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ヘタレな婚約者
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エリーズ・ラブラシュリとステファーヌ・ギャロワは、物心ついた頃から常に一緒にいた。
双方ともに名門公爵家の生まれだが、そんな立場は二人にとって何の意味も持たなかった。互いの両親が、学生時代から苦楽を共にした親友同士だったからだ。
面白いことに、二つの家には同じ年に子供が生まれた。
ラブラシュリ家には女の子、ギャロワ家には男の子。
その偶然に浮かれた両親は、冗談半分で子供たちの婚約を決めてしまった。
――それが、エリーズとステファーヌの始まりだった。
「エリー、待ってよぉ……」
「着いてこないでって言ったでしょ!」
「で、でも……」
「家で待ってなさいよ! はっきり言って、足手まといよ!」
そう言い捨てるエリーズの背を、ステファーヌは小さくなりながら追いかけていた。
二人が七歳の頃のことだ。
エリーズは病に伏せった母のため、近くの山へあるものを探しに来ていた。
ラブラシュリ家は夫人の病が発覚するとすぐ、王都を離れ、自領へと拠点を移した。
緑豊かな土地で療養すれば快方に向かう――そう信じての決断だった。
だが、現実は残酷だった。
ラブラシュリ夫人の体調は良くなるどころか、日に日に悪化していく。
月に一度、遠く王都からギャロワ家が見舞いに訪れてくれていたが、その度に母の顔色は青白くなっていった。
そんな中、エリーズは物語で読んだ伝説の万能薬“エリクサー”に縋るようになった。
ありもしない御伽噺だと分かっていても、山へ足を運ばずにはいられなかった。
「ダビィドが君を心配していたよ。姉の君が、毎日傷だらけで帰ってくるって……」
後ろから聞こえたステファーヌの声に、エリーズは振り返りもせず吐き捨てた。
「毎日お母様のそばで泣いてるだけの根性なしに、心配なんてされたくないわ!」
「違うよ。彼はまだ小さいけど賢い。エリーも、少しでも長く母上の傍にいたほうが……」
「うるさいっ!」
エリーズは荒々しくステファーヌの言葉を遮った。
「それでダビィドと一緒に、何も出来ずに泣いてろって言うの!?」
胸の奥が、ぎゅっと締めつけられる。
本当は分かっている。
伝説の万能薬など、存在しない可能性のほうが高いということも。
山に入ったところで、奇跡など起こらないことも。
それでも――。
日に日に弱っていく母を、ただ傍で見ているだけの自分が許せなかった。
何も出来ない無力さに、腹が立って、悔しくて、悲しくて。
だからエリーズは、前へ進むしかなかった。
どんなに危険でも、どんなに無謀でも。
その背を、ステファーヌは黙って見つめていた。
小さな拳を握りしめながら、彼女を止める言葉を、どうしても見つけられずに。
――ガサガサ。
不意に、草むらが大きく揺れた。
「……え?」
次の瞬間、茂みを割って姿を現したのは、一匹の魔獣だった。
「ガルルッ……」
狼によく似た姿。だが、その体躯は明らかに大きく、赤く光る瞳には理性の色がない。
むき出しの牙から滴る唾液が、地面にぽたりと落ちる。
「ひ、ひぃっ……!」
短い悲鳴と同時に、ステファーヌは反射的にエリーズの背後へ隠れた。
震える手で彼女の服を掴む。
一方、エリーズは足を止めたまま、魔獣と真正面から向き合っていた。
膝は小刻みに震えているが、逃げようとはしない。
「……出たわね」
声はかすかに震えていたが、エリーズは強気に言い放つ。
「今日こそ、そこを通してもらうわよ」
「エリーズ、無理だよ! 危ないよ! 早く帰ろう!」
ステファーヌは泣きそうな顔で、彼女の腕を掴んだ。
今にも飛びかかってきそうな魔獣から、少しでも遠ざけようと必死に引き留める。
「領民たちの話を聞いたの。この先の廃墟に“お宝”があるんですって」
「そんな噂、信じるわけ――」
「それが、エリクサーかもしれないのよ!」
エリーズは振り返り、必死に言葉を重ねる。
「魔獣が守ってるなんて、ますます本物っぽいじゃない!」
「何言ってるんだよ!」
