1 / 4
1話
しおりを挟む
「まやちゃん、ぼくのおよめさんになって!」
折り紙で作ったピンク色のチューリップを差し出し、真っ赤なほっぺでプロポーズしてきたのは、青い幼稚園スモックが愛らしい男の子だった。
その頃の吉川摩耶は同級生の女児より発育が早く、そのせいか少々おませさんで小生意気だった。
自分自身がランドセルを背負った子供だったのに、「結婚は大人になってからだし。子供はちょっと……大人になったらまたね」などとお姉さんぶってドヤ顔をしたものだ。
摩耶にプロポーズした男の子、篠塚智章は家がお隣同士で家族ぐるみの付き合いが有り、5才お姉さんだった摩耶は母親同士がお喋りに興じる間はずっと智章の相手をしていた。
小さな智章は女の子ように――それこそ摩耶よりも可愛らしく、あまりの可愛さに「智章くんは私が守らないと!」と訳のわからない使命感に燃えたりもしたものだ。
その使命感は智章が小学生になっても続いたものの、さすがに高学年になった頃には智章も摩耶のお節介を恥ずかしがるようになってお姉さんの役目は終わった。
摩耶にしてみれば進学するまで、智章は弟同様の庇護する相手だった。
5才年上だった摩耶は進学のため上京し、そのまま東京で就職したために智章とは帰省した時にしか合わなくなったが、摩耶が智章に会いに行っても決して嫌がらない。さすが姉貴分とちょっぴり鼻が高かった摩耶だ。
智章は会うたびに可愛さよりも凛々しくなり、摩耶の方と言えば成熟した体を隠すように地味な装いになってしまった。
なんとなく格差を感じた摩耶は、きっと智章は子供の頃のプロポーズなど忘れているだろうと思っている。
長じるほど智章は近隣で有名な美少年に変貌していたし、智章がモテるのは整った容姿と物腰の柔らかさを見れば明らかだ。
智章の母親に聞けば、バレンタインは山盛りのチョコを貰うそうだ。
そのくせ摩耶ちゃんから今年は貰えなかったって拗ねるのよなんて聞かされれば、面映い嬉しさとちょっとだけ優越感に満ちた気分になったりもしたものだ。
……智章が母親に愚痴ったのは、甘える弟が姉からチョコレートを貰えなかった、実際はその程度のことなのだと理解していたのだが。
そう。
弟みたいだった。
ずっとそう思っていた。
――けれど。
「ねぇ、摩耶ちゃん。もっと俺に摩耶ちゃんが許してくれないところ、ちゃんと見せて?」
声変わりして何年も経つ智章の声は甘さを含んだ少し低めの声だ。ゆっくりとした声が摩耶の鼓膜を舐めるみたいに侵食していく。
そうやって鼓膜から侵食した声は、摩耶の理性をいつだって削ってくる。
今日、今も。
「……、ん、ちょっと……だけだから、ね?」
人を駄目にすると評判のクッションに背中を預け、摩耶は智章に向けて膝丈のスカートを捲り上げて見せた。
肉感的な太ももは白く、地味なブラウスやスカートに反して下着は派手で扇情的なデザインだ。
去年までの摩耶なら、下着などブラとショーツも上下の揃わない機能性重視の地味なデザインで済ませていただろうが、今は違う。
「やだなぁ、摩耶ちゃん。今日、そんなエッチな下着で会社に行ってたんだ? しかもそんなビショビショにしてさ、恥ずかしくなかったの?」
赤いレースとシースルーが組み合わさったショーツはすでに濡れて変色し、生地の面積が小さいショーツからはみ出るほどぷっくりした肉の花びらが愛液に濡れて艶を生んでいる。
「摩耶ちゃん、もっと見せてよ。摩耶ちゃんの濡れて溢れている恥ずかしいところ、ナカまでよく見せて?」
「……ん、んんッ、み、見せてる、の、にぃ……ッ」
カリカリと智章の声が理性を削って引き千切った。
声を呼気で乱しながら、腰骨のあたりで結んでいたショーツの紐を解けば、溢れた愛液を吸って重くなっていた赤い生地が捲れて剥がれていく。
いつだってそうだ。
摩耶は智章のお願いと我侭には弱いのだ。
折り紙で作ったピンク色のチューリップを差し出し、真っ赤なほっぺでプロポーズしてきたのは、青い幼稚園スモックが愛らしい男の子だった。
その頃の吉川摩耶は同級生の女児より発育が早く、そのせいか少々おませさんで小生意気だった。
自分自身がランドセルを背負った子供だったのに、「結婚は大人になってからだし。子供はちょっと……大人になったらまたね」などとお姉さんぶってドヤ顔をしたものだ。
摩耶にプロポーズした男の子、篠塚智章は家がお隣同士で家族ぐるみの付き合いが有り、5才お姉さんだった摩耶は母親同士がお喋りに興じる間はずっと智章の相手をしていた。
小さな智章は女の子ように――それこそ摩耶よりも可愛らしく、あまりの可愛さに「智章くんは私が守らないと!」と訳のわからない使命感に燃えたりもしたものだ。
その使命感は智章が小学生になっても続いたものの、さすがに高学年になった頃には智章も摩耶のお節介を恥ずかしがるようになってお姉さんの役目は終わった。
摩耶にしてみれば進学するまで、智章は弟同様の庇護する相手だった。
5才年上だった摩耶は進学のため上京し、そのまま東京で就職したために智章とは帰省した時にしか合わなくなったが、摩耶が智章に会いに行っても決して嫌がらない。さすが姉貴分とちょっぴり鼻が高かった摩耶だ。
智章は会うたびに可愛さよりも凛々しくなり、摩耶の方と言えば成熟した体を隠すように地味な装いになってしまった。
なんとなく格差を感じた摩耶は、きっと智章は子供の頃のプロポーズなど忘れているだろうと思っている。
長じるほど智章は近隣で有名な美少年に変貌していたし、智章がモテるのは整った容姿と物腰の柔らかさを見れば明らかだ。
智章の母親に聞けば、バレンタインは山盛りのチョコを貰うそうだ。
そのくせ摩耶ちゃんから今年は貰えなかったって拗ねるのよなんて聞かされれば、面映い嬉しさとちょっとだけ優越感に満ちた気分になったりもしたものだ。
……智章が母親に愚痴ったのは、甘える弟が姉からチョコレートを貰えなかった、実際はその程度のことなのだと理解していたのだが。
そう。
弟みたいだった。
ずっとそう思っていた。
――けれど。
「ねぇ、摩耶ちゃん。もっと俺に摩耶ちゃんが許してくれないところ、ちゃんと見せて?」
声変わりして何年も経つ智章の声は甘さを含んだ少し低めの声だ。ゆっくりとした声が摩耶の鼓膜を舐めるみたいに侵食していく。
そうやって鼓膜から侵食した声は、摩耶の理性をいつだって削ってくる。
今日、今も。
「……、ん、ちょっと……だけだから、ね?」
人を駄目にすると評判のクッションに背中を預け、摩耶は智章に向けて膝丈のスカートを捲り上げて見せた。
肉感的な太ももは白く、地味なブラウスやスカートに反して下着は派手で扇情的なデザインだ。
去年までの摩耶なら、下着などブラとショーツも上下の揃わない機能性重視の地味なデザインで済ませていただろうが、今は違う。
「やだなぁ、摩耶ちゃん。今日、そんなエッチな下着で会社に行ってたんだ? しかもそんなビショビショにしてさ、恥ずかしくなかったの?」
赤いレースとシースルーが組み合わさったショーツはすでに濡れて変色し、生地の面積が小さいショーツからはみ出るほどぷっくりした肉の花びらが愛液に濡れて艶を生んでいる。
「摩耶ちゃん、もっと見せてよ。摩耶ちゃんの濡れて溢れている恥ずかしいところ、ナカまでよく見せて?」
「……ん、んんッ、み、見せてる、の、にぃ……ッ」
カリカリと智章の声が理性を削って引き千切った。
声を呼気で乱しながら、腰骨のあたりで結んでいたショーツの紐を解けば、溢れた愛液を吸って重くなっていた赤い生地が捲れて剥がれていく。
いつだってそうだ。
摩耶は智章のお願いと我侭には弱いのだ。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる