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フロルルート
36.ちゃんと帰るつもりだった!は、信じてもいいが信用してはならない
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フロル様に会いに行く。
「とは、言っても⋯」
思わず大きなため息を吐く。
だってここ、完全に出られないんだもの⋯。
「どうしたらいいのかしら⋯?」
内側から開かない窓。
“ガラスを割っても⋯”
窓の外には鉄格子。
ガラスが割れても出られはしない。
“ドアは⋯”
どういう仕組みなのか、内側には鍵穴すらなくて。
現状の私に出来るのは、この部屋の中にいることだけだった。
「ドアが開くのはレオが開けてくれた時だけで、レオの前でレオからの逃走は⋯」
“絶対無理!!!”
そんなことをしたら次はどんなお仕置きが待っているかわからないし、それに。
“ーーレオから逃げたい訳じゃないもの⋯”
この部屋から出たいかと言われたらそれは出たい。
買い物にも行きたいし家族にも会いたいし、アリスの妃教育だって気になっている。
でも、この部屋にいるのが嫌かと聞かれたら、閉じ込められているのに嫌ではないのは、『私の帰る場所』の1つに『レオのところ』があるからで。
「必ず帰るから⋯」
それは私の本音だった。
「他に可能性があるのは、やっぱり窓よね?」
外側に鉄格子があり開かない窓。
正確には、鉄格子で引っ掛かってこれ以上開かない窓。
“つまり、鉄格子の部分までは開く窓⋯ね”
とは言っても窓と鉄格子の隙間は狭く、5センチも開かないのだが。
「こんな隙間じゃ、腕すら出せないわね⋯」
精々指先くらいなもので。
やりたいことは決まっているのにどうにもならない歯痒さで私は思わず唸りながらソファに突っ伏した。
「もーー!会いたいのに会いに行けないなんてー⋯⋯あ。」
ハッとして顔をあげる。
私から会いに行けないならば。
「会いに来てもらえばいいんじゃない⋯?」
彼は情報屋と言っていた。
それはつまり、数々の『目』を持っていると言うことで。
慌てて起き上がり机に向かう。
部屋から出れない以外は快適で必要なものも全て揃っているこの部屋ならば。
「あったわ!」
机の引き出しからあっさり目的のレターセットを見つけすぐにペンを取る。
「情報屋は一応お仕事なんだから、情報を買いたいって名目はいるわよね?」
“レオの過去が知りたいのも私の忘れてしまった過去を思い出したいのも本当だし、嘘ではないわね”
多少無理やりではあるが、自分をそう納得させる。
「あと、ここまで出張して来て欲しいってことも書かなきゃね。割り増し料金を払えば問題ないでしょ」
さらさらと簡単に要点をまとめた手紙に封をした私は、鉄格子までのわずかな隙間からポトリと落とした。
“これで本当に気付いて貰えるかは賭けだけど⋯”
彼が本当に私の命を狙っているならば、私自身の状況を当然把握しているだろう。
だったら、きっと私の手紙にも気付いてくれる。
正直これ以外何も思い付かなかったというのもあるが、私はそう信じてひたすらフロル様を待つことにした。
そして私は賭けに勝った。
「こんにちは、セシリス・フローチェ」
「ごきげんよう、フロル様」
いつものように仕事に向かうレオを扉まで見送ったすぐ後。
再び開かれたその扉には、少し明るめの赤茶の髪に琥珀色の瞳をしたフロル様が立っていたのだ。
「来てくれて嬉しいわ」
「まさか呼ばれるとは思わなかったよ」
ふふ、と笑ったフロル様ははじめて会ったときに感じたような不気味さはなかったもののやはりどこか歪で不安定に見えて。
“ここはレオの部屋よ、何かあったらすぐにレオが気付いてくれるはずだし大丈夫⋯”
私は必死にそう言い聞かせる。
「それにしても、どうやって扉開いたの⋯?」
「外側にはわかりやすいくらいの鍵がついてたからね」
「そうなの⋯」
内側からどうやっても開けられなかった扉の秘密を知り、思わず顔が赤くなる。
外側には、ということは。
“逆にいえば内側には鍵がないってことじゃない⋯”
それはつまり、レオが入ってきて、またレオが出るまでの時間は扉の鍵が閉まってないということを意味していた。
「その間の時間は、出ようと思えば出れたってことなのね⋯」
「それをレオン・ネストルが見逃してくれるかはわからないけどね」
「それはまぁ、そうなんだけど」
それでも、私はレオがいる間扉に近付きもせずレオにただ引っ付き甘やかされていただけで。
“結局私はレオの側にいたいのね”
レオから与えられる愛と同じくらい、結局は私も想っているのだと指摘されたように感じ少し恥ずかしくなった。
赤くなった顔を見られたくなくて私はフロル様に背を向ける。
早く頬の赤みが引かないかしら、と窓に反射して写った自分の顔を確認しようとして息を呑んだ。
「情報屋から情報を買うのはいいけどさ」
「ッッ!」
「俺が、あんたに死んで欲しいと思ってることわかってんの?」
窓にはまだ赤い顔をした私と、そんな私の後ろに小さなナイフのようなものを振りかざすフロル様がハッキリと写っていて。
ガッという衝撃と、ひたすら“熱い”を感じながら私の意識はそこで途切れた。
「ーーーんっ⋯」
どれくらい時間がたったのだろうか。
痛む頭を押さえながら上半身を起こす。
「ここ、どこ⋯?」
そこは石壁に囲まれた地下牢のような場所で、窓などがないため大体の時間すらわからない。
「君も知ってるとこだよ?」
「!!」
当たり前のように後ろから声をかけられビクリと肩が跳ねる。
警戒しながら振り向くと、そこにいたのはやはりというかフロル様でー⋯
「こんな場所、知りませんわ」
「そんなことないよ?君はアリス嬢からこの場所の話を聞いただろ?」
「アリスから⋯?」
言われた内容にピンとこず、怪訝な声で聞き返してしまう。
しかしその疑問に答えてくれる気はないのか、フロル様はニマニマと笑っているだけだった。
“アリスから聞いた?つまりアリスはこの場所の事を知ってるの?”
この状況を打破する為にも必死に記憶を巡らせる。
アリスと話したことを1つずつ思い出しーー⋯
『緊急時の逃げ道⋯ってやつですかね』
そういって笑ったアリスの言葉が引っ掛かった。
「もしかして、ここ、王城⋯?」
「お、正解っ!」
あはっと笑うフロル様とは対照的に、私は少し絶望を感じる。
“王城ってことはすぐ近くにレオがいるということ。でも、ここがアリスの言っていた王族だけが知っている仕掛け扉の内側なら⋯”
一体誰が助けに来てくれるというのだろうか。
「⋯ちなみに、何故この場所を貴方が知ってるのかしら?」
「情報屋だからね。どの通路がどこに繋がってるかも大体把握してるよ」
「あと言っとくけど、突然人を殴るとか最低よ」
「君にだけは言われたくないな、重たい本は鈍器だよ?」
ついでに文句も言うと、しれっと返される。
“あの時他に誰もいなかったと思ったのに”
情報屋という仕事は伊達ではないという事かと私は小さくため息を吐くしかなかった。
「とは、言っても⋯」
思わず大きなため息を吐く。
だってここ、完全に出られないんだもの⋯。
「どうしたらいいのかしら⋯?」
内側から開かない窓。
“ガラスを割っても⋯”
窓の外には鉄格子。
ガラスが割れても出られはしない。
“ドアは⋯”
どういう仕組みなのか、内側には鍵穴すらなくて。
現状の私に出来るのは、この部屋の中にいることだけだった。
「ドアが開くのはレオが開けてくれた時だけで、レオの前でレオからの逃走は⋯」
“絶対無理!!!”
そんなことをしたら次はどんなお仕置きが待っているかわからないし、それに。
“ーーレオから逃げたい訳じゃないもの⋯”
この部屋から出たいかと言われたらそれは出たい。
買い物にも行きたいし家族にも会いたいし、アリスの妃教育だって気になっている。
でも、この部屋にいるのが嫌かと聞かれたら、閉じ込められているのに嫌ではないのは、『私の帰る場所』の1つに『レオのところ』があるからで。
「必ず帰るから⋯」
それは私の本音だった。
「他に可能性があるのは、やっぱり窓よね?」
外側に鉄格子があり開かない窓。
正確には、鉄格子で引っ掛かってこれ以上開かない窓。
“つまり、鉄格子の部分までは開く窓⋯ね”
とは言っても窓と鉄格子の隙間は狭く、5センチも開かないのだが。
「こんな隙間じゃ、腕すら出せないわね⋯」
精々指先くらいなもので。
やりたいことは決まっているのにどうにもならない歯痒さで私は思わず唸りながらソファに突っ伏した。
「もーー!会いたいのに会いに行けないなんてー⋯⋯あ。」
ハッとして顔をあげる。
私から会いに行けないならば。
「会いに来てもらえばいいんじゃない⋯?」
彼は情報屋と言っていた。
それはつまり、数々の『目』を持っていると言うことで。
慌てて起き上がり机に向かう。
部屋から出れない以外は快適で必要なものも全て揃っているこの部屋ならば。
「あったわ!」
机の引き出しからあっさり目的のレターセットを見つけすぐにペンを取る。
「情報屋は一応お仕事なんだから、情報を買いたいって名目はいるわよね?」
“レオの過去が知りたいのも私の忘れてしまった過去を思い出したいのも本当だし、嘘ではないわね”
多少無理やりではあるが、自分をそう納得させる。
「あと、ここまで出張して来て欲しいってことも書かなきゃね。割り増し料金を払えば問題ないでしょ」
さらさらと簡単に要点をまとめた手紙に封をした私は、鉄格子までのわずかな隙間からポトリと落とした。
“これで本当に気付いて貰えるかは賭けだけど⋯”
彼が本当に私の命を狙っているならば、私自身の状況を当然把握しているだろう。
だったら、きっと私の手紙にも気付いてくれる。
正直これ以外何も思い付かなかったというのもあるが、私はそう信じてひたすらフロル様を待つことにした。
そして私は賭けに勝った。
「こんにちは、セシリス・フローチェ」
「ごきげんよう、フロル様」
