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エピローグ - ②
しおりを挟むすみません!
こちらの設定ミスで、エピローグ① いつもの時間に公開できていませんでした!
楽しみに待っていて下さった方々、申し訳ありませんでした。
~~~~~~~~~~
後ろから抱きしめたまま、彼女の首に顔を埋め、口付けた。彼女が少し擽ったそうにする。思わず抱きしめている腕に力が入る。腕の中にいる愛しい存在を、自分の愚かさで永遠に失いかけた事を思い出してしまったからだ。
けれど今、彼女は俺の腕の中にいる。消えたりしない。自分にそう言い聞かせる。これは夢では無いのだと…。
そして、もう一度彼女の首に口付け、その肌に触れるか触れないかの距離で、彼女の首から顎、顎から唇へと、唇を滑らせる。
擽ったそうにしていた彼女の唇から、甘い吐息が漏れる。その吐息を吞む様に唇を重ねた。啄む様に何度も。
それから彼女の柔らかい唇を食んだ。その甘い唇に頭の芯が痺れそうだった。ゆっくり何度も味わう。
彼女の身体から力が抜けて行くのが分かる。まるで自ら俺の腕の中に堕ちてくるように。
そして彼女は自分で立っていられなくなり、俺の胸に縋り付く。それが嬉しくて喜びに胸が震え、熱くなってくる。胸で滾った血が、激流となって全身に広がっていく様だ。
彼女に口付けたまま膝裏に腕を入れ、横抱きにするとベッドの上まで運び、そっと仰向けに降ろした。
唇を離し、彼女の顔を見つめた。とろんと蕩けた様な、夢見る様な顔で俺の事を見ている彼女に覆い被さった。そんな艶っぽい顔で見てくれる事が嬉しかった。
彼女の顔の横に肘をつき、髪を梳きながら口づ俺に身体を寄せて来る彼女のナイトドレス(今で言うベビードールだと思って下さい。)のリボンを解き、ガウンごと左肩から腕へと滑らせるように脱がせ、反対側も同じ様に脱がせ、目を奪われた。
「…綺麗だ…」
そう呟くと恥ずかしそうにしている彼女の唇を貪る様に口付け、首にも口付けた。つぅーッと、首から鎖骨、鎖骨から胸の頂きに指を滑らすと、彼女の身体がピクリと跳ねた。その反応が可愛くて同じ道筋を辿り、口づけを落としていった。
「…ん…ふっ……ん。」
声を我慢しようとしているのか、途切れ途切れに彼女の唇から甘い声が洩れる。それに気を良くした俺は、今度は舌を這わせた。
「は…う…ん…んん…ふぅ…。」
先程よりも息が上がり、太腿をすり合わせながら、快感を齎すものから逃げようと、身を捩ろうとしている。その姿を見て自分の鼓動が激しくなった。頭が痺れた様になり、何も考えられなくなる。
自分が着ているガウンの紐を解いて脱ぐと、下穿きも脱ぎ去った。
彼女の胸をさわさわとソフトに撫で、その手を下半身へと滑らせ、花芽に触れると彼女が戦慄いた。
初めての彼女に痛い思いをさせたくなくて、確りと愛撫してやり、解してあげた。そして、漸く一つになると、彼女の眦から涙が溢れたのを口付け、吸い取ると鼻の頭や、頬、口づけを落とす。それから、深く口付けた。
俺が動き出すと、彼女の身体が跳ねる。そして、花の様な唇から甘い声が紡がれ、甘い吐息が洩れる。
彼女の指に俺の指を絡める。時々彼女の手に力が入り、いやいやをするみたいに、切な気に首を左右に振る。
もっと彼女の甘い声が聞きたいと思うと、自然、動きが速くなる。そして、彼女が一際高く啼いた後、俺も果てた。
疲れて果て、腕の中で眠る彼女の顔を、愛しさで満たされた思いで見つめたのだった。
そして、心に誓う。この先何があっても離しはしない。必ず幸せにすると。もう、嬉しい時以外で泣かせたりしないと。
俺は、そう心に固く誓って彼女に口付けたのだった。
**********
ある春の日の午後、一人の老女が、部屋から続くバルコニーで、揺り椅子に座り、転た寝をしている。
読みかけの本はお腹の上に伏せて置かれたまま。
「レーナ、レーナ。またそんな所で転た寝してるのかい?ほら、眼を覚まして。」
コンラート?
微睡みの中で、愛する夫の自分の名前を呼ぶ声がする。
眼を開けるとコンラートの顔が目の前に…。
彼と目が合うと優しく微笑んだ。そして、自分に向かって手を差し出してきた。
「ほら、立って。」
差し出された手を取り立ち上がった。するといつもの様に抱き締めて、首に顔を埋めてくる。
何度も、恥ずかしいから止めてって言ってるのに。と思いながらも喜んでいる自分がいる。
「迎えに来るのが遅すぎるから転た寝しちゃったじゃない。」
「ごめん、ごめん。」
眉をハの字にして、済まなさそうに笑う。
「それじゃあ…。」
その言葉に頷く夫。
そして二人は歩いて行った。
**********
『そろそろ、お義母様を起こして来てもらえるかしら。』
と、お茶の準備を指示したメイドとは、別のメイドに言うと、『かしこまりました。』と、義母を呼びに行った。
そのメイドが、顔色をなくして大慌てで戻って来て、邸内が騒がしくなった。
*********
マグダレーナ・リンドブルム。
夫であるコンラート・リンドブルムとは、貴族としては珍しい恋愛結婚だった。
結婚前の紆余曲折を知る者も今では少ない。
コンラート・リンドブルム。
近衛騎士団団長のミハエル・ローエングリンと、王国の双璧とまで言われ、公私共に交流があり、子供同士も仲が良く結婚するほど親しかった。
その強面に反して、愛妻家として有名だった。
夫人との間には、三男一女に恵まれ、一人娘を溺愛していて、婚約を申し込みに来た、娘の恋人を
『婚約は許す。結婚も許す。その代わり、一発殴らせろ。』
と言って、本当に殴ったのは有名な話である。
が、その後怒った娘に口を聞いてもらえなくなって、部屋の前でまで土下座して、泣いて許しを乞うた事は、家人以外には知られていない。
そんな彼も、愛娘の花嫁姿を見る事無く、戦後の調印式の為に訪れた隣国において、テロに巻き込まれた平民の子供を庇い、死亡。
その後、夫人は女手一つで侯爵家を切り盛りし、三男の結婚と同時に爵位を譲り、余生を全うして永眠。今は愛する夫の隣に眠る。
━ 終話 ━
これにて、本編&エピローグ、完結&終話です。
最後までお付き合い(お読み)頂き、ありがとうございました。
と、言いつつ、あとラスト一本(一話)あったりして……。
「ラスト一本(一話)も、付き合って(読んで)やってもいいぜ!」と言う、強者(付き合いのいい)な方、いらっしゃいましたら、よろしくお願い致します。
( あの、別に強者で無くてもいいです。← 必死 ;)
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