ステファーヌの声は裏返っていた。
「そんなわけないだろ! こんなのと戦ったら……殺されちゃうよ!」
魔獣が一歩、前に出た。
地面が、ずしりと低く揺れる。
その瞬間、エリーズの顔から強がりが消えた。
唇を噛みしめ、息を呑む。
――それでも。
彼女は、一歩も退かなかった。
「……どきなさい、ステファーヌ」
震える声で、しかし確かな意志を込めて言う。
「私が行かなきゃ……誰がお母様を助けるのよ」
その言葉に、ステファーヌは何も返せなかった。
ただ、彼女の背中を見つめることしか出来ず――
次の瞬間。
魔獣が、地を蹴った。
「ひっ……く、ぐすっ……」
子供の泣き声が、日が傾き始めた山の中に虚しくこだました。
エリーズは地面に横たわり、全身を傷だらけにして動けずにいた。
その傍らで、ステファーヌが震える手を必死に動かし、拙い治療魔法をかけている。
魔獣は圧倒的な力を見せつけながらも、致命傷を与えることはなかった。
まるで――殺さないと分かっていて、痛めつけているだけのような攻撃。
それは、幼い二人の目にも明らかだった。
「エリー……ご、ごめん……。ぼく……何も、出来なくて……」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、ステファーヌは何度も謝った。
魔獣がエリーズに興味を失い、森の奥へと消えたあと。
彼はようやく草むらから出てきて、倒れたエリーズのもとへ駆け寄ったのだった。
謝罪の言葉に、エリーズは何も返さなかった。
ただ、ずっと顔を背けている。
それでもステファーヌには分かっていた。
彼女が泣くのを必死に堪えていることが。
強く握りしめられた小さな拳。
小刻みに震える、華奢な肩。
やがて、日が落ちる頃。
二人はようやく屋敷へと戻った。
心配した大人たちは既に捜索に出ており、帰還した二人を待っていたのは、安堵と怒りの入り混じった叱責だった。
「ステファーヌ! どこへ行っていたの! どれほど心配したと思っているの!」
声を荒らげたのは、ギャロワ夫人だった。
その表情には、怒りと同時に、確かな安堵が浮かんでいる。
「どれだけ多くの人に迷惑をかけたと思っているの!」
叱責に、ステファーヌはびくりと肩を震わせ、俯いた。
「ご、ごめんなさ――」
「わたくしのせいです」
謝罪を遮るように、エリーズが一歩前へ出た。
「わたくしが、嫌がるステファーヌを無理矢理、山へ連れて行ったのです」
驚いて見上げるステファーヌ。
何度も止められても、ついてきたのは自分だった。
だが、エリーズは彼を庇うように、視線を逸らさず立っていた。
「マリーは……あなたのお母様は、わたくしの親友です。その娘に、こんなことを言うのは心苦しいですが――」
ギャロワ夫人は、静かに、しかし冷たく言った。
「エリーズ。あなたの“野蛮な遊び”に、ステファーヌを巻き込まないでちょうだい」
その言葉に、ステファーヌの胸が締めつけられる。
「あなたは田舎の生活に慣れているようですが、この子は違います。田舎の遊びなど、知る必要はありませんもの」
夫人は淡々と続けた。
「いずれ婚約者になるのなら、今のうちにそういった行動は慎みなさい。あなたのためを思って、言っているのです」
「お母様っ……!」
ステファーヌの声は、掠れていた。
「申し訳ありません。ご助言、感謝いたします」
エリーズは表情一つ変えず、深く頭を下げた。
――エリーズは、悪くない。
彼女はただ、母を助けたかっただけだ。
神や伝説に縋ってでも、救いたかっただけなのだ。
どれほど苦しくても、エリーズは泣かなかった。
ステファーヌの前で、弱音を吐いたこともない。
それが、余計に胸を締めつけた。
情けなかった。
同い年の少女に庇われ、理不尽な言葉を浴びせられても、何一つ出来ない自分が。
思えば、いつもそうだった。
エリーズが王都にいた頃。
気弱な性格のせいで虐められるたび、エリーズは迷うことなくいじめっ子たちを追い払ってくれた。
習い事では思うように成果が出ず、使用人にまで陰で馬鹿にされていると知った時も、彼女だけは変わらず自分を信じてくれた。
――エリーズだけは、いつも味方だった。
