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第20章 将来

第134話 騎士団からの依頼~再会~

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 ある日レナさんからあるクエストを受けてくれないかと頼まれ、依頼主の下に向かっていた。

 そしてベアーズと共に指定の場所に着いて目の前の光景を見て驚かされた。

「こ、これが······騎士団の野営地!」目の前にはサンドリア王国の騎士団のひと集団が遠征のために設けた野営地が広がっていた。そう、今回の依頼主とは何と騎士団の団長さんであった······。


 野営地の入り口に立っていた団員にクエストの事を伝え、奥の白いテントに向かうよう言われ通された。

 言われたテントに向かいながら僕は野営地の中をキョロキョロと見渡していたが、ベアーズはずっと前を見続けていた。 

 そして(白いテントって言ってたから)と思いながら白いテントが見えて来たので(あれかな?)と思っていたら、「おーい! こっちだ、レックス"君"!」と聞き慣れた声で僕を呼ぶ声が聞こえたので見たら、(えっ! に、兄ちゃん!?)なんとそこにいたのは兄ちゃんことアッシュ・ハーメルンだった······。

「よく来てくれた、レックス君」「え、あ、はい」「この陣営の副隊長の1人、アッシュだ。よろしく」「よ、よろしくお願いします」と差し出された手を握りながら挨拶を交わした。

「早速中でこの隊の隊長の騎士団団長から依頼内容を聞いてくれたまえ」と言ってテントの中へ入って行った。

(······そういう態度で通すんだ。分かりましたよ)兄ちゃんの態度に不満を覚えながらも続いて中に入った。


 テントの中には椅子に座っている団長さんとその他数人の立っている団員がいた。

 そして「よく来てくれたねレックス君。私が騎士団団長のパーシバル・クンツェンだ」と団長のパーシバルさんが挨拶して手を差し出して来たので、「レックス・アーノルドです」と挨拶をして握手をした。

 その時団長の名前を聞いて(ん? クンチェンって······まさか)と僕が思ったのを察したのか、団長から「末弟がお世話になっているようだね?」と返ってきた。

(やっぱり、ピエールの一番上のお兄さん!?)と心で驚きつつ、(オ、オリバーとは大違いだ!!)とも思った。

「早速依頼内容を説明させてもらうよ」と話を始めた。

 団長さんからの説明によれば、2日前にこの辺りで頻繁に出没していたワーウルフの討伐作戦を行ったのだが、その際団員2名が消息不明となり、昨日1日探したが見つからず、本部に応援要請しようと考えていた時に僕の噂を聞き、依頼したとの事だ。

「状況は分かりました」「そこで君にはアッシュ君の小隊に同行して共に捜索をしてもらいたい。後の事は任せたよ、アッシュ君」「分かりました。では俺の小隊を紹介するから付いて来てくれ、レックス君」「分かりました、アッシュ"さん"」とやり取りしてテントを出た。

 2人が出て行った後、「······フッ。レックス君にアッシュさんか、あいつら」と団長が呟いたら「どういう事ですか? 団長」団員の1人が尋ねると、「あの2人、同じ村出身者で兄弟同然に育ってきた仲なんだよ」と説明した。それを聞いてテントの中にいた団員は全員苦笑いをしたのだった。


 テントを出て僕は兄ちゃんの後を付いて歩いていた。「まぁ俺の小隊と言っても俺を含めて4人しかいないから、そう緊張しなくても良いからな」と言われたところで、「分かりました。ところでアッシュさん」「ん、何だね? レックス君」「いつまで他人行儀的に話さないといけないんでしょうか?」と尋ねた。

 そうしたら、「お前が止めたきゃいつ止めても良いんだぜ?」ズコー! それを聞いて流石にずっこけてしまった。

「どうした? レックス」「兄ちゃんがいつまでもそんな他人行儀的に話すからこっちもやめられなかったんでしょうがっ!!」と兄ちゃんに詰め寄った。

「悪かった、悪かった。つい久しぶりにお前の姿を見たらからかいたくなっちまってな」「全く!」

「まぁとにかくあそこが俺達の隊の待機場所だ」と目の前のテントを指した。

「皆に声掛けてくるからちょっと待っててくれ。あと、俺の小隊のメンバー見ても驚くなよ」と言ってテントに入って行った。

(もう何があっても驚かないよ!)と思っていたら、「おーい、皆。レックスを連れて来たぞ!」「ホントにレックス君が来たんすか!」(え?)「久しぶりだなぁ」(え? え?)「チッ、あいつと行動しねぇといけねぇのかよ」「そう言うなって、オリバー」(えー!?)中の会話1つ1つに驚いていたら「おーいレックス、入って来てくれ」と言われ「し、失礼しま······っ!」と入ったら固まってしまった。

「ホントにレックス君だ!」(フレッドさん)「久しぶりだねぇ」(ボブさん)「······フンッ!」(オリバー・クンツェン······)顔馴染みの3人が目の前に座っていた。

「これが俺の小隊メンバーだ」と兄ちゃんから言われ、「ハ、ハハッ。よ、よろしく、お願いしまーす」と言うしか無かった······。
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