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想像
しおりを挟む「んん゛っ...♡さわ、るな...っ」
「...美味しそう...早く舐めてあげたい」
「は、ぁ...、耳元で...んっ♡」
「俺と若王子に乳首舐められ時、トロ顔晒して気持ちよさそうだったもんね...。手錠で拘束されて嫌々してたけど、何回も腰を突き出して女みたいに鳴いてさ...」
甘ったるい低い声。
耳に触れるか触れないか程度の距離で想像を掻き立てるようなことを口にする。
「ん、ふ...ぁ...やめ...っ」
「乳首吸われて、甘噛みされて...そんな光景見てはすげぇ興奮してたよね...?男2人に好き勝手されんの...そんなに良かった?」
「ひっ...♡」
パチン、と貞操帯を指先で弾かれ目を見開く。
震えた衝動で我慢汁がトロリと溢れ出た。
「じゃあ、今度は...先生のここ2人でしゃぶっちゃおうかな」
痛い。
ほぼ言葉と想像だけで勃起してしまった。
ギュッと目を瞑り、萎縮するのを待つ。
「も、寝る...っ」
ふふ、と笑う彼を無視して背中を丸めれば背後から優しく抱き締められた。
「おやすみ、先生...愛してるよ」
火曜の夜、神崎の体温と匂いに包まれた私は、午前3時にようやく眠りにつくことができた。
水曜日
こんなことになっているとは知らない碓氷が、神妙な面持ちで近寄ってきた。
いつもの碓氷なら、やれ服装が乱れてるだの、やれもう少しまともな食生活をしろだのと小言をズケズケと言い放つが、その日の碓氷は一味違ったのだ。
話を聞けば、他人から見れば黒田はどう見えているのか、と何とも唐突な質問を投げ掛けてくるではないか。
「大丈夫かなぁ...何かあったのかな、あの2人」
「...何かあったも何も、一目瞭然でしょう」
「えっ」
化学準備室で煙草を吸う若王子の隣で、ビーカーや試験管等、実験器具の手入れを手伝う私は、ぐっと彼に身を寄せた。
「何か知ってるの?」
「......あんなに分かりやすいのに、鈍いですね。まあ、そこが可愛いんだけど」
灰皿に煙草を押し付けた若王子が、頬杖をつきながら私を見詰める。
「ほんと、かわい...」
「な、なに...てかこれ!君の仕事でしょ!手伝わないなら私は帰るよ」
「ごめんごめん、僕もちゃんとやるから...まだ一緒に居よ?」
......量も多いし1人でやらせるのは流石に可哀想だ。
やっと彼がフラスコを手に取ったかと思えば、適当に拭いてカゴの中に乱雑に突っ込む。
統一性の「と」の字もない。
「たまにこう言うところあるよね、君」
「?...ところで、今日もえろい下着履いてるんですか?見せて」
唐突すぎるセクハラにうっ、と息を詰まらせるが、今日は生憎普通の下着。
見て楽しいことなんて1つも無いのだが...。
「今日は...普通のボクサーパンツだよ...」
「それはそれで興奮するんだよね」
「!?」
木曜日
神崎や若王子のしつこいセクハラを乗り切って4日目まで来ると、一周まわって悟り始める。
ムラムラしてもどうせ扱くことは出来ないし、日曜日までコレを外して貰えないのだから無心で生活することに決めた。
そうだ、何も考えなければ大丈夫...。
神崎と若王子と2人っきりにならなければ手を出される心配もない。
家で勃起したらガンガン冷水で冷やせばいいし、蒼依のAVも閲覧履歴も封印しよう。
神崎が部屋に入れないよう、鍵も2つ付けた...よし完璧だ。
ヒーリング効果のある音、青い光を放つ照明を置いて、私はそっと目を閉じた。
木曜の夜、ここ最近で1番安心して眠りにつくことが出来た。
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