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第二章 第九話
92 久しぶりの指名
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今までのことが全て夢だったらいいのに、と聖月は思う。
目の前で綺麗なドレスコードに身を包んだ老若男女が、美味しそうにコース料理を食べている。聖月もそれに合った、スーツ姿でテーブル席に座って待ち人を待っていた。キラキラなシャンデリア、赤い絨毯、この場所に流れる雰囲気は全てが現実味がなかった。
聖月も何度か来ているとはいえ、自分に不相応なものは慣れるはずもない。
キラキラとしているものが目の前で起こっているだけで、聖月にはてんで手に入れられるものではないのだから。
頭の中には、十夜のことばかり思い浮かぶ。
あの後二人が別れた後、聖月はどうやって帰ったのかあまり思い出せないでいた。ただ十夜の優しさだけが胸にナイフを当てられたように、自分を蝕む。十夜が悪いんじゃない。これは自分の『気持ち』のせいなのだ。
また十夜を泣かせてしまった。自分のせいで。
そう想うと、ズキズキと胸が痛む。あの十夜を泣かせた、悲しませてしまった。自分が告白を断ったから、自分がディメントで働いているから―――。
そんないまさら考えても意味のない、どうしようもないことばかり頭に浮かんでは消える。
聖月の着ている、着る人と値段が釣り合ってないスーツが自分を締め付けていく。ネクタイをゆるめようと、触ったときだった。
「セイくん」
ぽん、と優しく肩を叩かれて上を見上げる。突然の刺激に、聖月の思考は途切れる。そこには完璧な美貌を持ったスーツ姿の男性が立っていた。羽山宗佑(はやま そうすけ)、今日の聖月をオールで指名してきたディメントの客だった。ディメントの客と言っても、宗祐と性行為をしたことはない。ディメントの客のなかでも、異常なほど金持ちで、そして紳士な人だ。
「久しぶりだね」
そう言いながら、綺麗な動作で目の前の椅子に座る。何度見ても、注目を浴びる人だと思う。周りの人々が宗祐の登場に色めき立ったのが聖月でもわかる。だが本人はどこ吹く風のように、平然としている。そうしてやさしそうに眼を細め聖月を見つめた。
恐ろしいと感じるほどの完璧な美形に、黒髪のオールバック姿は男の色香を溢れさせている。スタイルのよさはスーツによって引き立てられている。これほど腕を組んだり、脚を組む仕草が似あう男性もいないだろう。腕につけられた高級そうな品のいいブランド時計はいくらするんだろう。そんな子供みたいなことを聖月は考えた。
30代後半に見えないエネルギーを感じる宗祐に、妙にドキドキしながら聖月は答えた。
「そ、そうですね…」
宗祐と会うのは、1ヶ月ぶりだ。毎週のように会っていたが、仕事が忙しいのか指名が来なかったのだ。聖月はぼんやりと『飽きられたのかな』と思っていたが、3日前指名が来ていると知り、そうじゃなかったのかと安心したのだ。
嫌なはずの仕事が、楽しみだと思うのはこの宗祐とだけだった。
不思議なことに、聖月と食事をするだけで宗佑は何もしない。ただ、会話をしているだけだ。何回か食事をして、行為をすると聖月は思っていた。それが、普通だったからだ。だが、宗佑は聖月に触れようともしない。
ナンバー3の《セイ》を指名するのは、普通の蝶を指名するより何倍もかかる。なのに、宗助は行為をしない。ただ聖月との食事だけをするだけで、ある意味、金を無償で聖月にあげているようなものだった。ただの会話だったが、ディメントの客の中で一番楽しかった。そもそも他の人と比べてはいけないものだろうけれど。
