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第9章 アリス
第47話 合同授業2〜運命の日〜
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新学期が始まってひと月ぐらいが過ぎようとしていた頃、再びサポート科との合同授業が行われることが伝えられた。そう、"運命の"合同授業が······。
今回は数日前に実技の授業中に内容などが伝えられ、プリントも配られた。僕は特にそのプリントを見て驚かされた。
今回の実施場所が夏季休暇前試験で僕が行ったあの洞窟だったからだ。
今回の目的はこの洞窟は未だ完全に中の状況を学校側も把握出来ていないとの事なので、その調査を実施するものだそうだ。
そしてプリントには現時点で判明している部分の地図と気を付けるべき2匹のモンスターの情報が書かれていた。そのモンスターとはあのヴァンパイアバットと、もう1匹は岩石状の体で物凄い勢いで体当たりを仕掛けてくるロックサイという魔物で、あの試験の時一度だけ見掛けた奴だった。
その日の授業が終わり改めてプリントを見てあの頃の事を思い返していたら、例のヴァンパイアバット達が子育てをしていた場所が書かれていなかったのでバーミリアン先生に知らせた。
「ん? そういえばあの時そんなこと言ってたな」と言って少し考える素振りをして、「レックス、明日カールと俺の授業は休んでいいからこの地図の補完をして来てくれないか? 前回の時に知り得た事だけで良いからな」
「分かりました」と答え、まだ近くにいたカールにもその事が伝えられた。
翌日お昼を食べて部屋に戻って短剣2本とお姉ちゃんに首から下げられるようにしてもらった"あの牙"を首にぶら下げて外に向かった。
そしてカールとともにバーミリアン先生にひと声掛けて洞窟に向かった。
洞窟に着いて少し中に入ったところで「本当に整備されているみたいだね」「うん。大部分はね」と言い合った後、「まずはどうする?」「取り敢えずヴァンパイアバット達が子育てをしている部屋を目指そう」と言って僕が前に立って進み、カールが後ろを付いて来ながら地図に書き加えていった。
少し歩いたところであの部屋に辿り着いた。部屋の光景を見てカールは「こ、これは!」と驚いていた。
部屋の天井には大人子供のヴァンパイアバットがたくさん止まっているからだ。「こ、こんなにもいるなんて······」「まぁね」僕は一度見ていたのでさほど驚かなかった。
そこへ「キィー!」と叫びながら小さなヴァンパイアバットが僕に向かって飛んで来た。
(もしかして)と思って僕は片腕を出したらそのヴァンパイアバットは腕に止まった。
やっぱり「あの時の奴か!」と話しかけたら「キィー!」と答えてくれた。
「レ、レックス? そいつは?」カールが聞いてきたので試験の時の事を伝えた。
「そ、そうだったんだ」と納得してくれて僕らはその部屋を離れた。
その後もう1箇所、あのロックサイを目撃した場所も案内して地図に書き加えてもらって洞窟を出た後にバーミリアン先生へ地図を渡した。それらの情報が付け加えられた地図が前日に改めて全員に配られたのだった。
そして合同授業当日。今日はブーメランとあの命の石も持ち、牙を首にぶら下げて集合場所に向かった。
全員が揃ったところで洞窟前まで移動した。今回はまず手前の広場部分と奥の広場部分に大きく振り分け、そこからそれぞれ武力科とサポート科が1人ずつペアとなって指定の部分を調査するという事になった。
僕はメリーとペアになってロースとペアになったアリスやカールらとともに手前部分の調査を担当する事となった。
洞窟に入って奥部分側と手前部分側に別れるところまで全員で行ったところで先生から諸注意が伝えられて解散した。
解散して僕とメリーは地図に書かれているあたりまで進み、「ここから先が地図に書かれてない所みたいだ」僕がメリーに伝えて「う、うん」メリーも返答して周りを見渡していたら「っ! きゃあっ!」メリーが悲鳴を上げて僕にしがみついて来た。
「どうしたの?」「あ、あそこ」と指を指した方向を見たら天井に大量のヴァンパイアバットが止まっていた。
「大丈夫だよ。あいつらはこっちが刺激させなきゃ襲ってこないから」「ほ、本当ですか?」「うん」以前に確認済みだから間違いない。
「取り敢えず、先に進んでみよう」と言って進もうとしたらメリーが僕の手を強く握ってきた。
「メリー?」「あの、しばらく手を握ってても良いですか?」「うん。そうだね」とそのまま奥に進んで行った。
