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─ 第二章 ─
6.初恋は…?
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男達に絡まれた彼女達の元へと急いだが、男達に囲まれ路地へと消えて行くのが見えて慌てた。
「「「ヤバいぞ!」」」
俺も友人達も走るスピードを上げ、彼女達が消えた路地へ入った。
入った路地に彼女達の姿は無かったが、路地の先から争っているような声が聞こえてくる。
キャーッ!と悲鳴が聞こえた。
路地の突き当たりを右に曲がった俺達の目が彼女達を捉えた。
一人の男が蹲り他の男達が声を荒げ、友人を背に庇っている彼女に掴み掛かる。
間に合わない!
そこからの動きはスローモーションのようだった。
彼女に掴み掛かった男が胸を押さえて蹌踉け、もう一人の男が蹌踉けた男を見て声を上げる。
彼女が手に持った何かをその男に押し付けたように見えた後、男が蹲った。
「「「っ!?」」」
え?今、何が…?
「大丈夫か?」
直後、彼女達の元に辿り着いた俺達は男達を拘束しながら聞いた。
「ええ。お気遣いありがとうございます。見ての通り大丈夫ですわ。」
ニッコリ笑って答える彼女。
そして彼女の友人達は俺と友人達に同じように礼を言った。
「あ、失礼しました。私はミハエル…ミハエル・ローエングリンと申します。ところで、これは一体…?」
拘束した男達を見た後、彼女に聞いた。
「コレですわ。」
そう言って、手に持った棒のような物を見せた。
「それは…?棒にしか見えませんが何ですか?」
「棒にしか見えませんが、ここのボタンを押して先を押し付けると電流が流れるんですの。」
「「「………。」」」
「テレーゼってば、こういった道具を作るのが趣味で…。やっぱりリッテンハイム家の影響でしょうね。クスクス。」
呆気にとられた俺達を見て彼女の友人の一人であるクラウスが言った。
「あ、そう言えば…リッテンハイム家って色々な道具を作って傘下の商会で売っているんでしたよね。」
「まぁ!よくご存知ね。」
「はい、実は母がとても便利な道具を売っていると商会を贔屓にしてまして…。って、失礼しました!私はクラウス・シュトルハイムと言います。」
「ご丁寧にありがとうございます。テレーゼ・カールスルーエでございます。いつも御贔屓ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致しますわ。」
とても素晴らしい営業スマイルで受け答えするテレーゼ。
なんてことない営業トークだと分かっていても友人との遣り取りに落ち着かない気持ちになる。
「だが無茶をするものじゃない。何かあったらどうするつもりだったんだ?」
おまけに、先ほど襲われていたというのに、落ち着いている様に心配して言った。
「あら、ご心配には及びませんわ。だって…唐辛子玉やコショウ玉…まだまだありますもの。フフフ。」
ニコニコしながら巾着袋の中から、見るからに禍々しい色のウミガメの卵のようなサイズの玉を取り出して見せる。
煙玉ならば聞いた事がある。だが、唐辛子玉にコショウ玉?そんな物、見た事も聞いた事も無い。
しかも何なんだ、その如何にも禍々しい色は?
「だ、だが友人のご令嬢達の身まで危険に晒されていたではないか。」
あまり深刻に受け取っていないような態度に、更に不安になって言い募れば、
「「あら、私達ならば大丈夫ですわ。」」
と、彼女の友人達もニッコリと笑いながら、ワンピースのウエストに捲いていたアクセサリーのチェーンを外してクルクルと手元で回している。
チェーン同士がぶつかる音を聞くに、ある程度の重量がありとても硬い材質で出来ているようだった。
そう言えば…聞いた事がある。
辺境伯領は国防の要、いざという時には領民までが剣を取り戦うのだと。
「流石に子供まで戦うのは…。ですが、逃げる時間ぐらいは稼ぎたいでしょう?だからこのような物も必要なのです。」
俺の考えた事が分かったのか、彼女が言った言葉は俺の中にある辺境伯領への認識を改めさせるには十分だった。
それは勿論、彼女に対するイメージをも塗り替える事となった。
全く適わないな。
今まで以上に彼女を好きになり、もっと彼女の事を知りたくなった。
※ちなみにテレーゼが使用した棒は“ 牛追い棒 ”と呼ばれる物です。現在も海外では使用されている(らしい)物で棒状のスタンガンだと思っていただければ…。
そして彼女達は、癇癪玉や痺れ玉なども持ってます。
~~~~~~~
*超遅亀更新&不定期更新にも拘わらず、いつもお付き合い(お読み)いただきありがとうございます!