下心を感じず、欲望を感じず優しさだけがある宗祐との会話が毎日擦り切れそうな日々に耐える聖月にとってどれだけ嬉しいことなのか見当もつかない。
だけど、と聖月は思う。それは、不安の気持ちだった。この優し気な顔の裏に何かあるのではないかと、疑心暗鬼する。もしかしたら、この優しいのは小向のような仮面で、本当は虐めるのが大好きな人なのかもしれない。でも、そんなことは分からない。少なくとも、聖月には。
聖月は分かっていた。この自分にとって幸せすぎる状況が、長くは続かないことに。
ここは、ディメントだ。そこで行きつく先は、宗祐の客としてきているのならば同じ場所になる。その時は、きっともう少しだと聖月は気づいていた。
「遅れてごめんね。仕事が長引いて」
ちらりと時計をみて、言っている宗祐に聖月は慌てて首を振る。待ち合わせは、20時。まだ五分前の時間だ。
「そ、そんなことないですよ…、俺が早く来ちゃっただけで…」
「でも待ったでしょ?」
「え…、ぁ…」
宗祐に問われ、しどろもどろになってしまう自分が嫌だった。こういうときに気のいい言葉を言えればいいのにと、毎回思う。こういうの蒼やケイはうまそうだなぁ、なんてぼんやりと思ってしまう。宗祐は無表情で慌てている聖月を見て、口角をあげると「食事にしようか」と気兼ねなくいった。
―――高級すぎて、味がよく分からない…――。
聖月は、ナイフとフォークをつかって食べている高級コース料理を食べながら、そんなことを思ってしまっていた。
初めは上手くいかなかったテーブルマナーも何年もやってれば、徐々にマシになっていく。だが、本格的なフレンチコースを何度食べても、自分の舌には馴染んではいなかった。とても舌が蕩けそうになるほど美味しいと思うときもあるし、今日の料理もたぶんとても美味しいのだろうが、その料理が芳醇に味付けられ大人向けになると話は別だ。
少し苦いと思うワインも、18XX年の年代物のとてもいいものだったりするし、聖月のお子様な舌には合わない。
今日のホテルのレストランは、所謂聖月にとって格式が高すぎて味がよく分からない部類のものだった。頂いた赤ワインも、芳醇すぎてむしろ聖月のお子様な舌では苦く思える。ディメントの客と自分の世界が合わないと思うのは、こういうときだ。
こういうとき、お寿司が妙に食べたくなる自分は絶対にセレブにはなれないだろう。そして目の前の人の近くにいてはいけないのだ。
「すごく大人っぽい味だね」
もっと料理の感想を言いたいことはあるだろうに、聖月にも伝わるように子供のようなことを言う宗祐に尊敬してしまう。
「そ、そうですね…」
そして毎度ながら「それ以上に喋ることあるだろ」と言われても仕方がない受け答えをしてしまう自分が、嫌すぎる。小向か神山がここにいたら、もっとちゃんとやれと言われても何も文句は言えない。もしコウなら、きっともっと上手に相手を誉められるのだろうがそんな芸当は聖月にはできない。
それからどんどん料理は運ばれてきて、宗助と色々な話をしていた。
宗祐の話すことは、楽しくて、彼が話すことは博識があって聞いてて飽きなかった。毎回思うが、やっぱり彼は別世界の人だなと実感する。
でもなんだか、集中しきれてないのは、緊張とたまに思い出す十夜のことがあったからかもしれない。ふとしたときに、十夜の涙を思い出してしまうのだ。
「どうかした?」
上の空でいつの間にかいたのだろう。聖月は宗祐のその言葉ではっとなる。宗祐の目はあくまで優しかった。
「えっ、ぁ…すみません…」
顔が少し赤くなるのを感じた。謝ると、いいよいいよと宗祐が頷く。
食事も食べ終わり、ぼうっとしてしまった。宗祐さんの前なのに―――。
集中しなくちゃ、と思い考えると宗祐がふいに口を動かす。それは綺麗な笑みとともに放たれた言葉だった。
「気分転換に夜景見るかい? 部屋とってあるから」
「へ?」
