3 / 52
12月31日
しおりを挟む
大晦日、エルの家にて。
アルスとエル、颯太がこたつを囲って暖をとっていた。
エル「今年ももう終わるね~...」
ぜんざいを食べながら、エルは呟いた。
アルス「やり残したことはないか?」
そういって、熱々のお茶をすするアルス。
エル「もう遅いよそれ」
時間は既に23時半を回っていた。
今更なにができると問われたら、かなり限定されるよね。
颯太「夜にアルスがいるの珍しいね」
眠そうな顔を見せるのは颯太。
エルの家に住んでいる、同い年の女子だ。
よく名前だけで男子だと間違われる。
アルス「たまに泊まりに来るくらいだからな。」
机に伏せる颯太を横目に見る。
アルス「ホンマはみんなで初詣にでも行こうと思ったんだけどな」
計画を立てるのが遅かったのか、既に他の友達は予定ができていた。
エル達は大体、大晦日は家で過ごすと言っていたので、御一緒させてもらうことにした。
颯太「ね~、寝ちゃだめ?」
睡魔に襲われ、目がほぼ開いていない様子の颯太。
エル「う~ん、折角だし3人で年を越したいし...あ、そうだ!」
ふと、なにかを思い出したエル。
エル「キッチンに年越しそばがあるよ、それ食べる?」
眠気覚ましになるか分からないが、用意したそばのことを思い出した。
颯太「お蕎麦あるの!?食べる!!」
颯太はこたつから飛び出て、キッチンへと向かっていった。
アルス「切り替えすげぇな。エルは行かなくていいのか?」
エル「ん~、分かりやすいところに置いてあるし、いいんじゃないかな。」
若干他人事。
そういうとこがエルらしい。
エル「ねぇ、アルス君。」
アルス「ん?どうした?」
エルはちょっと照れたような顔をした。
エル「来年も...一緒だったらいいね。」
片目に被る前髪をいじりながら、そう言った。
アルス「当たり前だろ、クラス分かれても毎日行ってやるわ。」
エル「そこまでしなくてもいいかな」
アルス「辛辣なんだよなぁ」
そんなとこもエルらしい。
なんて話をしてると、颯太が戻ってきた。
颯太「これでいーい?」
颯太は、ラップしてあるお椀を持ってきた。
エル「あ、うん!七味とかもあるからおすきなようにね。」
颯太「はーい」
颯太は、こたつに入り、そばにありついた。
颯太「そう言えば、なんでおそばなの?」
エル「さあ...食べやすいからじゃない?」
颯太とエルは疑問をぶつけた。
アルス「そばって他の麺より切れやすいよな。このことから、1年間の苦労なり厄災なりを絶ち切ることを比喩してるとかなんとかって聞いたことはあるが。」
颯太「うーん、難しい言葉は分からないよ。」
できるだけ簡潔にまとめたつもりだったが。
アルス「まあ、昔からの風習を俺ら現代人が受け継いでるってことだ。」
颯太「伝統みたいな?」
アルス「まあ、そういうことになるかな。」
颯太は、「ふーん」と言って、そばをすする。
アルス「俺も食うかな、そば。」
俺もそばを取りに、こたつから出ようとした。
エル「私も!」
アルス「ようそんな食えるな」
エルの前には、かつてぜんざいが入っていたお椀が置いてあった。
アルスとエル、颯太がこたつを囲って暖をとっていた。
エル「今年ももう終わるね~...」
ぜんざいを食べながら、エルは呟いた。
アルス「やり残したことはないか?」
そういって、熱々のお茶をすするアルス。
エル「もう遅いよそれ」
時間は既に23時半を回っていた。
今更なにができると問われたら、かなり限定されるよね。
颯太「夜にアルスがいるの珍しいね」
眠そうな顔を見せるのは颯太。
エルの家に住んでいる、同い年の女子だ。
よく名前だけで男子だと間違われる。
アルス「たまに泊まりに来るくらいだからな。」
机に伏せる颯太を横目に見る。
アルス「ホンマはみんなで初詣にでも行こうと思ったんだけどな」
計画を立てるのが遅かったのか、既に他の友達は予定ができていた。
エル達は大体、大晦日は家で過ごすと言っていたので、御一緒させてもらうことにした。
颯太「ね~、寝ちゃだめ?」
睡魔に襲われ、目がほぼ開いていない様子の颯太。
エル「う~ん、折角だし3人で年を越したいし...あ、そうだ!」
ふと、なにかを思い出したエル。
エル「キッチンに年越しそばがあるよ、それ食べる?」
眠気覚ましになるか分からないが、用意したそばのことを思い出した。
颯太「お蕎麦あるの!?食べる!!」
颯太はこたつから飛び出て、キッチンへと向かっていった。
アルス「切り替えすげぇな。エルは行かなくていいのか?」
エル「ん~、分かりやすいところに置いてあるし、いいんじゃないかな。」
若干他人事。
そういうとこがエルらしい。
エル「ねぇ、アルス君。」
アルス「ん?どうした?」
エルはちょっと照れたような顔をした。
エル「来年も...一緒だったらいいね。」
片目に被る前髪をいじりながら、そう言った。
アルス「当たり前だろ、クラス分かれても毎日行ってやるわ。」
エル「そこまでしなくてもいいかな」
アルス「辛辣なんだよなぁ」
そんなとこもエルらしい。
なんて話をしてると、颯太が戻ってきた。
颯太「これでいーい?」
颯太は、ラップしてあるお椀を持ってきた。
エル「あ、うん!七味とかもあるからおすきなようにね。」
颯太「はーい」
颯太は、こたつに入り、そばにありついた。
颯太「そう言えば、なんでおそばなの?」
エル「さあ...食べやすいからじゃない?」
颯太とエルは疑問をぶつけた。
アルス「そばって他の麺より切れやすいよな。このことから、1年間の苦労なり厄災なりを絶ち切ることを比喩してるとかなんとかって聞いたことはあるが。」
颯太「うーん、難しい言葉は分からないよ。」
できるだけ簡潔にまとめたつもりだったが。
アルス「まあ、昔からの風習を俺ら現代人が受け継いでるってことだ。」
颯太「伝統みたいな?」
アルス「まあ、そういうことになるかな。」
颯太は、「ふーん」と言って、そばをすする。
アルス「俺も食うかな、そば。」
俺もそばを取りに、こたつから出ようとした。
エル「私も!」
アルス「ようそんな食えるな」
エルの前には、かつてぜんざいが入っていたお椀が置いてあった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる