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第二章 冒険者登録編
第45話 ダンジョンを汚していた犯人
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「とりあえず警察を呼んだ方がいい」
「う、うん。私が電話するね」
そして秋月がスマフォを取り出した。このダンジョンの管理者は秋月だから通報するのは確かに彼女がいいのだろう。
『はい。いえここは放置ダンジョンなので危険は、それに勝手に入っているのも若者で……はい。わかりましたとにかく急いでください!』
そこまで話して秋月が通話を終えたが、話を聞いてるとあまり良い結果じゃなさそうだ。
「どうだった?」
「それが、ダンジョン内での問題は警察の管轄外みたいで、冒険者ギルドが対処すべき案件だって。ただ、もうギルドは閉まっているから警察の方から緊急で連絡はしておくんだって。でもすぐ行けるかは対応できる冒険者次第って話で……」
思わずため息が漏れた。本当こういうところはお役所仕事って感じがする。確かに本来ダンジョンは危険だしジョブストーンを装着していないとモンスターへの対処も難しいのかもしれない。とは言え秋月の言うようにここは放置ダンジョンだし相手は人間だ。
だけど体制の問題でもあるし電話で対応してくれた相手に文句を言うのも違うか。向こうだって下手にそれで警官を向かわせては責任問題を問われる可能性もある。
「こうなると待っていても仕方ない。それに冒険者という意味なら俺がそうだしな」
「で、でも仮登録だよね?」
そう言われてしまうとそうなんだが、だからといって、何時くるかわからない冒険者を待ち続けているわけにもいかないだろう。
「ワン――」
「ピキィ~」
俺たちが話しているとモコがラムを抱えてやってきた。起こしちゃったか。それで異変に気がついて様子を見に来たのだろう。
「ごめんな。ちょっと問題があってね」
そういいつつも俺はダンジョンの中を覗き込んだ。男が三人で女が一人か。しかしあいつら勝手に俺の物を――
「おいおい、しかもこんなところで畑なんて耕してるぜ」
「ダンジョンで野良仕事とかとんだお笑い草だな」
「ねぇねぇ、何か芽が出てるよ?」
「あん? 生意気だな。こんなものこうしてやるよ!」
「やめろ!」
畑を荒らそうとしている連中を見て、いよいよ俺も黙っていられなくなった。飛び出して声を張り上げると連中の視線が俺に集まる。
「あん? 何だこのおっさん?」
「お――」
お、落ちつけ俺。確かにこのぐらいの年齢の奴らからしたら、アラサーの俺なんておっさんとしか思えないだろう。
「もしかしてここで暮らしてたホームレスか?」
「ハハッ、なるほど。どうりで小汚いおっさんだと思ったぜ」
「誰が小汚いだ!」
流石に腹が立った。大体さっき風呂に入ったばかりなんだからな。
「風間さんは小汚くなんてありません! そんなことを言う貴方たちの心の方が汚いです!」
「ワンワン!」
「ピキィ~!」
秋月が俺に続いてダンジョンに入り言い返してくれた。モコもラムもそうだと言わんばかりに吠えている。
「何だゾロゾロと、うん? へぇ、そっちの子は結構いけてんじゃん」
「可愛いじゃんタイプかも」
「はぁ? 本気で言ってるの? あれ中学生ぐらいでしょ?」
「誰が中学生よ! これでも成人してるんだからね!」
秋月がムキになって怒った。年下に見られるのはやっぱり嫌なんだな……。
「そんなことより、貴方たち勝手に入り込んで不法侵入よ!」
「ワンワン!」
「ピキィ~!」
秋月がモコやラムと一緒に強く言い募った。侵入者の男女が顔を見合わせる。
「アハハハッ! 不法侵入だってよ!」
「そんなの関係ねぇだろうが」
「そうよ。ここは見捨てられた放置ダンジョンよ。好きに入り込んで何が悪いのよ」
「それよりあんたも一緒に楽しもうぜ。そんなムサイおっさんは放っておいてよ」
こいつら散々好き勝手いいやがって。
「お前らなぁ。勝手に入っていいわけないだろうが。そもそもこのダンジョンを含めたこの山を管理しているのが彼女だ。管理者がダメだって言ってんだからダメに決まってるだろ」
「あん? 何だよおっさん、偉そうに」
「邪魔すんじゃねぇよ!」
「そうだそうだ! それにここはアタシらの遊び場なんだぞ。勝手に入ってくんなよ」
だ、ダメだ。こいつら話が通じてない。
「貴方たちが何を言おうが今行った通りここを管理しているのは私なの。警察だって呼んだからもうすぐやってくるわよ」
