嫌をうかがうように言った。
どう答えればいいのか戸惑ってしまって、言葉を返せずにいると、社長が話を続けた。
「いいわけに聞こえると思うけど、本当に連絡が取れなかった。現地でトラブルに巻き込まれて、本気で死ぬかもと思ったくらいで。今、無事にここにいられることが奇跡だと思っている」
死ぬかもとは物騒な話だ。
「なにがあったの?」
思わず口を開く。
「長くなるから、今度ゆっくり話す」
「結婚したら、二人でいる時間がたっぷりあるから?」
私が言うと、社長は少し驚いてから嬉しそうな顔を浮かべた。
「そう、会えなかった分、これからはたっぷり一緒にいられる」
私が恥ずかしそうに笑みを浮かべると、社長はゆっくりと近づいてきて、ヘアセットやウェディングドレスが着崩れないように優しく私を抱き包んだ。
「あ~、生きていて良かった」
心底安堵したような声だったので、命拾いしたというのは本当の話なのだろう。それなのに怒ってしまって、申し訳ない気持ちが芽生える。
契約結婚だというのに、なんだろう、この感情は。
離婚前提で、形だけの結婚式なのに、どうして私たちは恋人のように抱き合っているのだろう。
「今日は、楽しもうな」
「……うん」
理由はどうあれ、私たちの結婚式。社長の言う通り、余計なことは考えずに楽しもうと思った。
そして、社長のおじい様も式に参加できて、無事にミッションクリア。
社長の両親は亡くなってしまっているから式に参加できないのは仕方ないとして、私の父も不参加なのは異例だった。
どうして不参加なのかというと、理由はシンプルで結婚を伝えていないから。
突然家に帰ってこなくなった娘が、結婚式を挙げているなんて知ったら卒倒するだろう。しかも相手は大企業の御曹司。
高城さんやウェディングプランナーの方は、親に知らせずに結婚するなんて良くないと随分説得されたけれど、こればかりは私も引くに引けない。
父に知らせたら、継母も継娘も出席するだろう。あの二人のことだから、私の結婚が許せなくてぶち壊そうとする可能性もある。
もう二度と顔を見たくない。父にも会いたくない。会ってしまったら、自分の中のなにかが壊れてしまいそうで。これは、他人には説明できない感情だ。
社長は海外に行っていたので、この件についてどう思っているのかは不明だ。できればずっと、触れずにいてほしい。
そして結婚式のあと、私たちは婚姻届けを提出し、正式な夫婦となった。
「あ~、疲れた」
結婚式が終わって、ようやく家に帰れた頃には夜になっていた。
リビングのソファにもたれかかる。社長が海外出張でいない間、一人だったのですっかり自分の家のようにくつろいでしまっていた。実家では自分の部屋以外くつろぐことができなかったので、とても居心地がいい。
「次は新婚旅行か?」
ご機嫌な様子で、社長が隣に座ってきた。ソファは大きいのに、やたら近い。私は社長との間に、一人分のスペースが空くように腰を浮かせて距離を取った。
「なんのために?」
「どこにだって連れて行ってやるぞ」
そう言われると心が動くけれど、さすがに新婚旅行する意味がわからない。
「私たち、契約結婚でしょ。おじい様が亡くなったら、離婚する予定でしょう」
縁起でもないことなので、あまり口に出したくないけれど、言わずにはいられない。こうやって一緒にいると勘違いしてしまいそうになる。好きになってしまって、傷つくのが怖い。
「……まだ怒っているのか?」
社長は悲しそうな顔で言った。
「そうじゃなくて!」
慌てて否定する。
(そうじゃなくて……。離婚前提なのに、仲良くなったら辛いじゃない)
あのキスの意味をいまだに聞けずにいる。
結婚式でもキスをしたけれど、あれは儀式上のものだった。一瞬軽く触れるだけの、挨拶のようなもの。
もしかしたら私が結婚式で緊張して失敗しないための練習のためのキスだったのかなと今では思っているくらいだ。あのキスに意味を持たせたら、勘違い野郎ってバカにされるのがオチかもしれない。
「……そうじゃなくて、意味のないことはしたくないの」
私は社長から視線を逸らし、目線を下げた。
「意味はあるだろ。でも、まあ、無理強いはしない」
意味はあると断言してくれて、なぜかほっとしている私がいる。
新婚旅行は意味のないことだと言ったのは私なのに……。
「社長は……」
口に出そうとして言葉に詰まる。聞きたいことはたくさんある。たとえば、社長は私と新婚旅行に行きたいの? とか、社長にとって私ってなに? とか。でも、聞いたところで自分が望む答えと逆のことを言われたら落ち込むだろうなともわかっている。
「結婚したのに、社長呼びはおかしいだろ」
思わぬ指摘に話題が逸れて、ちょっとほっとした。
「たしかに。なんて呼べばいい? 大翔? ひろ君? ひーちゃん?」
「急に距離詰めた呼び方だな。別に好きな呼び方でいいけど……」
「じゃあ、ひーちゃんにしよう」
「大翔で」
社長、もとい、大翔は真顔でひーちゃん呼びを拒否した。
「え~、好きな呼び方でいいって言ったのに」
「本気でそっちを選ぶとは思わないだろう。会社でひーちゃん呼びはさすがにまずい」
ひーちゃん呼びを嫌がっているのがわかるので、つい意地悪したくなる。
「じゃあ、二人だけの時にするから」
「ええ……」
大翔はあきらかに嫌そうな顔を浮かべているが、拒否はしない。その反応がなんだか楽しい。
「ひーちゃん」
試しに呼んでみる。すると、大翔はすごく照れくさい表情を浮かべながら、でも本音では不本意だと思っているのがありありと伝わってくる。ちょっと満更でもなさそうなところがより面白い。
「ひーちゃん、なんか嫌そうだね」
「家の中ではギリギリ許せるが、外では勘弁してほしい」
大翔は顔を赤くさせながら、最大限の譲歩を見せた。
「いや、私は家の中でもきついわ」
「は?」
「呼んでみて思ったけど、イタいよね。高校生カップルじゃあるまいし」
「お前、俺で遊んだな?」
バレた、という顔を浮かべる私に、大翔は私から目を据えたまま外そうとしなかった。
「いい性格しているじゃないか」
「ありがとう、褒め言葉として受け取っておく」
なんだか嫌な予感がして距離をとろうとすると、大翔は逃がさないとばかりに私たちの間に挟まっていたクッションをどけて、一気に距離を詰めてきた。そして……。
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