2人の男に狙われてます

来客

それから私は、若王子を避けるようになった。

盗み聞きした次の日も、その次の日も、そのまた次の日も...。

小テストが終わった翌日、案の定石井が｢うちのクラスはどうでした？｣と聞いてきたことにより、席の周りに男性教員が集まってきた訳だが

『主任、次の授業...一緒に行きましょう』

『あっ、いや、大丈夫！私は校内を見回ってから行くから』

とか。

『主任、今週の金曜日に2人で』

『ごめん！ちょっと急ぐから！』

とか。

急ぐ用事もないし、最近は無駄に校内ばかりを見回っている。
大体同じ職場で、同じ学年を担当しているのに避けることなんか出来るはずがない。

ただ、彼のことを好きなのかと考えれば考える程、頭がこんがらがって顔を直視することが出来ないのだ。

結局不自然に避けたまま、1週間が終わってしまい、今に至る。

夜ご飯を食べ、シャワーを浴びた私はベッドにどさりと埋もれた。


｢何だか...疲れたな｣

また最近は眠れない夜を過ごし、身体を熱くさせては自慰に耽ったからだろう。
身体も頭も酷く疲弊している。

碓氷から貰ったカモミールティーを飲み、午後23時、私は死んだように眠りにつくのだった。


ーーーーー

｢ちゅっ...ちゅう...｣

｢ん、ぅ...は...ぁ｣

身体が熱い。

何だか、とても気持ちがいい...。

ぱちっ

｢あ、起きた...？おはよ｣

んー...ん？あれ、なんでだろう。
胸に吸い付く男を冷めた目で見詰めては辺りを見渡す。

私の部屋、だよな。

｢夢か、もう1回寝よ｣

｢んー、おやすみ｣

剥ぎ取られた布団を被り目を瞑る。

ちゅっ、ちゅっ、ぺろぺろ

｢眠れるか！！｣

｢おはよ｣

目の前で柔らかな笑顔を浮かべ｢もう11時だよ｣と声を掛けた男は、どこからどう見ても神崎だった。

｢何故君がここにいる、どうやって入った｣

｢この前泊まりに来た時、鍵の型とって、石膏流して作った｣

｢犯罪だよ！！｣

｢やだな、こんなこと先生にしかしないよ｣

余計にダメだ。

ようやく胸から口を離した彼は、人差し指でグリグリと乳首を押し潰す。

｢ひ、ぅうう......んっ、な、んか...変...っ｣

赤くぷっくりと腫れ上がり、神崎の唾液で濡れた乳首は、口が離れた今もジンジンと疼いている。

｢遊びに来た時には寝てたから...何時間吸ってたんだ...？1、2、3...｣

｢君、まさか...｣

｢ああ、いや...1時に来たからといって、流石に9時間も10時間も吸ってた訳じゃない。途中寝たり、起きたらまた吸ったりで...5時間くらい、だな｣

ここで初めて男を殴る。

｢いたた...先生からのゲンコツなんてご褒美だね｣

もう嫌だ、こいつ。