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真剣な表情の明智を見た。
いつもの様に「冗談だ。」と言って欲しい。
明智*「大丈夫か?これまでにおかしな事とか何も起きなかったか?」
奏*「…やだ、冗談ばっかり……明智の悪戯なんでしょ?でも、今回のは笑えな…「冗談なんかじゃない!これでも心配してんだぞ!」」
被せるように強い口調で言ってきた明智に怖くなった。
奏*「うそ……。」
明智*「うそじゃない。悪い…恐がらせるつもりじゃなかったんだ。だから…確かめに行かないか?」
奏*「え?確かめるって……。」
明智*「もう一度、彼処に行こう、そして確かめるんだ。楓ちゃんの事も槐の事も。」
奏*「やだ……あの二人がこの世の者じゃなかったりしたら……。」
明智*「大丈夫だ、俺が付いてる。」
あぁ、環奈が言ってた明智が企んでいる事ってこの事だったんだ。
確かめるのが怖い!
でも、これまでも何か事が起きた時に頼りになったのは確かだった。
そこで、はたと気付いた。
もう一人の存在を。
明智と澤渡が組めば鬼に金棒!!
そう思った私はその考えを明智に言った。
が、それを聞いた明智は何とも嫌そうな顔をしている。
奏*「え?なんか澤渡が居るとマズい事でもあるの?」
途端にバツが悪そうな顔をする。
明智*「いや……マズくは……でもなぁ……。」
明智にしては歯切れの悪い物言いに何か他にも理由があるのかと思った。
ピンポーン!
ドアチャイムが鳴って、二人して肩が跳ねた。
「「ビックリした。」」
思わずお互いの顔を見て笑う。
そして、「誰だよ。」と言いながらモニターを見るなり彼は「ゲッ!!」と言った。
???
何だろう?と思っているとインターホン越しに
「開けなさいよ!奏が居るのはわかってんのよ!彼女を部屋に連れ込むなんて百万年早いわっ!!早く開けろ!」
といつもよりかなり低い声で捲し立てる環奈の声が聞こえた。
エントランスのオートロックを開けた後、明智の部屋にやって来たのは環奈だけではなかった。
明智の相方ともいうべき澤渡も一緒だった。
奏*「環奈と澤渡って…プライベートでも仲良かったっけ?」
プライベートでも環奈と行動を共にする事が多い私だけど、サークルの話以外で澤渡の名を聞いた事は無かった筈である。
環奈*「奏が明智と車に乗るところを見た奴がいて……。」
そう言って澤渡を指差す。
明智*「っおま…!」
澤渡*「すまない。環奈の勢いに押されてしまって…仕方なかったんだよ。」
環奈*「だって、奏が明智の家に連れ込まれたんだよ。放っておける訳ないじゃない!」
いや、ちょっと待て。
連れ込まれたって……確かに言うかこの場合。
澤渡*「あの事、奏に言ったのか?」
キャンキャン喚いている環奈を制しながら言う澤渡に明智は頷く。
澤渡は大きく息を吐き出した後「そうか……。」と言った。
環奈*「何よ!二人だけでわかったような話をして。訳わかんない。説明しなさいよね。」
奏*「私もどういう事か説明して欲しい。」
明智の説明では、撮影した映像をチェックしていた時、私の陰が全て他の人や物よりも薄いと気付き、加工を施したのだと言う。
そして、それを知っているのは澤渡だけなのだと……。
環奈*「……。」
環奈は両手で口を押さえ絶句していた。
重い空気が部屋に広がる。
明智*「だから(撮影した)あの地に何かあるのかもしれないと思って、それを確かめに行こうと奏に言っていたところだったんだ。」
そう言って俯く明智。
環奈は痛ましげな表情で私を見ていた。
澤渡*「…わかった。俺も一緒に行く、これは決定だ。」
環奈*「そ、そうよね!奏をこんなエロばかと二人きりになんて出来ないわよね!だから私も一緒に行く!!」
勢いよく澤渡に顔を向けた環奈が言った。
二人を見た後、私を見て大きく溜め息を吐いた明智は「わかった…好きにしろ。」とぶっきらぼうに言ったがその口角は少し上がっていたのを見て私も頷いた。
~~~~~~~
*超遅亀更新&不定期更新にも拘わらず、いつもお付き合い(お読み)いただきありがとうございます!
