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色男
しおりを挟む...いけない、このままでは夜まで考え込んでしまう。
クローゼットからシックなネイビーのスーツと、ブラウンのネクタイを取り出す。
髪をセットして、スーツに着替えた私は、見た夢を置いていく様に家を後にした。
ーーーーー
「姫神先生、おはようございます」
「せんせ、おはようございます!」
「ああ、おはよう」
廊下ですれ違う女子生徒達が私を見るなり声をかける。
「姫神先生、今日も綺麗だね!1限目から先生の授業とかアガる~」
「綺麗」って...少なくとも35の男に向かって使う言葉ではないだろう。
「ありがとう、予鈴がなる前に教室に入っておいてね」
元気よく返事をした生徒達に別れを告げ職員室へと向かう途中、この学校一色っぽいと噂の教員とバッタリ出くわしてしまう。
私はこいつが、苦手だ。
「姫神主任、おはようございます」
「おはよう、若王子くん」
若王子 亮介
黒髪、緩くかかったパーマ、口端のホクロ、笑った時に見える鋭い八重歯。
「今日もお綺麗ですね、主任」
甘ったるい匂いーーー。
「...からかわないでくれるかい?」
白衣のポケットに手を突っ込んだかと思えば、チョコレートを手渡してきた。
「本当のことですよ。これあげます」
どうして、そう聞く前に彼は職員室へ入ってしまった。
彼は本当によく分からない、1人だけ周りの人とオーラが違う気がする。
なんと言うか、彼がいるだけでその場がフワフワすると言うか...。
貰ったチョコレートをポケットに忍ばせ、1限目の準備をすべく、職員室へと足を踏み入れた。
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