ずいぶんと間抜けな声が出てしまった。
チャリン、と音がした。鍵の音だと気づいたとき、はっとなる。部屋、ってことはつまり―――。背中にじわりと汗をかく。ドクドクと心臓、脈が早くなる。あんまりにもすんなり出た甘い声とともに放たれた誘い言葉に聖月は、どこかで覚悟していたとはいえ思いのほか動揺した。
「は、はいっ。 行きたいですっ」
思わず宣言するように言ってしまい、赤面する。
宗祐はクスリと笑って、立ちあがった。
「じゃあ行こうか」
彼の甘い声と顔に、欲望が含まれていないことに聖月はほっとしていた。聖月は宗祐の後を親鳥に続くひな鳥のような気持ちで、後ろに着いていく。宗祐の大きな背中を追うことは今まで数えるほどしかなかったので、とても広く見えた。
やっぱり一緒に歩いていると、宗祐が目立つ存在ということがよく分かる。だが彼は人々の好奇な視線はものともしない。社長という立場もあるだろうか、圧倒的な自信があるのだと感じた。
宗祐がなにかまた話しかけてくれていたが、聖月はまたうまい返しが出来てはなかった。
どうしてこんな自分が指名されたのか、今でもよくわからない。話し相手なら、コウが適任だろうし。でも、コウは下位の蝶だから目につかないのかな。なんて、あてのない思考を考える。
そして、彼は自分を『性』として見ているのだろうか。
そう思うと、なんだか恥ずかしくなって、俯くことしかできなかった。エレベーターに着くまでがとても長く思え、身体がフワフワとして浮足立った。高級なホテルということもあって、周りがキラキラ輝いていて浮世離れしてのもあったからかもしれない。
2人はエレベーターの前につき、中に入る。
ガラス張りのエレベーターは、ホテルを上から見下ろせる。その上から見下ろせる絶景に、聖月は思わず子供のように
「わ~っ、すごいっ」
とはしゃいだ。
「部屋のなかからだともっと外の夜景が見れるよ」
「見てみたいです」
ガラスにへばりつくようにエレベーターの下の、ホテルを見てはしゃぐ聖月に宗祐はくすくすと笑いながら目を細めた。
今までのことが全て夢だったらいいのに、と聖月は思う。
目の前で綺麗なドレスコードに身を包んだ老若男女が、美味しそうにコース料理を食べている。聖月もそれに合った、スーツ姿でテーブル席に座って待ち人を待っていた。キラキラなシャンデリア、赤い絨毯、この場所に流れる雰囲気は全てが現実味がなかった。
聖月も何度か来ているとはいえ、自分に不相応なものは慣れるはずもない。
キラキラとしているものが目の前で起こっているだけで、聖月にはてんで手に入れられるものではないのだから。
頭の中には、十夜のことばかり思い浮かぶ。
あの後二人が別れた後、聖月はどうやって帰ったのかあまり思い出せないでいた。ただ十夜の優しさだけが胸にナイフを当てられたように、自分を蝕む。十夜が悪いんじゃない。これは自分の『気持ち』のせいなのだ。
また十夜を泣かせてしまった。自分のせいで。
そう想うと、ズキズキと胸が痛む。あの十夜を泣かせた、悲しませてしまった。自分が告白を断ったから、自分がディメントで働いているから―――。
そんないまさら考えても意味のない、どうしようもないことばかり頭に浮かんでは消える。
聖月の着ている、着る人と値段が釣り合ってないスーツが自分を締め付けていく。ネクタイをゆるめようと、触ったときだった。
「セイくん」
ぽん、と優しく肩を叩かれて上を見上げる。突然の刺激に、聖月の思考は途切れる。そこには完璧な美貌を持ったスーツ姿の男性が立っていた。羽山宗佑(はやま そうすけ)、今日の聖月をオールで指名してきたディメントの客だった。ディメントの客と言っても、宗祐と性行為をしたことはない。ディメントの客のなかでも、異常なほど金持ちで、そして紳士な人だ。
「久しぶりだね」
