戦隊ヒーローで唯一生き残った俺はこれからどうすりゃいいんだ?

野澤タキオン

文字の大きさ
3 / 7

さらなる急展開

しおりを挟む
 目を覚ます練太郎。
「ここは…?」朽ち果てた倉庫。床にはモノが散乱、窓には板が打ち付けられていて、薄暗い。
「基地に連れ戻された?」
無意識に左手で髪をかき上げ・・・「!!!」
「お、俺の左手?!」
「不便だろうと思ってね、つけておいたよ。」
「え!?お前は、『極卍組』の…?」
「タラクだ。」
顔の半分が機会に覆われた男が近づいてくる。
咄嗟に身構える練太郎。が、身体に力が入らない。
「頭領のかたき討ちか?今の俺には抵抗のしようがないな。好きにするがいいさ。」
「そんなつもりは毛頭ないさ。」
左腕のチェックをしながら「もうなじんでるな。」
「なぜ治療を?」
「君に真実を知ってもらいたくてね。」
「真実?」
「カーンは我々のことを何と言っていたんだ?」
「オリハルコンで世界征服を企む悪の組織」
「はは!あいつ、そんなこと言ってたんか~!君らが我々の言葉に耳を貸さないわけだ!」
「・・・違うの?」
「ふ―、どこから話せばいいことやら…」

「まず、我々はカーンも含めてなんだが、2245年から来た日本人なんだ。」
「へえええ、え?」
タラクが10×20㎝ほどの薄い半透明のガラス板を差し出す。
「これは俺たちの時代の教科書なんだが…」
「これが?」
タップするとスクリーンが左右に広がり見やすくなった。
「すげえ」
「社会を開いてくれ。」
「この先の未来に何が起こるのか、知ってもらいたい。」
「205X年のページだ」

「205X年の日本は、長引く不況と自然災害によって国力が大きく衰退していた。OECD、サミットからも除外され
世界から忘れ去られた存在だったんだ。」
『しかし日本は不死鳥のごとく復活した』
世界初!常温核融合炉完成。運用開始!
「常温核融合?」
「簡単に言うと海水を原料に電気を作れる施設ってとこかな。」
「海水から電気が?すげえ~、それを日本が。」
「そうだ。はじめは世界もこの技術を好意的に受け止めていた。エネルギー問題、環境破壊はギリギリのところまできていたからね。」
「はじめは…?」
「日本はこの技術を使って経済大国への返り咲きを狙ったんだ」
「常温核融合炉を輸出する代わりにインフラ整備、食糧支援、関税の撤廃など、やりたい放題さ。」
「日本が?」
「他国は徐々に日本に批判的になっていった。」

「そろそろ気づいてるかもしれないけど、この技術の核になっているのが…」
「オリハルコン!」
「そうだよ。オリハルコンは202X年に発見され、研究、起動することに成功したとされていたんだ。」
「我々はそれを阻止するためにこの時代にやってきたんだ!幾多の犠牲を払いオリハルコンを奪取しタイムマシンを作り…。やっとの思いで来たとたん、カーンが…裏切ったんだ!」
「導師が…裏切った?」
「オリハルコンを奪い、君たちを騙し戦争を仕掛けてきた。」
「そ、そんな…。」
「ちなみに君たちの鬼のはなしも真っ赤な噓さ。オリハルコンの影響で色々な特殊能力が発動することがあるのだ」
「全部、嘘…?俺たちは何のために…」愕然とする練太郎。顔から血の気が引く。
「今日はこの辺で止めておくかい?」
「いや、大丈夫。最後まで聞かせてくれ。」
「じゃあ、ちょっと休憩するか。メグ!」
戸口が開き女性が入ってきた。
「妹のメグだ。」16,7だろうか、強い意志を感じる大きな瞳、華奢な身体。黒髪を後ろで束ねている。
「・・・。」
メグは黙ったままコップの水を差しだす。受け取ろうと手を差出すが…
バシャ!
コップの水が練太郎の顔に。
「メグ!」
「こいつはみんなの仇よ!」
「彼もカーンの被害者だ!納得したじゃないか!」
「でも、エンナはこいつに殺された、私の目の前で…」
「俺が…?」
「メグの許婚だった」
「す、すみません。俺…」
「ご、ごめんなさい。私、私ー」部屋を飛び出すメグ。
「すまん。残ったのはあいつと俺だけなんだ。」
「・・・」

「話を戻そう。日本政府はその後オリハルコンの兵器転用に着手した。」
「兵器!」
「レーザー兵器、超音速戦闘機、軍事衛星等々。世界のパワーバランスは急激に崩壊していった。
アメリカは外交や経済で対抗していたが日本との関係は悪化の一途をたどっていく。」
「2130年世界中に拡散していた常温核融合炉(オリハルコン)の周辺で異常が確認され始める。
異能者の発現と奇形児の誕生だ。」
「奇形児?」
「我々も、オリハルコンの影響で…」
顔を覆っていた機械を外すと、左目以外のパーツはなく筋肉がむき出しの状態。
「うっ!」
「両脚もないが歩くことも走ることも問題なくできる。必要な医学は発達するものなのさ。君の腕も未来の医学で復活させることができたんだからね。」
「目も再建できるが、材料がなくてね。そろい次第施術するよ。」
「あなたが…?」
「ああ、向こうでは医師だったんでね。」

「2199年ついにアメリカが日本に宣戦布告した。」
「戦争?」
「と、いってもオリハルコンの武器によって戦闘は36時間で収束した。日本は名実ともに世界の盟主になったのさ。」
「しかし世界はオリハルコン汚染で荒廃してゆく。」
破棄された都市、異形な生き物が徘徊している。六本足の犬、サル顔の鳥。

2200年タイムマシンの概念が構築される。

2245年世界開放戦線 北海道日本オリハルコン研究所を襲撃。12000人の犠牲を払いオリハルコンを奪取。すぐさま47人の乗組員をのせ過去に出発した。
「我々の使命はこの時代に発見されるオリハルコンを奪い、封印もしくは破壊すること、だったんだ。」
「待ってくれ、そんなものが発見されたなんて聞いてないぞ!」
「だが、日本政府の元にはオリハルコンがある。」
「それはあんたたちが持ち込んだ未来のオリハルコンだろ?」
「わからない!完全なタイムパラドックスなのに!」
「あ~、頭が混乱する~!」
「しかし、あのオリハルコンが起動するば、暗黒の未来が待っているのは間違いない!」
「・・・」
「今、それを阻止できるのは」
「君だけだ!」
「お、俺?」
「きみの決断に人類の未来がかかっているんだ。」
『そ、そんな~。こんなの戦隊ヒーローの枠を超えてるよ~俺はどうすりゃいいんだよ、誰か教えて~』

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。 - - - - - - - - - - - - - ただいま後日談の加筆を計画中です。 2025/06/22

処理中です...