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第四章 暗殺者の選択編
第109話 モンドとの再会
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「スカーレッドも仕事で暫くこの町をあけるんだって」
明朝、マリスが俺に向けて言ってきた。昨晩スカーレッドと話した内容のようだが別に聞いてもいないし興味もないんだがな。
「冒険者ならそういうこともあるだろう」
「う~ん、でも何かあの二人ってちょっといい感じに思えるんだよね。だから意外かなって」
「あの二人ねぇ……」
俺もそこまで鈍くはないからマリスの言わんとしていることはわかる。だが自分とは関係のない話にそこまで興味を持てるものか。俺には理解できない感情だ。
「お前は他人の情事にうつつを抜かす前にやることがあるんじゃないのか」
「も、勿論わかってるわよ。仕事はちゃんとやるもん」
唇を尖らせてマリスが答えた。そうであって欲しいものだがな。とにかく朝は、俺にとって何の関係もない話から始まり、それからは適当に時間を過ごしていると依頼人との約束の時間が近づいてきた。
俺とマリスは宿を出て、約束のカフェに向かった。正午より少し前に着いたが既に依頼人のモンドの姿があった。
「どうもお久しぶりですね。お待ちしてましたよ」
モンドは柔和な笑みを浮かべて俺たちを歓迎してくれた。護衛の依頼ということだったが、俺たち以外にも雇っているのか他に四人の人物がいた。
「何だ? 随分と若いのが来たもんだな。本当に使い物になるのか?」
既にその場にいた四人の内、一番体格の良い男が胡乱げに俺たちを見てきた。顔や顕になってる肌には無数の傷跡が見える。
「確かにまだ若いですが、以前命を狙われた私を救ってくれたのですよ。腕は確かです」
俺たちの実力を訝しむ男にモンドが説明した。以前確かに暗殺されかけたモンドを助けたが、その時の動きで俺の実力を確信したってことか。
「腕は確かねぇ。それでお前らは冒険者なんだろう? ランクは幾つなんだ」
男が聞いてきた。不躾な話ではあるが一緒に仕事するわけだしな。教えない理由もないか。
「俺はD級だ」
「私もD級よ」
「は? D級だと? おいおい勘弁してくれよ。こっちは四人ともC級なんだぜ」
男が随分と大仰な身振り手振りをしながら言ってきた。俺とマリスを見て鼻で笑う。
「モンドさん。本当にこいつらを入れるのか? 実力に差があるのが一緒だと連携も上手くとれなくなるし正直足手まといにしかならないと思うんだが」
「私は寧ろこの若さでD級になれてるのは十分に凄いと思うだがね」
文句をつけてくる男を見ながらやれやれと言った様子でモンドが答えた。だが男はやはり不満そうだ。
「若い割にとか意味はないんですよ。重要なのは今の実力だ」
「やれやれ。どれだけランクは上でもあまり賢くはなさそうだな」
「……何だと?」
男の話を聴きながら思ったことをそのまま口にすると男の表情が変わった。
「お前、俺が馬鹿だと言いたいのか?」
「少なくとも頭は良くないだろう。同じ冒険者ならお前に依頼したのも同じ相手だろう。にも関わらず勝手な判断で納得出来ないと文句を言うのは依頼人の心象も悪くするわけだからな。賢いやり方じゃない」
「てめぇ、下手に出てるからって調子に乗るなよ。若さしか取り柄のないガキが偉そうに」
「やめておきなってゴング」
俺の言葉に更に苛立ったゴングという男が詰め寄ってきた。そこで女が一人仲裁に入った。
「彼の言ってることに間違いはないわよ。というかあんたよりずっと大人じゃない」
「あん? イザベラ。お前はこいつの味方なのかよ!」
「味方もなにもないわよ。客観的に見れば無茶苦茶言ってるのはゴングあんたってこと。依頼人のモンド様が選んた相手なんだから文句をつけるのがおかしいのよ」
イザベラと呼ばれた女が指を突きつけてゴングに指摘する。波のような紫髪の女で腰には曲刀を帯びていた。
「そのとおりだな。少しは頭を冷やすことだ」
「クルスてめぇもかよ……」
クルスと呼ばれた男は青い髪をした男だ。高身長だが細身、衣装は神官が着るような物だ。直接戦うタイプではなさそうだな。魔法などを使うのかもしれない。見た目通りなら治療や支援系といったところか。
「はいは~い! 私もゴングがおかしいと思うよ! それに若い子が一緒の方が楽しくていいじゃん」
最後に声を上げたのはとんがり帽子を被った小柄な女だった。俺たちを若いと言っているがこの女も見た目は大分幼いな。杖を持っているからこっちも魔法系なのだろう。
「どうやら話は決まったようだね。それに私が決めた相手だ。そこは理解してもらいたいね」
「グッ、わかりました。ただあまりに足手まといになるようなら考えてくださいよ」
モンドに直接言われゴングもようやく大人しくなった。とは言えこの男に関してはあまり歓迎ムードではなさそうだがな――
明朝、マリスが俺に向けて言ってきた。昨晩スカーレッドと話した内容のようだが別に聞いてもいないし興味もないんだがな。
「冒険者ならそういうこともあるだろう」
「う~ん、でも何かあの二人ってちょっといい感じに思えるんだよね。だから意外かなって」
「あの二人ねぇ……」
俺もそこまで鈍くはないからマリスの言わんとしていることはわかる。だが自分とは関係のない話にそこまで興味を持てるものか。俺には理解できない感情だ。
「お前は他人の情事にうつつを抜かす前にやることがあるんじゃないのか」
「も、勿論わかってるわよ。仕事はちゃんとやるもん」
唇を尖らせてマリスが答えた。そうであって欲しいものだがな。とにかく朝は、俺にとって何の関係もない話から始まり、それからは適当に時間を過ごしていると依頼人との約束の時間が近づいてきた。
俺とマリスは宿を出て、約束のカフェに向かった。正午より少し前に着いたが既に依頼人のモンドの姿があった。
「どうもお久しぶりですね。お待ちしてましたよ」
モンドは柔和な笑みを浮かべて俺たちを歓迎してくれた。護衛の依頼ということだったが、俺たち以外にも雇っているのか他に四人の人物がいた。
「何だ? 随分と若いのが来たもんだな。本当に使い物になるのか?」
既にその場にいた四人の内、一番体格の良い男が胡乱げに俺たちを見てきた。顔や顕になってる肌には無数の傷跡が見える。
「確かにまだ若いですが、以前命を狙われた私を救ってくれたのですよ。腕は確かです」
俺たちの実力を訝しむ男にモンドが説明した。以前確かに暗殺されかけたモンドを助けたが、その時の動きで俺の実力を確信したってことか。
「腕は確かねぇ。それでお前らは冒険者なんだろう? ランクは幾つなんだ」
男が聞いてきた。不躾な話ではあるが一緒に仕事するわけだしな。教えない理由もないか。
「俺はD級だ」
「私もD級よ」
「は? D級だと? おいおい勘弁してくれよ。こっちは四人ともC級なんだぜ」
男が随分と大仰な身振り手振りをしながら言ってきた。俺とマリスを見て鼻で笑う。
「モンドさん。本当にこいつらを入れるのか? 実力に差があるのが一緒だと連携も上手くとれなくなるし正直足手まといにしかならないと思うんだが」
「私は寧ろこの若さでD級になれてるのは十分に凄いと思うだがね」
文句をつけてくる男を見ながらやれやれと言った様子でモンドが答えた。だが男はやはり不満そうだ。
「若い割にとか意味はないんですよ。重要なのは今の実力だ」
「やれやれ。どれだけランクは上でもあまり賢くはなさそうだな」
「……何だと?」
男の話を聴きながら思ったことをそのまま口にすると男の表情が変わった。
「お前、俺が馬鹿だと言いたいのか?」
「少なくとも頭は良くないだろう。同じ冒険者ならお前に依頼したのも同じ相手だろう。にも関わらず勝手な判断で納得出来ないと文句を言うのは依頼人の心象も悪くするわけだからな。賢いやり方じゃない」
「てめぇ、下手に出てるからって調子に乗るなよ。若さしか取り柄のないガキが偉そうに」
「やめておきなってゴング」
俺の言葉に更に苛立ったゴングという男が詰め寄ってきた。そこで女が一人仲裁に入った。
「彼の言ってることに間違いはないわよ。というかあんたよりずっと大人じゃない」
「あん? イザベラ。お前はこいつの味方なのかよ!」
「味方もなにもないわよ。客観的に見れば無茶苦茶言ってるのはゴングあんたってこと。依頼人のモンド様が選んた相手なんだから文句をつけるのがおかしいのよ」
イザベラと呼ばれた女が指を突きつけてゴングに指摘する。波のような紫髪の女で腰には曲刀を帯びていた。
「そのとおりだな。少しは頭を冷やすことだ」
「クルスてめぇもかよ……」
クルスと呼ばれた男は青い髪をした男だ。高身長だが細身、衣装は神官が着るような物だ。直接戦うタイプではなさそうだな。魔法などを使うのかもしれない。見た目通りなら治療や支援系といったところか。
「はいは~い! 私もゴングがおかしいと思うよ! それに若い子が一緒の方が楽しくていいじゃん」
最後に声を上げたのはとんがり帽子を被った小柄な女だった。俺たちを若いと言っているがこの女も見た目は大分幼いな。杖を持っているからこっちも魔法系なのだろう。
「どうやら話は決まったようだね。それに私が決めた相手だ。そこは理解してもらいたいね」
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