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1G-酒精と層菓
1G-15 午後のお菓子作り・試食
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20枚ほどの生地が焼き上がった。九歳の女子にしては驚くほど手際が良い。冷ましている間に次の作業に移る。
「うん、三人とも本当に上手だね。いつも親を手伝っている証拠だよ。次は果物をカットしよう」
「うちはウーヴァを持ってきたよ」
「私はルプスを」
「うちは果実そのままは無かったから、代わりにジャムを。ルプスとフラーグムのジャムならどう?って母さんが言ってたの」
おお、ジャム!ルプスは木苺、フラーグムは苺。酸味が強そうだが、ジャムの甘さは控えめで、こちらではそれが普通らしい。
「ルプスもフラーグムのジャムもいいね。生地もたくさんあるし、家族分も作ってみんなを驚かせよう!」
「みんなで菓子会!」
「それいいわね」
「やった!」
素直に喜ぶ3人の笑顔が眩しい。
「それじゃあ再開しよう。まずは自分たちで作って試食会。そのあと家族分を作ろう。材料はまだあるから大丈夫」
「「「はい!」」」
果物を小さくカットし、ジャムはそのまま使う。母は店番をしながら、こちらをチラチラと覗いている。
「母さん、液体を入れられる丈夫な袋ってある?」
「!? そ、そうね。スライムの外層かラーナの外皮ならあるわ」
母が持ってきた素材を加工し、魔銀で絞り袋を作る。ノヴァクリスマとパストリクリスマを入れるためだ。
「白いのがノヴァクリスマ、黄色いのがパストリクリスマ。ちょっと味見してみて」
スプーンで渡すと、3人は驚いた顔をしてから、ぱっと笑顔になった。動物なら尻尾を振っているだろう。
母も味見をして驚く。
「濃厚でサラッとした口溶け。卵と羊乳の風味がすごいわ。……これは何かしら?」
「バニラチンキです。料理用に使っているので、バニラエッセンスと呼んでいます」
母は少し顔を曇らせたが、「美味しいからいいわ」と言ってくれた。
さて、装飾の時間だ。手本を見せる。生地に果物とパストリクリスマを入れ、折り畳んで三角形に。上にノヴァクリスマを乗せ、シロップを線状にかけ、最後に粉糖を振る。
「こんな感じかな。どう?」
「美味しそう!」
「綺麗!」
「私にできるかな……」
「大丈夫。食べるのは自分だし、お持ち帰りは別に作るから。好きなように盛り付けてみて」
3人は楽しそうにデコレーションを始めた。母も結局混ざり、皆で盛り付けを楽しんだ
。
紅茶を淹れ、優雅なスイーツタイムの時間。
「いただきます!」
果物の酸味とクリスマの甘さが絶妙に合わさり、子供たちは感嘆の声を上げる。母は盛りすぎて食傷気味だったが、それもまた一興だった。
その後は生地焼き班とクリスマ班に分かれ、お土産用の準備。自分は遠心魔導具でノヴァクリスマを作り、火魔法でパストリクリスマを炊く。
「レッドさん、すごい!」
「手際良すぎ!」
「美味しそう!」
「もうそんなに魔法が使えるのね!」
……生地を焼く方にもう少し集中してほしいのだが。
最後に紙で包んで円錐形に仕上げると、見栄えも良く完成。
「こうすると果物が見えて綺麗だよ」
それぞれが家族分を作り、自分もパラケル、ローセア、ルプラの分を用意した。
「うん、三人とも本当に上手だね。いつも親を手伝っている証拠だよ。次は果物をカットしよう」
「うちはウーヴァを持ってきたよ」
「私はルプスを」
「うちは果実そのままは無かったから、代わりにジャムを。ルプスとフラーグムのジャムならどう?って母さんが言ってたの」
おお、ジャム!ルプスは木苺、フラーグムは苺。酸味が強そうだが、ジャムの甘さは控えめで、こちらではそれが普通らしい。
「ルプスもフラーグムのジャムもいいね。生地もたくさんあるし、家族分も作ってみんなを驚かせよう!」
「みんなで菓子会!」
「それいいわね」
「やった!」
素直に喜ぶ3人の笑顔が眩しい。
「それじゃあ再開しよう。まずは自分たちで作って試食会。そのあと家族分を作ろう。材料はまだあるから大丈夫」
「「「はい!」」」
果物を小さくカットし、ジャムはそのまま使う。母は店番をしながら、こちらをチラチラと覗いている。
「母さん、液体を入れられる丈夫な袋ってある?」
「!? そ、そうね。スライムの外層かラーナの外皮ならあるわ」
母が持ってきた素材を加工し、魔銀で絞り袋を作る。ノヴァクリスマとパストリクリスマを入れるためだ。
「白いのがノヴァクリスマ、黄色いのがパストリクリスマ。ちょっと味見してみて」
スプーンで渡すと、3人は驚いた顔をしてから、ぱっと笑顔になった。動物なら尻尾を振っているだろう。
母も味見をして驚く。
「濃厚でサラッとした口溶け。卵と羊乳の風味がすごいわ。……これは何かしら?」
「バニラチンキです。料理用に使っているので、バニラエッセンスと呼んでいます」
母は少し顔を曇らせたが、「美味しいからいいわ」と言ってくれた。
さて、装飾の時間だ。手本を見せる。生地に果物とパストリクリスマを入れ、折り畳んで三角形に。上にノヴァクリスマを乗せ、シロップを線状にかけ、最後に粉糖を振る。
「こんな感じかな。どう?」
「美味しそう!」
「綺麗!」
「私にできるかな……」
「大丈夫。食べるのは自分だし、お持ち帰りは別に作るから。好きなように盛り付けてみて」
3人は楽しそうにデコレーションを始めた。母も結局混ざり、皆で盛り付けを楽しんだ
。
紅茶を淹れ、優雅なスイーツタイムの時間。
「いただきます!」
果物の酸味とクリスマの甘さが絶妙に合わさり、子供たちは感嘆の声を上げる。母は盛りすぎて食傷気味だったが、それもまた一興だった。
その後は生地焼き班とクリスマ班に分かれ、お土産用の準備。自分は遠心魔導具でノヴァクリスマを作り、火魔法でパストリクリスマを炊く。
「レッドさん、すごい!」
「手際良すぎ!」
「美味しそう!」
「もうそんなに魔法が使えるのね!」
……生地を焼く方にもう少し集中してほしいのだが。
最後に紙で包んで円錐形に仕上げると、見栄えも良く完成。
「こうすると果物が見えて綺麗だよ」
それぞれが家族分を作り、自分もパラケル、ローセア、ルプラの分を用意した。
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