しばらく進むと徐々に道が暗くなり、それに合わせてメリーが僕に近寄って来ている感じがした。そして前方が行き止まりだと分かる所まで来て止まった。
「どうやらここで行き止まりみたいだ、メリー。······メリー?」メリーに問いかけたらメリーは僕の腕にしがみついていた。
「メリー? 大丈······」夫か問いかけようとしたら、突然メリーが「レックスさん」「ん?」「私、あなたのことが······好きです」「えっ?」
突然のメリーの告白に僕は言葉を失った。
「前回の合同授業の時、ウッドスパイダーから助けて頂いた時からあなたの事が好きになってしまいました」と続けて言った。
言われてみれば、あれ以来僕に対してのメリーの態度などが急に変わった気がする。
そう思っているとメリーが「正直、あなたの事が頭から離れられないんです」と続けて言って僕に抱き付いてきた。
「メリー」名前を呟いて僕は考え出した。
(確かに本来ならメリーの気持ちを受け止めてあげて、まさに前世では経験した事の無い事を経験するのも有りだと思うけど······)そこまで思ったところでやはりあの水晶玉が見せた光景の事を思い出してしまった。
(やっぱり!)そう思ってメリーを体から離して「ごめん、メリー」「えっ?」僕の返答にメリーは驚きの声を上げた。
「今は君の気持ちを受け止めることが出来ないんだ」「そ、そんな」
「ずっと前から頭の中でどうしても気にしてしまってしょうがない事があるんだ。その事をスッキリさせないと恐らく君にも悪いと思うんだ。だから、そんなに待たせるつもりはないからその事を解決させるまで返事を待ってくれ」と真剣な顔でメリーに言った。
メリーも僕の気持ちを理解して「分かりました。それまで待ってます」と答えて「ありがとう」僕もお礼を述べた後に来た道を戻って行った。
僕らが手前の広場に戻ったところでロースとアリスのペアを始め何組かは戻って来ていたみたいで、僕らも調査の結果を先生に報告してロースやアリスと雑談しだした。
その後も何組か戻ってきて残りは後1組だけとなった。
「もうそろそろ戻ってきても良いと思うんだが······」なかなか戻ってこない一組を心配しだした。
その直後、突然その一組が調査しに行った通路の向こうから、「せ、せんせーーーーー!」「ロ、ロックサイがーーーーー!!」と2人の叫び声が聞こえ、ロックサイという単語が聞こえてその場の全員に緊張が走った。
今回は数日前に実技の授業中に内容などが伝えられ、プリントも配られた。僕は特にそのプリントを見て驚かされた。
今回の実施場所が夏季休暇前試験で僕が行ったあの洞窟だったからだ。
今回の目的はこの洞窟は未だ完全に中の状況を学校側も把握出来ていないとの事なので、その調査を実施するものだそうだ。
そしてプリントには現時点で判明している部分の地図と気を付けるべき2匹のモンスターの情報が書かれていた。そのモンスターとはあのヴァンパイアバットと、もう1匹は岩石状の体で物凄い勢いで体当たりを仕掛けてくるロックサイという魔物で、あの試験の時一度だけ見掛けた奴だった。
その日の授業が終わり改めてプリントを見てあの頃の事を思い返していたら、例のヴァンパイアバット達が子育てをしていた場所が書かれていなかったのでバーミリアン先生に知らせた。
「ん? そういえばあの時そんなこと言ってたな」と言って少し考える素振りをして、「レックス、明日カールと俺の授業は休んでいいからこの地図の補完をして来てくれないか? 前回の時に知り得た事だけで良いからな」
「分かりました」と答え、まだ近くにいたカールにもその事が伝えられた。
翌日お昼を食べて部屋に戻って短剣2本とお姉ちゃんに首から下げられるようにしてもらった"あの牙"を首にぶら下げて外に向かった。
そしてカールとともにバーミリアン先生にひと声掛けて洞窟に向かった。
洞窟に着いて少し中に入ったところで「本当に整備されているみたいだね」「うん。大部分はね」と言い合った後、「まずはどうする?」「取り敢えずヴァンパイアバット達が子育てをしている部屋を目指そう」と言って僕が前に立って進み、カールが後ろを付いて来ながら地図に書き加えていった。
少し歩いたところであの部屋に辿り着いた。部屋の光景を見てカールは「こ、これは!」と驚いていた。
部屋の天井には大人子供のヴァンパイアバットがたくさん止まっているからだ。「こ、こんなにもいるなんて······」「まぁね」僕は一度見ていたのでさほど驚かなかった。
そこへ「キィー!」と叫びながら小さなヴァンパイアバットが僕に向かって飛んで来た。
(もしかして)と思って僕は片腕を出したらそのヴァンパイアバットは腕に止まった。
やっぱり「あの時の奴か!」と話しかけたら「キィー!」と答えてくれた。
「レ、レックス? そいつは?」カールが聞いてきたので試験の時の事を伝えた。
「そ、そうだったんだ」と納得してくれて僕らはその部屋を離れた。
その後もう1箇所、あのロックサイを目撃した場所も案内して地図に書き加えてもらって洞窟を出た後にバーミリアン先生へ地図を渡した。それらの情報が付け加えられた地図が前日に改めて全員に配られたのだった。
そして合同授業当日。今日はブーメランとあの命の石も持ち、牙を首にぶら下げて集合場所に向かった。
全員が揃ったところで洞窟前まで移動した。今回はまず手前の広場部分と奥の広場部分に大きく振り分け、そこからそれぞれ武力科とサポート科が1人ずつペアとなって指定の部分を調査するという事になった。
僕はメリーとペアになってロースとペアになったアリスやカールらとともに手前部分の調査を担当する事となった。
洞窟に入って奥部分側と手前部分側に別れるところまで全員で行ったところで先生から諸注意が伝えられて解散した。
解散して僕とメリーは地図に書かれているあたりまで進み、「ここから先が地図に書かれてない所みたいだ」僕がメリーに伝えて「う、うん」メリーも返答して周りを見渡していたら「っ! きゃあっ!」メリーが悲鳴を上げて僕にしがみついて来た。
「どうしたの?」「あ、あそこ」と指を指した方向を見たら天井に大量のヴァンパイアバットが止まっていた。
「大丈夫だよ。あいつらはこっちが刺激させなきゃ襲ってこないから」「ほ、本当ですか?」「うん」以前に確認済みだから間違いない。
「取り敢えず、先に進んでみよう」と言って進もうとしたらメリーが僕の手を強く握ってきた。
「メリー?」「あの、しばらく手を握ってても良いですか?」「うん。そうだね」とそのまま奥に進んで行った。
しばらく進むと徐々に道が暗くなり、それに合わせてメリーが僕に近寄って来ている感じがした。そして前方が行き止まりだと分かる所まで来て止まった。
「どうやらここで行き止まりみたいだ、メリー。······メリー?」メリーに問いかけたらメリーは僕の腕にしがみついていた。
「メリー? 大丈······」夫か問いかけようとしたら、突然メリーが「レックスさん」「ん?」「私、あなたのことが······好きです」「えっ?」
突然のメリーの告白に僕は言葉を失った。
「前回の合同授業の時、ウッドスパイダーから助けて頂いた時からあなたの事が好きになってしまいました」と続けて言った。
言われてみれば、あれ以来僕に対してのメリーの態度などが急に変わった気がする。
そう思っているとメリーが「正直、あなたの事が頭から離れられないんです」と続けて言って僕に抱き付いてきた。
「メリー」名前を呟いて僕は考え出した。
(確かに本来ならメリーの気持ちを受け止めてあげて、まさに前世では経験した事の無い事を経験するのも有りだと思うけど······)そこまで思ったところでやはりあの水晶玉が見せた光景の事を思い出してしまった。
(やっぱり!)そう思ってメリーを体から離して「ごめん、メリー」「えっ?」僕の返答にメリーは驚きの声を上げた。
「今は君の気持ちを受け止めることが出来ないんだ」「そ、そんな」
「ずっと前から頭の中でどうしても気にしてしまってしょうがない事があるんだ。その事をスッキリさせないと恐らく君にも悪いと思うんだ。だから、そんなに待たせるつもりはないからその事を解決させるまで返事を待ってくれ」と真剣な顔でメリーに言った。
メリーも僕の気持ちを理解して「分かりました。それまで待ってます」と答えて「ありがとう」僕もお礼を述べた後に来た道を戻って行った。
僕らが手前の広場に戻ったところでロースとアリスのペアを始め何組かは戻って来ていたみたいで、僕らも調査の結果を先生に報告してロースやアリスと雑談しだした。
その後も何組か戻ってきて残りは後1組だけとなった。
「もうそろそろ戻ってきても良いと思うんだが······」なかなか戻ってこない一組を心配しだした。
その直後、突然その一組が調査しに行った通路の向こうから、「せ、せんせーーーーー!」「ロ、ロックサイがーーーーー!!」と2人の叫び声が聞こえ、ロックサイという単語が聞こえてその場の全員に緊張が走った。
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