*投票して下さった方々本当にありがとうございます!!
*お気に入り、しおり、エールやいいね等もありがとうございます!
いつもの様に「冗談だ。」と言って欲しい。
明智*「大丈夫か?これまでにおかしな事とか何も起きなかったか?」
奏*「…やだ、冗談ばっかり……明智の悪戯なんでしょ?でも、今回のは笑えな…「冗談なんかじゃない!これでも心配してんだぞ!」」
被せるように強い口調で言ってきた明智に怖くなった。
奏*「うそ……。」
明智*「うそじゃない。悪い…恐がらせるつもりじゃなかったんだ。だから…確かめに行かないか?」
奏*「え?確かめるって……。」
明智*「もう一度、彼処に行こう、そして確かめるんだ。楓ちゃんの事も槐の事も。」
奏*「やだ……あの二人がこの世の者じゃなかったりしたら……。」
明智*「大丈夫だ、俺が付いてる。」
あぁ、環奈が言ってた明智が企んでいる事ってこの事だったんだ。
確かめるのが怖い!
でも、これまでも何か事が起きた時に頼りになったのは確かだった。
そこで、はたと気付いた。
もう一人の存在を。
明智と澤渡が組めば鬼に金棒!!
そう思った私はその考えを明智に言った。
が、それを聞いた明智は何とも嫌そうな顔をしている。
奏*「え?なんか澤渡が居るとマズい事でもあるの?」
途端にバツが悪そうな顔をする。
明智*「いや……マズくは……でもなぁ……。」
明智にしては歯切れの悪い物言いに何か他にも理由があるのかと思った。
ピンポーン!
ドアチャイムが鳴って、二人して肩が跳ねた。
「「ビックリした。」」
思わずお互いの顔を見て笑う。
そして、「誰だよ。」と言いながらモニターを見るなり彼は「ゲッ!!」と言った。
???
何だろう?と思っているとインターホン越しに
「開けなさいよ!奏が居るのはわかってんのよ!彼女を部屋に連れ込むなんて百万年早いわっ!!早く開けろ!」
といつもよりかなり低い声で捲し立てる環奈の声が聞こえた。
エントランスのオートロックを開けた後、明智の部屋にやって来たのは環奈だけではなかった。
明智の相方ともいうべき澤渡も一緒だった。
奏*「環奈と澤渡って…プライベートでも仲良かったっけ?」
プライベートでも環奈と行動を共にする事が多い私だけど、サークルの話以外で澤渡の名を聞いた事は無かった筈である。
環奈*「奏が明智と車に乗るところを見た奴がいて……。」
そう言って澤渡を指差す。
明智*「っおま…!」
澤渡*「すまない。環奈の勢いに押されてしまって…仕方なかったんだよ。」
環奈*「だって、奏が明智の家に連れ込まれたんだよ。放っておける訳ないじゃない!」
いや、ちょっと待て。
連れ込まれたって……確かに言うかこの場合。
澤渡*「あの事、奏に言ったのか?」
キャンキャン喚いている環奈を制しながら言う澤渡に明智は頷く。
澤渡は大きく息を吐き出した後「そうか……。」と言った。
環奈*「何よ!二人だけでわかったような話をして。訳わかんない。説明しなさいよね。」
奏*「私もどういう事か説明して欲しい。」
明智の説明では、撮影した映像をチェックしていた時、私の陰が全て他の人や物よりも薄いと気付き、加工を施したのだと言う。
そして、それを知っているのは澤渡だけなのだと……。
環奈*「……。」
環奈は両手で口を押さえ絶句していた。
重い空気が部屋に広がる。
明智*「だから(撮影した)あの地に何かあるのかもしれないと思って、それを確かめに行こうと奏に言っていたところだったんだ。」
そう言って俯く明智。
環奈は痛ましげな表情で私を見ていた。
澤渡*「…わかった。俺も一緒に行く、これは決定だ。」
環奈*「そ、そうよね!奏をこんなエロばかと二人きりになんて出来ないわよね!だから私も一緒に行く!!」
勢いよく澤渡に顔を向けた環奈が言った。
二人を見た後、私を見て大きく溜め息を吐いた明智は「わかった…好きにしろ。」とぶっきらぼうに言ったがその口角は少し上がっていたのを見て私も頷いた。
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