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第四話

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「ラーラザリー・ティラトフ様、少しよろしいかしら?」


あの方は確か公爵令嬢だったはず。

そんな方が一体私になんの用かしら?
........はっ!もしや、ラディネリアン様関係?

いいえもしやでなくともラディネリアン様関係に決まっているはずですわ。

むしろ私個人のみとかありえませんもの。

上位貴族であるため、そもそも、私に断るだなんてことはできないので、素直に従うことにした。


「はい、次の授業が始まるまででしたら大丈夫です。」

「こちらへいらっしゃい。」


どこへ連れてかれるのだろう?

そう思っていたら少し歩いたところで止まった。


「貴女、どうしてコールズ様と婚約したままなの?なぜ婚約が解消されていないの?というかそもそもコールズ様と婚約できたのは何故かしら。調べてみても貴女との婚約になんの利益もないと思うのだけれど。もしかして、弱みでも握っているのしら。いや、コールズ家に限ってそれはないわ。」


最後の方はよく聞こえなかったけれど、私に対して不満があるのは分かった。

でも、調べたというのなら私の両親とラディネリアン様の両親が仲が良くて結んだ婚約ということは分からなかったのかしら。

ただ、この方はラディネリアン様と婚約関係になりたいということよね。

それなら、私に言うよりラディネリアン様に言った方が良いと思う。

仮に私が別れたいと思ったとしてもまさか私からは言えないけど、もちろん、別れたいとは思ってない。

うーん、どうしたものかと思っていると、公爵令嬢が言葉を放ってきた。


「ちょっと、わたくしが聞いているのに、どうして何も答えないのかしら?早く別れると言いなさいな。いつまでも、コールズ様にしがみついているだなんてみっともなくてよ。コールズ様も貴女を相手にするのは嫌なはずだわ。わたくしとの方がお似合いでしょ?」


機関銃のように話されて、くらくらしてきた.....まさか、本当に別れるだなんてことは私から言えない。コールズ様に言われたらそりゃあ、綺麗さっぱり諦めるけど、わざわざ、自分からだなんて嫌。ここまで、愛はなくとも信頼関係は築いてきた。


「申し訳ありませんが、私から婚約解消を願いでることはできません。ご期待に添えずすみません。」


そう言って、頭を深く下げた。でも、やはり、お気に召さなかったようだ。


「わたくしが言っているのに、従わないだなんておかしいんじゃなくて!??」


そう言われたあと、私は突き飛ばされた。ここは階段の踊り場、私は下りの階段側に立っていた。
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