44 / 51
エピローグ:セシリスルート
エピローグ:これはきっと私のルートのハッピーエンド
しおりを挟む
空は晴れ渡り、小鳥がさえずる。
澄んだ空気はとても美味しく心地いい。
美しい空の下なら、この純白のドレスはきっと輝くように美しいだろう。
“もちろん大好きな人の隣でこの新たなスタートを祝い、そして祝われる本人がそのドレスより美しいのは当たり前ーー⋯”
なの、だが。
「⋯っ、ぐすっ、うぅっ」
「いい加減泣き止みなさいよ」
「だってぇ~~っ!!」
涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら泣くのはもちろんアリスで、そしてこの晴れやかな日の⋯
「主役なんだから、もうっ!」
婚約から僅か3ヶ月というスピードで結婚するのは、この世界のヒロインことアリスである。
“王太子の結婚が、たった3ヶ月の準備期間だなんて絶対にあり得ない、あり得ないんだけども”
「まさか、これも予言書の強制力なのかしら⋯!?」
ふとそう思い、ぶるりと震える。
強制力が本当に働いたのかどうかはわからないが、一応は夫婦での外交に慣れる為というちゃんとした理由もあったりはする。
“アリスが慣れ次第、皇后になるのね⋯”
それはこの予言書にも書かれた『決まった未来』ではあるのだが。
「私に出来るかとか⋯っ、本当にこのまま結婚していいのかとかっ、不安ばかりでぇぇ⋯!」
妃教育の前に令嬢としての儚げな泣き方から教えた方が良かったのでは、とこちらが不安になるようなアリスを暫く眺めーー⋯私はプッと吹き出した。
「せ、セリさまぁ⋯っ!?」
「あらやだ、私ったら」
ふふ、と上品に。しかし笑いは止める事なく肩を小刻みに震わせて。
“決まった未来かもしれないけれど、もし予言書に書いてなかったとしても”
「大丈夫よ、貴女は上手くやれるわ」
“私はそう信じてる”
「だって、貴女は私の最高の友達なんですもの!」
「~~っ、セリさまぁ!!!大好き、大好きですぅ~~っ!!ヴァレリーとの結婚やめてセリ様と結婚するぅ!!」
「あらあら、まぁまぁ⋯」
ふえぇ、と更に瞳を潤ませながら両腕を広げたアリスはそのまま真っ直ぐ私に向かってきて。
「ーーハッ、愚かすぎる」
アリスが私に抱き付く寸前で私を抱き上げたのは、もちろんレオだ。
「レオ!」
「セリに会いたくて来てしまいました」
「おかしいねぇ、なぜ新郎の俺よりレオンが先にこの控え室に入ってるんだろう?」
「で、殿下まで!?」
レオのすぐ後から、やれやれという表情でヴァレリー殿下も入ってきて。
“泣いてるアリスをどう泣き止ませようかと思ったけど⋯”
私よりも適任であろう殿下にその役目は譲ることにした。
ちらりと視線をそのままレオにうつすと、しっかりとレオと目が合ったのでこのまま出ようのジェスチャーを必死でする。
少しぽかんとしたレオは、すぐににこりと微笑み音を立てないようにそのまま控え室から出てくれてーー⋯
「腕をパタパタさせるセリ、可愛すぎます」
「!?ち、違うわよっ!?私は外に出ようの合図を⋯」
「ふふ、そんなに僕と二人っきりになりたかったんですね、光栄です」
「だ、だから違うってば⋯!」
「⋯本当に違うんですか」
「え!?いや、その⋯う、嬉しくは、あるけど⋯」
「ですよねっ!」
一瞬下がった温度がすぐに戻りホッとする。
それと同時に破顔するレオが可愛くてー⋯
“もうほんっとあざと可愛いんだから⋯!”
