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尾鷲遼

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約束と嘘

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 僕は高橋理愛。高校3年生だ。僕はもともとの陰キャ力でただでさえ友だちが少ないのに、今年の夏休みに転校してきたばかりなので友達がいない。
 趣味はサッカーでそこそこの才能を発揮し、プロのジュニアチームに入っている。だが、そのチームは友達が2~3人いるが、全員家が遠く、練習の時にしか会っていない。
 僕はいつもどおり学校が終わると、サッカーの自主練に出かけた。いつも練習している数年前できたばかりでサッカーゴールや、野球のベースなど道具の面では充実している。グラウンド状況も悪くなく、その公園を僕は気に入っている。
 そしてその公園に行くと、いつも荷物をおいているベンチのところにいつもならいない見知らぬおじさんが居て、荷物をおじさんの横に置き、練習を始めようとすると、話しかけてきた。
「お前名前をなんという?」
 とっさに「理愛。」と答えた。
「理愛か…理愛!お前紙と鉛筆やシャーペンはあるか?」
「ないです。」
「ここから家は遠いいか?」
「自転車で10分です。」
「今から持って来い!!」
「はい…」
 言われるがままに持ってきた。一応母親に一連の流れを伝えるための置き手紙をしていった。
 そしたらおじさんが「今日から平日は16時にここに絶対こい。」そう言って帰っていった。悪い人ではなさそうなので親に嘘をつき毎日決まった時間にその公園に行った。
 おじさんは社会人サッカーのコーチだった人で今では引退したばかりだという。その人は僕のことをプロにする!!と言い、プレイの仕方はもちろん実践で教えてもらったけれどサッカーに向かう心構えや人間性のことなど幅広いことを座学で教えてもらった。今まで考えてこなかった視点や戦略を教えてくれて結構勉強になる。
 そしてある日の座学のときのこと。
「理愛、お前やくそくをやぶるということをどう思う?」
 今日は人間性の座学なのだろう僕は答えた。
「良くないと思う。」
「おぉ、そうか。俺は違うと思う。」
 僕は思わずえぇと声を出してしまった。
「何でですか?」聞いたら「この世に約束を破ったことがない人間なんていないだろ?それが答えだ。」
 詳しく聞くと、法律、校則、家での約束、遊ぶ約束、そんな些細な約束破ったことがない人間などいないということだ。そしてこう続けた。
「俺は約束と約束を破らなければ出来ない用事どっちが重要かと考えて、もちろん重要度的には約束している方のほうが加点される。だがそれでも破らなけれならない用事があるのならばそれは全然破っていいと思う。」
 ホォ…珍しくおじさんが少し真面目な話をした。いつもなら冗談を少し混ぜてくれるが今日は一切なかった。そしてそれとともに嘘の話もした。
「嘘も相手がネタバラシをされて喜ぶ嘘。もしくはネタバラシをせずあいてに危害がない嘘ならついていいとおもう。」
 そして座学が終わり実技をし、今日が終わった。高校を卒業し、大学入学式の準備をしていると、一本の電話がかかってきた。そして嬉しい一言が来た
「理愛君を正式に我がチームに招集したい。」
 俺はその瞬間プロになったのだ。嬉しくなり、一番先にあのおじさんに会いに行った。そしたら一個の置き手紙が座学をしていたところにあった。

「俺は持病持ちでな、今日から1ヶ月、それ以上会えなくなるかもしれない。病院と名前はこれだ。理愛って言えば通せるようにしてあるから来てけれると嬉しい。」

 僕はすぐさま病院に行った。そしたら看護師にこう言われた。
「そちらのお客様は今手術中でして…手術室の前で待っていてください。」
 そして2時間後医者らしき人が出てきた。
「おじさんは、山本さんはどうなったんですか?」
 そしたら首を振った僕は涙目になると、その医者は笑いをこらえるのに耐えきれず笑った。
「何がそんなにおかしい。人がなくなったんだぞ!!」
 顔を真赤にして言った。そしたら医者は馴染みのある声でこういった。
「言っただろ相手にネタバラシをして幸せにする嘘ならついていいって。」
 そしてマスクと頭に被っているのを取った何とおじさんだった。僕は思わず「馬鹿、馬鹿、」と笑っていったそしておじさんも笑った。
 おじさんはその後痛テテ、と脇を抑えてうずくまった。そして本物の医者が理愛君をからかうためとはいえ、やりすぎですよ…おじさんは病室に連行されただがその前にこう言った。
「約束だ。お前がMVPを取るまで俺は200.300歳と生きるぞ。」
 ハハハ。

 そしてプロになり、30歳でMVPを取り、おじさんと写真を取った。その半年後のこと、自分の使命を果たしたと安心したのか僕との約束を果たせて気が緩んだのか持病が再発し、静かに息を引き取った。
「ありがとう最期まで約束を守ってくれて。おじさんのようなプレイヤーになるためにまだまだ努力するよ。」
 そして今はおじさんと出会ったときの僕と同じような年齢の子にサッカーや、座学を教えている。あのおじさんと同じように。
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