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第四話
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執筆目的は1つ、コンテストに応募して再び本を出版する事だ。一度形になる喜びを知ってしまったからか、諦めが付かず何度も挑んでいる。
今度こそ、今度こそと挑戦し、何度も落選して落ち込みつつも、まだ諦めきれず書き続けている。
書いては推敲し、修正し、納得なら無いと破り捨てては書き直し、また推敲……のサイクルを繰り返して我武者羅に書き続けた結果、やっと自信を持てる作品が出来上がった。
ちらりと横を見遣ったが、何時もの場所に葉月は居ない。彼女も社会人だ。正社員では無いが仕事を持つ身である。故に、毎日同じ時間、家に居るわけでは無い。
完成を直ぐ分かち合えない事を残念に思いつつも、早速投稿準備として、溢れ返る物の中から封筒の捜索を始めた。
完成品は、葉月に披露しないつもりだ。
当選する確信までは出来ないが、今作は特に自信がある。だから掠るぐらいしないだろうか。
そんな淡い期待を胸に、もし当選したら、その時に内容を披露しよう。一番目の読者として葉月に見せよう。完成が近付いて来た時から、そう決めていた。
「完成したんだって!?」
家に遣って来た葉月は、走ってきたのか息を切らしている。だが、その顔は想像通り清々しく煌いている。
「もう出してきたけどな」
「えっ! 早っ! メール見たから急いで来たのにー」
葉月の手には携帯電話が握られている。恐らく、喜びを分かち合う為に急いでくれたのだろう。いそいそと携帯を鞄にしまいながらも、表情は笑顔を維持したままだった。
「ありがと。今回のは自信作なんだ、だから結果出てから見せるな」
「おぉ、自信作出来たんだ! 本出るの楽しみだね!」
「いや、まだ決まってないから……原稿送っただけだしさ」
疑いのない眼差しに自然と頬を紅潮させ、斜め下に目線を下げる。妙な期待と不安が、胸の奥を駆け巡っている。
「何はともあれ、はい!」
掛け声につられ顔を上げると、開いた両の手が目の前に掲げられていた。ハイタッチを求めているのだと判断し、恥ずかしさと嬉しさでいっぱいになりながらも、両の手を勢いよく合わせた。
今度こそ、今度こそと挑戦し、何度も落選して落ち込みつつも、まだ諦めきれず書き続けている。
書いては推敲し、修正し、納得なら無いと破り捨てては書き直し、また推敲……のサイクルを繰り返して我武者羅に書き続けた結果、やっと自信を持てる作品が出来上がった。
ちらりと横を見遣ったが、何時もの場所に葉月は居ない。彼女も社会人だ。正社員では無いが仕事を持つ身である。故に、毎日同じ時間、家に居るわけでは無い。
完成を直ぐ分かち合えない事を残念に思いつつも、早速投稿準備として、溢れ返る物の中から封筒の捜索を始めた。
完成品は、葉月に披露しないつもりだ。
当選する確信までは出来ないが、今作は特に自信がある。だから掠るぐらいしないだろうか。
そんな淡い期待を胸に、もし当選したら、その時に内容を披露しよう。一番目の読者として葉月に見せよう。完成が近付いて来た時から、そう決めていた。
「完成したんだって!?」
家に遣って来た葉月は、走ってきたのか息を切らしている。だが、その顔は想像通り清々しく煌いている。
「もう出してきたけどな」
「えっ! 早っ! メール見たから急いで来たのにー」
葉月の手には携帯電話が握られている。恐らく、喜びを分かち合う為に急いでくれたのだろう。いそいそと携帯を鞄にしまいながらも、表情は笑顔を維持したままだった。
「ありがと。今回のは自信作なんだ、だから結果出てから見せるな」
「おぉ、自信作出来たんだ! 本出るの楽しみだね!」
「いや、まだ決まってないから……原稿送っただけだしさ」
疑いのない眼差しに自然と頬を紅潮させ、斜め下に目線を下げる。妙な期待と不安が、胸の奥を駆け巡っている。
「何はともあれ、はい!」
掛け声につられ顔を上げると、開いた両の手が目の前に掲げられていた。ハイタッチを求めているのだと判断し、恥ずかしさと嬉しさでいっぱいになりながらも、両の手を勢いよく合わせた。
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