そう言いながら、綺麗な動作で目の前の椅子に座る。何度見ても、注目を浴びる人だと思う。周りの人々が宗祐の登場に色めき立ったのが聖月でもわかる。だが本人はどこ吹く風のように、平然としている。そうしてやさしそうに眼を細め聖月を見つめた。
恐ろしいと感じるほどの完璧な美形に、黒髪のオールバック姿は男の色香を溢れさせている。スタイルのよさはスーツによって引き立てられている。これほど腕を組んだり、脚を組む仕草が似あう男性もいないだろう。腕につけられた高級そうな品のいいブランド時計はいくらするんだろう。そんな子供みたいなことを聖月は考えた。
30代後半に見えないエネルギーを感じる宗祐に、妙にドキドキしながら聖月は答えた。
「そ、そうですね…」
宗祐と会うのは、1ヶ月ぶりだ。毎週のように会っていたが、仕事が忙しいのか指名が来なかったのだ。聖月はぼんやりと『飽きられたのかな』と思っていたが、3日前指名が来ていると知り、そうじゃなかったのかと安心したのだ。
嫌なはずの仕事が、楽しみだと思うのはこの宗祐とだけだった。
不思議なことに、聖月と食事をするだけで宗佑は何もしない。ただ、会話をしているだけだ。何回か食事をして、行為をすると聖月は思っていた。それが、普通だったからだ。だが、宗佑は聖月に触れようともしない。
ナンバー3の《セイ》を指名するのは、普通の蝶を指名するより何倍もかかる。なのに、宗助は行為をしない。ただ聖月との食事だけをするだけで、ある意味、金を無償で聖月にあげているようなものだった。ただの会話だったが、ディメントの客の中で一番楽しかった。そもそも他の人と比べてはいけないものだろうけれど。
下心を感じず、欲望を感じず優しさだけがある宗祐との会話が毎日擦り切れそうな日々に耐える聖月にとってどれだけ嬉しいことなのか見当もつかない。
だけど、と聖月は思う。それは、不安の気持ちだった。この優し気な顔の裏に何かあるのではないかと、疑心暗鬼する。もしかしたら、この優しいのは小向のような仮面で、本当は虐めるのが大好きな人なのかもしれない。でも、そんなことは分からない。少なくとも、聖月には。
聖月は分かっていた。この自分にとって幸せすぎる状況が、長くは続かないことに。
ここは、ディメントだ。そこで行きつく先は、宗祐の客としてきているのならば同じ場所になる。その時は、きっともう少しだと聖月は気づいていた。
「遅れてごめんね。仕事が長引いて」
ちらりと時計をみて、言っている宗祐に聖月は慌てて首を振る。待ち合わせは、20時。まだ五分前の時間だ。
「そ、そんなことないですよ…、俺が早く来ちゃっただけで…」
「でも待ったでしょ?」
「え…、ぁ…」
宗祐に問われ、しどろもどろになってしまう自分が嫌だった。こういうときに気のいい言葉を言えればいいのにと、毎回思う。こういうの蒼やケイはうまそうだなぁ、なんてぼんやりと思ってしまう。宗祐は無表情で慌てている聖月を見て、口角をあげると「食事にしようか」と気兼ねなくいった。
―――高級すぎて、味がよく分からない…――。
聖月は、ナイフとフォークをつかって食べている高級コース料理を食べながら、そんなことを思ってしまっていた。
初めは上手くいかなかったテーブルマナーも何年もやってれば、徐々にマシになっていく。だが、本格的なフレンチコースを何度食べても、自分の舌には馴染んではいなかった。とても舌が蕩けそうになるほど美味しいと思うときもあるし、今日の料理もたぶんとても美味しいのだろうが、その料理が芳醇に味付けられ大人向けになると話は別だ。
少し苦いと思うワインも、18XX年の年代物のとてもいいものだったりするし、聖月のお子様な舌には合わない。
