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─ 第二章 ─
5.呪物?
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差し入れ(者)も怖かったが、差し入れられた飲食物はもっと怖かった。
媚薬は勿論の事、手作りと称された物の中に(上下どちらか分からない)毛髪や変に濁った飲み物etc.…、
何が入っているんだ!?
と、言いたくなる物がほとんどだった。
そして、それは飲食物だけではなく、手編みのセーターやマフラーなども、どう見ても毛糸に見えない毛髪(やはり上下どちらか分からない)が毛糸に絡み付いて編まれている。
…もはや呪いである。
故に、最初の頃は仕方なく受け取り処分していたが、受け取るだけで呪われそうな気がして、割と早い段階で「誰からも一切受け取っていない。」と徹底周知させて今もそれを貫き通している。
お陰で今では友人達に囲まれるだけで、偶に擦り寄って来られても堂々と断る事が出来、変に罪悪感に苛まれる事もない。
△▽△▽△▽△▽△
そんな俺も思春期真っ盛りには違いなく、すぐ近くの学園高等部との交流時に一人の令嬢に心を奪われた。
エリーゼ・カールスルーエ、ビュルテンベルク辺境伯領にある地方都市・カールスルーエを治めるカールスルーエ伯爵家の令嬢(長女)だ。
明るいティーブロンドの髪にアクアマリンの瞳。
サクランボ色の唇をした口が紡ぎ出す言葉はどんな音色だろうか?
見惚れていると、それに気付いた友人の一人が彼女の事を知っているらしく教えてくれた。
彼女は ───
ビュルテンベルク辺境伯領にある地方都市カールスルーエを治めるカールスルーエ伯爵家の令嬢で、父親は現ビュルテンベルク辺境伯の弟トリスタン。
優秀だった彼はカールスルーエ伯爵家に養子に入りし、ガートルード・リッテンハイム伯爵令嬢と結婚。
そして生まれたのが彼女だった。
二才年下で、辺境伯領では“ 鬼姫 ”との二つ名で呼ばれている。
恐らく、その二つ名で呼ばれるほど苛烈な気性なのではないかと言われ、未だ婚約者は居ない ───。
カールスルーエ伯爵と聞いてピンとこなかったが、トリスタン・ビュルテンベルクの名を聞いて愕然とした。
何故ならば、その人物は叔父であるウルリッヒ・リンドブルム(従弟であるコンラートの父親)の悪友だと聞いた事があったからだ。
しかも、コンラートの母親はビュルテンベルク辺境伯バルバロッサとトリスタンの従妹ギーゼラだった筈…。
彼女と婚約したいが、ハードルはかなり高そうだ。
素より彼女は俺に興味などこれっぽっちも無いと思う。
学園との交流時、勇気を振り絞って声を掛けたのだが、挨拶の言葉を交わしただけで肝心な事は何一つ言えないまま…。
恋愛事に疎い俺は、こういった時どうすればいいのか分からない。
彼女の家は辺境伯家と縁付いている家で引く手数多だ。
こうしている間にも誰かと婚約するのではないかと気が気ではない。
焦りばかりが募る中、(変に)腕に自信のある輩達から絡まれる。
勘弁してくれ…。
だが、今は仕方ないがこれでいいのかもしれない。
こんな輩達に絡まれている身…彼女と婚約出来たとしても、大切な彼女がトラブルに巻き込まれでもしたら…。
俺は自分が赦せなくなるだろう。
だから今は…ただ遠くから君を見守る事しか出来ない。
△▽△▽△▽△▽△
そんなある日、友人達と街に出掛けていた俺は、彼女と彼女の友人達が楽しそうに歩いている姿を見掛けた。
声を掛けようかどうしようか迷っていたが、彼女の友人が反対側から歩いて来ていた若い男達の一人とぶつかった。
といっても、少し腕が当たった程度だったのだが、何やら言い掛かりを付けられているようである。
勿論、彼女の友人はぶつかった後すぐに謝罪していた。
「おい。」
「ああ、助けに行くぞ。」
友人達と頷き合って彼女達の元へと向かった。
~~~~~~
*超遅亀更新&不定期更新にも拘わらず、いつもお付き合い(お読み)いただきありがとうございます!
*投票して下さった方々本当にありがとうございます!!
*お気に入り、しおり、エールやいいね等もありがとうございます!
媚薬は勿論の事、手作りと称された物の中に(上下どちらか分からない)毛髪や変に濁った飲み物etc.…、
何が入っているんだ!?
と、言いたくなる物がほとんどだった。
そして、それは飲食物だけではなく、手編みのセーターやマフラーなども、どう見ても毛糸に見えない毛髪(やはり上下どちらか分からない)が毛糸に絡み付いて編まれている。
…もはや呪いである。
故に、最初の頃は仕方なく受け取り処分していたが、受け取るだけで呪われそうな気がして、割と早い段階で「誰からも一切受け取っていない。」と徹底周知させて今もそれを貫き通している。
お陰で今では友人達に囲まれるだけで、偶に擦り寄って来られても堂々と断る事が出来、変に罪悪感に苛まれる事もない。
△▽△▽△▽△▽△
そんな俺も思春期真っ盛りには違いなく、すぐ近くの学園高等部との交流時に一人の令嬢に心を奪われた。
エリーゼ・カールスルーエ、ビュルテンベルク辺境伯領にある地方都市・カールスルーエを治めるカールスルーエ伯爵家の令嬢(長女)だ。
明るいティーブロンドの髪にアクアマリンの瞳。
サクランボ色の唇をした口が紡ぎ出す言葉はどんな音色だろうか?
見惚れていると、それに気付いた友人の一人が彼女の事を知っているらしく教えてくれた。
彼女は ───
ビュルテンベルク辺境伯領にある地方都市カールスルーエを治めるカールスルーエ伯爵家の令嬢で、父親は現ビュルテンベルク辺境伯の弟トリスタン。
優秀だった彼はカールスルーエ伯爵家に養子に入りし、ガートルード・リッテンハイム伯爵令嬢と結婚。
そして生まれたのが彼女だった。
二才年下で、辺境伯領では“ 鬼姫 ”との二つ名で呼ばれている。
恐らく、その二つ名で呼ばれるほど苛烈な気性なのではないかと言われ、未だ婚約者は居ない ───。
カールスルーエ伯爵と聞いてピンとこなかったが、トリスタン・ビュルテンベルクの名を聞いて愕然とした。
何故ならば、その人物は叔父であるウルリッヒ・リンドブルム(従弟であるコンラートの父親)の悪友だと聞いた事があったからだ。
しかも、コンラートの母親はビュルテンベルク辺境伯バルバロッサとトリスタンの従妹ギーゼラだった筈…。
彼女と婚約したいが、ハードルはかなり高そうだ。
素より彼女は俺に興味などこれっぽっちも無いと思う。
学園との交流時、勇気を振り絞って声を掛けたのだが、挨拶の言葉を交わしただけで肝心な事は何一つ言えないまま…。
恋愛事に疎い俺は、こういった時どうすればいいのか分からない。
彼女の家は辺境伯家と縁付いている家で引く手数多だ。
こうしている間にも誰かと婚約するのではないかと気が気ではない。
焦りばかりが募る中、(変に)腕に自信のある輩達から絡まれる。
勘弁してくれ…。
だが、今は仕方ないがこれでいいのかもしれない。
こんな輩達に絡まれている身…彼女と婚約出来たとしても、大切な彼女がトラブルに巻き込まれでもしたら…。
俺は自分が赦せなくなるだろう。
だから今は…ただ遠くから君を見守る事しか出来ない。
△▽△▽△▽△▽△
そんなある日、友人達と街に出掛けていた俺は、彼女と彼女の友人達が楽しそうに歩いている姿を見掛けた。
声を掛けようかどうしようか迷っていたが、彼女の友人が反対側から歩いて来ていた若い男達の一人とぶつかった。
といっても、少し腕が当たった程度だったのだが、何やら言い掛かりを付けられているようである。
勿論、彼女の友人はぶつかった後すぐに謝罪していた。
「おい。」
「ああ、助けに行くぞ。」
友人達と頷き合って彼女達の元へと向かった。
~~~~~~
*超遅亀更新&不定期更新にも拘わらず、いつもお付き合い(お読み)いただきありがとうございます!
*投票して下さった方々本当にありがとうございます!!
*お気に入り、しおり、エールやいいね等もありがとうございます!
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