*投票して下さった方々本当にありがとうございます!!
*お気に入り、しおり、エールやいいね等もありがとうございます!
「「「ヤバいぞ!」」」
俺も友人達も走るスピードを上げ、彼女達が消えた路地へ入った。
入った路地に彼女達の姿は無かったが、路地の先から争っているような声が聞こえてくる。
キャーッ!と悲鳴が聞こえた。
路地の突き当たりを右に曲がった俺達の目が彼女達を捉えた。
一人の男が蹲り他の男達が声を荒げ、友人を背に庇っている彼女に掴み掛かる。
間に合わない!
そこからの動きはスローモーションのようだった。
彼女に掴み掛かった男が胸を押さえて蹌踉け、もう一人の男が蹌踉けた男を見て声を上げる。
彼女が手に持った何かをその男に押し付けたように見えた後、男が蹲った。
「「「っ!?」」」
え?今、何が…?
「大丈夫か?」
直後、彼女達の元に辿り着いた俺達は男達を拘束しながら聞いた。
「ええ。お気遣いありがとうございます。見ての通り大丈夫ですわ。」
ニッコリ笑って答える彼女。
そして彼女の友人達は俺と友人達に同じように礼を言った。
「あ、失礼しました。私はミハエル…ミハエル・ローエングリンと申します。ところで、これは一体…?」
拘束した男達を見た後、彼女に聞いた。
「コレですわ。」
そう言って、手に持った棒のような物を見せた。
「それは…?棒にしか見えませんが何ですか?」
「棒にしか見えませんが、ここのボタンを押して先を押し付けると電流が流れるんですの。」
「「「………。」」」
「テレーゼってば、こういった道具を作るのが趣味で…。やっぱりリッテンハイム家の影響でしょうね。クスクス。」
呆気にとられた俺達を見て彼女の友人の一人であるクラウスが言った。
「あ、そう言えば…リッテンハイム家って色々な道具を作って傘下の商会で売っているんでしたよね。」
「まぁ!よくご存知ね。」
「はい、実は母がとても便利な道具を売っていると商会を贔屓にしてまして…。って、失礼しました!私はクラウス・シュトルハイムと言います。」
「ご丁寧にありがとうございます。テレーゼ・カールスルーエでございます。いつも御贔屓ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致しますわ。」
とても素晴らしい営業スマイルで受け答えするテレーゼ。
なんてことない営業トークだと分かっていても友人との遣り取りに落ち着かない気持ちになる。
「だが無茶をするものじゃない。何かあったらどうするつもりだったんだ?」
おまけに、先ほど襲われていたというのに、落ち着いている様に心配して言った。
「あら、ご心配には及びませんわ。だって…唐辛子玉やコショウ玉…まだまだありますもの。フフフ。」
ニコニコしながら巾着袋の中から、見るからに禍々しい色のウミガメの卵のようなサイズの玉を取り出して見せる。
煙玉ならば聞いた事がある。だが、唐辛子玉にコショウ玉?そんな物、見た事も聞いた事も無い。
しかも何なんだ、その如何にも禍々しい色は?
「だ、だが友人のご令嬢達の身まで危険に晒されていたではないか。」
あまり深刻に受け取っていないような態度に、更に不安になって言い募れば、
「「あら、私達ならば大丈夫ですわ。」」
と、彼女の友人達もニッコリと笑いながら、ワンピースのウエストに捲いていたアクセサリーのチェーンを外してクルクルと手元で回している。
チェーン同士がぶつかる音を聞くに、ある程度の重量がありとても硬い材質で出来ているようだった。
そう言えば…聞いた事がある。
辺境伯領は国防の要、いざという時には領民までが剣を取り戦うのだと。
「流石に子供まで戦うのは…。ですが、逃げる時間ぐらいは稼ぎたいでしょう?だからこのような物も必要なのです。」
俺の考えた事が分かったのか、彼女が言った言葉は俺の中にある辺境伯領への認識を改めさせるには十分だった。
それは勿論、彼女に対するイメージをも塗り替える事となった。
全く適わないな。
今まで以上に彼女を好きになり、もっと彼女の事を知りたくなった。
※ちなみにテレーゼが使用した棒は“ 牛追い棒 ”と呼ばれる物です。現在も海外では使用されている(らしい)物で棒状のスタンガンだと思っていただければ…。
そして彼女達は、癇癪玉や痺れ玉なども持ってます。
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*超遅亀更新&不定期更新にも拘わらず、いつもお付き合い(お読み)いただきありがとうございます!
*投票して下さった方々本当にありがとうございます!!
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