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ピース
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「お話があります」
結局、夜は外食になった。そして、マンションに戻ったあと、由多花は風呂上りの松岡さんを捕まえて 話がある、と詰め寄った。
冷蔵庫からジンジャーエールを取り出し、松岡さんはグラスに注ぐ。互いにカウンターのスツールに腰掛けた。
由多花は息を整え、覚悟を決めた。
「…私、松岡さんに話さなきゃならないことが、あります」
「どうぞ?」
く。この余裕が憎ったらしい。
「…私、松岡さんの前に 付き合っていた人がいました」
「知ってる。酒の席で愚痴っていたな。報復するなって言われたんだったか。最低だな」
「ホントよ…」
「お前、男 見る目ないな」
「松岡さんに言われると腹立つから!」
――と、話が脱線する!
茶々入れないで、と由多花が言うと松岡さんが ごめんごめんと、まるで反省のない様子で返す。
「その男が」
由多花が目を伏せた。
「…今北…です」
………驚け。爆弾発言、どんどん落とせ。
自爆しろ、…自分。
松岡さんはこれに瞠目していた。
そして、一口、グラスを傾けた。
「ああ…」
「怒っていいよ」
「偶然だな」
「………うん」
「――で?」
――は?
「だから?」
松岡さんは面倒そうに言う。
「………今北はあの…、私の同僚で…その、林さんと…」
「らしいな。七穂が浮気したって告白したとき、名前聞いた。それと、由多花はもう別れたんだろ。だったら、俺は関係ない」
思わずスツールから立ち上がり、由多花は松岡さんを見おろす。
「はあ…」
間抜けな返事しか出ない。
「…嫌じゃないの?」
「なにが?」
「…だって、林さんを寝取った男の元カノじゃん、私…」
「そんなん、気にしていたら誰とも付き合えないだろ。なに、お前、そういうヒロイスティックな気分で告白したわけ?」
「図星です…」
素直に答えると松岡さんがむせた。こっちのが爆弾になった。なんでよー。
はーあ、と息をつき、由多花はヘタリとフローリングに座り込んだ。冷たい。
「お前、面白いなぁ…」
むせながら言うな。
「だって、私だったら、ヤかもしんないもん…」
「潔癖なのかよ?」
「わかんない…。でも、今北さんが林さんとそうなったって聞いたとき、気持ち悪いって思った…」
そっか、と呟きながら松岡さんは由多花に手を貸して立ち上がらせてくれた。
「じゃ、俺が七穂と寄り戻す確率がゼロだってのも――わかるな?」
驚いて由多花は松岡さんを見た。
今度の図星は恥ずかしかった。
――私、松岡さんの気持ち、全然考えていなかったのか…。自分が同じことされて、あれだけ、冷めちゃったってのに…。でも。
「でも、本当に興味なくなったら、アゼチの社員の私と付き合おうとも思わなかったでしょ」
今度は本物の爆弾。松岡さんが眉根を寄せたから。
スツールを引き寄せ座り、ビンに残ったジンジャーエールを由多花も飲んだ。
松岡さんが考え込む。
「…七穂とはあいつが中学生のときから知ってんだよな。俺、妹が一人いて、その同級生だったんだよ。うちの妹は割と気の強い女で、あいつはそれに いつもかばわれているような子で――。まあ、時々、イラついていた」
「妹さん?」
「九歳下。父親違いだからちょっと離れてるな。俺の父親は俺が三つの時に病気で死んでる。小学校一年のときに今の父と母親が再婚した。義父には可愛がってもらったよ。…話、逸れたな…。で、妹は七穂を高校まで保護者面して面倒見てたけど、大学はさすがに別になって、地元で勤めてた俺に押し付けた」
「押し付けたって…」
ちょ、言いすぎじゃない?
「妹は七穂の気持ちを知っていたからな」
「…ああ。なるほど。つまり、妹さんの親友なんだ…」
空になったグラスを松岡さんはカウンターに置く。
「付き合ってみたら、思ったよりしっかりしていた。でも、やっぱ、どこか心配なところがあるんだよな…。俺は大学時代から小説書いてて、その頃から二足の草鞋を履いていたわけだけど、仕事で会えないときとか、多かったんだよ。いつも、心細そうにしていた。で、昨年、小説一本でやっていくことにして、――結婚を考えていた。俺の、歳もあるし」
「結婚したいお年頃だったんだね…」
「茶化すな」
――でも、笑った。松岡さんの黒子も笑った。
「だから、まさか浮気されるなんて思わなかったんだよな。まさか、入社して一ヶ月しかたっていないのに、よく知らない相手と――」
由多花は松岡さんに向き合う。
「それさ、ちゃんと林さんと話したの?」
松岡さんは息をついて、頬杖をつく。
「呑んだ帰り、その今北っていうのとそういう関係になったって聞いた。結婚を考え直したいのかって聞いたら、そうじゃないって言う。――俺には理解出来ん。そのまま、俺は引っ越して、連絡を断った。携帯も解約して、このマンションは少し前に契約していたけど、七穂にはまだ話していなかったからな。実家には引っ越し先は言っていない」
由多花は目を瞑る。
いや、なんか、突っ込みどころが色々ないか、これ…。
「話し合いしてないよね…。てか、なんだ、乙女か、松岡さんは。失踪か、失踪なのか?」
松岡さんは むっすりとして黙秘だ。ホントに子供だ。
「心配するよ、カノジョも、家族も」
「家族には連絡入れてる。仕事先にも」
「そーゆー意味じゃなく!」
なんなの、私、悩み相談になってませんこと?
はーあ、と呆れたため息。
「…でも、それだけ一緒にいたら、確かに気になるよね。あの人、気、弱そうだもん」
夕方見た光景を思い出す。皆の前で由多花に詰め寄ったのは、林さんではなく、その同期の営業の女の子だった。
「今北さんはちょっと強引だもんね」
今北、の名前に松岡さんは反応したみたい。視線をこちらに寄越す。
「でも、完全に林さんに夢中だよ。いい人かどうかは 私、わかんない。私にとっては不誠実な男だったから。でも、隠して二股はしなかったんだから、少しはいい人かもね」
「お前は――」
「ん?」
「…なんで、今北と付き合っていたのよ?」
むっすりしたまま松岡さんが聞く。やはり、気になるのか。なぜ、林さんが今北とそうなったか。今北の魅力を知りたいのか。
「…入社してから、一年近く口説いてきたから」
松岡さんが頬杖をやめた。驚いているみたい。
「私、他人とご飯出来ないの。…松岡さんは知らないよね。松岡さんとは、最初から一緒に食事出来たもん。ともかく、それが理由で、私 男の人と付き合う気がなかったの。でも、そのこと話してもね、付き合いたいって言ってくれたの。だから、好きになったの」
でも。
「…だからってすぐ、一緒にご飯食べられるようになるわけじゃなくて…。結局、友達関係から進展しなかったかな…。それが理由で林さんに心変わりしたわけじゃないと思うけど…。私から気持ち離れた一因かな、とは思う…」
「――お前、初めてだったもんな…」
しみじみ言うな。
「一度、林さんとは、キッチリ話した方がいいよ。私のことは気にしないで」
「――いらん」
「もう、なんで」
松岡さんが由多花の手をつかんだ。
「俺の気持ちが もう戻らない。気を持たせるだけ可哀相だろ」
それから、由多花の手をひいてベッドルームに直行しようとする。
由多花は慌てる。
「さすがに三連チャンは無理! 筋肉痛で死ねる!」
「運動不足すぎるだろ…」
松岡さんは憮然として言った。
その夜はなにもせず、松岡さんのベッドで二人で寝た。
ぽそぽそと由多花も自分の話を今日はした。両親のこと、親友のこと、気を許した相手でなければ一緒に食事が出来ないこと、そのきっかけが初恋の相手だったこと…。だから、余計に松岡さんが貴重だと。
そうか、と松岡さんは怒りもせず嗤いもせず、由多花の話を最後まで聞いてくれて、ずっと手を握ってくれていた。
その夜は、松岡さんは夜中に起きださず、朝まで熟睡してた。
由多花はパズルのピースについて考えていた。
ひとつある空間。それがあるから動く四角いパズル。
――今、私達の関係は皆ぴったり納まっている。だから、動かない。
それで、いいのか、と聞くのは私の良心なんだろうか。
結局、夜は外食になった。そして、マンションに戻ったあと、由多花は風呂上りの松岡さんを捕まえて 話がある、と詰め寄った。
冷蔵庫からジンジャーエールを取り出し、松岡さんはグラスに注ぐ。互いにカウンターのスツールに腰掛けた。
由多花は息を整え、覚悟を決めた。
「…私、松岡さんに話さなきゃならないことが、あります」
「どうぞ?」
く。この余裕が憎ったらしい。
「…私、松岡さんの前に 付き合っていた人がいました」
「知ってる。酒の席で愚痴っていたな。報復するなって言われたんだったか。最低だな」
「ホントよ…」
「お前、男 見る目ないな」
「松岡さんに言われると腹立つから!」
――と、話が脱線する!
茶々入れないで、と由多花が言うと松岡さんが ごめんごめんと、まるで反省のない様子で返す。
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由多花が目を伏せた。
「…今北…です」
………驚け。爆弾発言、どんどん落とせ。
自爆しろ、…自分。
松岡さんはこれに瞠目していた。
そして、一口、グラスを傾けた。
「ああ…」
「怒っていいよ」
「偶然だな」
「………うん」
「――で?」
――は?
「だから?」
松岡さんは面倒そうに言う。
「………今北はあの…、私の同僚で…その、林さんと…」
「らしいな。七穂が浮気したって告白したとき、名前聞いた。それと、由多花はもう別れたんだろ。だったら、俺は関係ない」
思わずスツールから立ち上がり、由多花は松岡さんを見おろす。
「はあ…」
間抜けな返事しか出ない。
「…嫌じゃないの?」
「なにが?」
「…だって、林さんを寝取った男の元カノじゃん、私…」
「そんなん、気にしていたら誰とも付き合えないだろ。なに、お前、そういうヒロイスティックな気分で告白したわけ?」
「図星です…」
素直に答えると松岡さんがむせた。こっちのが爆弾になった。なんでよー。
はーあ、と息をつき、由多花はヘタリとフローリングに座り込んだ。冷たい。
「お前、面白いなぁ…」
むせながら言うな。
「だって、私だったら、ヤかもしんないもん…」
「潔癖なのかよ?」
「わかんない…。でも、今北さんが林さんとそうなったって聞いたとき、気持ち悪いって思った…」
そっか、と呟きながら松岡さんは由多花に手を貸して立ち上がらせてくれた。
「じゃ、俺が七穂と寄り戻す確率がゼロだってのも――わかるな?」
驚いて由多花は松岡さんを見た。
今度の図星は恥ずかしかった。
――私、松岡さんの気持ち、全然考えていなかったのか…。自分が同じことされて、あれだけ、冷めちゃったってのに…。でも。
「でも、本当に興味なくなったら、アゼチの社員の私と付き合おうとも思わなかったでしょ」
今度は本物の爆弾。松岡さんが眉根を寄せたから。
スツールを引き寄せ座り、ビンに残ったジンジャーエールを由多花も飲んだ。
松岡さんが考え込む。
「…七穂とはあいつが中学生のときから知ってんだよな。俺、妹が一人いて、その同級生だったんだよ。うちの妹は割と気の強い女で、あいつはそれに いつもかばわれているような子で――。まあ、時々、イラついていた」
「妹さん?」
「九歳下。父親違いだからちょっと離れてるな。俺の父親は俺が三つの時に病気で死んでる。小学校一年のときに今の父と母親が再婚した。義父には可愛がってもらったよ。…話、逸れたな…。で、妹は七穂を高校まで保護者面して面倒見てたけど、大学はさすがに別になって、地元で勤めてた俺に押し付けた」
「押し付けたって…」
ちょ、言いすぎじゃない?
