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1B-修練と改良
1B-11 工程と風魔法
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パラケル爺さんに、ポーション作りの工程について尋ねてみた。
薬草を刻み、水に溶かし、熱水で抽出。冷ました後、土魔法で作った瓶に充填する――
一連の流れは、まるで薬学の実験のようだ。
属性魔法は必須ではない。
風で刻む、水で溶かす、火で温める、土で瓶を作る――
魔法で代行すれば、工程を短縮でき、品質も安定する。
だが、包丁や薪、既製品の瓶でも代用は可能。
つまり、魔力は“効率化”の手段であり、必須条件ではない。
爺さんは、四属性すべてを扱えるため、工程を魔力で最適化している。
その結果、他の魔術師よりも安価で高品質なポーションが作れるという。
味も良く、効能も安定しているらしい。
【スキル:物質鑑定】を使い、効能を明記して販売しているとのこと。
このスキルがない魔術師は、卸先に鑑定を依頼するらしい。
…アバウトすぎる。
製造者責任は?品質管理は?
この世界の薬品流通には、まだまだ改善の余地がありそうだ。
【物質鑑定】は【鑑定】の下位互換。
魔術師、錬金術師の職業補正で取得しやすいスキルだ。
物質限定で、情報の濃さは練度に依存する。
爺さんは、ポーション製造の過程でこのスキルを習得したらしい。
人や魔物への鑑定には【人物鑑定】が必要。
両方を統合したスキルが【鑑定】となる。
さて、水属性はある程度扱えるようになった。
次の修練は、風属性の習得に移る。
風魔法は、大気を扱う魔法。
爺さん曰く、「呼吸している空気の振動を感じろ」とのこと。
四属性の中でも、風はあまり得意ではないらしい。
空気の組成は、向こうの世界とほぼ同じ。
窒素約78%、酸素約21%、残りは二酸化炭素など。
排ガスもなく、空気の密度も同程度。
一立方メートルあたり約一キログラム――
物理的な感覚は、馴染みがある。
空気を圧縮すれば熱が発生し、希薄にすれば凍結する。
圧縮した空気は、刃のように物を切り裂く――
そんなイメージを持ちながら、周囲の空気の制御を試みる。
魔力を放出し、空気に浸透させる。
今の制御範囲は約一メートル。
手が届く範囲しか魔力が届かない。
これは、修練あるのみ。
範囲内の空気を感じ取り、圧縮。
細長く方向性を持たせ、床へと落とす。
煉瓦が少し抉れた。
その効果に、自分でも驚いた。
「空気を圧縮できるイメージは取れているな。風を極めた魔術師は、操作範囲が一キロを超えることもある。天候すら操れるようになる。ワシには無理だがな」
──
煉瓦を抉る訓練を繰り返しながら、思考を巡らせる。
空気を扱えるなら、酸素への干渉も可能だ。
酸素を奪えば、密かに人を殺すことも――
もちろん、魔術師相手には通じないだろう。
だが、可燃性ガスを操作すれば、高温作業も可能になる。
風魔法の応用範囲は、想像以上に広い。
「風魔法はコツを掴んだな。これからは、自分の体の周囲に常に魔力を纏わせろ。
十センチでも、一センチでもいい。慣れれば、皮膚のように敏感に魔素を検知できる。
拉致被害もあったからな。異変に気づく感覚は、命を守る力になる」
「戦う力がない小僧には、風魔法は適している。戦う前に異変を察して、逃げろ。
商人として生きるなら、戦いに巻き込まれないことが最重要だ。それに、魔素の拡散を抑えれば、使える魔素が増える。修練を重ねれば、周囲の空気から魔素を吸収することも可能になる。覚えておけ!」
「はい、わかりました」
また、自主練が増えてしまった。
だが、感知と危機管理は、商人としての生命線。
必ず習得しておきたい魔法だ。
「今日はこれまでだ。あとは魔力操作をしつつ、風魔法に慣れろ。訓練しながら、作業所で店番をしてくれ」
爺さんは、さっさと奥へ引っ込んでしまった。
自主練は、またもや続く。
薬草を刻み、水に溶かし、熱水で抽出。冷ました後、土魔法で作った瓶に充填する――
一連の流れは、まるで薬学の実験のようだ。
属性魔法は必須ではない。
風で刻む、水で溶かす、火で温める、土で瓶を作る――
魔法で代行すれば、工程を短縮でき、品質も安定する。
だが、包丁や薪、既製品の瓶でも代用は可能。
つまり、魔力は“効率化”の手段であり、必須条件ではない。
爺さんは、四属性すべてを扱えるため、工程を魔力で最適化している。
その結果、他の魔術師よりも安価で高品質なポーションが作れるという。
味も良く、効能も安定しているらしい。
【スキル:物質鑑定】を使い、効能を明記して販売しているとのこと。
このスキルがない魔術師は、卸先に鑑定を依頼するらしい。
…アバウトすぎる。
製造者責任は?品質管理は?
この世界の薬品流通には、まだまだ改善の余地がありそうだ。
【物質鑑定】は【鑑定】の下位互換。
魔術師、錬金術師の職業補正で取得しやすいスキルだ。
物質限定で、情報の濃さは練度に依存する。
爺さんは、ポーション製造の過程でこのスキルを習得したらしい。
人や魔物への鑑定には【人物鑑定】が必要。
両方を統合したスキルが【鑑定】となる。
さて、水属性はある程度扱えるようになった。
次の修練は、風属性の習得に移る。
風魔法は、大気を扱う魔法。
爺さん曰く、「呼吸している空気の振動を感じろ」とのこと。
四属性の中でも、風はあまり得意ではないらしい。
空気の組成は、向こうの世界とほぼ同じ。
窒素約78%、酸素約21%、残りは二酸化炭素など。
排ガスもなく、空気の密度も同程度。
一立方メートルあたり約一キログラム――
物理的な感覚は、馴染みがある。
空気を圧縮すれば熱が発生し、希薄にすれば凍結する。
圧縮した空気は、刃のように物を切り裂く――
そんなイメージを持ちながら、周囲の空気の制御を試みる。
魔力を放出し、空気に浸透させる。
今の制御範囲は約一メートル。
手が届く範囲しか魔力が届かない。
これは、修練あるのみ。
範囲内の空気を感じ取り、圧縮。
細長く方向性を持たせ、床へと落とす。
煉瓦が少し抉れた。
その効果に、自分でも驚いた。
「空気を圧縮できるイメージは取れているな。風を極めた魔術師は、操作範囲が一キロを超えることもある。天候すら操れるようになる。ワシには無理だがな」
──
煉瓦を抉る訓練を繰り返しながら、思考を巡らせる。
空気を扱えるなら、酸素への干渉も可能だ。
酸素を奪えば、密かに人を殺すことも――
もちろん、魔術師相手には通じないだろう。
だが、可燃性ガスを操作すれば、高温作業も可能になる。
風魔法の応用範囲は、想像以上に広い。
「風魔法はコツを掴んだな。これからは、自分の体の周囲に常に魔力を纏わせろ。
十センチでも、一センチでもいい。慣れれば、皮膚のように敏感に魔素を検知できる。
拉致被害もあったからな。異変に気づく感覚は、命を守る力になる」
「戦う力がない小僧には、風魔法は適している。戦う前に異変を察して、逃げろ。
商人として生きるなら、戦いに巻き込まれないことが最重要だ。それに、魔素の拡散を抑えれば、使える魔素が増える。修練を重ねれば、周囲の空気から魔素を吸収することも可能になる。覚えておけ!」
「はい、わかりました」
また、自主練が増えてしまった。
だが、感知と危機管理は、商人としての生命線。
必ず習得しておきたい魔法だ。
「今日はこれまでだ。あとは魔力操作をしつつ、風魔法に慣れろ。訓練しながら、作業所で店番をしてくれ」
爺さんは、さっさと奥へ引っ込んでしまった。
自主練は、またもや続く。
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