それなのに。
母親に真実を打ち明けることすら出来なかった。
喉が詰まり、声が出ず、ただ俯くことしか出来なかった。
双方ともに名門公爵家の生まれだが、そんな立場は二人にとって何の意味も持たなかった。互いの両親が、学生時代から苦楽を共にした親友同士だったからだ。
面白いことに、二つの家には同じ年に子供が生まれた。
ラブラシュリ家には女の子、ギャロワ家には男の子。
その偶然に浮かれた両親は、冗談半分で子供たちの婚約を決めてしまった。
――それが、エリーズとステファーヌの始まりだった。
「エリー、待ってよぉ……」
「着いてこないでって言ったでしょ!」
「で、でも……」
「家で待ってなさいよ! はっきり言って、足手まといよ!」
そう言い捨てるエリーズの背を、ステファーヌは小さくなりながら追いかけていた。
二人が七歳の頃のことだ。
エリーズは病に伏せった母のため、近くの山へあるものを探しに来ていた。
ラブラシュリ家は夫人の病が発覚するとすぐ、王都を離れ、自領へと拠点を移した。
緑豊かな土地で療養すれば快方に向かう――そう信じての決断だった。
だが、現実は残酷だった。
ラブラシュリ夫人の体調は良くなるどころか、日に日に悪化していく。
月に一度、遠く王都からギャロワ家が見舞いに訪れてくれていたが、その度に母の顔色は青白くなっていった。
そんな中、エリーズは物語で読んだ伝説の万能薬“エリクサー”に縋るようになった。
ありもしない御伽噺だと分かっていても、山へ足を運ばずにはいられなかった。
「ダビィドが君を心配していたよ。姉の君が、毎日傷だらけで帰ってくるって……」
後ろから聞こえたステファーヌの声に、エリーズは振り返りもせず吐き捨てた。
「毎日お母様のそばで泣いてるだけの根性なしに、心配なんてされたくないわ!」
「違うよ。彼はまだ小さいけど賢い。エリーも、少しでも長く母上の傍にいたほうが……」
「うるさいっ!」
エリーズは荒々しくステファーヌの言葉を遮った。
「それでダビィドと一緒に、何も出来ずに泣いてろって言うの!?」
胸の奥が、ぎゅっと締めつけられる。
本当は分かっている。
伝説の万能薬など、存在しない可能性のほうが高いということも。
山に入ったところで、奇跡など起こらないことも。
それでも――。
日に日に弱っていく母を、ただ傍で見ているだけの自分が許せなかった。
何も出来ない無力さに、腹が立って、悔しくて、悲しくて。
だからエリーズは、前へ進むしかなかった。
どんなに危険でも、どんなに無謀でも。
その背を、ステファーヌは黙って見つめていた。
小さな拳を握りしめながら、彼女を止める言葉を、どうしても見つけられずに。
――ガサガサ。
不意に、草むらが大きく揺れた。
「……え?」
次の瞬間、茂みを割って姿を現したのは、一匹の魔獣だった。
「ガルルッ……」
狼によく似た姿。だが、その体躯は明らかに大きく、赤く光る瞳には理性の色がない。
むき出しの牙から滴る唾液が、地面にぽたりと落ちる。
「ひ、ひぃっ……!」
短い悲鳴と同時に、ステファーヌは反射的にエリーズの背後へ隠れた。
震える手で彼女の服を掴む。
一方、エリーズは足を止めたまま、魔獣と真正面から向き合っていた。
膝は小刻みに震えているが、逃げようとはしない。
「……出たわね」
声はかすかに震えていたが、エリーズは強気に言い放つ。
「今日こそ、そこを通してもらうわよ」
「エリーズ、無理だよ! 危ないよ! 早く帰ろう!」
ステファーヌは泣きそうな顔で、彼女の腕を掴んだ。
今にも飛びかかってきそうな魔獣から、少しでも遠ざけようと必死に引き留める。
「領民たちの話を聞いたの。この先の廃墟に“お宝”があるんですって」
「そんな噂、信じるわけ――」
「それが、エリクサーかもしれないのよ!」
エリーズは振り返り、必死に言葉を重ねる。
「魔獣が守ってるなんて、ますます本物っぽいじゃない!」
「何言ってるんだよ!」
ステファーヌの声は裏返っていた。
「そんなわけないだろ! こんなのと戦ったら……殺されちゃうよ!」
魔獣が一歩、前に出た。
地面が、ずしりと低く揺れる。
