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第7話 地球の支配者になりたい
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「こんにちは! 佐藤カリンさんですね!」
「ひゃっ!?」
放課後、高校の空き教室。
佐藤カリンは突然背後から声をかけられ、絵を描いていたノートを慌てて身体で隠した。
「あ……あなた、悪魔!?」
「はい! 私達も、ずいぶんこの街で有名になったようですね。鼻が高いです!」
主に悪評のほうが高まっている気がするが、それはそれで悪魔としては本望なのかもしれない。
カリンはニヤリと悪党顔で笑う。
「ククク……ちょうどいい。この我と契約して、力を貸してもらおうか」
「カリンさん、急にキャラ変わりましたね。どうしたんですか?」
「キャラとか言うな! ちょっと冷静になって恥ずかしくなっちゃうから!」
カリンはノートを抱きしめるような格好で、ぐぬぬと顔を真赤にしていた。
ノートの表紙は真っ黒で、その辺の店で売っている代物ではない。
「ですが、契約してくださるならリリムは大歓迎です! どんなお願いがあるんですか?」
「く、ククク……我の願いはズバリ! 『地球の支配者になること』!」
「おお~。大きく出ましたね」
「これを見よ!」
カリンは大切に抱きかかえていたノートをリリムに見せる。
そこには、彼女の地球征服計画が詳細に書き込まれていた。
「我が地球を支配した暁には、戦争や紛争、子どもたちの飢餓などを尽く無くしてみせよう!」
「す、素晴らしい計画です! カリンさんが地球を征服してくれれば、きっとこの星は良くなります!」
「ほ、ほんと……?」
「はい! とっても素敵な計画だと思いますよ!」
ニッコリと笑うリリムに、カリンは照れくさそうにはにかんでいる。
それから、カリンは支配者の演技を忘れ、リリムに懸命にこの計画の素晴らしさ、優れた点などを説明した。
リリムもうんうんと聞き入り、2人は意気投合したのである。
「それでは、早速契約しましょう!」
「この壮大な計画、本当に叶えられるの!?」
「もちろんです! 悪魔としての能力を遺憾無く発揮して、カリンさんを地球の王座に座らせてみせましょう!」
「わぁ……!」
カリンは目を輝かせた。
長年、自分が地球に巣食う問題の数々に疑問を抱き、それらを解決してみせようと頭を悩ませた日々。
周囲の人間たちはそんな彼女を笑いものにし、「そんなのできっこない」となじり、あまつさえ、秘密の計画ノートをさらしものにするなど、ひどい扱いを受けてきたのだ。
そんな彼女の悲惨な日々が、今終わりを告げようとしている。
悪魔の囁きに耳を傾けたとして、誰が彼女を責められようか。
「それでは、この契約書にサインを――」
「待て!」
「むむっ、何奴!」
リリムとカリンが振り返ると、教室の入口に、見知らぬスーツ姿の男が立っていた。
「俺は秘密結社インフィニティのエージェント。地球征服の計画を阻止しに来た」
「秘密結社……インフィニティ……!?」
「なんですか、その絶妙にダサい名前」
「やかましいわ。とにかく、お前のような悪魔と契約させるわけにはいかない。場合によっては、佐藤カリンを抹殺する許可も降りている」
「えっ」
カリンは耳を疑う。聞いてない、そんなこと。
リリムはカリンを守るため、己の爪と牙、尻尾を伸ばして戦いを挑む。
そこからは、エージェントとリリムの激闘であった。
地球の存亡をかけた戦い。教室の隅で震えるカリン。
――結果として、世界の裏側を目の当たりにしたカリンは、完全に戦意を喪失したのである。
「私には荷が重すぎる」とカリンが契約を諦めたため、エージェントは満足げに帰還し、リリムとの契約も阻止された。
〈続く〉
「ひゃっ!?」
放課後、高校の空き教室。
佐藤カリンは突然背後から声をかけられ、絵を描いていたノートを慌てて身体で隠した。
「あ……あなた、悪魔!?」
「はい! 私達も、ずいぶんこの街で有名になったようですね。鼻が高いです!」
主に悪評のほうが高まっている気がするが、それはそれで悪魔としては本望なのかもしれない。
カリンはニヤリと悪党顔で笑う。
「ククク……ちょうどいい。この我と契約して、力を貸してもらおうか」
「カリンさん、急にキャラ変わりましたね。どうしたんですか?」
「キャラとか言うな! ちょっと冷静になって恥ずかしくなっちゃうから!」
カリンはノートを抱きしめるような格好で、ぐぬぬと顔を真赤にしていた。
ノートの表紙は真っ黒で、その辺の店で売っている代物ではない。
「ですが、契約してくださるならリリムは大歓迎です! どんなお願いがあるんですか?」
「く、ククク……我の願いはズバリ! 『地球の支配者になること』!」
「おお~。大きく出ましたね」
「これを見よ!」
カリンは大切に抱きかかえていたノートをリリムに見せる。
そこには、彼女の地球征服計画が詳細に書き込まれていた。
「我が地球を支配した暁には、戦争や紛争、子どもたちの飢餓などを尽く無くしてみせよう!」
「す、素晴らしい計画です! カリンさんが地球を征服してくれれば、きっとこの星は良くなります!」
「ほ、ほんと……?」
「はい! とっても素敵な計画だと思いますよ!」
ニッコリと笑うリリムに、カリンは照れくさそうにはにかんでいる。
それから、カリンは支配者の演技を忘れ、リリムに懸命にこの計画の素晴らしさ、優れた点などを説明した。
リリムもうんうんと聞き入り、2人は意気投合したのである。
「それでは、早速契約しましょう!」
「この壮大な計画、本当に叶えられるの!?」
「もちろんです! 悪魔としての能力を遺憾無く発揮して、カリンさんを地球の王座に座らせてみせましょう!」
「わぁ……!」
カリンは目を輝かせた。
長年、自分が地球に巣食う問題の数々に疑問を抱き、それらを解決してみせようと頭を悩ませた日々。
周囲の人間たちはそんな彼女を笑いものにし、「そんなのできっこない」となじり、あまつさえ、秘密の計画ノートをさらしものにするなど、ひどい扱いを受けてきたのだ。
そんな彼女の悲惨な日々が、今終わりを告げようとしている。
悪魔の囁きに耳を傾けたとして、誰が彼女を責められようか。
「それでは、この契約書にサインを――」
「待て!」
「むむっ、何奴!」
リリムとカリンが振り返ると、教室の入口に、見知らぬスーツ姿の男が立っていた。
「俺は秘密結社インフィニティのエージェント。地球征服の計画を阻止しに来た」
「秘密結社……インフィニティ……!?」
「なんですか、その絶妙にダサい名前」
「やかましいわ。とにかく、お前のような悪魔と契約させるわけにはいかない。場合によっては、佐藤カリンを抹殺する許可も降りている」
「えっ」
カリンは耳を疑う。聞いてない、そんなこと。
リリムはカリンを守るため、己の爪と牙、尻尾を伸ばして戦いを挑む。
そこからは、エージェントとリリムの激闘であった。
地球の存亡をかけた戦い。教室の隅で震えるカリン。
――結果として、世界の裏側を目の当たりにしたカリンは、完全に戦意を喪失したのである。
「私には荷が重すぎる」とカリンが契約を諦めたため、エージェントは満足げに帰還し、リリムとの契約も阻止された。
〈続く〉
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