今日のホテルのレストランは、所謂聖月にとって格式が高すぎて味がよく分からない部類のものだった。頂いた赤ワインも、芳醇すぎてむしろ聖月のお子様な舌では苦く思える。ディメントの客と自分の世界が合わないと思うのは、こういうときだ。
こういうとき、お寿司が妙に食べたくなる自分は絶対にセレブにはなれないだろう。そして目の前の人の近くにいてはいけないのだ。
「すごく大人っぽい味だね」
もっと料理の感想を言いたいことはあるだろうに、聖月にも伝わるように子供のようなことを言う宗祐に尊敬してしまう。
「そ、そうですね…」
そして毎度ながら「それ以上に喋ることあるだろ」と言われても仕方がない受け答えをしてしまう自分が、嫌すぎる。小向か神山がここにいたら、もっとちゃんとやれと言われても何も文句は言えない。もしコウなら、きっともっと上手に相手を誉められるのだろうがそんな芸当は聖月にはできない。
それからどんどん料理は運ばれてきて、宗助と色々な話をしていた。
宗祐の話すことは、楽しくて、彼が話すことは博識があって聞いてて飽きなかった。毎回思うが、やっぱり彼は別世界の人だなと実感する。
でもなんだか、集中しきれてないのは、緊張とたまに思い出す十夜のことがあったからかもしれない。ふとしたときに、十夜の涙を思い出してしまうのだ。
「どうかした?」
上の空でいつの間にかいたのだろう。聖月は宗祐のその言葉ではっとなる。宗祐の目はあくまで優しかった。
「えっ、ぁ…すみません…」
顔が少し赤くなるのを感じた。謝ると、いいよいいよと宗祐が頷く。
食事も食べ終わり、ぼうっとしてしまった。宗祐さんの前なのに―――。
集中しなくちゃ、と思い考えると宗祐がふいに口を動かす。それは綺麗な笑みとともに放たれた言葉だった。
「気分転換に夜景見るかい? 部屋とってあるから」
「へ?」
ずいぶんと間抜けな声が出てしまった。
チャリン、と音がした。鍵の音だと気づいたとき、はっとなる。部屋、ってことはつまり―――。背中にじわりと汗をかく。ドクドクと心臓、脈が早くなる。あんまりにもすんなり出た甘い声とともに放たれた誘い言葉に聖月は、どこかで覚悟していたとはいえ思いのほか動揺した。
「は、はいっ。 行きたいですっ」
思わず宣言するように言ってしまい、赤面する。
宗祐はクスリと笑って、立ちあがった。
「じゃあ行こうか」
彼の甘い声と顔に、欲望が含まれていないことに聖月はほっとしていた。聖月は宗祐の後を親鳥に続くひな鳥のような気持ちで、後ろに着いていく。宗祐の大きな背中を追うことは今まで数えるほどしかなかったので、とても広く見えた。
やっぱり一緒に歩いていると、宗祐が目立つ存在ということがよく分かる。だが彼は人々の好奇な視線はものともしない。社長という立場もあるだろうか、圧倒的な自信があるのだと感じた。
宗祐がなにかまた話しかけてくれていたが、聖月はまたうまい返しが出来てはなかった。
どうしてこんな自分が指名されたのか、今でもよくわからない。話し相手なら、コウが適任だろうし。でも、コウは下位の蝶だから目につかないのかな。なんて、あてのない思考を考える。
そして、彼は自分を『性』として見ているのだろうか。
そう思うと、なんだか恥ずかしくなって、俯くことしかできなかった。エレベーターに着くまでがとても長く思え、身体がフワフワとして浮足立った。高級なホテルということもあって、周りがキラキラ輝いていて浮世離れしてのもあったからかもしれない。
2人はエレベーターの前につき、中に入る。
ガラス張りのエレベーターは、ホテルを上から見下ろせる。その上から見下ろせる絶景に、聖月は思わず子供のように
「わ~っ、すごいっ」
とはしゃいだ。
「部屋のなかからだともっと外の夜景が見れるよ」
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