いつものように仕事に向かうレオを扉まで見送ったすぐ後。
再び開かれたその扉には、少し明るめの赤茶の髪に琥珀色の瞳をしたフロル様が立っていたのだ。
「来てくれて嬉しいわ」
「まさか呼ばれるとは思わなかったよ」
ふふ、と笑ったフロル様ははじめて会ったときに感じたような不気味さはなかったもののやはりどこか歪で不安定に見えて。
“ここはレオの部屋よ、何かあったらすぐにレオが気付いてくれるはずだし大丈夫⋯”
私は必死にそう言い聞かせる。
「それにしても、どうやって扉開いたの⋯?」
「外側にはわかりやすいくらいの鍵がついてたからね」
「そうなの⋯」
内側からどうやっても開けられなかった扉の秘密を知り、思わず顔が赤くなる。
外側には、ということは。
“逆にいえば内側には鍵がないってことじゃない⋯”
それはつまり、レオが入ってきて、またレオが出るまでの時間は扉の鍵が閉まってないということを意味していた。
「その間の時間は、出ようと思えば出れたってことなのね⋯」
「それをレオン・ネストルが見逃してくれるかはわからないけどね」
「それはまぁ、そうなんだけど」
それでも、私はレオがいる間扉に近付きもせずレオにただ引っ付き甘やかされていただけで。
“結局私はレオの側にいたいのね”
レオから与えられる愛と同じくらい、結局は私も想っているのだと指摘されたように感じ少し恥ずかしくなった。
赤くなった顔を見られたくなくて私はフロル様に背を向ける。
早く頬の赤みが引かないかしら、と窓に反射して写った自分の顔を確認しようとして息を呑んだ。
「情報屋から情報を買うのはいいけどさ」
「ッッ!」
「俺が、あんたに死んで欲しいと思ってることわかってんの?」
窓にはまだ赤い顔をした私と、そんな私の後ろに小さなナイフのようなものを振りかざすフロル様がハッキリと写っていて。
ガッという衝撃と、ひたすら“熱い”を感じながら私の意識はそこで途切れた。
「ーーーんっ⋯」
どれくらい時間がたったのだろうか。
痛む頭を押さえながら上半身を起こす。
「ここ、どこ⋯?」
そこは石壁に囲まれた地下牢のような場所で、窓などがないため大体の時間すらわからない。
「君も知ってるとこだよ?」
「!!」
当たり前のように後ろから声をかけられビクリと肩が跳ねる。
警戒しながら振り向くと、そこにいたのはやはりというかフロル様でー⋯
「こんな場所、知りませんわ」
「そんなことないよ?君はアリス嬢からこの場所の話を聞いただろ?」
「アリスから⋯?」
言われた内容にピンとこず、怪訝な声で聞き返してしまう。
しかしその疑問に答えてくれる気はないのか、フロル様はニマニマと笑っているだけだった。
“アリスから聞いた?つまりアリスはこの場所の事を知ってるの?”
この状況を打破する為にも必死に記憶を巡らせる。
アリスと話したことを1つずつ思い出しーー⋯
『緊急時の逃げ道⋯ってやつですかね』
そういって笑ったアリスの言葉が引っ掛かった。
「もしかして、ここ、王城⋯?」
「お、正解っ!」
あはっと笑うフロル様とは対照的に、私は少し絶望を感じる。
“王城ってことはすぐ近くにレオがいるということ。でも、ここがアリスの言っていた王族だけが知っている仕掛け扉の内側なら⋯”
一体誰が助けに来てくれるというのだろうか。
「⋯ちなみに、何故この場所を貴方が知ってるのかしら?」
「情報屋だからね。どの通路がどこに繋がってるかも大体把握してるよ」
「あと言っとくけど、突然人を殴るとか最低よ」
「君にだけは言われたくないな、重たい本は鈍器だよ?」
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“あの時他に誰もいなかったと思ったのに”
情報屋という仕事は伊達ではないという事かと私は小さくため息を吐くしかなかった。
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