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はじまりはじまり
言語習得の道のりは遠く③
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最近、ようやく数名の顔と名前を把握しました。
名前は、こちらの言語とあって、発音も未だ少々あやふや。ですので、なんとなくの把握、といった感じですけどね。
そうそう。
なぜか私に不思議と懐いてくれているあの子。彼女の名前も、最近ようやくインプットしましたよ。
彼女の名前、当然こちらの言語の発音です。日本語的に表記するなら「マリエラ」になると思います。
本日は、マリエラたちと一緒に、「絵本の読み聞かせ」をしてもらっているところです。
読み聞かせをしてくれるのは、保育士的役割の大人の女性。
全体でも個別でも、機会があらば「絵本の読み聞かせ」をしてもらえるのは、実に幸いです。
周囲の幼児たちのおかげで、なんとなく「絵本読んで」に相当する言葉も覚えました。
中身高校生とはいえ、現在の姿は幼児。「絵本の読み聞かせ」される立場が恥ずかしいとか、正直ないです。
むしろ、繰り返すように、有難いことなのですよ。
なぜなら、幼児の今のうちから必死こいてないと、言葉の発達において私は周囲から遅れをとるに決まっているからです。母(国)語習得と、第二言語習得の溝は、とかく深いのであります。
それに、この世界で生き抜くためには、言語習得は肝要不可欠。それができないと、大袈裟にいえば、いずれ死活問題に繋がりますからね。
だから、他の子がスムーズに身につけられることを、こちとら心の中でヒイヒイ時折叫びながら、やるしかないのです。毎日少しずつ新しい言葉を覚え反復して、自分の頭に叩き込んでいくしかありません。
前世、「世界で一番(第二言語として)習得が難しいのはギリシャ語」と話す先生もいました。
自分の母(国)語や育った環境などによっても、どの言語が難しいという感覚は違うと思います。
日本語だって、ひらがな・片仮名・漢字・外来語などがあって、習得が難しいと思う人もいたでしょう。
私の今のところの見解ですが、こちらの言語はアルファベットに近いですね。
小文字・大文字の使い分けはありそう。小文字・大文字なものを全て含めると、約五十ほど基本の文字があるのだと思われます。
前世どこかの言語にはあった、「女性・男性名詞など」というのも、まだ遭遇していない気がします。私のなまじっかな知識で例を挙げると、 ” Bravo! ” と ” Brava! ” の違いとか、アン・ドゥ・トロワのアンは ” un ” ですけど ” une ” にしなきゃいけないという場合もあるアレですね。
ともかく、アルファベット的文字だけで成り立つのなら、日本語の数種類の文字の使い分けよりはましだと思うのですよ。
あと、前世どこかの言語にあった、置き字とかもなさそうですし。縦から読んで、真横の行下からリターンするように読む的なこともなさそう。舌打ちが言語になっても、いなそうですねえ。
あくまで私個人の希望が入っているのは、否めませんが……。
前世それら他言語の特徴などを、授業や他人からちょろっと見聞きしただけとはいえど、振り返ってみれば、前世各国の言語も摩訶不思議でした。
今思うと、古文とか漢文とかも、まんま暗号を解読してく心持ちでしたね。あれ、話の中身が個人的に面白くなけりゃ、必須科目でなけりゃ、やってらんなかったと思います。
百人一首に限っては、その魅力に私はどっぷりはまれなくって、高校時代の定期テストでもほぼほぼ捨ててましたっけね。強いて楽しかったと頑張って思えるのは、「白妙の衣」とかの枕詞くらいでしょうか? ふふふ。
「読み聞かせ」が終わると、幼児組はほとんど好きなことにまっしぐらの中、私は忘れないうちにすかさず復習です。
たまに、マリエラもそれに付き合ってくれます。私が忘れてしまった絵本の中の単語の発音を、幼女の彼女なりに発音してくれるので、地味に助かります。マリエラが他の年上組に、「絵本読んで」とのナイスアシストを繰り出してくれるのも、すごく助かっていますとも。
今更ながら、マリエラってさほど手のかからない、いい子なんですよね。普通、他の子みたいに、自分のしたい・やりたいこと優先して、イヤイヤと駄々こねまくる年頃でしょうに。
物覚えも悪くありませんし、何より可愛い。
