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不穏な気配
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この所、見慣れない連中が町をうろついているよ。どこか何かを探しているかのような、嫌らしい目つきで町の人をみている。
ドンッ!!
「何だこの店は! こんなおばはんしか居ないのか! こないだの姉ちゃん出せよ!」
「今は出掛けてていないよ!」
あんな怪しい連中の前に娘を出す訳に行かないからね、昨日からずっと裏に居るように言っているよ。他の家の年頃の娘さん達にもあまり外に出ないようにとも広めている。
「まったく! エールとツマミ! 三人分! 適当に持ってきてくれや」
「ヒソ…… どんな塩梅だ」「まだ見つからないのか」「アニキも夜にはくるんだぞ」
ヒソヒソと話しているのが、やっぱり何か探している感じだね。後で町長とゴウさんにも話しておこうかね。
◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆
宿屋の奥さんから怪しい奴らがいると聞いた町長がやってきた。
「ゴウよ、何やら怪しい連中が嗅ぎ回っているようだがお前んトコは大丈夫か?」
「あー、何だか冒険者崩れかチンピラぽいのがウロついてたな。裏の方気にしてたんでワザと大きめの声だして追い払った」
「とにかく怪しい奴らがいたら直ぐに言ってくれ、ロイさんとザックさんにも言ってあるから、何かあったら二人にも伝わるようにしてある」
「分かった」
アレの話が漏れている事は無いはずだが、変な連中が何か探している素ぶりをしているのは確かだ。裏庭の小屋の鍵はしっかり掛けてある、水車小屋の方ももう一度確かめておくか。
水車小屋の鍵を確かめた後、ジーンの所に寄ってみた。
「ジーン、いるかい?」
「おうゴウか、どうした?」
作業をしていたジーンが小屋の奥から出てきた。
「さっき町長がきて、町に良くない連中がやって来て何か探っているようだから気を付けるようにって、あと見かけたら知らせてくれとさ」
「こんな田舎町にか?」
「まあ、何処かで変な話でも聞いたのかね」
とにかくジーンにも気を付けるように言い、ぐるりと町を回ってから家に帰った。
◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆
夕暮れ、まもなく町の入り口も閉まる時間直前、普段から人の出入りの多い北口でなく人の少ない南口での事
「おーい、お前さんたち入るなら早めに頼むよ」
ゾロゾロと集まっていた五、六人の冒険者ぽい集団に門番が声を掛けた。
「何だ!……っっ」
声を掛けられた事に何故かキレる男を、一際ガタイの良い男が止める。
「おう、すまねえな」
意外と態度よく入って行くのを何となく見送る門番。
そんな門番から離れ、入り口からしばらく離れた場所で。
「バカヤロウが、今から騒いでどうするってんだ!」
ガタイの良い男が入り口で騒ごうとした男を怒鳴りつけていた。
「すみません、アニキ」
「チチッチッチッ」
アニキと呼ばれた男が鳥の鳴き声かと思う音に気がつき辺りを見回すと、離れた小屋の影に人が立っていた。
「おう」
男が顎をしゃくると、別の男が小屋の方に向かい何やら話すと暫くして戻ってきた。
「どうやら道具の方は大工のジーンと言う男がいろいろ作っているようです。あと他に鍛冶屋やら何人か絡んでいるみたいですが、一人職人じゃない男も混ざっているとかで…… 他には……」
「場所は?」
「それも調べてあるそうです」
「よし、まずは一人もんの大工の所へ何人か行け、あと怪しい小屋のある方はオレとお前とお前、少し痛めつけて色々壊してしまえば暫くは大人しくなるだろう、行くぞ!」
ドンッ!!
「何だこの店は! こんなおばはんしか居ないのか! こないだの姉ちゃん出せよ!」
「今は出掛けてていないよ!」
あんな怪しい連中の前に娘を出す訳に行かないからね、昨日からずっと裏に居るように言っているよ。他の家の年頃の娘さん達にもあまり外に出ないようにとも広めている。
「まったく! エールとツマミ! 三人分! 適当に持ってきてくれや」
「ヒソ…… どんな塩梅だ」「まだ見つからないのか」「アニキも夜にはくるんだぞ」
ヒソヒソと話しているのが、やっぱり何か探している感じだね。後で町長とゴウさんにも話しておこうかね。
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宿屋の奥さんから怪しい奴らがいると聞いた町長がやってきた。
「ゴウよ、何やら怪しい連中が嗅ぎ回っているようだがお前んトコは大丈夫か?」
「あー、何だか冒険者崩れかチンピラぽいのがウロついてたな。裏の方気にしてたんでワザと大きめの声だして追い払った」
「とにかく怪しい奴らがいたら直ぐに言ってくれ、ロイさんとザックさんにも言ってあるから、何かあったら二人にも伝わるようにしてある」
「分かった」
アレの話が漏れている事は無いはずだが、変な連中が何か探している素ぶりをしているのは確かだ。裏庭の小屋の鍵はしっかり掛けてある、水車小屋の方ももう一度確かめておくか。
水車小屋の鍵を確かめた後、ジーンの所に寄ってみた。
「ジーン、いるかい?」
「おうゴウか、どうした?」
作業をしていたジーンが小屋の奥から出てきた。
「さっき町長がきて、町に良くない連中がやって来て何か探っているようだから気を付けるようにって、あと見かけたら知らせてくれとさ」
「こんな田舎町にか?」
「まあ、何処かで変な話でも聞いたのかね」
とにかくジーンにも気を付けるように言い、ぐるりと町を回ってから家に帰った。
◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆
夕暮れ、まもなく町の入り口も閉まる時間直前、普段から人の出入りの多い北口でなく人の少ない南口での事
「おーい、お前さんたち入るなら早めに頼むよ」
ゾロゾロと集まっていた五、六人の冒険者ぽい集団に門番が声を掛けた。
「何だ!……っっ」
声を掛けられた事に何故かキレる男を、一際ガタイの良い男が止める。
「おう、すまねえな」
意外と態度よく入って行くのを何となく見送る門番。
そんな門番から離れ、入り口からしばらく離れた場所で。
「バカヤロウが、今から騒いでどうするってんだ!」
ガタイの良い男が入り口で騒ごうとした男を怒鳴りつけていた。
「すみません、アニキ」
「チチッチッチッ」
アニキと呼ばれた男が鳥の鳴き声かと思う音に気がつき辺りを見回すと、離れた小屋の影に人が立っていた。
「おう」
男が顎をしゃくると、別の男が小屋の方に向かい何やら話すと暫くして戻ってきた。
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「場所は?」
「それも調べてあるそうです」
「よし、まずは一人もんの大工の所へ何人か行け、あと怪しい小屋のある方はオレとお前とお前、少し痛めつけて色々壊してしまえば暫くは大人しくなるだろう、行くぞ!」
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