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レイがイクスに矢を放たせた結果――
レイに対して怒りを覚えた精霊たち。
ボルタージュの国からあらゆる精霊が去ってしまったのだ。
水の精霊がいなくなったことにより川が枯れ。
風の精霊がいなくなったことにより淀んだ空気が充満し。
火の精霊がいなくなったことにより人々から活力が失われ。
土の精霊がいなくなったことにより土が痩せていく。
国は凄まじい勢いで衰退していった。
既に国に見切りをつけて去って行った者は多数いる。
土に栄養がないために食料の確保も難しくなっていた。
今も別の国に移り住む者たちが連日いる。
「ひっ……」
土の精霊の力で地震は抑えられていたが、その加護を失ったボルタージュは毎日のように揺れていた。
ラースと国王はそんな状況に、玉座の間で頭を抱えながらレイに問い詰める。
「レイ……君が精霊王に弓を引いたと聞いている。こんなことになってしまったのは、君の所為だ!」
「こんなことになるなんて思ってもいませんでした……でも、悪いのは私ではありません」
そう。
悪いのはあの精霊王だ。
……悪いのはルビアだ。
私より程度の低い女が、なんで私より幸せになろうとしているのよ。
レイはルビアを下に見ているが、彼女に取っ手忘れられない出来事があった。
それは子供の頃の事。
弱々しいレイのことを遠くから見つめている男の子がいた。
レイは子供の頃、すでに自分が可愛く、異性から好意を寄せられているのを理解していたのだ。
沢山いるそんな男の子の中に、レイが気に入っている一人の少年がいた。
だが彼は怪我をしたところルビアに助けられ、彼女に恋をしたのだ。
可愛い私から男の子を奪った……
この出来事が、ルビアに対して執着心を抱くことになったのだ。
ルビアと友人になり、彼女のことを観測する日々を送るレイ。
そして一つの答えにたどり着いた。
絶対に自分の方が可愛いし価値がある、と。
そんなルビアが自分よりも幸せに、自分よりも身分の高い存在になるなんて絶対に許せない。
「どう考えても君が悪いだろ……」
「そうですか? なら、私をどうしますか?」
レイは冷たい視線をラースに向ける。
するとラースはオドオドして、レイの腰に縋り、情けない顔で彼女に訴えかける。
「ど、どうもしない……君をどうこうしようなんて考えていないよ」
「ラース! その女の所為で我らの国は――」
「父上は黙っててください! 彼女の犯した罪というのなら、僕が始末をつけるよ」
ラースはレイに心酔するまでに惚れこんでいた。
レイの本性を知っても、彼女と別れるなどという選択肢は彼には無かったのだ。
そんなラースはレイを見上げ、そして懇願するように言う。
「レイ……僕が全部解決するから、どうかこれからも僕に付いてきてくれ」
「…………」
レイはラースの訴えに、氷のような視線を向けるだけである。
そして今も刻一刻と、国は滅びへと確実に向かっていた。
レイに対して怒りを覚えた精霊たち。
ボルタージュの国からあらゆる精霊が去ってしまったのだ。
水の精霊がいなくなったことにより川が枯れ。
風の精霊がいなくなったことにより淀んだ空気が充満し。
火の精霊がいなくなったことにより人々から活力が失われ。
土の精霊がいなくなったことにより土が痩せていく。
国は凄まじい勢いで衰退していった。
既に国に見切りをつけて去って行った者は多数いる。
土に栄養がないために食料の確保も難しくなっていた。
今も別の国に移り住む者たちが連日いる。
「ひっ……」
土の精霊の力で地震は抑えられていたが、その加護を失ったボルタージュは毎日のように揺れていた。
ラースと国王はそんな状況に、玉座の間で頭を抱えながらレイに問い詰める。
「レイ……君が精霊王に弓を引いたと聞いている。こんなことになってしまったのは、君の所為だ!」
「こんなことになるなんて思ってもいませんでした……でも、悪いのは私ではありません」
そう。
悪いのはあの精霊王だ。
……悪いのはルビアだ。
私より程度の低い女が、なんで私より幸せになろうとしているのよ。
レイはルビアを下に見ているが、彼女に取っ手忘れられない出来事があった。
それは子供の頃の事。
弱々しいレイのことを遠くから見つめている男の子がいた。
レイは子供の頃、すでに自分が可愛く、異性から好意を寄せられているのを理解していたのだ。
沢山いるそんな男の子の中に、レイが気に入っている一人の少年がいた。
だが彼は怪我をしたところルビアに助けられ、彼女に恋をしたのだ。
可愛い私から男の子を奪った……
この出来事が、ルビアに対して執着心を抱くことになったのだ。
ルビアと友人になり、彼女のことを観測する日々を送るレイ。
そして一つの答えにたどり着いた。
絶対に自分の方が可愛いし価値がある、と。
そんなルビアが自分よりも幸せに、自分よりも身分の高い存在になるなんて絶対に許せない。
「どう考えても君が悪いだろ……」
「そうですか? なら、私をどうしますか?」
レイは冷たい視線をラースに向ける。
するとラースはオドオドして、レイの腰に縋り、情けない顔で彼女に訴えかける。
「ど、どうもしない……君をどうこうしようなんて考えていないよ」
「ラース! その女の所為で我らの国は――」
「父上は黙っててください! 彼女の犯した罪というのなら、僕が始末をつけるよ」
ラースはレイに心酔するまでに惚れこんでいた。
レイの本性を知っても、彼女と別れるなどという選択肢は彼には無かったのだ。
そんなラースはレイを見上げ、そして懇願するように言う。
「レイ……僕が全部解決するから、どうかこれからも僕に付いてきてくれ」
「…………」
レイはラースの訴えに、氷のような視線を向けるだけである。
そして今も刻一刻と、国は滅びへと確実に向かっていた。
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