消えた記憶

詩織

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誰にも必要とされない女 【丸山美玖 編】

友達の交流

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友達と言われてもその後別々で本を読んだり、勉強したりして閉館時間まで居たときはいつの間にかいなくなってた。

友達がいないって言ったから、そう言ってくれただけかもしれない。

ほんと人と接することがないから、こういうのは苦手だな。


翌週末の休みも図書館に行ったけど、先週のことは多分なかったことになるだろうなって思って気にしないことにした。

そしたら

「おはよう!美玖ちゃん」

っと言われたので、振り向いたら

「お、おはようございます」

マテオさんが後ろから挨拶してくれた。

「今日は何を読む予定?」

「まだ決めてませんけど...」

と、答えると

「そっかぁ、じゃゆっくり選んで決めるんだね」

「そうですね」

「今日もお昼一緒いい?」

「あ、はい」

っと言って、マテオさんは少し離れて勉強を始めた。

こんなことって初めてだからドキマギする。気持ちが落ち着かない。

小説に集中しないと!

色々見定めて今日は歴史ものの小説を見ることにした。


ふっと見ると、12時前だった。

「美玖ちゃんいく?」

っと、言われたので

「はい」

と一緒にお昼に行った。

「美玖ちゃんって学生さん?」

「いえ、働いてます」

「え?そうなの?てっきり学生かと思った」

年齢的に大学生だし、自分で言うのもなんだけど幼く見える。そして化粧っけもない。

「俺も社会人なんだけど、会社でねあれば便利な資格で、ギリギリまで試験受けようか悩んでて、それで焦って今やってる。家でも勉強できるんだけどね、テレビとかあると誘惑に負けちゃうから」

っと笑いながら言った。

合格率は10%くらいの資格で、もう少し早くから勉強しとけばよかったと後悔してるっと言ってる。

仕事に役立つ資格かぁ

考えたことなかったな。今の仕事で資格ってないし、何かしたいこともないしな。

「美玖ちゃんはどんな仕事してるの?」

「え?」

えっと...

「あの工場のラインで仕事してます」

「へぇそうなんだ」

ここで小説読むか、仕事するかの日々。

特におしゃれにも興味ない。だれかと出かけるわけでもないし。

マテオさんは、おしゃれだし、背も高いし、スタイルもいい。顔もモデル並みの顔立ちだし、私からしたらもう全然別格の人間だ。

それでも、週末のマテオさんとのランチが少しだけ楽しくなってた。

話すことがない私には、マテオさんと話せる少しの時間も貴重だった。

ただどう話していいのかわからないので、マテオさんが詰まらないかもしれないけど。

1か月くらい続いたとき

「来週試験なんだ」

っと言われた。

「え?来週ですか」

「うん。」

「頑張ってください」

「ありがとう」

試験勉強が終わるってことは、ここに来ることもなくなるってことか。

友達はここまでか。

でも少しの間でも友達になってくれて、うれしかったな。

閉館時間になって、マテオさんもいたので

「マテオさん、あの短い間でしたけど、お友達になって頂いてありがとうございます。来週試験頑張ってください」

そう言ってマテオさんに頭を下げた。

「え?美玖ちゃん?」

「じゃ失礼します」

っと、言って小走りでマテオさんからは離れた。

マテオさんはまだ机に色々広げてたので、帰る準備をしてなくビックリして

「ちょ、ちょっと美玖ちゃん!」

っと声が後ろから聞こえたが、止まらず図書館を後にした。

こんな私に少しでも友達が出来たこと、感謝しないとな。
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