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24. ツォルニヒ(ルーニー)の後悔 ①
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日が完全に沈みきる直前の黄昏時。
部屋の中で咽び泣いている女がいた。
その部屋は、罪を犯した貴族が入れられる部屋で、牢と呼ばれてはいるが、部屋と呼ぶ方が相応しい場所である。
『俺の唯一に危害を加えた。それだけでお前は、万死に値する。』
そう言って立ち去って以降、コンラートは此処に来なくなった。
どれほど私が会いに(面会に)来て欲しいと言っても…。
最愛って、私の事じゃ無かったのね。
薬を飲ませても、私を抱かなかった時に分かった筈なのに…。
私はそれを認めたくなかった。
いつまでも私を抱かないどころか、キスさえしない彼に、イライラしていた。
このままだと、コンラートとあの女が結婚してしまう。そう思っただけで、気が狂いそうだったわ。
早く私だけの彼に、幼かった時の、私だけに優しかった彼に戻って欲しくて…。
そして、あの女に思い知らせないといけないから。
コンラートに愛されているのは、貴女じゃなくて私だって。
だから、ハインリッヒの時に使った薬を使う事にしたわ。
だって、そうでもしないと、あの女に騙されたまま、彼が結婚してしまうじゃない。
だけど、私に侯爵夫人としての仕事は無理。ハインリッヒの時もそれで失敗しちゃったし…。
お母様に相談したら、
『じゃあ、その嫌な仕事をその女にしてもらえばいいじゃない。』
って、その考えは、良いと思うけど、
『それじゃあ、あの女に偉そうにされるだけよね。』
『あの女に、貴女の方が彼に愛されているんだって、分からせてあげれば良いのよ。あの女がお飾りの妻だって。』
やっぱりお母様、冴えてるわ。
じゃあ、彼に薬を飲ませた時に、見せつければ、大きな顔をされなくて済むし、結婚後、あの女に侯爵夫人の(面倒臭くて嫌な)仕事を押し付ければ、私が社交の仕事をやり易いわよね。
なんたって、あの女はお飾りなんだから。
そうと決まれば、色々準備しないとね。
彼の家に行った時に、お手洗いを借りるフリをして、こっちに引き込んだメイドに手伝わせると、彼の机の鍵が掛かった引き出しから、手紙用の便箋と封筒を、手に入れて、急いで書いた後、封蝋をしたわ。
子供の時から侯爵邸に出入りしていたから、何処に何があるか知っていたから楽勝~♪
引き出しの鍵は、私の特技でチョチョイのチョイってやれば、針金一つで開けられるのよ。スゴいでしょ。
その後、それを下働きの若い男の子に銀貨を何枚か握らせて、あの女に届けてもらったの。
以前来た時にニッコリ微笑んであげたら、顔を赤くしてたから、こっちも楽勝だったわ♪
で、当日彼の家に行った時に、執事に
『三人で話し合いをする事になって、後から、子爵令嬢が来るから、そのまま部屋に通してくれって、彼が言ってたわ。お願いね。』
って指示しておいたら、面白いぐらい上手くいったわ。
けど、あり得ない事が起こって……。
彼…コンラートったら、確かに薬を飲んだ筈なのに、婚前交渉しないって誓っているからダメだ。って……。
馬鹿じゃないの!相変わらず四角四面で、変な所で融通利かないんだから。
薬の影響の幻覚で私があの女に見えている筈なのに、それでも私を抱こうとしなかった。
おまけに、あの女の顔を見た途端に薬の効果が切れた。正気に戻ったって、ナニそれ。
今まで薬を使って、そこまで自制できた人っていなかったって聞いてたのに。
お母様の恋人のハンスだって、『潜入していた諜報員も一発で堕ちた。』って言ってたのに!
そこまであの女が大切なの?
そんなにあの女を愛しているっていうの!?
あんな地味で、パッとしない何処にでもいる様な女なのに!
そんな女にコンラートを取られるなんて!
何より私のプライドが許さないわ!
そう思っていたら、彼から『婚約破棄された。』って、連絡が来たの。
はあ”ッ!?
何それ、婚約破棄なんてしたら、誰が公爵夫人の仕事をするって言うのよ!
大急ぎで彼の所に行って、何とか婚約破棄を撤回してくれるように掛け合うべきだって言ったわ。
そして、撤回された暁には、金銭的に援助してくれるだけでいいからと彼に頼んだ。
『貴方の結婚を邪魔する気なんて無かった。私は日陰の身でいいから。』って。
だから、『彼が子爵令嬢と結婚して、私の事は金銭的に援助してくれればいいし、その方が皆が幸せになれるから。』と、彼を説得したの。
なのに、婚約破棄が撤回される事は無かった。
侯爵邸に戻って来たコンラートは、抜け殻の様になっちゃって…。
もう、使えないったらないわ!
************
その時のコンラートは、そんな自分の姿を見たルーニーが、どう思うか考えた事も無かった。
ルーニーがどんな行動に出るのか?という事も…。
結果は、思い通りにならなかったルーニーの怒りの矛先は、益々レーナの方に向かったのだった。
部屋の中で咽び泣いている女がいた。
その部屋は、罪を犯した貴族が入れられる部屋で、牢と呼ばれてはいるが、部屋と呼ぶ方が相応しい場所である。
『俺の唯一に危害を加えた。それだけでお前は、万死に値する。』
そう言って立ち去って以降、コンラートは此処に来なくなった。
どれほど私が会いに(面会に)来て欲しいと言っても…。
最愛って、私の事じゃ無かったのね。
薬を飲ませても、私を抱かなかった時に分かった筈なのに…。
私はそれを認めたくなかった。
いつまでも私を抱かないどころか、キスさえしない彼に、イライラしていた。
このままだと、コンラートとあの女が結婚してしまう。そう思っただけで、気が狂いそうだったわ。
早く私だけの彼に、幼かった時の、私だけに優しかった彼に戻って欲しくて…。
そして、あの女に思い知らせないといけないから。
コンラートに愛されているのは、貴女じゃなくて私だって。
だから、ハインリッヒの時に使った薬を使う事にしたわ。
だって、そうでもしないと、あの女に騙されたまま、彼が結婚してしまうじゃない。
だけど、私に侯爵夫人としての仕事は無理。ハインリッヒの時もそれで失敗しちゃったし…。
お母様に相談したら、
『じゃあ、その嫌な仕事をその女にしてもらえばいいじゃない。』
って、その考えは、良いと思うけど、
『それじゃあ、あの女に偉そうにされるだけよね。』
『あの女に、貴女の方が彼に愛されているんだって、分からせてあげれば良いのよ。あの女がお飾りの妻だって。』
やっぱりお母様、冴えてるわ。
じゃあ、彼に薬を飲ませた時に、見せつければ、大きな顔をされなくて済むし、結婚後、あの女に侯爵夫人の(面倒臭くて嫌な)仕事を押し付ければ、私が社交の仕事をやり易いわよね。
なんたって、あの女はお飾りなんだから。
そうと決まれば、色々準備しないとね。
彼の家に行った時に、お手洗いを借りるフリをして、こっちに引き込んだメイドに手伝わせると、彼の机の鍵が掛かった引き出しから、手紙用の便箋と封筒を、手に入れて、急いで書いた後、封蝋をしたわ。
子供の時から侯爵邸に出入りしていたから、何処に何があるか知っていたから楽勝~♪
引き出しの鍵は、私の特技でチョチョイのチョイってやれば、針金一つで開けられるのよ。スゴいでしょ。
その後、それを下働きの若い男の子に銀貨を何枚か握らせて、あの女に届けてもらったの。
以前来た時にニッコリ微笑んであげたら、顔を赤くしてたから、こっちも楽勝だったわ♪
で、当日彼の家に行った時に、執事に
『三人で話し合いをする事になって、後から、子爵令嬢が来るから、そのまま部屋に通してくれって、彼が言ってたわ。お願いね。』
って指示しておいたら、面白いぐらい上手くいったわ。
けど、あり得ない事が起こって……。
彼…コンラートったら、確かに薬を飲んだ筈なのに、婚前交渉しないって誓っているからダメだ。って……。
馬鹿じゃないの!相変わらず四角四面で、変な所で融通利かないんだから。
薬の影響の幻覚で私があの女に見えている筈なのに、それでも私を抱こうとしなかった。
おまけに、あの女の顔を見た途端に薬の効果が切れた。正気に戻ったって、ナニそれ。
今まで薬を使って、そこまで自制できた人っていなかったって聞いてたのに。
お母様の恋人のハンスだって、『潜入していた諜報員も一発で堕ちた。』って言ってたのに!
そこまであの女が大切なの?
そんなにあの女を愛しているっていうの!?
あんな地味で、パッとしない何処にでもいる様な女なのに!
そんな女にコンラートを取られるなんて!
何より私のプライドが許さないわ!
そう思っていたら、彼から『婚約破棄された。』って、連絡が来たの。
はあ”ッ!?
何それ、婚約破棄なんてしたら、誰が公爵夫人の仕事をするって言うのよ!
大急ぎで彼の所に行って、何とか婚約破棄を撤回してくれるように掛け合うべきだって言ったわ。
そして、撤回された暁には、金銭的に援助してくれるだけでいいからと彼に頼んだ。
『貴方の結婚を邪魔する気なんて無かった。私は日陰の身でいいから。』って。
だから、『彼が子爵令嬢と結婚して、私の事は金銭的に援助してくれればいいし、その方が皆が幸せになれるから。』と、彼を説得したの。
なのに、婚約破棄が撤回される事は無かった。
侯爵邸に戻って来たコンラートは、抜け殻の様になっちゃって…。
もう、使えないったらないわ!
************
その時のコンラートは、そんな自分の姿を見たルーニーが、どう思うか考えた事も無かった。
ルーニーがどんな行動に出るのか?という事も…。
結果は、思い通りにならなかったルーニーの怒りの矛先は、益々レーナの方に向かったのだった。
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