落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

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第26章 決戦

第219話 凱旋

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 アレク達が魔王を倒した頃、連合軍達のいる戦場ではレックスがギガントもどき達を倒した直後の雰囲気は払拭され、再び連合軍達と魔物との激闘が繰り広げられていた。

 しかし突然ピタッ、ピタッ、ピタッ。魔王軍の魔物達が一斉に動きが止まり、そしてバタッ、バタッ、バタッ。そのまま地に倒れ出したのだった。

 突然の事態に連合軍の面々も驚き戸惑いだし、またある者が「お、おい皆! 空が!」と言い出したので空を見上げたら、暗雲が徐々に消え去り青空が出現しだしたのだった。

 それを見てさらに戸惑う者がいれば中にはもしや······魔王が倒されたのかもと思う者も現れだした。 

 そこへ、「おーい、皆ーっ!」やや遠くから叫び声が聞こえたので一斉にそちらを見ると「「レックス!」」ファイアードラゴンに乗った僕が皆のいる戦場に近付いていた。

 そして僕が「アレクさん達が、魔王を倒したよーーーっ!」と叫んだら全員一瞬固まってしまったが、直後に「や、や、やったぁーーーーーっ!」「うぉーー!」「よっしゃーーーっ!」等と大歓声が沸き上がった。

 それから近くの者と抱き合ったり握手を交わしたり、また涙を流す者もいた。

 僕の知り合いでもジャックとデビットが握手を交わし合ったりロースがヨートスや近くにいたエルフ族ならびにダークエルフ族と喜んだりした。

 そして兄ちゃんも勝利はもちろん、何よりも僕が生きている事に心の底から本当に喜び、(よ、良かった。ほ、本当に、良かった······レックス)と僕から誤った運命を回避出来たと聞いた時以上に涙を流したのだった。

 僕からの報せは魔法部隊や森の中の司令部にいた者達ならびに支援部隊にも伝えられ、それぞれが近くにいた者達と喜び合ったのだった。

 
 一方僕は皆がいるところから少し離れた所を指示してファイアードラゴンから降りた。

 そしてファイアードラゴンに向き合い、「ファイアードラゴン。本当にありがとう」「(約束していたからな。······それにレックスよ、礼を言わねばならぬのは我の方だ)」「えっ?」

「(先程も言ったが、そなたのお陰で永年持ち続けていたその剣への恨みも完全に消え失せたのだからな)」「ファイアードラゴン······」そう言われて僕はファイアードラゴンを見つめた。

「(フッ。もう会う事も無かろうが、さらばだ、レックスよ)」そう言ってファイアードラゴンは聖なる火山の方向へ飛び去った。

 その姿を見つつ、(本当にありがとう、ファイアードラゴン)と改めて心の中でお礼を述べた。

 
 そこへ「「レックスーーーっ!」」兄ちゃんにロース、ジャックとデビットが駆け寄って来た。僕も皆の方を見て手を振り「おーい、皆ーーっ!」と応えた。

 そして真っ先に兄ちゃんが抱き付いてきて「やったな、レックス! 本当に、やったな!」「う、うん。く、苦しいよ兄ちゃん」流石にきつく抱かれたので苦しがった。兄ちゃんにしては無理もないだろうけど······。

 その後も「でも本当にやったねレックス」「しかしさっきのファイアードラゴンとのギガントもどき共への攻撃は凄かったぜ」「ホントだよ、マジで」などとロースやジャック達が感想を述べてきた。

 一通り喜び合ったところで僕らは皆の所に戻り、その直後に魔王城の方からアレクさん達が帰還して来たのだった。

 それから全員で司令部のある森に戻り、改めてアレクさんから魔王討伐の報告を受けてパーシバル団長はじめ各種族の代表者らはアレクさん達勇者一行に感謝の意を表した。

 
 それからは各種族が別れて撤収作業に入った。そこで「レックスーっ!」アリスが僕達の下に駆け寄って来て僕に抱き付いてきた。

「良かった! 本当に、良かった!」兄ちゃん以上に号泣していた。流石に周りの目も気になるため「もう大丈夫だから、泣くなって」と伝えた。

「う、うん」ようやく泣き止んでくれた。(全く)「でも······」「ん?」「レックスが生きてるって事は何となく分かってたけどね」「えっ? 何で?」

「これよ」と言って見せてくれたのは、兄ちゃんと同じデザインのミサンガだった。それを見て兄ちゃんも反応した。

「これがレックスからアレクさん達が魔王を倒したって報せがあったと聞く直前に自然と切れたから、巻く時に込めた"レックスが殺されず、また生きて会えますように"って願いが叶うんだって思ったのよ」「そうだったんだ」「うん!」

「俺もそうだぜ」と後ろで聞いていた兄ちゃんもそう告げて自分の切れたミサンガを見せてくれた。

「俺も"レックスの誤った運命を回避でき、一緒に生きて戦いを終わらせられるように"って願いを込めたら、お前から回避出来たと聞いた時には半分だけ自然と切れてて、さっき姿を見た時にもう半分が切れたんだよ」「そうなんだ」「ああ」本当にミサンガの効果は凄いなぁと思った。

 こうしてアリスや兄ちゃんとの僕の一件での盛り上がりを一段落させ、僕らも撤収作業に入った。

 大分時間が経って全ての種族の作業が終わったところで解散となり、それぞれが故郷に向かって出発したのだった······。

 
 その直前に僕はポピーを見つけて、「ポピー!」「あ、レックス!」と叫んでポピーは僕に抱き付いて来た。「良かった!」ポピーも僕が生きていた事に心の底から喜んでくれた。

「ありがとう、ポピー。それで、頼みがあるんだけど?」「何!」「これを、国王様に返しておいてもらいたいんだ」「あ、それ······」そう言って導きの玉をポピーに渡した。

「本来なら直接会って返すべきなのかもしれないけど、今度いつ会えるか分からないし、海人族の秘宝の1つなんだからなるべく早く返すべきだと思って。ちょうど王子のポピーが来ているから、君に渡して国王様に渡してもらおうと思ったんだ」「分かった。お父様に必ず渡すよ」「よろしくね」「うん!」と導きの玉の件をポピーに頼んだ。

 また帰る前にロースとも会い、ヨートス様から僕の秘密 (タイムリターナーの事)を聞いたようで「何でもっと早く教えてくれなかったんだよ!」と文句を言われたのだった。その後一応説明はしたけど、あまり納得はしていないようだった······。

 こうして僕らはヒト族領へ向けて出発した。帰り道はただひたすら歩き続ければ良いだけだったので皆の足取りも軽く、来た時よりも早く亜人領を通り過ぎる事ができ、無事ヒト族領に戻ってくる事が出来た。そして······。

 
 その後無事王都へ凱旋したのだった。王都の街並みには既に僕らの勝利の報せが伝わっていたようで、多くの人達が僕達を出迎えようと待ちわびていたのだった。

 そんな人達に迎えられながら取り敢えずサンドリア城前広場に向かった。広場には既に国王様が待っており、アレクさんならびに連合軍が到着したところで勇者アレクとパーシバル団長をそれぞれ称え、他の者達にも労いのお言葉をお掛け頂いた後、連合軍は解散となった。

 
 それから人々は来ていた身内の者らと感動の再会を果たしたりしたのだった。メリッサもまた他の人達同様連合軍が凱旋してきたのを知って広場に向かい、解散となった後自分の想い人らを探した。

「メリッサ!」そんなメリッサにも懐かしい声が聞こえて声の方を見たら······そこにはアッシュとアリスがいたのだった。

 2人の姿を見てメリッサは涙を流しだし「ア、アッシューーー!」アッシュの名前を叫びながら走りだしてアッシュの胸に飛び込み抱き合って再会を喜び合ったのだった。

 その後アリスとも抱き合って喜びあったところで「レ、レックス君、は?」もう1人いるべきはずのレックスの事を2人に尋ねた。

 尋ねられた2人は笑顔を見せて「大丈夫だよ。レックスも生きてて俺達と帰ってきたよ」「ただ、解散となってすぐの所に向かっただけよ」

 それを聞いてメリッサは再び涙を流して安堵し、「ある人って······あっ!」とメリッサも気付き、アッシュとアリスも笑顔で頷き、そして3人揃って顔を見上げてその人物がいる場所を見つめた。


 その頃、ある人ことジェシーはお城の自室にいて椅子に座ってずっと(神様。どうか、どうか彼にもう一度会わせて下さい)と祈り続けていたのだった。

 魔王を勇者一行が倒して勇者一行と連合軍が凱旋してくる報せを聞いた時、腕に巻いていたミサンガが半分自然に切れた事で一縷いちるの望みを寄せたのだった。

 そんなジェシーをベアーズはじっと座って見つめていたが、突然何かに反応するかのように立ち上がってドアの前に向かった。そして暫くしてから「ガアガア!」と吠え出した。

 ジェシーもそれに気付いて「どうしたの? ベアーズ」と尋ねた。

 その直後、突然ドアが開かれ目の前にいた人物を見てジェシーは口許に手を当てて涙を流し出した。

 その人物が部屋の中に入って来て「ただいま、ジェシー」と言ったところでベアーズもその人物の足にすり寄り、「レ、レックスーーーっ!」とジェシーもその人物ーーレックスーーに走り寄って抱き合った。

 そして、「レ、レックス!」「ジェシー」と名前を呼び合って「おかえりなさい」「ただいま」と挨拶を交わし合ったところでキスをしたのだった。


 その時、プチッ! プチッ! スルッと2人が腕に巻いていたミサンガがそれぞれ半分切れ、ジェシーの腕に巻かれていたミサンガが床に落ちたのだった······。
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