世界を半分やるから魔王を殺れ

KING

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第14話「雨中の宇宙」

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PRRRRRRRRRRR♪PRRRRRRRRRRR♪
PRRRRRRRRRRR♪PRRRRRRRRRRR♪
PRRRRRRRRRRR♪PRRRRRRRRRRR♪
ピッ!
「もしもし、ぼくだ」
小煩いコール音を止め、黒髪の男は腕時計に向かった 腕時計に内蔵された通話機能だ
暗い部屋に光とそれを浴びた顔が浮かび上がる。
外は雨、今にも雷が落ちてきそうな程濃い雲をクラシック風な雰囲気をした部屋の大窓から見上げながら耳を傾けた。
『ノヴァ様...ご報告したい事があり、僭越ながら電話をかけさせていただきました』
「..................」
ノヴァと呼ばれた男は少し、黙るとまた口を開いた
「ふぅ~ん、何?くだらない話なんかは聞きたくはないんだがね...」
窓近くに設置された椅子に腰掛けるとふぅ...と息を吐いた。
ギシッと木の材質が擦れて軋む音が嫌に耳にこびりつく。
『...富士山『永命剣』防衛隊が突破されたとの情報が入りました』
そう聞こえると少し間が空いてノヴァは口を歪めた。
「なんだって?」
雨音だけが響く宇宙のように暗く広く殺風景な部屋、ノヴァが窓枠にトントンと指を打つたびに遮蔽物が無い分音が反響した。
「詳しく...教えてもらってもいいかな?」
丁寧ではあるが上からの目線で発される言葉は少し、苛立ちを帯びているようだった。
滑らかではなくささくれ立った木の板のような声のトーンに思わず電話相手のも息を飲む。
『はっ...ではまず、犯人の存在から...』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とても長い廊下を早足に歩くのは金髪のサングラスをかけた男と目が闇に覆われた《ブラックアイ》を患ったような眼の色をした魔族の2人組みだった。
「いやぁ...急に雨に降られるとはな」
「おかげで服が濡れてしまった...」
2人がびしょ濡れで歩いていると何人かの女の魔族が彼らを取り囲むとドライヤーやタオルなどを使い、体を乾かした。
2人はさも当然と言う風にそんな事は気にせず話を続けていた。
「どうする?雨が止んだら捜索を再開するか?」
金髪がそう問うとカラスのような男は首を縦に振った。
「点数稼ぎに精が出るな、お二人さん」
音もなくホークとクロウの後ろに、男が廊下の柱に背を預けて立っていた
「なんだ、いつからいたのよ?ノヴァの兄貴ィ」
ホークは濡れたサングラスを召使いに渡すと
猛禽類のようなつり上がった目を向けた。
「......何か用か?」
「そんなに睨まないでくれよ、今日は可愛い弟達に有益な情報を持って来たんだ」
一見ノヴァは上から目線だが丁寧な口調で優しい印象を受けるが、いざ直接対話してみると宇宙のように底知れない不気味さを感じる、身構えずにはいられない。
「情報...だと?」
クロウが一歩身を乗り出し、興味を示す
それを見るとノヴァはニヤリと笑みを浮かべ柱から背を離した。
「ああ、レイヴンについてのことなんだが」
その名を聞いて2人ともハッとする
そのリアクションを見てノヴァはさらに口の端を釣り上げる、牙が不気味に並んでいた。
「オレ達があいつ追ってたの知ってたのね、さすが情報がはやいっすわ」
ヤケに軽い調子のホークは馴れ馴れしげに(家族間でこんな事を言うのも変だが)肩を組もうと近づく。
しかし、その手はバシッと弾かれた。
「ありっ?」
「その洗ってないような手で僕に触るな、バカが伝染る」
蔑むような光のない目を向けながらそんな事を言う
だが、ここまでの事を言われたにもかかわらずホークは数秒の真顔の後また笑顔に戻る。
「わーお、ボク傷ついちゃう」
声には余裕から出る特有の高さがあり、さほど怒っていないようだが...
目が笑ってなかった。
「...よせ、ホーク  そいつに話しかけても無駄だ......機械みてーに必要な事しかやらない男だ、もちろん冗談も通じない」
クロウはそもそも表情すら変わりそうにない程仏頂面だ。
こんな顔でも冗談が通じるのか...
