初恋Returns

二一

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初恋Returns 24

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「祥真」

 玄関の扉が閉まった途端、唇を塞がれた。身体は廊下の壁に押し付けられ、完全にその自由を奪われている。

 武市が怒っていることがわかった。これまでなら、怒りはダイレクトに言葉できたけど、今日は違う。自惚れるなら、ジイチャンに対する嫉妬みたいなものも入っているんじゃないだろうか。

 俺は責めるようなキスに翻弄されながら、必死で武市の落ち着くのを待っている。

 息が苦しい。

「……ごめん」

 なんとか、唇が離れた瞬間、俺はなんとか謝ることができた。武市は何も言わない。こんなとき大人ってつくづく都合がいいもんだと思う。俺に怒っている本当の理由は、武市は言いたくないんだ。だから、こうやって八つ当たりみたいにキスで済ませようとしている。

 言いたくない、じゃなくて、言えないのかもな。言えば俺が危険な目に遭うかも知れない、そんな事情なんだと思う。

 でも、俺は武市が俺のことを大事にしてくれていることを知ってるから、だから謝ろうと思った。心配かけてごめんって。

「祥真」

 今度はそんなに怒っていない普通のキス。俺はおとなしく武市のキスを受け入れていた。少し戸惑ってるような、甘えるみたいなキスをする武市がどこか可愛らしく感じた。

「祥真、明日バイトは?」

「休みだけど?」

 答えた瞬間、身体が浮き上がった。俺の身体は軽々と抱き上げられていて、滑らかに奥へと運ばれていく。リビングを抜け、武市の部屋へと。

 ベッドの上に放り投げられ、そのまま押さえつけられる。そこまで三〇秒もかかってないんじゃないかってくらいスムーズな移動だ。

「休みなら問題ないな」

 ちょっと待て。なにが問題なしだよ。充分に問題ありだし。

「まだ、五回ミスってねぇし!」

「それはミスったら言いなりになる、だろ? 別に今は言いなりになれとは言ってねぇ」

 暴れたきゃ暴れろ。そう笑った武市は、見事な手際で俺の服を剥ぎ取っていく。

「今日はやだって! だって……」

 命日にこんな――。言いかけた俺を武市がキスで黙らせる。

「もう、次の日、だ。それに……」

 時計はちょうど0時を過ぎていた。

「一にはちゃんと報告してきたから大丈夫だ」

「報告ってなに!?」

「おまえの息子は食ったってな」

「なっ……!」

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