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◇
淑瑠が訪れるかもしれないとの可能性を考慮し、話は鈴夜の部屋ではなく依仁の部屋でする事に決まった。
依仁の部屋があるのは、重傷患者が多く存在する病棟で、鈴夜は今更ながら依仁の体調が気になった。
「…そんで、どこまで知ってるんすか?」
ベッドに軽く腰掛けた依仁は、丸椅子に浅く腰掛けるのを見守ってから鋭い両目を光らせ続けてきた。
「……えっと…」
視線を逸らし俯きながら、質問を思い返し言葉を洗いなおす。
だが、どうしても悪いイメージの単語が抜けず、発言を躊躇ってしまった。
「……犯人だって知ったんすね…」
重い声が、鈴夜の上に落ちる。やはり彼は本当に加害者の一人だったのだ。
改めて確信し、裏切りに似た気持ちを抱いた。
「……どうして教えてくれなかったんですか…?…大智も浅羽さんも…そう…だったなんて…どうして復讐しようって言った時に、加害者の人が犯人だなんて嘘を言ったんですか…早く教えておいてくれなかったんですか…」
「言ってたら味方になってくれたっすか?」
漏れ出す思いに、発で蓋をされて、鈴夜は口を閉じる。
「大智を殺した奴を憎んでくれましたか?」
その理由が切実過ぎて、泣いてしまいそうになった。
「悪いのは加害者だって言うでしょ?自業自得だって考えるでしょ?罪を犯したやつが殺されても仕方ないって言うでしょ…?」
依仁はサイトにて、見知らぬ他人から投げつけられた言葉に深く傷ついていたのだろう。言葉は強く、思いを込めていた。
「俺たちが悪いんだって言うでしょ?」
「そんな事は思ってないです!!」
鈴夜は叫んでいた。依仁は声に、瞳を見開く。
「…それでも僕は大智を殺した犯人が憎かったと思います…ちゃんと立場を知っても、気持ちは変わらなかったと思います…もしかすると自業自得だって少しは考えてしまったかもしれない…でもそれでも絶対に許せなかったと思います…味方とか敵とかじゃなくて…ただ…」
混乱する脳で、必死に言葉を汲み上げてゆく。結局自分が、何を言いたいかが分からないままで。
大智の件で、CHSに触れ始めた。
様々な事が一気にふりかかって、分からなくなった。
大智の気持ちを考え、胸が痛くなった。
犯人を憎く思った。
自分が事件に巻き込まれ、恐怖を知り、更に¨事件¨が、¨加害者¨が恐ろしくなった。
凜の件で、加害者もそれなりの葛藤を抱えているんだと、後悔をしているんだと知った。
飛翔の件で、手を下す加害者にもそれなりの理由があるのだと知った。
何が正しくて、何が悪いのかよく分からなくなった。
ただ一つ、全てを受け止めた上で願うのは――――。
「…もう嫌なんです…何かがあるのは…もう嫌なんです…誰かが死んでしまったり、傷つくのを見るのは…」
泣きそうな顔で俯く鈴夜を見ながら、依仁は表情を歪めた。
鈴夜の優しさが、思っていた以上に深く、柔らかい物であった事を知り、罪悪感が込み上げたのだ。
「…責めないんすか?俺の事、嘘吐いてたも同然なのに」
「…浅羽さんも、です、もう嫌、なんです…」
鈴夜の願いは、一見綺麗事に聞こえる。
だが、長い期間世間の罵声を聞き続けた依仁にとって、自分も含まれたその願いは同時に慰めにも聞こえた。
身を案じる嘆きは、樹野のものと同じだ。
「………それでも、犯人探しはやめません」
「…なんで!!」
「……大事な人に近づけない為っす、命を守るためっすよ…」
依仁の言う大事な人に見当はつかなかったが、その人物もCHS事件に関わるのだとは分かった。
恐らく、大智と同じように襲われる可能性を、少しでも消し去りたいと考えているのだろう。
犯人を突き止めるという方法で。
「…でも…もう大智の…」
「凜を殺した奴も、水無さんを襲ったやつも、多分関係者です…俺を襲ったやつも…そいつらを何もせずに野放しに何か出来ないっす」