私は高鳴る胸を誤魔化すように開いた扇で顔を隠した。
きっとヒロインを中心に回るこの世界はひどく歪で。
それでも、この世界が歪であるからこそ美しいと感じるのも私の本心でー⋯
「例えこの世界がアリスを中心に回っていても⋯」
「セリ?」
「ううん、何でもないわっ」
ほら、さっさと参列席へ行くわよとレオの背中を押す。
そんな私の腕をさっと取ったレオは自身の腕に絡ませて。
「今度こそエスコートさせていただけますか?」
「あら、今日は護衛のお仕事はないのかしら」
「はい、今日の僕はセリだけの騎士ですから」
例えこの世界がヒロインを中心に回っていても。
私は私の人生という『ルート』を、貴方のヒロインとして歩むからー⋯
「レオ、愛してるわよ」
「⋯ッ、今すぐ僕の部屋に行きたい⋯」
「馬鹿言ってないでさっさと歩く!」
「う、うぅ⋯」
ーーこれからも、私だけに攻略されていてね。
澄んだ空気はとても美味しく心地いい。
美しい空の下なら、この純白のドレスはきっと輝くように美しいだろう。
“もちろん大好きな人の隣でこの新たなスタートを祝い、そして祝われる本人がそのドレスより美しいのは当たり前ーー⋯”
なの、だが。
「⋯っ、ぐすっ、うぅっ」
「いい加減泣き止みなさいよ」
「だってぇ~~っ!!」
涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら泣くのはもちろんアリスで、そしてこの晴れやかな日の⋯
「主役なんだから、もうっ!」
婚約から僅か3ヶ月というスピードで結婚するのは、この世界のヒロインことアリスである。
“王太子の結婚が、たった3ヶ月の準備期間だなんて絶対にあり得ない、あり得ないんだけども”
「まさか、これも予言書の強制力なのかしら⋯!?」
ふとそう思い、ぶるりと震える。
強制力が本当に働いたのかどうかはわからないが、一応は夫婦での外交に慣れる為というちゃんとした理由もあったりはする。
“アリスが慣れ次第、皇后になるのね⋯”
それはこの予言書にも書かれた『決まった未来』ではあるのだが。
「私に出来るかとか⋯っ、本当にこのまま結婚していいのかとかっ、不安ばかりでぇぇ⋯!」
妃教育の前に令嬢としての儚げな泣き方から教えた方が良かったのでは、とこちらが不安になるようなアリスを暫く眺めーー⋯私はプッと吹き出した。
「せ、セリさまぁ⋯っ!?」
「あらやだ、私ったら」
ふふ、と上品に。しかし笑いは止める事なく肩を小刻みに震わせて。
“決まった未来かもしれないけれど、もし予言書に書いてなかったとしても”
「大丈夫よ、貴女は上手くやれるわ」
“私はそう信じてる”
「だって、貴女は私の最高の友達なんですもの!」
「~~っ、セリさまぁ!!!大好き、大好きですぅ~~っ!!ヴァレリーとの結婚やめてセリ様と結婚するぅ!!」
「あらあら、まぁまぁ⋯」
ふえぇ、と更に瞳を潤ませながら両腕を広げたアリスはそのまま真っ直ぐ私に向かってきて。
「ーーハッ、愚かすぎる」
アリスが私に抱き付く寸前で私を抱き上げたのは、もちろんレオだ。
「レオ!」
「セリに会いたくて来てしまいました」
「おかしいねぇ、なぜ新郎の俺よりレオンが先にこの控え室に入ってるんだろう?」
「で、殿下まで!?」
レオのすぐ後から、やれやれという表情でヴァレリー殿下も入ってきて。
“泣いてるアリスをどう泣き止ませようかと思ったけど⋯”
私よりも適任であろう殿下にその役目は譲ることにした。
ちらりと視線をそのままレオにうつすと、しっかりとレオと目が合ったのでこのまま出ようのジェスチャーを必死でする。
少しぽかんとしたレオは、すぐににこりと微笑み音を立てないようにそのまま控え室から出てくれてーー⋯
「腕をパタパタさせるセリ、可愛すぎます」
「!?ち、違うわよっ!?私は外に出ようの合図を⋯」
「ふふ、そんなに僕と二人っきりになりたかったんですね、光栄です」
「だ、だから違うってば⋯!」
「⋯本当に違うんですか」
「え!?いや、その⋯う、嬉しくは、あるけど⋯」
「ですよねっ!」
一瞬下がった温度がすぐに戻りホッとする。
それと同時に破顔するレオが可愛くてー⋯
“もうほんっとあざと可愛いんだから⋯!”
私は高鳴る胸を誤魔化すように開いた扇で顔を隠した。
きっとヒロインを中心に回るこの世界はひどく歪で。
それでも、この世界が歪であるからこそ美しいと感じるのも私の本心でー⋯
「例えこの世界がアリスを中心に回っていても⋯」
「セリ?」
「ううん、何でもないわっ」
ほら、さっさと参列席へ行くわよとレオの背中を押す。
そんな私の腕をさっと取ったレオは自身の腕に絡ませて。
「今度こそエスコートさせていただけますか?」
「あら、今日は護衛のお仕事はないのかしら」
「はい、今日の僕はセリだけの騎士ですから」
例えこの世界がヒロインを中心に回っていても。
私は私の人生という『ルート』を、貴方のヒロインとして歩むからー⋯
「レオ、愛してるわよ」
「⋯ッ、今すぐ僕の部屋に行きたい⋯」
「馬鹿言ってないでさっさと歩く!」
「う、うぅ⋯」
ーーこれからも、私だけに攻略されていてね。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる