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番外編【感謝御礼!!】⑥
しおりを挟む「ごめん…帰れそうにないよ…。フィー……。」
“バーニー(バー兄)”と俺を呼び微笑む俺の大切な再従妹……。
13才も年下で、俺は“ロリ◯ン”と妹や従弟達から冷やかされる事もあったが、本当に好きだったんだ。
けど……もう駄目みたいだ。
大切な俺の再従妹……フィーネ。
愛してた。けど…さよならだ。
あいつと幸せに……。
エセルバート・ローエングリン、フランドール王国・五公爵家の一つ、ローエングリン公爵家の嫡男である彼は外務大臣の補佐官だった為、伯父であるコンラート・リンドブルム侯爵と共に戦後の調印式で訪れた隣国でテロに巻き込まれ亡くなった。享年三十一才──早過ぎる死だった──。
△▽△▽△▽△▽△▽△
─ エセルバート・回想 ─
俺がフィーネに初めて会ったのは十六才の時だった。
十三才年下の再従妹。
彼女は俺の祖父であるアルフォンス・ローエングリンの弟、ウルリッヒ・リンドブルム前伯爵(当時は伯爵家だった)の子息であるコンラート・リンドブルム侯爵(現当主)の令嬢(長女)だ。簡単に言えば再従妹である。
彼女と初めて会った日の事を今でも鮮明に思い出せる。
白いレース地のワンピースに鐔広のレースの帽子を被った彼女は、まだ二才前で頭が大きい所為か上手くバランスを取れないらしく、トテトテヨタヨタと今にも転びそうな危なっかしい足取りで、それでも嬉しそうに満面の笑みで俺(達)の方に向かって歩いて来る。
△▽△▽△▽△▽△▽
「……っ人だ!? 人がいたぞ!!」
「おい!医療班!!」
爆破された公会堂での救助活動をしていた救助隊の隊員達が瓦礫をどけつつ人命救助に当たっていた。
そして今、瓦礫を退けていた場所はほんの少し前に、救助隊員達の目の前で崩れ落ちたばかりだった。
そこに人が居たのを救助隊員達だけでなく、何人もの人達が見ていた。
崩落後、その場にいた隊員達が救助に向かい、急ピッチで瓦礫の撤去作業を行った。
顔が見えたが気を失っているようだった為、更に作業スピードを上げ、漸く下半身が見えた瞬間、隊員達は愕然とした。
現場は公会堂の入り口部分で、被害者の下半身は崩れた大きな柱に押し潰される形で下敷きになっていたからだった。
状況は悪く、助かる可能性は低い…いや…もしかしたら……。
救命士が生死の確認をするも顔色を無くして首を横に振るだけだった。
それを見た隊員達はお互いの顔を見合わせると硬く拳を握り俯いた。
救助隊員の一人が隊を指揮していると思われる隊員の所へ駆けて来ると何やら耳打ちした。
「被害者の死亡が確認された。」
隊員達を集め、先程聞いた報告を伝えるとともにその場で黙祷を捧げ、次の救助場所へと向かった。
「…たら、…ればを言ったら切りが無い。
だが彼は発見される直前まで生きていた。」
彼を発見した隊員達やその他の隊員達や救命士達は当時を振り返り、助けられなかった数々の命に対する悔恨の念に今も傷付いていた。
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