依仁が要注意だと勧告してきた緑の顔や、勇之の顔が浮かんだ。
勇之は勿論恐ろしいが、仮に犯人だったとしても死んで欲しいとは思わない。
「…でももう復讐はやめるっす…」
「…え?」
驚いて顔を上げると、依仁は僅かに笑みを浮かべていた。
「…殺すのはやめるっす。騒ぎが終わるまでずっと、その大事な人の傍について自分が守ればいいだけの話っすよね…」
完全にとは行かずとも、意見が受け容れられて嬉しさが溢れ出す。
「えっ、ここで泣くんすか!?」
仄かな笑顔の上に重なる涙を見て、依仁は戸惑う。鈴夜本人も、戸惑った様子で情けなさそうに拭った。
「え、あ、ごめん、なんでだろう、変だよね、急に泣き出すとかおかしいよね」
「…樹野みたい」
鈴夜は、零れた名詞を包む柔らかさに悟った。多分、依仁の大事な人とは樹野だ。
同時に樹野が、大智や依仁と同じポジションとして事件に関わっているのだと確信してしまった。
¨私の所為で¨そう零した樹野の声が、脳内に響き渡った。
当初の目的通り顔を洗い戻ると、扉の前の椅子に座り込む淑瑠を見つけた。どこか、深刻そうにしている。
「淑兄…?」
だが、鈴夜の気配に気付くと、ぱっと明るい顔色を見せた。
「鈴夜!待ってたよ」
「…入っててくれれば良かったのに」
淑瑠は顔を見るや否や、右手に提げた鞄から白く柔らかなタオルを取り出し、鈴夜の頬に宛がう。
「顔洗いに行ってたんだね、顔濡れてる」
「ありがとう、タオル無いの忘れてたよ」
鈴夜は流れるように受け取り、顔を拭いた。
部屋は静かだ。淑瑠も体調を配慮してかあまり話さないし、鈴夜も上手く話を切り出せず黙ってしまう。
鈴夜は数分前の、依仁との会話を再度思い返していた。
結局、話が逸れてしまい、主犯であるかは確認できなかったが、今回の件で鈴夜は加害者の全員を把握した。
――――している事に、分かれてから気付いた。
CHSの加害者は全員で6人だと、世間は公表している。
大智と依仁、岳、そして凜と勇之と樹野の全部で6人だ。
ただ、情報の中には、全員男だとの情報もあった。それは誤報だったのだろう。やはり、情報というものは、信じるに値しない物が多い。
依仁は、緑と勇之が怪しいと話していたが、仲間である勇之を疑う理由はどこから来ているのだろう。
「――ずや、鈴夜」
「えっ、何?」
おぞましさが胸を飽和した事で、淑瑠の声が聞こえていなかったらしい。淑瑠は、心配そうにこちらを見ている。
「……もうそろそろ昼だからご飯買ってくるね」
「あ、うん行ってらっしゃい」
鈴夜はまた、反射的に笑い明るく手を振る。淑瑠は美しく微笑み、去っていった。
今になって、依仁と淑瑠の険悪な雰囲気の理由が分かった気がする。関わらないでと言った理由も全て。
淑瑠はきっと、身を案じ忠告してくれていたのだ。
その優しさに答えず、事件に首を突っ込んでしまった事に、今更重苦しい罪悪感を覚えた。
淑瑠が訪れるかもしれないとの可能性を考慮し、話は鈴夜の部屋ではなく依仁の部屋でする事に決まった。
依仁の部屋があるのは、重傷患者が多く存在する病棟で、鈴夜は今更ながら依仁の体調が気になった。
「…そんで、どこまで知ってるんすか?」
ベッドに軽く腰掛けた依仁は、丸椅子に浅く腰掛けるのを見守ってから鋭い両目を光らせ続けてきた。
「……えっと…」
視線を逸らし俯きながら、質問を思い返し言葉を洗いなおす。
だが、どうしても悪いイメージの単語が抜けず、発言を躊躇ってしまった。
「……犯人だって知ったんすね…」
重い声が、鈴夜の上に落ちる。やはり彼は本当に加害者の一人だったのだ。
改めて確信し、裏切りに似た気持ちを抱いた。
「……どうして教えてくれなかったんですか…?…大智も浅羽さんも…そう…だったなんて…どうして復讐しようって言った時に、加害者の人が犯人だなんて嘘を言ったんですか…早く教えておいてくれなかったんですか…」
「言ってたら味方になってくれたっすか?」
漏れ出す思いに、発で蓋をされて、鈴夜は口を閉じる。
「大智を殺した奴を憎んでくれましたか?」
その理由が切実過ぎて、泣いてしまいそうになった。
「悪いのは加害者だって言うでしょ?自業自得だって考えるでしょ?罪を犯したやつが殺されても仕方ないって言うでしょ…?」
依仁はサイトにて、見知らぬ他人から投げつけられた言葉に深く傷ついていたのだろう。言葉は強く、思いを込めていた。
「俺たちが悪いんだって言うでしょ?」
「そんな事は思ってないです!!」
鈴夜は叫んでいた。依仁は声に、瞳を見開く。
「…それでも僕は大智を殺した犯人が憎かったと思います…ちゃんと立場を知っても、気持ちは変わらなかったと思います…もしかすると自業自得だって少しは考えてしまったかもしれない…でもそれでも絶対に許せなかったと思います…味方とか敵とかじゃなくて…ただ…」
混乱する脳で、必死に言葉を汲み上げてゆく。結局自分が、何を言いたいかが分からないままで。
大智の件で、CHSに触れ始めた。
様々な事が一気にふりかかって、分からなくなった。
大智の気持ちを考え、胸が痛くなった。
犯人を憎く思った。
自分が事件に巻き込まれ、恐怖を知り、更に¨事件¨が、¨加害者¨が恐ろしくなった。
凜の件で、加害者もそれなりの葛藤を抱えているんだと、後悔をしているんだと知った。
飛翔の件で、手を下す加害者にもそれなりの理由があるのだと知った。
何が正しくて、何が悪いのかよく分からなくなった。
ただ一つ、全てを受け止めた上で願うのは――――。
「…もう嫌なんです…何かがあるのは…もう嫌なんです…誰かが死んでしまったり、傷つくのを見るのは…」
泣きそうな顔で俯く鈴夜を見ながら、依仁は表情を歪めた。
鈴夜の優しさが、思っていた以上に深く、柔らかい物であった事を知り、罪悪感が込み上げたのだ。
「…責めないんすか?俺の事、嘘吐いてたも同然なのに」
「…浅羽さんも、です、もう嫌、なんです…」
鈴夜の願いは、一見綺麗事に聞こえる。
だが、長い期間世間の罵声を聞き続けた依仁にとって、自分も含まれたその願いは同時に慰めにも聞こえた。
身を案じる嘆きは、樹野のものと同じだ。
「………それでも、犯人探しはやめません」
「…なんで!!」
「……大事な人に近づけない為っす、命を守るためっすよ…」
依仁の言う大事な人に見当はつかなかったが、その人物もCHS事件に関わるのだとは分かった。
恐らく、大智と同じように襲われる可能性を、少しでも消し去りたいと考えているのだろう。
犯人を突き止めるという方法で。
「…でも…もう大智の…」
「凜を殺した奴も、水無さんを襲ったやつも、多分関係者です…俺を襲ったやつも…そいつらを何もせずに野放しに何か出来ないっす」
依仁が要注意だと勧告してきた緑の顔や、勇之の顔が浮かんだ。
勇之は勿論恐ろしいが、仮に犯人だったとしても死んで欲しいとは思わない。
「…でももう復讐はやめるっす…」
「…え?」
驚いて顔を上げると、依仁は僅かに笑みを浮かべていた。
「…殺すのはやめるっす。騒ぎが終わるまでずっと、その大事な人の傍について自分が守ればいいだけの話っすよね…」
完全にとは行かずとも、意見が受け容れられて嬉しさが溢れ出す。
「えっ、ここで泣くんすか!?」
仄かな笑顔の上に重なる涙を見て、依仁は戸惑う。鈴夜本人も、戸惑った様子で情けなさそうに拭った。
「え、あ、ごめん、なんでだろう、変だよね、急に泣き出すとかおかしいよね」
「…樹野みたい」
鈴夜は、零れた名詞を包む柔らかさに悟った。多分、依仁の大事な人とは樹野だ。
同時に樹野が、大智や依仁と同じポジションとして事件に関わっているのだと確信してしまった。
¨私の所為で¨そう零した樹野の声が、脳内に響き渡った。
当初の目的通り顔を洗い戻ると、扉の前の椅子に座り込む淑瑠を見つけた。どこか、深刻そうにしている。
「淑兄…?」
だが、鈴夜の気配に気付くと、ぱっと明るい顔色を見せた。
「鈴夜!待ってたよ」
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淑瑠は顔を見るや否や、右手に提げた鞄から白く柔らかなタオルを取り出し、鈴夜の頬に宛がう。
「顔洗いに行ってたんだね、顔濡れてる」
「ありがとう、タオル無いの忘れてたよ」
鈴夜は流れるように受け取り、顔を拭いた。
部屋は静かだ。淑瑠も体調を配慮してかあまり話さないし、鈴夜も上手く話を切り出せず黙ってしまう。
鈴夜は数分前の、依仁との会話を再度思い返していた。
結局、話が逸れてしまい、主犯であるかは確認できなかったが、今回の件で鈴夜は加害者の全員を把握した。
――――している事に、分かれてから気付いた。
CHSの加害者は全員で6人だと、世間は公表している。
大智と依仁、岳、そして凜と勇之と樹野の全部で6人だ。
ただ、情報の中には、全員男だとの情報もあった。それは誤報だったのだろう。やはり、情報というものは、信じるに値しない物が多い。
依仁は、緑と勇之が怪しいと話していたが、仲間である勇之を疑う理由はどこから来ているのだろう。
「――ずや、鈴夜」
「えっ、何?」
おぞましさが胸を飽和した事で、淑瑠の声が聞こえていなかったらしい。淑瑠は、心配そうにこちらを見ている。
「……もうそろそろ昼だからご飯買ってくるね」
「あ、うん行ってらっしゃい」
鈴夜はまた、反射的に笑い明るく手を振る。淑瑠は美しく微笑み、去っていった。
今になって、依仁と淑瑠の険悪な雰囲気の理由が分かった気がする。関わらないでと言った理由も全て。
淑瑠はきっと、身を案じ忠告してくれていたのだ。
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オデュッセイア
オデュッセウスの帰還を題材とした叙事詩。
冒険、愛、家族の絆を描いた作品として愛される。
人間の強さ、弱さ、そして希望を描いた作品。
これらの詩は、古代ギリシャの人々の思想や価値観を反映しています。
神々、英雄、そして人間たちの物語を通して、人生の様々な側面を描いています。
現代でも読み継がれるこれらの詩は、私たちに深い洞察を与えてくれるでしょう。
参考資料
ギリシャ神話
プロメテウス
ヘラクレス
オルフェウス
パンドラ
オデュッセウス
イリアス
オデュッセイア
海精:ネーレーイス/ネーレーイデス(複数) Nereis, Nereides
水精:ナーイアス/ナーイアデス(複数) Naias, Naiades[1]
木精:ドリュアス/ドリュアデス(複数) Dryas, Dryades[1]
山精:オレイアス/オレイアデス(複数) Oread, Oreades
森精:アルセイス/アルセイデス(複数) Alseid, Alseides
谷精:ナパイアー/ナパイアイ(複数) Napaea, Napaeae[1]
冥精:ランパス/ランパデス(複数) Lampas, Lampades
スルドの声(嚶鳴) terceira homenagem
桜のはなびら
現代文学
大学生となった誉。
慣れないひとり暮らしは想像以上に大変で。
想像もできなかったこともあったりして。
周囲に助けられながら、どうにか新生活が軌道に乗り始めて。
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スルド。
それはサンバで使用する打楽器のひとつ。
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