その瞬間、エリーズの顔から強がりが消えた。
唇を噛みしめ、息を呑む。
――それでも。
彼女は、一歩も退かなかった。
「……どきなさい、ステファーヌ」
震える声で、しかし確かな意志を込めて言う。
「私が行かなきゃ……誰がお母様を助けるのよ」
その言葉に、ステファーヌは何も返せなかった。
ただ、彼女の背中を見つめることしか出来ず――
次の瞬間。
魔獣が、地を蹴った。
「ひっ……く、ぐすっ……」
子供の泣き声が、日が傾き始めた山の中に虚しくこだました。
エリーズは地面に横たわり、全身を傷だらけにして動けずにいた。
その傍らで、ステファーヌが震える手を必死に動かし、拙い治療魔法をかけている。
魔獣は圧倒的な力を見せつけながらも、致命傷を与えることはなかった。
まるで――殺さないと分かっていて、痛めつけているだけのような攻撃。
それは、幼い二人の目にも明らかだった。
「エリー……ご、ごめん……。ぼく……何も、出来なくて……」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、ステファーヌは何度も謝った。
魔獣がエリーズに興味を失い、森の奥へと消えたあと。
彼はようやく草むらから出てきて、倒れたエリーズのもとへ駆け寄ったのだった。
謝罪の言葉に、エリーズは何も返さなかった。
ただ、ずっと顔を背けている。
それでもステファーヌには分かっていた。
彼女が泣くのを必死に堪えていることが。
強く握りしめられた小さな拳。
小刻みに震える、華奢な肩。
やがて、日が落ちる頃。
二人はようやく屋敷へと戻った。
心配した大人たちは既に捜索に出ており、帰還した二人を待っていたのは、安堵と怒りの入り混じった叱責だった。
「ステファーヌ! どこへ行っていたの! どれほど心配したと思っているの!」
声を荒らげたのは、ギャロワ夫人だった。
その表情には、怒りと同時に、確かな安堵が浮かんでいる。
「どれだけ多くの人に迷惑をかけたと思っているの!」
叱責に、ステファーヌはびくりと肩を震わせ、俯いた。
「ご、ごめんなさ――」
「わたくしのせいです」
謝罪を遮るように、エリーズが一歩前へ出た。
「わたくしが、嫌がるステファーヌを無理矢理、山へ連れて行ったのです」
驚いて見上げるステファーヌ。
何度も止められても、ついてきたのは自分だった。
だが、エリーズは彼を庇うように、視線を逸らさず立っていた。
「マリーは……あなたのお母様は、わたくしの親友です。その娘に、こんなことを言うのは心苦しいですが――」
ギャロワ夫人は、静かに、しかし冷たく言った。
「エリーズ。あなたの“野蛮な遊び”に、ステファーヌを巻き込まないでちょうだい」
その言葉に、ステファーヌの胸が締めつけられる。
「あなたは田舎の生活に慣れているようですが、この子は違います。田舎の遊びなど、知る必要はありませんもの」
夫人は淡々と続けた。
「いずれ婚約者になるのなら、今のうちにそういった行動は慎みなさい。あなたのためを思って、言っているのです」
「お母様っ……!」
ステファーヌの声は、掠れていた。
「申し訳ありません。ご助言、感謝いたします」
エリーズは表情一つ変えず、深く頭を下げた。
――エリーズは、悪くない。
彼女はただ、母を助けたかっただけだ。
神や伝説に縋ってでも、救いたかっただけなのだ。
どれほど苦しくても、エリーズは泣かなかった。
ステファーヌの前で、弱音を吐いたこともない。
それが、余計に胸を締めつけた。
情けなかった。
同い年の少女に庇われ、理不尽な言葉を浴びせられても、何一つ出来ない自分が。
思えば、いつもそうだった。
エリーズが王都にいた頃。
気弱な性格のせいで虐められるたび、エリーズは迷うことなくいじめっ子たちを追い払ってくれた。
習い事では思うように成果が出ず、使用人にまで陰で馬鹿にされていると知った時も、彼女だけは変わらず自分を信じてくれた。
――エリーズだけは、いつも味方だった。
それなのに。
母親に真実を打ち明けることすら出来なかった。
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