後輩の結婚式

詩織

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後輩の結婚式

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会社の後輩、吉川雅美よしかわまさみの結婚式。

幸せそうにニコニコと、勿論私も笑顔でいますよ!

ちなみに新郎は、原口勇斗はらぐちゆうと、同僚で私の半年前までの恋人だ。

早い話が、デキ婚です!

はい、取られました。


私、堀川陽子ほりかわようこ、独身、彼氏募集中です。

まぁでも、付き合ってるのに他の子腹ますなら、今後もわからないしね、別れてよかったと思う。

それでよく、私が招待をしたものだ。

会社の人はほとんど知っている。

勇斗の両親とも会ったことある。

私をチラチラみてるが、ほんと嫌になるわ!

まぁ、私が出席したことで、ある意味印象に残る結婚式になるなら、喜んで出ましたよ!

さて、

「すいませーん、ワイン下さい」

飲んで飲んで、元取ってやろー

「堀川さん、大丈夫?」

「え?何が?」

いやいや、そんな心配いらんですよ

今は新しい出会いを期待してるわ!

あ、やばい。飲みすぎたわ!

トイレ行ってこよー



「だよね、堀川さんすごいよね」

「つーか、吉川もすごいよね、招待するんだし」

「結局吉川に取られたわけでしょ?」

トイレに入ろうとして話が聞こえる。

ここで話すか?普通。

なんか、急に嫌になって披露宴にも戻りたくなくなったわ!

「堀川さん?」

誰かに声かけられて、後ろを振り向いたら一人の男性がいた。

「えっと」

だれだっけ?

「おれ、原口の大学時代の友人。以前会ったことあるよ。」

「あー、たしか」

そうだ、私を恋人として紹介されたんだった。

学生時代の飲み会だったかで、同席させて貰ったわ。

「偉いよな!義理とはいえ出席するんだから」

だいたいわかってるんだろうな

「俺ならぶち壊すけど」

「え?」

「俺が堀川さんなら、ぶち壊すね」

と言ったんで、

「じゃ、ぶち壊します?」

と言ったら、

「いいねー!!」

と、言い出した。

披露宴会場のドアを開け

「おい!原口!! お前の元恋人貰うから、別れてくれて助かったわ! せいぜい幸せになれや!」

と、大学の友人の彼は大声で披露宴の入り口で言った。

周りがザワザワと言い出す中、新郎新婦は硬直してた。

そして同じく入り口にいた私をひっぱり、そまま会場をでた。


ちょっと可愛そうだっけど、

「スッキリしました!ありがとうございます!」

私が言ったわけでもないけど、爽快だった。

会場から少し離れた公園に座ってた。

彼は笑顔で私を見てる。

「それで」



「あれ、ホントの事って言ったらどうする?」

「え?ホントのこと?」

「貴方を貰うってこと」

「ええ!?」

「あの、お友達さん…」

三上達志みかみたつしね」

そう言って、私をみて

「まずは、友達からどお?」

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