「...でだな、レイヴンが僕の軍と交戦したとの情報が先ほど入った」
機械的に読み上げられる文章のように声には心がこもっていない
「...また、動き出したか...」
静かに独り言のように呟いたクロウの言葉にホークもうなずく。
「で?今そいつはどこにいる、それを教えてオレ達に何をさせようってんだい?」
「なに、僕は行くのが面倒だから君達にやって貰おうと思ってね」
「面倒...ねぇ~...裏切り者の捕獲が次期魔王選考会の点数にどれだけ影響するか分かってんのかい?」
「しっかりと理解しているよ、理解した上での依頼だ それに、どうせ君らがレイヴンを倒したところでこの次期魔王レース...僕の勝利は揺るがない」
その言葉を発するとその空気が凍りついた
「あん?」
ホークの顔から笑顔が消える。
「...いま...なんだって?...よく聞き取れなかったんだが...」
クロウの目にさらに陰りが生じる。
普段から黒い目は闇を宿し、赤い瞳孔が光り
異様な雰囲気を孕んでいた。
「だから言ったろう?どうせ勝つのは僕なんだから...面倒ごとは譲ってやる、とな」
その瞬間張り詰めた空気が崩壊する
「そんな事を言われて黙っていられるほど...」
「...俺たちのプライドはチープじゃ...ねえ!」
ノヴァに二人の怒りが速襲が向けられた。
『ジェット.ラグ』
『穢れた翼(アシッドスカイ)』
この二人の殺意を固めたとも見える能力は
速く...黒い
魔力がノヴァに迫っていく。
「調子にのるなよ、三流が...!」
「な......」
遅れてやってきた風圧が召使い達を吹っ飛ばした。
勢いづき過ぎたあまり壁に頭をぶつけ、血を流しているものもいる。
だが、二人は今そんな事はどうでもよかった
なぜなら
自信満々の一撃は外れ、攻撃を向けたノヴァがいつの間にか背後に立っていたからだ。
「いつの間に...」
問い、そして振り返る
振り返った瞬間ノヴァの指が二人の額に押し当てられた 指に力は入っていないが二人にはこの指がどんな銃口よりも恐ろしい。
ノヴァの周りを巡っている魔力はこの世の不吉が含まれているように暗く吸い込まれそうだ。
「...もう一度聞かせて貰おうか、お前達 裏切り者の長男を倒してきてくれるか?」
怒っているようには見えない、だが脅している
これまで感じたことがない程二人は恐怖を感じていた。
言うことを聞く、とは言っていないがこの言葉にはNOと言えないような...もし言ったらノヴァに殺されるような殺気のこもった質問に感じられた
きっと、ノヴァの方もそのつもりなのだろう。
「ウウウ...」
プライドと恐怖の狭間で揺れる心にホークは歯ぎしりを起こす
プライドを立てて痛い目を見るか...
恐怖に負けて明日を生きるのか...
誇り高い魔族にとってこれは究極の選択と言えるだろう。
「...分かった....行ってやるよ」
「クロウ?」
ホークがハッと一つ上の兄であるクロウを見る 唇が震えていた 怒りを堪えているのだ。
「よし、いいだろう」
額から指を離す
さっきとは打って変わってノヴァの表情は柔和になった、しかし、その柔らかい笑顔は心の奥底にある闇だけを浮き彫りにし、かえって不気味だった。
「...だがな!」
クロウが小さく叫ぶ
「...レイヴンを倒した後はお前だ、首を洗って待っていろ......!」
クロウの目が黒く誇りのある闇に変わっていた。
この静かなる男はプライドを生かしたまま明日を生きるのだ。
「健闘を祈るよ」
二人のドクロの腕時計から着信音が鳴った。
「それが軍から送られてきた情報だ 有効に使ってくれたまえ」
腕時計から直接脳裏に写された画像を見ると事細かにレイヴンの逃走経路予想図やレイヴンの能力が書かれていた。
特に能力の詳細は互いに能力を知らないので一方的に情報を握られるというのは非常に不利なのだ。
「おい、ノヴァ...」
ホークが口を開くももうそこにはノヴァは居なくなっていた 
まるで最初から存在していなかったかのように
「...ほら...いくぞホーク...荷物を整理しろ」
「ちぇっ...一言くらい謝罪してやろうかと思ったんだがなぁ」
誰にも聞こえない呟きを漏らすとクロウの後ろについて歩く その顔には笑顔が戻っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しばらく後...
窓に打ち付ける雨の音がやけに響く部屋で
窓際の椅子に座り、ノヴァは小説を読んでいた。
静かな部屋、ページをめくる音と雨音だけが部屋に溶け込んでいく。
そこにコンコンと扉を叩く音が加えられた
ノックにより木製のドアから低めの音が鳴る
ノヴァは椅子から立てるとドアを見つめながら
「どうぞ」
と言った。
すると、しばしの静寂の後 ドアの隙間から小さな...クモのようなアリのような生物が入り込んでくる。
瞬く間にその生物がより固まると一つの人型を作り出した。
「あ......ぁ......」
その真っ黒な人型の塊に唇が浮き上がり、小さくマイクテストのように声を出した。
しかし、まだ雑音が多くなんと言っているのか聞き取れない。
その様子をノヴァはじっと見ている。
「あ~あ~」
声がクリアに聞こえ出したと思うと、その唇は声を出して言語を話し始める。
「こんにちは、ノヴァ」
「こんにちは、父さん」
父さん...ノヴァは確かにそう口にした
つまり、この人型を作り出し、その先にいるのがこいつら最凶の10人魔族の親であり魔界を統括する魔族の王である男なのだ。
「なにか用ですか?」
ノヴァは問う
「先ほど お前とクロウとホークとの会話を聞かせてもらったんだが...お前の勝ちは確定しているというセリフはどういう意味だ?」
人型は魔王の言葉を電話のように声を介して相手に伝える能力のようだ。
この場合、魔王が部屋からこれの元となる虫を作り、自動的にノヴァの部屋に向かわせたのだろう。
電話のような能力ではあるが決定的に違うのが人型であるためにジェスチャーを見せたり場合によっては闘うことができるところだ。
「そのままの意味ですよ」
再び椅子に腰掛けるとノヴァは落ち着いた声色で言葉を続けた。
「ご存知だと思いますが、魔王選考の際一番重要視されるのは知能やカリスマ性のように人を導く能力で 戦闘能力は二の次です、そして、僕と比べれば他の兄弟は戦闘能力ばかりで人を惹きつける魅力がない まあ、【アーミー】や【ネメシス】あたりはその点では優れていますが、今度は実力が僕に遠く及ばない
つまり、基本性能でもう結果は見えてるんですよ」
自信満々に公爵を垂れるとわざとらしくふん反り返ってもみせる。
だが、言っていることは全て自分の思っていることそのままだ
確実な実力に裏付けされているセリフは相当な説得力がある。
「ふふふ...お前は面白いやつだな レイヴンの次に面白い」
「えっ?」
ピクッとその名に反応する
「ああ、ふふふ...悪い悪い...昔からお前とレイヴンは仲が悪かったな、まさに犬猿の仲と言うか...」
人型は表情のない唇だけの顔で笑う
その言葉にさらにノヴァは顔をしかめた。
「当たり前です、あんないい加減で大雑把なやつなど気にいることなどできませんよ 無駄にプライドが高く利用する事もままならないですし」
「確かにな、だがお前はまだ若いよ大人ぶろうと頑張っているようだがな」
「いや、そういっても僕は156歳なんですが...」
「そんなことはどうでもいい、未熟なお前にこれを教えておいてやるよレイヴンは私の息子達の中で一番強かだ、そして一番ユニークでもある...《思い通りにならないやつ程おもしろい》ってやつだ」
「...僕には理解できそうにない理論ですね」
「経験を積めばその内わかるようになるさ」
そう言い残すとパラリと人型の一部が崩れて絨毯の上に落ちる。
まだ、もぞもぞと動いていた。
「これだけは言っておきたかっただけだ じゃあ、私はそろそろ帰る」
「ええ、また話を聞かせてくださいね」
パズルをひっくり返したように人型は小さく無数の『魔力虫』となりドアの隙間から出て行った。
その様子をしばし見たあとノヴァは静かに本に手を伸ばし、さっきまで読んでいた行を指でなぞりながら探す
「...レイヴンが僕より上?...父さんの挑発に乗るのは少し癪ではあるが...確かめてみてもいいかもしれんな...」
本に栞を挟むと立ち上がり、おもむろに壁を拳で打ち抜いた。
「来い、無限の『空間』よ」
ガラガラと崩れる壁、そこには信じられないような光景が広がっていた。
一面に絶対的な暗闇と小さな星明かりが延々広がっている、『宇宙』だこれを出現させるのがノヴァの能力なのだろう 
しかし、まだこの能力の真意は謎だ
だが、宇宙を出現させられる程の出力なのだ想像を遥かに超える力を持っているのだろう。
「総取りするのはこの僕だ...覚悟しておけよレイヴン...!」
ノヴァは一歩そこに踏み込む
すると、時間が戻るかのように壁が元に戻る元に戻った壁はノヴァと宇宙を隠すように閉じた。
部屋は何事もなかったかのように雨音を響かせている
何も変わりない、壁も全く変化は見られず時が止まったように何も動かない。
こうして、あらゆる陰謀がレイヴンに絡みついていく
まるで呪いのように。

To Be Continued→
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