腕を組み秋月が言った。警察はさっきの話だとすぐにはこないわけだが、ハッタリもあるんだろうな。これで少しは大人しくなってくれたらいいが――
「う、うん。私が電話するね」
そして秋月がスマフォを取り出した。このダンジョンの管理者は秋月だから通報するのは確かに彼女がいいのだろう。
『はい。いえここは放置ダンジョンなので危険は、それに勝手に入っているのも若者で……はい。わかりましたとにかく急いでください!』
そこまで話して秋月が通話を終えたが、話を聞いてるとあまり良い結果じゃなさそうだ。
「どうだった?」
「それが、ダンジョン内での問題は警察の管轄外みたいで、冒険者ギルドが対処すべき案件だって。ただ、もうギルドは閉まっているから警察の方から緊急で連絡はしておくんだって。でもすぐ行けるかは対応できる冒険者次第って話で……」
思わずため息が漏れた。本当こういうところはお役所仕事って感じがする。確かに本来ダンジョンは危険だしジョブストーンを装着していないとモンスターへの対処も難しいのかもしれない。とは言え秋月の言うようにここは放置ダンジョンだし相手は人間だ。
だけど体制の問題でもあるし電話で対応してくれた相手に文句を言うのも違うか。向こうだって下手にそれで警官を向かわせては責任問題を問われる可能性もある。
「こうなると待っていても仕方ない。それに冒険者という意味なら俺がそうだしな」
「で、でも仮登録だよね?」
そう言われてしまうとそうなんだが、だからといって、何時くるかわからない冒険者を待ち続けているわけにもいかないだろう。
「ワン――」
「ピキィ~」
俺たちが話しているとモコがラムを抱えてやってきた。起こしちゃったか。それで異変に気がついて様子を見に来たのだろう。
「ごめんな。ちょっと問題があってね」
そういいつつも俺はダンジョンの中を覗き込んだ。男が三人で女が一人か。しかしあいつら勝手に俺の物を――
「おいおい、しかもこんなところで畑なんて耕してるぜ」
「ダンジョンで野良仕事とかとんだお笑い草だな」
「ねぇねぇ、何か芽が出てるよ?」
「あん? 生意気だな。こんなものこうしてやるよ!」
「やめろ!」
畑を荒らそうとしている連中を見て、いよいよ俺も黙っていられなくなった。飛び出して声を張り上げると連中の視線が俺に集まる。
「あん? 何だこのおっさん?」
「お――」
お、落ちつけ俺。確かにこのぐらいの年齢の奴らからしたら、アラサーの俺なんておっさんとしか思えないだろう。
「もしかしてここで暮らしてたホームレスか?」
「ハハッ、なるほど。どうりで小汚いおっさんだと思ったぜ」
「誰が小汚いだ!」
流石に腹が立った。大体さっき風呂に入ったばかりなんだからな。
「風間さんは小汚くなんてありません! そんなことを言う貴方たちの心の方が汚いです!」
「ワンワン!」
「ピキィ~!」
秋月が俺に続いてダンジョンに入り言い返してくれた。モコもラムもそうだと言わんばかりに吠えている。
「何だゾロゾロと、うん? へぇ、そっちの子は結構いけてんじゃん」
「可愛いじゃんタイプかも」
「はぁ? 本気で言ってるの? あれ中学生ぐらいでしょ?」
「誰が中学生よ! これでも成人してるんだからね!」
秋月がムキになって怒った。年下に見られるのはやっぱり嫌なんだな……。
「そんなことより、貴方たち勝手に入り込んで不法侵入よ!」
「ワンワン!」
「ピキィ~!」
秋月がモコやラムと一緒に強く言い募った。侵入者の男女が顔を見合わせる。
「アハハハッ! 不法侵入だってよ!」
「そんなの関係ねぇだろうが」
「そうよ。ここは見捨てられた放置ダンジョンよ。好きに入り込んで何が悪いのよ」
「それよりあんたも一緒に楽しもうぜ。そんなムサイおっさんは放っておいてよ」
こいつら散々好き勝手いいやがって。
「お前らなぁ。勝手に入っていいわけないだろうが。そもそもこのダンジョンを含めたこの山を管理しているのが彼女だ。管理者がダメだって言ってんだからダメに決まってるだろ」
「あん? 何だよおっさん、偉そうに」
「邪魔すんじゃねぇよ!」
「そうだそうだ! それにここはアタシらの遊び場なんだぞ。勝手に入ってくんなよ」
だ、ダメだ。こいつら話が通じてない。
「貴方たちが何を言おうが今行った通りここを管理しているのは私なの。警察だって呼んだからもうすぐやってくるわよ」
腕を組み秋月が言った。警察はさっきの話だとすぐにはこないわけだが、ハッタリもあるんだろうな。これで少しは大人しくなってくれたらいいが――
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