というか、この世界の女性組の顔面偏差値、異様に高い気がしなくもないんですよね。
そんな中で、良くも悪くも平々凡々な顔の私。まあ、生まれ持ったものは仕方ない。以上、嘆いたところでどうしようもありませんよ。
「イルヴェキュブフポフトゥジュ―」
「いるべきゅぶふぽ……」
マリエラと一緒に、現在絵本の最後の一文を読んでいるのですが、最後の鼻に抜ける音が難しいんですよね。
「ポフトジョー」
「ぽふとじょ~」
周囲が最後の二単語を、再び教えてくれます。
とはいえ、単語単体の発音と、長文における発音が微妙に違いますし。英語でもあった、おそらくリエゾンってやつですね。
本場アメリカ英語で「ペン持ってますか?」は、予想斜め上の発音に聞こえたり、” I get it . ” や ” I got a job . ” など ” t ” 近辺の部分が、ラリルレロに聞こえたりする現象もきっとあるのでしょう。
そういう発音って、母音の種類少ない&カチカチ喋る日本語に親しんだ私には、とても難しいです……。
「イルヴェキュブフポフトゥジュ―」
「いるべきゅぶふぽふとぅじゅ~」
うん、なんとか及第点には行けた気がします。
正直、どういう意味なのかいまいちよく分かっていませんけどね……。
さて、絵本を一応最後まで読み終わったので、マリエラは絵本をパタンと閉じて元の場所に戻します。
「リー、アリー」
そうして、マリエラはとある方向を指さし、私の手をひきました。おそらく、「あっち行こうよ」的なこと言ってるんだと思います。
マリエラからすれば言語習得に付き合ってくれているのですから、私もマリエラに恩返しはせねばいけません。
お絵描き・積み木・紐遊び・おままごと・ボール遊び、一体今から何をするのかは、マリエラ次第です。
ちなみに、愛称的な感じか、発音しにくいからか、マリエラは「リー」と私を呼びます。
「リー」というのが私の名なんだろうかと、最初思っていました。が、よくよく大人組の私に対する呼び名を聞くと、日本語的に言えば「リース」に聞こえなくもありません。多分「リース」と私は呼ばれているんだと思います。
極稀に、マリエラから「リー」と何度も連呼されて、前世の某野球漫画の盗塁シーンを思い出してしまう私がいます。
まあ、私盗塁阻止は苦手でしたから、盗塁する方がまだいいと思うことにしときましょう。
名前は、こちらの言語とあって、発音も未だ少々あやふや。ですので、なんとなくの把握、といった感じですけどね。
そうそう。
なぜか私に不思議と懐いてくれているあの子。彼女の名前も、最近ようやくインプットしましたよ。
彼女の名前、当然こちらの言語の発音です。日本語的に表記するなら「マリエラ」になると思います。
本日は、マリエラたちと一緒に、「絵本の読み聞かせ」をしてもらっているところです。
読み聞かせをしてくれるのは、保育士的役割の大人の女性。
全体でも個別でも、機会があらば「絵本の読み聞かせ」をしてもらえるのは、実に幸いです。
周囲の幼児たちのおかげで、なんとなく「絵本読んで」に相当する言葉も覚えました。
中身高校生とはいえ、現在の姿は幼児。「絵本の読み聞かせ」される立場が恥ずかしいとか、正直ないです。
むしろ、繰り返すように、有難いことなのですよ。
なぜなら、幼児の今のうちから必死こいてないと、言葉の発達において私は周囲から遅れをとるに決まっているからです。母(国)語習得と、第二言語習得の溝は、とかく深いのであります。
それに、この世界で生き抜くためには、言語習得は肝要不可欠。それができないと、大袈裟にいえば、いずれ死活問題に繋がりますからね。
だから、他の子がスムーズに身につけられることを、こちとら心の中でヒイヒイ時折叫びながら、やるしかないのです。毎日少しずつ新しい言葉を覚え反復して、自分の頭に叩き込んでいくしかありません。
前世、「世界で一番(第二言語として)習得が難しいのはギリシャ語」と話す先生もいました。
自分の母(国)語や育った環境などによっても、どの言語が難しいという感覚は違うと思います。
日本語だって、ひらがな・片仮名・漢字・外来語などがあって、習得が難しいと思う人もいたでしょう。
私の今のところの見解ですが、こちらの言語はアルファベットに近いですね。
小文字・大文字の使い分けはありそう。小文字・大文字なものを全て含めると、約五十ほど基本の文字があるのだと思われます。
前世どこかの言語にはあった、「女性・男性名詞など」というのも、まだ遭遇していない気がします。私のなまじっかな知識で例を挙げると、 ” Bravo! ” と ” Brava! ” の違いとか、アン・ドゥ・トロワのアンは ” un ” ですけど ” une ” にしなきゃいけないという場合もあるアレですね。
ともかく、アルファベット的文字だけで成り立つのなら、日本語の数種類の文字の使い分けよりはましだと思うのですよ。
あと、前世どこかの言語にあった、置き字とかもなさそうですし。縦から読んで、真横の行下からリターンするように読む的なこともなさそう。舌打ちが言語になっても、いなそうですねえ。
あくまで私個人の希望が入っているのは、否めませんが……。
前世それら他言語の特徴などを、授業や他人からちょろっと見聞きしただけとはいえど、振り返ってみれば、前世各国の言語も摩訶不思議でした。
今思うと、古文とか漢文とかも、まんま暗号を解読してく心持ちでしたね。あれ、話の中身が個人的に面白くなけりゃ、必須科目でなけりゃ、やってらんなかったと思います。
百人一首に限っては、その魅力に私はどっぷりはまれなくって、高校時代の定期テストでもほぼほぼ捨ててましたっけね。強いて楽しかったと頑張って思えるのは、「白妙の衣」とかの枕詞くらいでしょうか? ふふふ。
「読み聞かせ」が終わると、幼児組はほとんど好きなことにまっしぐらの中、私は忘れないうちにすかさず復習です。
たまに、マリエラもそれに付き合ってくれます。私が忘れてしまった絵本の中の単語の発音を、幼女の彼女なりに発音してくれるので、地味に助かります。マリエラが他の年上組に、「絵本読んで」とのナイスアシストを繰り出してくれるのも、すごく助かっていますとも。
今更ながら、マリエラってさほど手のかからない、いい子なんですよね。普通、他の子みたいに、自分のしたい・やりたいこと優先して、イヤイヤと駄々こねまくる年頃でしょうに。
物覚えも悪くありませんし、何より可愛い。
というか、この世界の女性組の顔面偏差値、異様に高い気がしなくもないんですよね。
そんな中で、良くも悪くも平々凡々な顔の私。まあ、生まれ持ったものは仕方ない。以上、嘆いたところでどうしようもありませんよ。
「イルヴェキュブフポフトゥジュ―」
「いるべきゅぶふぽ……」
マリエラと一緒に、現在絵本の最後の一文を読んでいるのですが、最後の鼻に抜ける音が難しいんですよね。
「ポフトジョー」
「ぽふとじょ~」
周囲が最後の二単語を、再び教えてくれます。
とはいえ、単語単体の発音と、長文における発音が微妙に違いますし。英語でもあった、おそらくリエゾンってやつですね。
本場アメリカ英語で「ペン持ってますか?」は、予想斜め上の発音に聞こえたり、” I get it . ” や ” I got a job . ” など ” t ” 近辺の部分が、ラリルレロに聞こえたりする現象もきっとあるのでしょう。
そういう発音って、母音の種類少ない&カチカチ喋る日本語に親しんだ私には、とても難しいです……。
「イルヴェキュブフポフトゥジュ―」
「いるべきゅぶふぽふとぅじゅ~」
うん、なんとか及第点には行けた気がします。
正直、どういう意味なのかいまいちよく分かっていませんけどね……。
さて、絵本を一応最後まで読み終わったので、マリエラは絵本をパタンと閉じて元の場所に戻します。
「リー、アリー」
そうして、マリエラはとある方向を指さし、私の手をひきました。おそらく、「あっち行こうよ」的なこと言ってるんだと思います。
マリエラからすれば言語習得に付き合ってくれているのですから、私もマリエラに恩返しはせねばいけません。
お絵描き・積み木・紐遊び・おままごと・ボール遊び、一体今から何をするのかは、マリエラ次第です。
ちなみに、愛称的な感じか、発音しにくいからか、マリエラは「リー」と私を呼びます。
「リー」というのが私の名なんだろうかと、最初思っていました。が、よくよく大人組の私に対する呼び名を聞くと、日本語的に言えば「リース」に聞こえなくもありません。多分「リース」と私は呼ばれているんだと思います。
極稀に、マリエラから「リー」と何度も連呼されて、前世の某野球漫画の盗塁シーンを思い出してしまう私がいます。
まあ、私盗塁阻止は苦手でしたから、盗塁する方がまだいいと思うことにしときましょう。
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