【完結】夢魔の花嫁

月城砂雪

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第一章(初夜編)

1-8

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 ジュゼの両手を抑える手も、頬を場違いに優しく撫でる手も、離れてはいない。何事かと視線を下肢に向けて――妖魔の巨大なペニスに押し潰されて悶える己のそれに、引き攣れた悲鳴がこぼれた。

「あ、あ、あっ……な、何……なに……?」
「ふふ、ぬるぬるするでしょう? すぐに気持ちよくなりますからね」

 妖魔のそれは、長さも太さも桁違いで。重ねられた刺激に緩く立ち上がっていたジュゼのペニスは、その重みに負けて腹側に折れそうになっている。
 長さも太さも、ジュゼの三倍はあるだろうか。質量で言えば二十倍でも到底足りないくらいのその長大なペニスは赤黒く濡れ、太い血管を幾筋も浮かせていて、先端は三重にたっぷりと傘が張り出していた。これから何をされるのかも解らないのに、その暴力的なまでの雄の証に腹が震えて涙が滲む。

「いい子ですね、可愛い人。足はもっと開いた方が気持ちいいですからね」
「あっ、まっ……あぁ……っ」

 片手と足で器用に股を大きく広げられて、その拍子にぬるりと滑って擦れたペニスがじっとりとした悦楽を生み出し、じん、と。体が痺れた。
 触れ合った肉と肉の狭間からはすでに十分なほどの快楽が溢れ出していて、どくどくと脈打っては小刻みにペニスを刺激する圧倒的な大人の雄の魅力に、我知らず息が上がってしまったジュゼが喉を逸らして喘ぎ出す。じわりじわりと押し倒され、腹側にぺたりと屈した幼い性器は、初めて与えられる圧迫の快楽を悦んで悶えていた。
 いやらしいぬめりを帯びた、規格外に巨大な灼熱の雄の証を。最も敏感な場所に押し当てられる快楽に、ジュゼの理性が緩んでいく。微かに腰を揺すられるだけでたまらない情動が身体中を駆け抜け、淫らな振る舞いを無言の内にも命じてくる雄に向けて、自ら脚を開いてしまった。

「あっ、あっ……あぁっ……!」

 妖魔の言葉の通り、脚を開けば開くほど気持ちが良くて。駄目だと訴える胸の内とは裏腹に、従順に腰が揺れてしまう。触れ合ったペニスとペニスのぬめりが混ざり合い、体温が蕩けて境界をなくす。夢見心地の気持ちよさに、甘く震える息を吐き出せば。ジュゼの額に唇を落とした妖魔も熱い吐息をこぼして、艶やかな瞳で微笑んだ。

「馴染んできましたか? さあ、そろそろしっかりと。気持ちいいことを始めましょうね」
「ん、ぅ。ま、まっ……へぇっ⁉ あっ……あっ! あぉっ、あぁっ‼ あっ、あ~~~っ‼」

 うっすらと汗をかいて息を荒げていたジュゼは、妖魔の宣言に制止をかけようとしたが――もう遅い。美しい妖魔が、逞しい腰使いでそのペニスをグラインドさせた瞬間。脳が発火するような快楽の衝撃が全身を駆け巡り、ジュゼの体が跳ねた。
 ぬめる淫液に濡れそぼった灼熱が、ジュゼのペニスを完全に押し潰しながら往復を繰り返す。でっぷりと逞しい幹には、目視できる凹凸の他に、やわらかい鱗のようなものがびっしりと生えているようだった。三重に張り出したエラと、浮き上がる血管。そしてその鱗が、ジュゼのペニスを余すことなく覆い尽くしながら絶え間ない刺激を与えて嬲り尽くす。
 圧迫と摩擦の快楽を同時に叩き付けられた幼いペニスはたちまちの内に泣き濡れて、上位者の雄に許しを請うようにびくびくと痙攣した。快楽の衝撃に跳ねる細い太股は、妖魔のむっちりと逞しい太股に押さえ込まれて逃げ場がない。ジュゼは咄嗟に抵抗も忘れ、髪を振り乱して快楽に悶えた。

