序・思わぬ収穫?

七月 優

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はじまりはじまり

どうやら異世界だったらしい

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 あれから数日。
 私がこの世界で分かったことをは、たくさんあります。

 まず、どこからどう見てもここは異世界であるということ。
 寝食を経て、どうやら私はこの小さな体に生まれ変わったらしいこと。
 今住んでいる場所に、私のようなおそらく何らかの事情で家族がいない子どもたちが引き取られ、大人たちに世話をされていること。つまり、多分私がいる施設は、孤児院らしいということ。

 いきなりこの世界の言葉が理解出来るとか、世の中そんな上手くいくことは、当然なかったことを思い知りました。
 前世の某異世界冒険物語では、気づけば口からその世界の言葉を勝手に話せているとかいう、不思議現象がありましたけど。私にそれと似たような現象は、訪れてはくれないようです。
 
 はい。
 もれなく皆様、何をおっしゃっているのか理解不明です。喋っている言葉は、前世の英語やフランス語などの言語に近いような気もします。

 某ポケットにインされた便利ツールの一つである、あの食べ物がぜひとも食べたくなりました。

 ですが、現実も人生も、甘くありません。
 あの食べ物のようなものが存在している予感は当然しませんし、今後私の日本語で話したことがこの世界の言葉で自然と翻訳されるという、期待の薄い望みを抱いてはいられません。
 世知辛い生まれ変わり人生だと思うものの、生まれ変われただけ、私はすこぶる幸運には違いないはずです。生を授かっただけ、感謝せねばらならず、これ以上求めるのはきっとおこがましいことなのでしょう。
 
 私がせねばならないこと。
 それは、兎にも角にも、この世界というか、私が暮らしているここの人たちが話す言葉を理解することです。
 一から習得せねばならないでしょう。

 まずは、絵本に書かれている言葉を、読み聞かせなどや同年代らしき子が発音してくれたのを耳で一生懸命聞き、それを紙に書いていきます。ちなみに紙は、不要の捨てる自由に使用可の紙の裏を主に利用します。
 そうやって、他の者が喋っている言葉を真似して発音し、明らかに意味が分かるものなどの呼び方は、逐一メモをする! 地道に言語を習得していくしか、ありませんでした。

 そう言えば、前世の留学先の国で、現地の先生が英語で喋った言葉を、生徒がそのまま繰り返して発音するといった方法で、英語を教えてくれる学校があったそう。ちょっと、それを思い出しちゃいました。
 前世高校を無事卒業すれば、留学する予定だったんですよね。それがまさか、異世界に留学するとは、思いもしませんでしたが……。

 考えるだけで涙が滲み出るので、前世のことはひとまず頭の中から追い出しましょう。元彼とのこと嫌なことまで、思い出してしまいますから。
 泣くのはなるべく夜の眠る時のみ。それかどうしてもという時は、人目のないところでこっそりと! 一匹狼気質で、耐えねばなりません。

 泣いたって、過去も、今のこの現状も、どうしようも、ないのですから。

 涙して泣いても、今なら許されるとは思うんですけどね。
 だって私、今まだ二歳ですもんっ!
 
 一応、一人でトイレ出来ます。というか、この世界だからなのか、体質なのか、我慢しようと思えばかなりトイレ我慢出来なくもないんですけどね。体に悪そうなので、適度にお花摘みは行きますとも。
 乳歯も多分生え揃っていて、食事はどれも大抵薄味です。健康面と味覚面を考慮して、素材本来の味を、味わわされております。哺乳瓶でミルク体験か、どろどろの離乳食体験は免れただけ、文句は言えません。

 そもそも、どうして今の私が二歳であると理解したか。答えはずばり、ステータスを閲覧したからでございます。

 魔法とか使えるファンタジーな異世界とあらば、私だって好奇心は疼きます。
 生まれ変わって目の前で魔法的なこと見せられれば、自分も出来るんじゃないと希望は抱くものでしょうとも。
 私は頑張って前世のゲームや作り話にあったことを想像し、実行しようとしました。
 結果、何一つ実現出来ませんでした。
 これすなわち、やはり私なんぞには前世同様魔法が使えない的なやつですかい?

 いやいや、もしかしたらですよ。レベルとか魔力保有量の問題かもしれません。一縷の望みを捨てきれない、愚かな自分がいます。
 そんなわけで、ステータスとか見れないかなと念じていれば、眼前にひゅんと、パソコンの画面のような映像が現れたんですね。
 そこに書かれていたのは、紛れもなくこの私のステータスに相違ありません。
 半分以上冗談だったのに、まさか本当にステータス見れるとか……。
 何このゲームっぽい世界。

 半ば呆然と思いながら、ステータスをチェックしていきます。
 って、この世界の文字解読出来ないので、ほぼ何書いてあるのか謎なんですけど。唯一の救いは、算用数字がどうやら前世と全くもって同じようだということです。数字だけ見れば、2が二つありました。
 まあ、私のこの幼児体型からして、どっちかは年齢だと判断出来たと、言うわけなのですよ。

 一番考えたくないのは、「HP=2」とか、そんなわけございませんよね?
 私、「すぐ死ねっ!」って(誰かに)宣告されてます?
 脳裏に、”dying” の文字がちらついて、しょうがないったらありゃしません。

 本当に「HP=2」の場合、例え数字が一つマイナスになろうと、瀕死色に塗る必要がないのではないかという心境に至ります。だって、そもそもが瀕死色の人生だと、突きつけられているようなもんですし。
 延々と回復アイテムか回復魔法の使用おねげえしやすと思う一方で、全快してもどうせ「2」ならその使用すらもったいない、お手を煩わすのもおこがましいとも思いますねえ。

 私が後に知ったことには、やはり年齢が二歳で、前世でいうMPも二だったということでした。
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