R18・優しすぎる貴方【完結】

雫喰 B

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22. コンラートの追想 ⑥

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*お気に入り登録やしおりを挟んで下さった方々、感想を書いて下さった方々、そして読んで下さっている方々、本当にありがとうございます!
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*今話ですが、ちょっとだけであまりはっきりした表現では無いのですが、念の為、R18 入れさせて頂きます。配慮をお願いします。
苦手な方は全力で回避して下さい。読まれる方は自己責任でお願い致します。
*本作中にて、薬物についての記載がありますが、違法薬物等の製造、所持、使用を推奨している訳ではありません。又、本作中にある薬物の影響・摂取後の反応についての話は、あくまでも想像・創作です。
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それでは、[モヤモヤ解決編]の続きをお楽しみ下さい。









  
   任務に就いて、彼女に会えなくなって何日経っただろうか? もう何年にも感じる。
 彼女から、『会いたい。』と書かれた手紙だけが増えていく。
 俺だって会いたい!今すぐ抱きしめて安心させてあげたい!

 とうとう堪えきれなくなった俺は、彼女と会う約束をしてしまった。

 侯爵家の庭にあるガゼボで久しぶりに彼女と会った。放置してしまっている状況に申し訳ない思いで一杯になった。
 会えなくて、結婚式の準備を任せきりになっている事を謝罪したら、『仕事が忙しいのだから気にしないで。』と健気に微笑む彼女が可憐しいいじらしい。
少し窶れて目の下に隈が出来てしまっている彼女を見て、胸が痛んだ。

 今すぐ抱きしめたい!

 彼女を抱きしめたくて、立ち上がりかけたその時、庭からガゼボに続く道の入り口付近が急に騒がしくなった。

 遠目にあの女の姿が見えた時、全身の血が引いた。しまった!と思ったが後の祭りである。
 あの女が彼女を見て、ほんの一瞬だったが睨み付けたのが分かった。
 すぐに泣きに入ったから分からないくらいの間だった。

 俺は、彼女を傷付けるのが分かっていたが、あの女に怪しまれる訳にはいかない。
 彼女への気持ちを圧し殺し、あの女を愛しているフリをして抱きしめた。

『近いうちに、機会を設けるから、今日のところは帰ってくれないか。』

 そう言って、彼女の方を見た俺は、悲し気な顔を見て、今日会う約束をした事を深く後悔した。

*****************************

 結婚式まであと九日となった日の午後、あの女が侯爵家へやって来た。前日に連絡を受けていた俺は、気が重かったが、これも任務のうち。と諦めて会う事にしていた。

 そこに罠があるとも気付かずに……。

 来客を告げられ、迎え入れると、お茶の用意を頼んだ。

 いつもの様に、女の前を歩いていたが、今日に限って腕にぶら下がろうとして来ない。振り返って見ると、執事に何か言っていた。

 そこで立ち止まり、待っていたら、急いで此方へ来たので、俺の部屋まで行った。

 念の為、部屋の扉は少し開けておいた。

 暫くして、侍女がティーセットを乗せたワゴンを押して部屋に入って来た後、お茶を淹れ、部屋の隅で控えていた。

 すると、女は、

『大事な話があるから、人払いをして欲しい。』

 と言ってきた。何の話があると言うのか。尋ねてみると

『レーナの事だと言う。』

 仕方がないので、侍女に下がる様に言い、扉は少し開けておく様に指示した。

 紅茶を飲みながら、女が話を切り出すのを待ったが、中々話さない。
 そして、とうとう、飲み干してしまった。
 何も言わないので、本当は話など無いのだろうか?
 自分でお茶を淹れるつもりで立ち上がったら、自分の分のお茶を淹れるついでだからと言うので、任せた。

 この時の俺は、気が緩んでいたのだ。女の張っていた罠に自ら飛び込んでしまった。

 思えばこの時、お茶に薬を入れられたのだろう。

 二杯目のお茶を一口飲んだ後、女が話し出した為、そちらに注意が行ってしまい、気付くのが遅れた。
 おかしい。と思った時には、何も考えられなくなり、女が話している内容は耳に入るが、理解する所までいかない。

『あら、誰か来たみたい。』

 と、女が席を外した。

 その間にも、心臓の鼓動は速くなり、身体が熱を持ち出した。
 耳に心臓があるみたいに、ドクドクと脈打つ音がやけに煩い。

 問題は、その後だった。夢か現実か物凄く曖昧になり、誰か傍に来たのに気付いて顔を上げた。
 それを見た瞬間は確かにあの女の顔だった筈が、

『ふふ。コンラート、私よ。私。レーナ。』

 その言葉で、目の前にいるの女の顔がレーナに変わった。
 鼻が触れそうなほど近い距離に彼女の顔がある。それだけで更に鼓動が速くなり、身体が熱い。

『大丈夫?体調が悪いなら、ベッドに横になればいいわ。』

 そう言って肩を貸すと、ベッドの方へ向かった。
 密着している彼女の身体に、ドクドクと全身の血が滾る。

 俺はベッドに横になり、彼女はその傍に立っていた。
 そして驚いた事に、着ていたドレスの前ボタンを外し、袖から両腕を抜きくとドレスが床に落ちた。
 コルセットをしていないので、胸が露わになり、下半身は薄いレースの下着に、膝上の、下着と同じ素材と思われる靴下にベルトの様な物で下着と繋がっている物だけだった。
 恥ずかしそうに、自分の身体を抱きしめる様にして胸を隠しながら、俯きがちに

『寂しくて寂しくて、もう堪えられないの。』

 と、ベッドに上がり、俺の胸に縋り付いた。
 裸同然の身体を押し付けられ、 更に熱くなり、何も考えられない筈の俺は、何故か、会えなくて、放置したまま、傷付けてしまっているレーナを慰めてあげなければという想いに駆られ、強く抱きしめた。

 だが、彼女を抱く(婚前交渉)のは、結婚してからと固く誓っていた俺は、ただ抱きしめるだけで堪えていた。

 そんな俺の身体を、彼女がその手で誘う様に優しく撫でていく。
 堪らず俺は彼女の上に覆い被さった。
 彼女の手が、再び俺の背中をソフトに撫でる。
 優しく誘う様なその手つきにも俺は何とか堪えた。

 自分に課した誓いを簡単に破る訳にはいかないからだった。

 やがて彼女の手は背中から腰の方へと、優しく更にソフトに撫でながら下りていく。
 それに反応して身体がピクっと動いてしまう。甘い痺れが全身を駆け巡る。
 そして彼女に、下半身の昂りにそっと手を当てられ、思わず反射的に身体を起こしてしまった。

『私の事を愛していないの?』

 寂しそうに俺の眼を見詰めながら聞いてきた。

『そんな事は無い。』

 荒い息のままそう言ったら、俺が着ていたシャツのボタンを一つ一つ外していく。そして全て外し終わると、眼を伏せ、

『お願い。貴方の物にして。』

 首に両腕を回してくると、耳元で囁く。甘い吐息とともに。全身がぞわりと心地よい痺れにも似た感覚に包まれた。
 あまりの気持ちよさに俺は思わず、シャツを引き千切る様に脱ぎ捨てた。
 それでも、誰に言う訳でも無い、まるで譫言の様に

『だめだ。だめだ。だめ…だ……だ……め…』

 と繰り返し呟きながらも、
 そのまま彼女に覆い被さる様にベッドに倒れ込んだ。
 彼女の首に顔を埋めたが、何か大切な事を思い出せそうで、何とか堪えようとした。
 お互いの裸の上半身が直に触れ合う。気持ち良すぎてどうにかなりそうだった。
 彼女の胸の尖りが、俺の肌を刺激する。身体がその甘美な刺激に反応する。
 頭の血が沸騰した様になり、その何とも言えない甘い刺激に、下半身まで熱くなった。
 全身の血が滾り、息が荒くなり、下半身の昂ぶりがはち切れそうで苦しい。

 俺の忍耐はもう殆ど限界だった。 

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