「妹は七穂の気持ちを知っていたからな」
「…ああ。なるほど。つまり、妹さんの親友なんだ…」
空になったグラスを松岡さんはカウンターに置く。
「付き合ってみたら、思ったよりしっかりしていた。でも、やっぱ、どこか心配なところがあるんだよな…。俺は大学時代から小説書いてて、その頃から二足の草鞋を履いていたわけだけど、仕事で会えないときとか、多かったんだよ。いつも、心細そうにしていた。で、昨年、小説一本でやっていくことにして、――結婚を考えていた。俺の、歳もあるし」
「結婚したいお年頃だったんだね…」
「茶化すな」
――でも、笑った。松岡さんの黒子も笑った。
「だから、まさか浮気されるなんて思わなかったんだよな。まさか、入社して一ヶ月しかたっていないのに、よく知らない相手と――」
由多花は松岡さんに向き合う。
「それさ、ちゃんと林さんと話したの?」
松岡さんは息をついて、頬杖をつく。
「呑んだ帰り、その今北っていうのとそういう関係になったって聞いた。結婚を考え直したいのかって聞いたら、そうじゃないって言う。――俺には理解出来ん。そのまま、俺は引っ越して、連絡を断った。携帯も解約して、このマンションは少し前に契約していたけど、七穂にはまだ話していなかったからな。実家には引っ越し先は言っていない」
由多花は目を瞑る。
いや、なんか、突っ込みどころが色々ないか、これ…。
「話し合いしてないよね…。てか、なんだ、乙女か、松岡さんは。失踪か、失踪なのか?」
松岡さんは むっすりとして黙秘だ。ホントに子供だ。
「心配するよ、カノジョも、家族も」
「家族には連絡入れてる。仕事先にも」
「そーゆー意味じゃなく!」
なんなの、私、悩み相談になってませんこと?
はーあ、と呆れたため息。
「…でも、それだけ一緒にいたら、確かに気になるよね。あの人、気、弱そうだもん」
夕方見た光景を思い出す。皆の前で由多花に詰め寄ったのは、林さんではなく、その同期の営業の女の子だった。
「今北さんはちょっと強引だもんね」
今北、の名前に松岡さんは反応したみたい。視線をこちらに寄越す。
「でも、完全に林さんに夢中だよ。いい人かどうかは 私、わかんない。私にとっては不誠実な男だったから。でも、隠して二股はしなかったんだから、少しはいい人かもね」
「お前は――」
「ん?」
「…なんで、今北と付き合っていたのよ?」
むっすりしたまま松岡さんが聞く。やはり、気になるのか。なぜ、林さんが今北とそうなったか。今北の魅力を知りたいのか。
「…入社してから、一年近く口説いてきたから」
松岡さんが頬杖をやめた。驚いているみたい。
「私、他人とご飯出来ないの。…松岡さんは知らないよね。松岡さんとは、最初から一緒に食事出来たもん。ともかく、それが理由で、私 男の人と付き合う気がなかったの。でも、そのこと話してもね、付き合いたいって言ってくれたの。だから、好きになったの」
でも。
「…だからってすぐ、一緒にご飯食べられるようになるわけじゃなくて…。結局、友達関係から進展しなかったかな…。それが理由で林さんに心変わりしたわけじゃないと思うけど…。私から気持ち離れた一因かな、とは思う…」
「――お前、初めてだったもんな…」
しみじみ言うな。
「一度、林さんとは、キッチリ話した方がいいよ。私のことは気にしないで」
「――いらん」
「もう、なんで」
松岡さんが由多花の手をつかんだ。
「俺の気持ちが もう戻らない。気を持たせるだけ可哀相だろ」
それから、由多花の手をひいてベッドルームに直行しようとする。
由多花は慌てる。
「さすがに三連チャンは無理! 筋肉痛で死ねる!」
「運動不足すぎるだろ…」
松岡さんは憮然として言った。
その夜はなにもせず、松岡さんのベッドで二人で寝た。
ぽそぽそと由多花も自分の話を今日はした。両親のこと、親友のこと、気を許した相手でなければ一緒に食事が出来ないこと、そのきっかけが初恋の相手だったこと…。だから、余計に松岡さんが貴重だと。
そうか、と松岡さんは怒りもせず嗤いもせず、由多花の話を最後まで聞いてくれて、ずっと手を握ってくれていた。
その夜は、松岡さんは夜中に起きださず、朝まで熟睡してた。
由多花はパズルのピースについて考えていた。
ひとつある空間。それがあるから動く四角いパズル。
――今、私達の関係は皆ぴったり納まっている。だから、動かない。
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