「んひっ! ひいいぃ‼ あっ、あっ、あっ、あ~~~っ♡ だめ、ぇっ、あっ……きもちぃ……っ!」

 気持ちいい、と。そう口に出して認めた瞬間、電撃のような快楽が脳天から爪先までを貫いて。ジュゼは声にならない悲鳴を上げた。気持ちいい、気持ちいい――もっとして。被虐者がそう願った瞬間こそ、夢魔の催淫能力は最も強大に作用する。
 もがきあがいていた腕から力が抜け、無意識に胸を突き出しながら腰をくねらせるジュゼの有り様に、雌としての快楽を受け入れようとする変容を感じ取った妖魔が艶やかな瞳で嬉しそうに微笑んだ。素直な反応へのご褒美のように優しく口付けながら、無防備に差し出された乳首をいやらしく摘まみ捩る。
 未熟な性感体も、性技に長けた夢魔に同時に嬲られればひとたまりもない。口付けに封じられた唇の中に嬌声を満たして、ジュゼは初めて与えられるものとしては激し過ぎる性感に揉みくちゃにされながら善がり倒した。

「んむっ、んむ~~~! んふっ、ふうっ! ひいぃっ! あっ、あっ、あっ‼ ゆるっ、ゆるしっ、ぇ……あああぁっ!」

 甘い嬌声が、弱々しい哀願と啜り泣きを帯びて、潰されたカエルのように押し広げられた太股が跳ね回る力をなくして痙攣に変わる。非力な肢体に叩き付けられた過ぎるほどの快楽に身体中の神経をめちゃくちゃにされ、身悶えながら泣き喘ぐことしかできなくなるほどにジュゼの体が屈伏し切った頃、ようやく妖魔はその逞しい腰の動きを休めてくれた。
 今もまだ、ジュゼのペニスは完全に覆い隠されたままで、大きく開かれた股はまるで破瓜を待つ少女のように可憐に震えている。幼いペニスは遂情を知らぬ間にぬめる液体を撒き散らし、ジュゼの股間から臍の上まで、我が物顔でのし掛かる長大なペニスに媚を売るようにぴくぴくと淫らに蠢いていた。
 雌を悦ばせるためではなく、雄に可愛がられるためにあるのだと。今まさに教え込まれたその場所は、鈴口を無防備に開きながらとぷとぷと歓喜の蜜を溢れさせ続ける。下腹部に垂れた雫が、妖魔のペニスにぬめりを足しながら脇腹を伝い落ちる感覚が生々しかった。

「あっ……あっ……――っ♡」

 弱々しく息を整えるだけで、ペニスがぬめぬめと擦れて甘い快楽の奔流が脳に流れ込む。怖いと思う思考すら、快楽に塗り潰されて訳が分からなくなる。身の内に弱々しくしがみついて淡い抵抗を促す危機感と、逞しい雄への屈従の快楽に引き裂かれて、ジュゼの腹の内がきゅんきゅんと蠕動した。
 前触れなく脚を折り曲げられて、ずるりと下に向けて擦られた長大なペニスが、戯れるよう曳き均していった尻穴に、顔を近付けた妖魔の熱い息が触れる。
 次、に。何が起こるのかを恐怖して、ひっ、と。引き攣った声を漏らせたのは最初だけで、熱くぬめる舌が、あろうことか固く窄まった尻穴の中に捻じ込まれたその瞬間から、ジュゼは甘い嬌声しか漏らすことを許されなくなってしまった。

「ひぁっ? ひゃっ、あっ、あぅっ!」

 ありえない場所に、力ずくで侵入を果たした妖魔の舌が、浅い場所の粘膜をぬめぬめと舐めさする。暖かく、柔らかく。意思を持って動くその舌がもたらす感覚に錯乱したジュゼは、引き攣れた声で喘ぎながらも懸命に妖魔の頭に手を伸ばした。体の内側から込み上げる悦楽に腹が震えて、上体を起こせないジュゼの手が虚しく空を切る。そんな僅かな抵抗に気付きもしない妖魔は丁寧に、執拗に、ジュゼの内側の粘膜の襞を舐め続けた。
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